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材料(物性・劣化)

金属・樹脂・セラミックス・複合材料・劣化・難燃

材料に関係する課題と、使える技術・製品をまとめた入口です。

作業台に並んだ鋼のブロック、曲げたアルミ板、樹脂の引張試験片とペレット、白いセラミックスのリング、炭素繊維の板と、奥の引張試験機のイラスト
AI(ChatGPT)で生成したイメージ画像

材料の課題から探す

困りごと課題
軽く・強く・かたくしたい薄く軽くすると強度が足りない鉄をアルミ・樹脂・複合材に替えて軽くしたい繰り返し荷重・熱サイクルで割れる
劣化・腐食・摩耗を防ぎたい錆びる・腐食する紫外線・薬品で劣化する摺動部がすり減る塗装・めっきが剥がれる電池の劣化を抑えたい
燃えない・安全・規制に合う材料にしたい燃えにくくしたい・発火を防ぎたい電池の熱暴走・発火を防ぎたい人や食品に触れても安全にしたいPFAS・鉛を使わずに作りたい
材料を調べたい・寿命や壊れた原因を知りたい成分・物性を調べたい加速試験で寿命を見積もりたい壊れた原因を知りたい
材料のコスト・加工・調達・リサイクル材料費を下げたい加工しやすい形状にしたい工程を減らせる設計にしたい分解・リサイクルしやすくしたいレアアースを使わずに作りたい

課題ごとの解決技術は、下の「材料の課題と、解決する技術」にまとめています。

軽くしたい、長持ちさせたい、燃えにくくしたい、コストを下げたい。製品の困りごとの多くは、どの材料を選び、どう使うかに行き着きます。同じ形でも、材料が変われば重さ・かたさ・寿命・価格が変わります。

このページは、材料の問題に向き合う技術者のための入口です。「強さ」と「かたさ(剛性)」の違いなど物性の基本と、材料の選び方を押さえたうえで、金属・樹脂とゴム・セラミックスと複合材料・劣化・難燃の5つのテーマごとに、特長と注意点をまとめました。最後に、材料に関係する課題・技術・製品のページへつないでいます。

この分野で扱うテーマ

イラストはAI(Claude)で作成したイメージです。

基本の考え方

材料の性質(物性)は、まず引張試験の応力-ひずみ線図で押さえます。試験片を引っ張り、断面積あたりの力(応力)と、伸びの割合(ひずみ)の関係を描いたものです。

引張試験の応力-ひずみ線図の模式図。原点から直線で上がる弾性の範囲、その傾きがヤング率、降伏点・耐力、いちばん高い応力の引張強さ、破断までの伸びを示す
図1 引張試験の応力-ひずみ線図(金属の例)
AI(Claude)で作成
用語意味
弾性力を除くと、ばねのように元の形に戻る範囲
ヤング率(弾性率)弾性の範囲の直線の傾き。大きいほど、同じ力を加えても変形しにくい(剛性が高い)
降伏点・耐力形が元に戻らなくなり始める応力。降伏点(降伏現象)がはっきり出るのは一部の鉄鋼材料だけで、アルミや樹脂などほとんどの材料では出ない。そうした金属では、オフセット法で求める耐力(0.2% 耐力など)を使う
引張強さ引張試験でいちばん大きい力に対応する応力。材料が耐えられる最大の応力
破断伸び試験片が切れたときの伸び。大きいほど、壊れる前に伸びる(ねばりがある)

出典:応力-ひずみ線図|島津製作所、技術シート No.26-12 引張試験による耐力の算出|大阪産業技術研究所

「強さ」と「かたさ(剛性)」は別のもの

よくある誤解が「強い材料にすれば、たわみも減る」というものです。鉄鋼材料のヤング率は、ふつうの軟鋼でも高強度の鋼でも約206GPa(炭素鋼・低合金鋼でおおむね200〜210GPa)で、強さ(降伏点や引張強さ)を2倍、3倍にしても、たわみにくさは変わりません。強い鋼にしたからと板を薄くすると、強度は足りても剛性が足りず、たわみが増えます。焼入れ・焼戻しをしても、硬さは変わりますがヤング率は変わりません。

高強度の鋼とふつうの鋼は応力-ひずみ線図の傾きが同じで高さだけ違い、アルミニウム合金は傾きが小さいことを示す模式図
図2 「強さ」と「かたさ(剛性)」は別のもの
AI(Claude)で作成

たわみを減らすには、ヤング率の大きい材料にするか、形(断面)を変えて曲がりにくくします。形で剛性を上げる方法は、課題ページ「薄く軽くすると強度が足りない」で解説しています。

出典:ヤング率(縦弾性係数)とは|ミスミ meviy

重さあたりで比べる

軽くしたいときは、ヤング率や強さを密度で割った「重さあたり」の値で比べます。代表的な金属では、ヤング率を密度で割った値がどれも24〜26前後にそろいます。軽い金属は、そのぶん柔らかいということです。

炭素鋼・SUS304・純チタン・A5052・AZ31・アルミナ・ポリカーボネートのヤング率と、ヤング率を密度で割った値を比べた横棒グラフ。金属は24〜26にそろい、アルミナは81、ポリカーボネートは2
図3 ヤング率と、重さあたりのかたさ(代表値)
AI(Claude)で作成
材料密度[g/cm³]ヤング率[GPa]線膨張係数[×10⁻⁶/K]出典
炭素鋼(S45C・S50C)7.85(S50C)205(S45C)11.9(S50C、20〜200℃)プロテリアル特殊鋼、ミスミ
ステンレス鋼 SUS3048.0320316.5大阪富士工業
純チタン4.511088.4大阪富士工業
アルミニウム合金 A5052-H322.687023.8大阪富士工業
マグネシウム合金 AZ311.784526.8大阪富士工業
アルミナ(99%)3.973207.2(40〜400℃)京セラ
ポリカーボネート(非強化)1.202.468KDA

値は各社が示す代表値で、保証値ではありません。等級・温度・加工の状態で変わるので、設計では使う材料のデータシートの値を使います。熱伝導率は分野「熱」の表にまとめています。

出典:各種材料との比較|大阪富士工業(マグネシウム合金)、物理的特性|プロテリアル特殊鋼、ヤング率(縦弾性係数)とは|ミスミ meviy、比重(密度)|京セラ ファインセラミックス、ヤング率|京セラ ファインセラミックス、熱膨張(平均線膨張率)|京セラ ファインセラミックス、PC(ポリカーボネート)樹脂の物性値|KDA

材料の選び方の進め方

材料選びは、求める性能を先に書き出し、満たさない候補から外していくと、筋道立てて検討できます。

材料の選び方5段階の図。求める性能を書き出す、候補を絞る、比べる、試作と試験で確かめる、量産と調達を確かめる。足りなければ前の段階に戻る
図4 材料の選び方の流れ(編集部の整理)
AI(Claude)で作成
  1. 求める性能を書き出す:かかる力、使う温度、触れる薬品や水、屋外か、何年使うか。法規(食品に触れる、有害物質の規制など)、コスト、量も書きます。
  2. 候補を絞る:物性表や規格を見て、条件を満たさない材料を外します。
  3. 比べる:重さあたりの強さ・剛性、加工のしやすさ、価格で比べます。
  4. 試作と試験で確かめる:引張・疲労・耐候・燃焼など、使う条件に近い試験で確かめます(後の「材料を調べる・確かめる」を参照)。
  5. 量産と調達を確かめる:入手しやすさ、ロットによるばらつき、代わりの材料も確かめます。

計算例:同じかたさの板を、別の材料で作ると

板の曲がりにくさ(曲げ剛性)は「ヤング率×厚さの3乗」に比例します。そこで、厚さ1mmの炭素鋼の板と同じだけ曲がりにくい板を、ほかの材料で作るときの厚さと重さを計算しました。アルミニウム合金なら厚さ約1.43mmで重さは約0.49倍、マグネシウム合金なら約1.66mmで約0.38倍です。ヤング率が小さい材料でも、厚くすれば同じかたさで軽くできることがわかります。(編集部の計算。値は上の表の代表値で、強度・形・加工・価格は考えていません)

炭素鋼1mmの板と同じ曲げのかたさにしたときの厚さと重さ。A5052は1.43mmで0.49倍、AZ31は1.66mmで0.38倍、ポリカーボネートは4.40mmで0.67倍
図5 同じ「曲げのかたさ」の板にしたときの厚さと重さ(編集部の計算)
AI(Claude)で作成

ただし、厚くできる空間があるか、強さ・疲労・熱・価格が足りるかは別に確かめます。

金属

引っ張られた金属の棒が、切れる前に中央で細く伸びて変形しているイメージ
金属:壊れる前に伸びて変形するイメージ(AI[ChatGPT]で生成)

金属は、強くてねばりがあり、壊れる前に伸びて変形するのが特長です。一方で、重さ・錆・くり返しの力による疲労に注意します。

材料特長注意点
炭素鋼・合金鋼強い。焼入れなどの熱処理で硬さを変えられる(ヤング率は変わらない)錆びる。重い(S50C の密度は7.85)
ステンレス鋼錆びにくい電位の低い金属(炭素鋼など)と水の中で触れると、相手の腐食を進める
アルミニウム合金密度が鋼の約3分の1で軽いヤング率も鋼の約3分の1で、たわみやすい
チタン密度が鋼の約6割で、純チタンの引張強さは400MPa(表の出典の代表値)ヤング率は鋼の約半分
マグネシウム合金表の金属の中でいちばん軽い(AZ31 の密度1.78)ヤング率は鋼の約2割(45÷205)

密度・ヤング率・引張強さは、前の「基本の考え方」の表と同じ出典の代表値によります。

出典:各種材料との比較|大阪富士工業(マグネシウム合金)、ヤング率(縦弾性係数)とは|ミスミ meviy

くり返しの力で割れる:疲労

くり返し曲げられながら回る段付きの軸で、段の角から細い疲労の割れが進んでいるイメージ
疲労:強度以下の力でも、くり返しで割れが進むイメージ(AI[ChatGPT]で生成)

金属疲労は、材料の強度以下の力でも、くり返しかかることで壊れる現象です。目で見てほとんど変形がわからないまま進み、ある時突然壊れます。金属製品・部品の破損の7〜8割は疲労によるものといわれています。多くの鉄鋼材料では、くり返し数が10⁶〜10⁷回のあたりから、それ以上くり返しても壊れない応力の下限(疲労限度)が現れます。

疲労の対策(応力集中を下げる、表面に圧縮の残留応力を入れる、表面硬化など)は、課題ページ「繰り返し荷重・熱サイクルで割れる」で解説しています。

出典:炭素鋼の疲労特性調査(年報)|広島市工業技術センター

違う金属が触れると、片方が先に腐食する

水などの中で、電位の違う2つの金属が触れていると、電池ができて、電位の低い(卑な)金属が先に腐食します。これを異種金属接触腐食(ガルバニック腐食)といいます。たとえば、ステンレス鋼と炭素鋼を接触させると、炭素鋼の腐食が進みます。電位の差が大きい組み合わせでは、間を絶縁します。

炭素鋼の板にステンレス鋼のボルトを締め、水の膜でつながると、ボルトのまわりの炭素鋼が先に腐食することと、対策の例を示す模式図
図6 異種金属接触腐食のしくみ(模式図)
AI(Claude)で作成

出典:ステンレス鋼管と異種金属とを接続する場合の絶縁施工について|ステンレス協会

樹脂・ゴム

樹脂は軽く、成形で複雑な形を作りやすい材料です(編集部の解説)。一方で、金属と比べてヤング率が小さく、温度・時間・水分で性質が変わりやすいことに注意します(表のポリカーボネートのヤング率は2.4GPaで、鋼の約85分の1)。

樹脂の分類のピラミッド。下から汎用樹脂(PE・PP・PS・ABS)、エンプラ(100℃以上の長期の耐熱性と40MPa以上の引張強さが目安、POM・PC・PA・PET)、スーパーエンプラ(150℃以上の耐熱性が目安、PEEK・PTFE・LCP・PPS)
図7 樹脂のおおまかな分け方
AI(Claude)で作成

エンジニアリングプラスチック(エンプラ)には明確な定義はありませんが、おおよその目安は、100℃以上の長期の耐熱性と40MPa以上の引張強さです。さらに耐熱性の高いスーパーエンプラは、150℃以上の耐熱性が目安のひとつです。樹脂の耐熱の指標(荷重たわみ温度・ガラス転移温度など)は、分野「熱」の耐熱の節で解説しています。

出典:エンプラ(エンジニアリングプラスチック)とは|ミスミ meviy、エンジニアリングプラスチックってなに?|プラスチック循環利用協会

樹脂で気をつけること

現象どういうことか例と対策
吸水ポリアミド(ナイロン)は、ほかの熱可塑性樹脂より吸水しやすく、吸水すると寸法が変わり、強さ・弾性率が下がるメーカーのデータシートには、乾いた状態と吸水した状態の値が並べて書かれている。使う湿度での値で設計する
クリープ長い時間、力をかけ続けると、少しずつ変形が進む建材などで重大な事故につながることがある。長い時間のデータで確かめる(ねじで締めた樹脂部品のゆるみなども、編集部が考える例)
環境応力割れ(ESC)力がかかった状態で、ある種の薬品(とくに有機溶剤)に触れると、ひびが入って割れる大阪産業技術研究所の技術シート(1998年)では、同研究所に寄せられたプラスチックの割れのクレームの原因の8割以上が ESC。溶剤などの薬品と、かかっている力に注意する
時間とともに樹脂の変形が進むクリープの曲線。力が大きい・温度が高いと変形が速く進み破断する。例としてねじで締めた樹脂部品の締め付けがゆるむ
図8 樹脂のクリープ(模式図)
AI(Claude)で作成

出典:ウルトラミッド 製品カタログ|BASF、ナイロン6樹脂 吸水率と寸法変化|ユニチカ、再生プラスチックの耐久性予測(令和6年度 成果)|北海道立総合研究機構 工業試験場、技術シート No.98037 プラスチックの環境応力割れ|大阪産業技術研究所

ゴムの劣化は「硬くなる」か「柔らかくなる」

劣化したゴムのOリング。左は硬くもろくなってひび割れ・崩れ、右はべとべとに溶けたようになっているイメージ
ゴムの劣化:硬くもろくなるか、べとべとに溶けるイメージ(AI[ChatGPT]で生成)

ゴム部品の劣化は、大きく2つに分かれます。オゾンや塩素系の薬剤、銅などで硬くもろくなり、粉のようにぼろぼろになる劣化と、光や酸・アルカリで分子のつながりが切れ、べとべとに溶けたようになる劣化です。シールやパッキンでは、使う薬品・温度に合うゴムの種類を選ぶことが大切です(編集部の解説)。

出典:ゴム成形部品の不具合原因調査・解析|JFEテクノリサーチ

セラミックス・複合材料

ファインセラミックスは、硬く、熱に強く、電気を通しにくいのが特長です。アルミナは高い耐熱性、高い強度と硬さ、電気絶縁性、耐食性を持ち、広く使われています。表のとおり、アルミナのヤング率は鋼より大きく、密度は鋼の約半分です。

ハンマーで打たれたセラミックスの板が、曲がらずに鋭い割れで割れているイメージ
セラミックス:硬いが、大きすぎる力ですぐに割れるイメージ(AI[ChatGPT]で生成)

一方で、硬い反面もろい性質があり、大きすぎる力が加わるとすぐに壊れます。そのため、機械的な衝撃がかからないように設計します。

出典:ファインセラミックスの強さ-硬度|京セラ ファインセラミックスワールド、アルミナ(セラミックスの材料)|京セラ、ファインセラミックスの強さ-靭性|京セラ ファインセラミックスワールド、ファインセラミックス部品の設計ポイント|京セラ

繊維強化複合材料は「向き」で性質が変わる

炭素繊維強化プラスチック(CFRP)は、樹脂に炭素繊維を入れて強くした材料です。繊維の向きには強いが、繊維を横切る向きの力には弱いという性質(異方性)があります。一方向に繊維をそろえた CFRP の例では、繊維の向きの弾性率が500GPa、強度が2,000MPaなのに対し、直角の向きは弾性率5GPa、強度35MPaでした。このため、力の向きに合わせて繊維の向きを決め、重ねて(積層して)設計します。

左は一方向の繊維強化複合材料で、繊維の向きに引くと強く、直角に引くと弱いこと。右はセラミックスが伸びずに突然割れ、金属は伸びてから壊れることを示す応力-ひずみ線図の模式図
図9 複合材料は向きで、セラミックスは壊れ方で注意する(模式図)
AI(Claude)で作成

出典:CFRP の異方性(コラム)|テックラボ、ファインセラミックス部品の設計ポイント|京セラ

劣化(耐候・耐薬品・腐食)

材料は、使っているうちに周りの環境で性能が落ちていきます。何が原因で、どの材料が、どう変わるかを先に押さえると、対策と試験を選びやすくなります。

劣化の原因と影響を受けやすい材料、現れ方の一覧。紫外線・熱・薬品・水分と塩分・違う金属の接触・オゾンと力のくり返し
図10 劣化の原因と、現れ方(編集部の整理)
AI(Claude)で作成

紫外線による劣化と、添加剤

屋外で日の当たる塗装したパネルの上側が、色あせてひび割れ・はがれているイメージ
紫外線:屋外の樹脂や塗装が劣化するイメージ(AI[ChatGPT]で生成)

屋外で使う樹脂や塗装は、紫外線で劣化することがあります(編集部の解説)。塗料では、対策の一つが添加剤で、紫外線吸収剤(UVA)と光安定剤(HALS)があります。HALS は基本的に紫外線を吸収する働きがなく、UVA と働きが違うため、添加剤メーカーの BASF は、塗料向けにこの2つの併用を勧めています。屋外で使う材料の選び方・試験は、課題ページ「紫外線・薬品で劣化する」で解説しています。

出典:紫外線吸収剤(UVA)と光安定剤(HALS)|BASF ジャパン

金属の腐食

水が抜けない鋼の溝の底で、水がたまった所から錆が進んでいるイメージ
腐食:水がたまる所から錆が進むイメージ(AI[ChatGPT]で生成)

金属の錆・腐食は、水分・塩分・酸素がそろうと進みます。耐食材料を選ぶ、めっき・塗装で表面を守る、水がたまらない形にする、違う金属の組み合わせを避ける(前の「金属」の節を参照)、が対策の柱です。対策ごとの詳しい内容と企業は、課題ページ「錆びる・腐食する」で解説しています。

難燃

電気製品などに使う樹脂は、燃えにくさをUL94 の等級で示すことが多くあります。燃えやすい順に HB、V-2、V-1、V-0 で、さらに強い炎で試す 5VB・5VA があり、5VA がもっとも厳しい等級です。

UL94の等級をHB・V-2・V-1・V-0・5VB/5VAの順に階段で並べた図と、V-2・V-1・V-0の垂直燃焼試験の判定(1回の接炎後の燃焼時間30秒・30秒・10秒、合計250秒・250秒・50秒、落ちた粒で綿が燃えてよいか)の表
図11 UL94 の燃えにくさの等級
AI(Claude)で作成
判定(垂直燃焼試験)V-2V-1V-0
1回の接炎後に燃えている時間(どの試験片も)30秒以内30秒以内10秒以内
10回接炎した後の燃焼時間の合計250秒以内250秒以内50秒以内
燃えて落ちた粒で、下の脱脂綿が燃える可不可不可
2回目の炎を離したあと燃えている時間60秒以内60秒以内30秒以内
試験片を保持した位置まで燃える不可不可不可

難燃剤は、臭素系・リン系・無機系(三酸化アンチモン、水酸化マグネシウムなどの金属水酸化物)・窒素系に分けられ、使う樹脂によって選ばれています。ハロゲンを含まない難燃剤の選び方や、燃え広がりを防ぐ材料は、課題ページ「燃えにくくしたい・発火を防ぎたい」で解説しています。

出典:難燃性UL94規格|タキゲン製造、主要難燃剤の種類と用途|日本難燃剤協会

材料を調べる・確かめる

材料の性能は、知りたいことに合った試験・分析で確かめます。カタログの値は決まった条件で測った代表値なので、使う条件(温度・湿度・薬品・くり返し)に近い条件で確かめることが大切です。

知りたいことから試験を選ぶ図。力には引張・曲げ・硬さ試験、くり返しや衝撃には疲労・衝撃試験、熱には熱分析と荷重たわみ温度、屋外や薬品には促進耐候・浸せき・塩水噴霧試験、燃えにくさには燃焼試験、成分や壊れた原因には成分分析と破面の観察
図12 知りたいことから、試験・分析を選ぶ(編集部の整理)
AI(Claude)で作成
硬さ試験押し付けるもの規格
ビッカース硬さダイヤモンドの正四角すい(頂角136°)JIS Z 2244
ロックウェル硬さダイヤモンドの円すい(頂角120°)または鋼球JIS Z 2245
ブリネル硬さ超硬合金球または鋼球JIS Z 2243
ショア硬さダイヤモンドのハンマを一定の高さから落とし、はね返りで測るJIS Z 2246

硬さには絶対的な単位がなく、試験の方法ごとに値が違います。目安として、ほかの硬さに換算できます。成分・物性の分析の種類と依頼先は課題ページ「成分・物性を調べたい」、壊れた部品の調べ方は「壊れた原因を知りたい」、寿命の見積もりは「加速試験で寿命を見積もりたい」で解説しています。

出典:硬さ試験|JFEテクノリサーチ

よく使う用語

材料の用語を、力に対して(強さ・かたさ・硬さ・ねばり)、熱に対して(熱伝導率・線膨張係数・耐熱・燃えにくさ)、時間・環境に対して(疲労・クリープ・劣化・腐食)の3つに分けた図
図13 材料の用語は「何に対する性質か」で分けると覚えやすい
AI(Claude)で作成
用語意味単位
応力断面積あたりにかかる力MPa(N/mm²)
ひずみもとの長さに対する伸び縮みの割合—(%)
ヤング率(縦弾性係数)弾性の範囲で、応力をひずみで割った値。たわみにくさの目安GPa
引張強さ引張試験で材料が耐えられる最大の応力MPa
降伏点・0.2% 耐力形が元に戻らなくなり始める応力MPa
硬さ表面に押し付けたときのへこみにくさ。試験の方法ごとに値が違うHV・HRC など
靭性(じんせい)割れに対する抵抗力・ねばり強さ。セラミックスは小さい—
密度1cm³ あたりの質量g/cm³
線膨張係数温度が1K変わったときの長さの変化の割合1/K
疲労限度それ以下なら、くり返しても壊れない応力の下限MPa
クリープ一定の力をかけ続けると、時間とともに変形が進むこと—
異方性向きによって性質が違うこと。繊維強化複合材料で大きい—
エンプラ耐熱性・強さを高めた樹脂。明確な定義はない—

出典:応力-ひずみ線図|島津製作所、ヤング率(縦弾性係数)とは|ミスミ meviy、硬さ試験|JFEテクノリサーチ、ファインセラミックスの強さ-靭性|京セラ ファインセラミックスワールド、炭素鋼の疲労特性調査(年報)|広島市工業技術センター、CFRP の異方性(コラム)|テックラボ、エンプラ(エンジニアリングプラスチック)とは|ミスミ meviy

材料の課題と、解決する技術

このサイトは、課題から、それを解決する技術と企業を探せるようにしています。困りごとに近い課題を選ぶと、課題ページで原因・解決技術・その技術を持つ企業がわかります。緑のボタンは、課題ページの中でその技術を解説している節へ直接移ります。

材料に関係する技術

反対に、技術から探すときの一覧です。その技術で解決できる課題を並べています。

技術何をするか解決できる課題
材料の置き換え(軽量化・低コスト)鋼からアルミ・マグネシウム・樹脂へ、高価な材料は必要な所だけに薄く軽くすると強度が足りない材料費を下げたい
繊維強化複合材料(CFRP・GFRP)繊維の向きを力に合わせ、軽くて強い部品にする薄く軽くすると強度が足りない
表面硬化・熱処理表面だけを硬くして、摩耗や疲労に強くする摺動部がすり減る繰り返し荷重・熱サイクルで割れる
DLC・低摩擦コーティング硬く滑りやすい膜で、摩耗と摩擦を減らす摺動部がすり減る
めっき・塗装・ライニング表面を覆って、錆・薬品から守る錆びる・腐食する錆びる・腐食する紫外線・薬品で劣化する
耐候・耐薬品の材料と添加剤紫外線吸収剤・HALS、薬品に強い樹脂・ゴムを選ぶ紫外線・薬品で劣化する紫外線・薬品で劣化する
難燃剤・難燃グレードの樹脂樹脂を燃えにくくする燃えにくくしたい・発火を防ぎたい燃えにくくしたい・発火を防ぎたい
規制に合う代わりの材料PFAS・鉛を使わない材料に置き換えるPFAS・鉛を使わずに作りたいPFAS・鉛を使わずに作りたいPFAS・鉛を使わずに作りたい
成分・物性の分析何でできているか、どれだけの力・熱に耐えるかを測る成分・物性を調べたい成分・物性を調べたい壊れた原因を知りたい
促進試験・寿命の見積もり温度・光・湿度を強めて劣化を早め、寿命を見積もる加速試験で寿命を見積もりたい紫外線・薬品で劣化する
再生材・材料の判別材料の種類をそろえ、見分けて、再生材として使う分解・リサイクルしやすくしたい分解・リサイクルしやすくしたい

材料に関係する製品

ほかの分野:熱(耐熱・熱膨張・熱伝導率の表)

出典・参考

情報の確認日:2026年10月1日 本ページの内容は一般的な説明で、実際の値は材料の等級・形状・使用条件により異なります。図とテーマのイラストはAI(Claude)で作成した概念図、冒頭の画像はAI(ChatGPT)で生成したイメージ画像です。

材料(物性・劣化)に関係する課題

材料(物性・劣化)に関係する技術

材料(物性・劣化)の技術の基礎知識

ほかの分野