流体・熱

バルブ・シール

液漏れ・ゴムのへたり・水撃・防水・劣化など

フランジ・O リング・回転軸からの液漏れ、ゴムのへたり、ウォーターハンマー、電子機器の防水、紫外線・薬品による劣化など、バルブ・シールの課題と解決する技術をまとめています。

ボルトで締めたフランジの間のガスケットとにじむ液、仕切弁、溝に入った O リングと外したカバーのイメージ
AI(ChatGPT)で生成したイメージ画像

バルブ・シールの課題から探す

課題目的困りごと
液漏れ・気密不良を防ぎたい品質・信頼性フランジ・O リング・ポンプの回転軸・ケースの合わせ面から、液やガスが漏れる
ゴム部品がへたる・硬くなる(圧縮永久ひずみ)を防ぎたい品質・信頼性O リング・パッキンがつぶれたまま戻らない。熱で硬くなる、油で膨らむ
ウォーターハンマー(水撃)を防ぎたい品質・信頼性弁を閉めたとき・ポンプが止まったときに「ドン」と鳴り、配管が揺れる
電子機器を防水・防じんにしたい品質・信頼性ケースの合わせ面やケーブルの引き込み口から、水や粉じんが入る。中で結露する
紫外線・薬品で劣化する品質・信頼性屋外や薬品にさらされるシール・パッキンが、硬くなる・ひび割れる・膨らむ
エアシリンダーを電動に置き換えたいコストダウンエアの電気代を減らしたい。エア漏れのむだも気になる
人や食品に触れても安全にしたい安全食品に触れるホース・継手・パッキンの材料が、法律に合っているか確かめたい

課題ごとに効く技術は、下の「課題と技術のマトリクス」にまとめています。

バルブは配管の中の流れを止める・調整する・逆流を防ぐ部品、シールは部品と部品のすき間から液やガスを漏らさない部品です。ガスケット・O リング・パッキン・メカニカルシールなどがあります。このページでは、バルブ・シールの困りごとを液漏れ・ゴムのへたり・水撃・防水・紫外線や薬品による劣化の5つに分けて整理しました(編集部の整理)。

漏れの多くは、部品そのものより、材料の選び方、溝のつぶし方、ボルトの締め方、弁の閉め方といった「選び方と使い方」から起きます(編集部の解説)。よくある課題と、それを解決する技術(材料の選定、溝と締め付けの設計、回転軸のシール、液状ガスケット・含浸・防水部品、弁と止め方、試験・検査)、バルブとシールの種類、選ぶときに確かめることをまとめ、関係する技術を持つ企業を紹介します。

バルブ・シールの企業(早見表)

企業材料溝・
締め付け
回転軸液状
ガスケット
弁・
水撃
漏れの
検査
ダイコーO リング・ガスケットの選び方と締め方●●
三菱電線工業圧縮永久ひずみの小さい EPDM●
タンケンシールセーコウメカニカルシールの製作・修理●
シールエンド液状ガスケット(液体パッキング)●
イシザキばねで逆流の前に閉まる逆止弁●
フクダエアリーク・ヘリウムの漏れ検査●

●は、各社の公式サイトで確認できた得意分野です(空欄は、扱っていないという意味ではありません)。社名を押すと、その会社の紹介へ移ります。

バルブ・シールでよくある課題

課題が起きる場所は、配管のフランジ、弁と逆止弁、ポンプの回転軸、装置のカバーの合わせ面、電子機器のケースとケーブルの引き込み口などです(編集部の整理)。どこから漏れるか、どんな条件で劣化するかを分けると、打つ手が見えてきます。

ポンプの回転軸・逆止弁・仕切弁・フランジ・装置のカバー・電子機器の箱で、バルブ・シールの課題が起きる場所を番号で示した図
図1 バルブ・シールの課題が起きる場所
出典:編集部の整理をもとに AI(Claude)で作成(機器の形・配置は模式)
課題何が起きているか主に効く技術
液漏れ・気密不良を防ぎたいガスケットや O リングを押し付ける力が足りなくなってすきまが開く、回転軸の摺動面が傷む、鋳物の巣が漏れの通り道になる材料の選定、溝と締め付けの設計、メカニカルシール、液状ガスケット・含浸、リークテスト
ゴム部品がへたる・硬くなる(圧縮永久ひずみ)を防ぎたい長くつぶされたゴムが元に戻らなくなり(圧縮永久ひずみ)、押し返す力が弱まる。熱・油・寒さでも性質が変わる材料の選定、溝の設計、寿命の試験
ウォーターハンマー(水撃)を防ぎたい弁を急に閉めたり、ポンプが急に止まったりすると、高い圧力の波が管を往復する弁と止め方、計算・解析と圧力の測定
電子機器を防水・防じんにしたい合わせ面・ケーブル・ボタンのすき間から水が入る。温度の変化で中と外に圧力の差ができ、水や湿気を吸い込む溝と締め付けの設計、ケーブルグランド・通気フィルター、IP 試験
紫外線・薬品で劣化する紫外線・オゾン・油・薬品で、ゴムや樹脂が硬くなる・ひび割れる・膨らむ材料の選定、耐オゾン性の試験と劣化の分析

「何が起きているか」は各課題ページの解説、「主に効く技術」の列は、下のマトリクスと各節の内容をもとにした編集部の整理です。

出典:O リング完全ガイド|ダイコー、O リング 総合カタログ(Cat.No.051)|NOK、ダクタイル鉄管の設計(Chapter5)|日本ダクタイル鉄管協会、GORE プレッシャーベント(カタログ、2024年)|日本ゴア、ゴムの特性・耐油性・耐溶剤性・耐薬品性の一覧表|ゴム助

このほか、バルブ・シールに関係する課題として、「エアシリンダーを電動に置き換えたい」、「人や食品に触れても安全にしたい」も解説しています。

課題と技術のマトリクス

よくある課題に対して、どの技術が効くかをまとめました。記号の理由と出典は表の下にあります。

よくある課題材料の選定(ゴム・樹脂)溝と締め付けの設計(つぶし率・面圧)回転軸のシール(メカニカルシール)液状ガスケット・含浸・防水部品弁と止め方(緩閉・逆止弁・水撃防止器)試験・検査(リークテスト・寿命・IP)
液漏れ・気密不良を防ぎたい◎◎◎◎◎
ゴム部品がへたる・硬くなる(圧縮永久ひずみ)を防ぎたい◎◎◎
ウォーターハンマー(水撃)を防ぎたい◎◎
電子機器を防水・防じんにしたい◎◎◎
紫外線・薬品で劣化する◎○

◎:第一候補 ○:有効 △:条件によって有効 空欄:公開資料で直接の関係を確認できなかった組み合わせ。一般的な傾向で、効果を保証するものではありません。

記号の理由と出典

課題技術記号理由と出典
液漏れ・気密不良を防ぎたい材料の選定(ゴム・樹脂)◎O リングの漏れで現場に多い原因の一つが圧縮永久ひずみ(へたり)で、耐熱性の高い材質への変更などが対策になる。ポンプのメカニカルシールでも、高温の液で中の O リングが硬くなって漏れることがある(出典:O リング完全ガイド|ダイコー、メカニカルシールの漏れの原因|伏虎金属工業)
液漏れ・気密不良を防ぎたい溝と締め付けの設計(つぶし率・面圧)◎O リングのつぶし率は8〜30%の範囲が適正で、40%以上では破損のおそれがある。フランジのボルトは対角方向に交互に締めることを基本とし、段階的に締付力を上げる(出典:O リングのつぶし代とつぶし率|桜シール、熱影響を考慮したフランジ継手の締付管理に関するガイドライン(PDF)|石油産業活性化センター、段階締付の検討(PDF)|バルカー技術誌 No.37)
液漏れ・気密不良を防ぎたい回転軸のシール(メカニカルシール)◎メカニカルシールは、軸と一緒に回る回転環と回らない固定環の摺動面で、回る軸からの漏れを最小限にする部品。漏れを完全に止めるものではない(出典:メカニカルシールの基礎|モーノポンプ)
液漏れ・気密不良を防ぎたい液状ガスケット・含浸・防水部品◎液状ガスケットは液体なので面の凹凸に浸透し、固まっても弾性を保つ。鋳物・ダイカストの巣からの漏れは、真空含浸で漏れの経路をふさぐ(出典:液状ガスケット|モーノディスペンサー、真空含浸|Godfrey & Wing)
液漏れ・気密不良を防ぎたい試験・検査(リークテスト・寿命・IP)◎ヘリウムリークテストは最も高感度で信頼性が高いとされ、検知レベルの目安は方法によって10⁻² から10⁻¹¹ Pa·m³/s まで大きく違う。漏れの場所を見つけ、対策の効果を確かめるのに使う(後半は編集部の解説)(出典:ヘリウムリークテスト(PDF)|日本溶接協会「軽金属溶接」Vol.50 No.4)
ゴム部品がへたる・硬くなる(圧縮永久ひずみ)を防ぎたい材料の選定(ゴム・樹脂)◎材料ごとに使用温度の目安と、圧縮永久ひずみの規格値がある。同じゴムでも架橋(加硫)のしかたで、圧縮永久ひずみ(70℃×22時間)の代表値が30%から10%まで変わる(出典:O リング 総合カタログ(Cat.No.051)|NOK、ゴム架橋(加硫)について|DJK)
ゴム部品がへたる・硬くなる(圧縮永久ひずみ)を防ぎたい溝と締め付けの設計(つぶし率・面圧)◎つぶし率が大きいほど圧縮永久ひずみが大きくなり、おおよそ40%以上では圧縮割れのおそれがある。耐久性・へたりを考えると、圧縮率はおおよそ18〜30%がよいとする解説がある(出典:O リング 総合カタログ(Cat.No.051)|NOK、技術セミナー O リング・オイルシール技術講座 第1回「O リング設計選定」|サカエ)
ゴム部品がへたる・硬くなる(圧縮永久ひずみ)を防ぎたい試験・検査(リークテスト・寿命・IP)◎使う温度より高い温度で試験し、アレニウスの式で寿命を見積もる。ニトリルゴムの O リングが120℃で400時間で CS 80%に達した結果から、80℃での寿命を約9,200時間と予測した例がある(出典:品質 News Vol.034「O リングの寿命予測」|松本産業)
ウォーターハンマー(水撃)を防ぎたい弁と止め方(緩閉・逆止弁・水撃防止器)◎バルブを急開・急閉塞するとウォーターハンマーが発生するので、開閉時間を長く取る。閉止する器具の直近に水撃防止器を付ける。ポンプの逆止弁は、逆流が始まる前に閉じればよいので、スプリング式などに替える(出典:ダクタイル鉄管の設計(Chapter5)|日本ダクタイル鉄管協会、ウォーターハンマ(水撃)の発生要因と対策について(水道技術ジャーナル2008年7月)|水道技術研究センター)
ウォーターハンマー(水撃)を防ぎたい試験・検査(リークテスト・寿命・IP)◎閉める時間と圧力波の往復時間(2L/a)で急閉か緩閉かを判定し、複雑な管路は専用ソフトなどで計算する。実際の管路では、水圧を測って原因の場所を絞り込んだ事例がある(出典:土地改良事業計画設計基準 設計「パイプライン」技術書 8. 非定常的な水理現象の解析|農林水産省、ダクタイル鉄管の設計(Chapter5)|日本ダクタイル鉄管協会、ウォーターハンマーへの対応事例について(横浜市水道局)|水道技術研究センター)
電子機器を防水・防じんにしたい溝と締め付けの設計(つぶし率・面圧)◎合わせ面は、ガスケットや O リングをつぶした反力で漏れを止める。O リングの反力を把握し、それ以上の力でハウジングを締結することが重要で、つぶし率20%・線径3.5mm・硬さ A90 の例で反力は387N(出典:Technical News No.72 UV-Cured-In-Place Gasket(2009年)|スリーボンド、技術ニュース Vol.007 反力測定試験(2022年)|松本産業)
電子機器を防水・防じんにしたい液状ガスケット・含浸・防水部品◎ケーブルの引き込み口はケーブルグランドで止める。メーカーは締め付けトルクの参考値と社内の防水試験の結果を公開している。温度の変化で生じる中と外の圧力の差は、通気フィルター(防水通気膜)でそろえる(出典:技術資料|日本エイ・ヴィー・シー、GORE プレッシャーベント(カタログ、2024年)|日本ゴア、プロテクティブベント PMF シリーズ(イプロス)|タカチ電機工業)
電子機器を防水・防じんにしたい試験・検査(リークテスト・寿命・IP)◎IP コードの等級ごとに決められた試験で、防水・防じんを確かめる。2026年1月に JIS C 60529 が制定された。粉じんの試験と防水の試験で別の試料が必要とする試験所がある(出典:JIS C 60529:2026 電気機械器具の外郭による保護等級(IP コード)(規格票のプレビュー)|日本規格協会、IP 試験|TÜV ラインランド ジャパン)
紫外線・薬品で劣化する材料の選定(ゴム・樹脂)◎ゴムは種類ごとに得意・不得意がはっきりしていて、NBR は鉱物油に強い一方でオゾンに弱く、EPDM は屋外・オゾンに強い一方で鉱物油に弱いとされる。条件に合う種類に替える(出典:ゴムの特性・耐油性・耐溶剤性・耐薬品性の一覧表|ゴム助)
紫外線・薬品で劣化する試験・検査(リークテスト・寿命・IP)○ゴムの耐オゾン性は JIS K 6259 の試験(40℃、オゾン濃度500ppb などの条件)で確かめる。劣化したゴムの分析には FT-IR を使える(出典:ゴムの耐オゾン性の試験(Techno Now)|川崎重工、FT-IR による劣化分析|JAPAN TESTING LABORATORIES)

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主な解決技術

バルブ・シールの課題を解決する代表的な技術です。技術ごとに、しくみと効き方を下で説明します。

技術概要解決できる課題
材料の選定流体・温度・屋外かどうかに合うゴム・樹脂を選び、配合や架橋のしかたも見る液漏れ・気密不良を防ぎたいゴム部品がへたる・硬くなる(圧縮永久ひずみ)を防ぎたい紫外線・薬品で劣化する
溝と締め付けの設計O リングのつぶし率と溝、ガスケットの面圧とボルトの締め方を決める液漏れ・気密不良を防ぎたいゴム部品がへたる・硬くなる(圧縮永久ひずみ)を防ぎたい電子機器を防水・防じんにしたい
回転軸のシールポンプ・撹拌機の回る軸を、メカニカルシールの摺動面で止める液漏れ・気密不良を防ぎたい
液状ガスケット・含浸・防水部品複雑な合わせ面は液状ガスケット、鋳物の巣は含浸、ケーブルはグランド、圧力の差は通気フィルターで止める液漏れ・気密不良を防ぎたい電子機器を防水・防じんにしたい電子機器を防水・防じんにしたい
弁と止め方弁をゆっくり閉め、逆止弁を逆流の前に閉じさせ、水撃防止器や空気槽で圧力の波を和らげるウォーターハンマー(水撃)を防ぎたいウォーターハンマー(水撃)を防ぎたいウォーターハンマー(水撃)を防ぎたい
試験・検査リークテストで漏れを測り、加速試験で寿命を見積もり、IP 試験で防水・防じんを確かめる液漏れ・気密不良を防ぎたいゴム部品がへたる・硬くなる(圧縮永久ひずみ)を防ぎたい電子機器を防水・防じんにしたい紫外線・薬品で劣化する

技術の概要と、つないだ課題は、各節と課題ページの内容をもとにした編集部の整理です。

材料の選定:流体・温度・屋外に合うゴムを選ぶ

ゴムのシールは、使う温度と、触れる流体で材料を絞るのが基本です。NOK の O リング用材料の選定表は、使用温度の目安を、たとえば NBR(A305)で −24〜100℃、EPDM(E116)で −49〜130℃、FKM(F201)で −16〜200℃ としています(低温側は TR10、高温側は空気中での加熱劣化試験を考えた値)。材料の規格には圧縮永久ひずみの上限があり、NBR-70-1(耐鉱物油用)は120℃×72時間で規格40%以下に対して実測13%です(実測値は保証値ではありません)。

O リングの材料ごとの使用温度の目安を横棒で比べた図
図2 O リングの材料ごとの使用温度の目安(課題「ゴム部品がへたる・硬くなる」の図)
出典:O リング 総合カタログ(Cat.No.051)|NOKをもとに AI(Claude)で作成

流体とのなじみも見ます。ゴムは種類ごとに得意・不得意がはっきりしていて、NBR は鉱物油に強い一方でオゾンに弱く、EPDM は屋外・オゾンに強い一方で鉱物油に弱いとされます(ゴム助)。同じ種類のゴムでも、架橋(加硫)のしかたで、へたりやすさが変わります。DJK の技術資料は、圧縮永久ひずみ(70℃×22時間)の代表値を、標準の硫黄加硫で30%、準有効加硫で20%、有効加硫で10%としています。三菱電線工業は、同じ EPDM でも配合を変えて、圧縮永久ひずみを標準品の11%から5%にした材料を開発しています。

出典:O リング 総合カタログ(Cat.No.051)|NOK、ゴムの特性・耐油性・耐溶剤性・耐薬品性の一覧表|ゴム助、ゴム架橋(加硫)について|DJK、耐塩素水性に優れた EPDM の開発(三菱電線工業時報 第108号、2011年)|三菱電線工業

溝と締め付けの設計:つぶし方と面圧を決める

O リングは、溝に入れてつぶすことで漏れを止めます。つぶした量を線径で割ったものがつぶし率で、桜シールは8〜30%の範囲が適正で、40%以上になると破損するおそれがあるとしています。ダイコーは、目安を静的シール(固定用)で15〜30%、動的シール(運動用)で10〜20%程度としています。NOK は、つぶし率が大きいほど圧縮永久ひずみが大きくなるとし、充填率(溝の中を O リングが埋める割合)を中央値75%ねらい・最大90%以下としています。高い圧力では O リングが溝のすきまに食い込む「はみ出し」が起きます。硬い材質を選ぶのが一般的ですが、バックアップリングを併用すると、より優れた耐圧性が得られます(桜シール)。

O リングの溝のつぶし率と充填率を示す断面の図
図3 O リングの溝の「つぶし率」と「充填率」(課題「ゴム部品がへたる・硬くなる」の図)
出典:O リング 総合カタログ(Cat.No.051)|NOK、技術セミナー O リング・オイルシール技術講座 第1回「O リング設計選定」|サカエをもとに AI(Claude)で作成

フランジのガスケットでは、まず締め付けの不均一と、面圧の低下を疑います。石油産業活性化センターのガイドラインは、ボルトの締付けを対角方向に交互に行うことを基本とし、バルカーの技術誌は、段階的に締付力を上げることが推奨されているとしています。ガスケットの種類で面圧の下がり方が違い、ダイコーは、ジョイントシートやふっ素樹脂系は応力緩和が比較的大きく、うず巻形などのセミメタル系・メタル系は小さい傾向にあるとしています。

ガスケットの面圧が時間とともに下がり、漏れる面圧を下回ると漏れることを示す図
図4 ガスケットの面圧が下がって漏れるしくみ(課題「液漏れ・気密不良を防ぎたい」の図)
出典:ガスケットの応力緩和|ダイコー、熱影響を考慮したフランジ継手の締付管理に関するガイドライン(PDF)|石油産業活性化センターをもとに AI(Claude)で作成(線の形は模式で実測値ではない)

電子機器のケースでも考え方は同じです。松本産業の技術ニュースは、O リングの反力を正しく把握し、それ以上の力でハウジングを締結することが重要だとし、つぶし率20%・内径21.8mm・線径3.5mm・硬さ A90 の例で反力を387N としています(NOK のカタログの値)。

出典:O リングのつぶし代とつぶし率|桜シール、O リング完全ガイド|ダイコー、O リング 総合カタログ(Cat.No.051)|NOK、O リングとバックアップリング|桜シール、熱影響を考慮したフランジ継手の締付管理に関するガイドライン(PDF)|石油産業活性化センター、段階締付の検討(PDF)|バルカー技術誌 No.37、ガスケットの応力緩和|ダイコー、技術ニュース Vol.007 反力測定試験(2022年)|松本産業

回転軸のシール:メカニカルシールで回る軸を止める

ポンプや撹拌機の回転軸では、メカニカルシールがよく使われます。軸と一緒に回る回転環と、回らない固定環の、軸に垂直な摺動面が接触しながら回ることで、流体の漏れを最小限にします。漏れを完全に止めるものではありません(モーノポンプ)。

メカニカルシールの回転環と固定環の摺動面と、漏れの主な原因を示す図
図5 メカニカルシールのしくみと漏れの主な原因(課題「液漏れ・気密不良を防ぎたい」の図)
出典:メカニカルシールの基礎|モーノポンプ、メカニカルシールの漏れの原因|伏虎金属工業をもとに AI(Claude)で作成(形は模式)

伏虎金属工業の解説は、漏れの原因として、液がない状態で回して摩擦熱で摺動面が焼き付く空運転、ほこりや配管の異物の噛み込みによる傷、100℃に近い水が摺動面で蒸発して潤滑性がなくなること、高温の液による O リングの硬化などを挙げています。交換しても漏れが再発するときは、運転条件と液の性質を見直します。

出典:メカニカルシールの基礎|モーノポンプ、メカニカルシールの漏れの原因|伏虎金属工業

液状ガスケット・含浸・防水部品:形に合わせて止める

合わせ面の形が複雑なときは、液状ガスケットを使います。液体なので、面の仕上げ粗さに多少の凹凸があっても浸透し、固まっても弾性を保ちます。FIPG は両方の面に接着させるので分解しない所に、CIPG は片側の面だけに接着させるので分解・再組立をする所に使います(モーノディスペンサー)。鋳物・ダイカストの部品の本体の巣から漏れるときは、真空含浸で漏れの経路をふさぎ、従来は廃棄されていた部品を使えるようにします(Godfrey & Wing)。

液状ガスケットの FIPG と CIPG の違いを示す断面の図
図6 液状ガスケットの FIPG と CIPG の違い(課題「液漏れ・気密不良を防ぎたい」の図)
出典:液状ガスケット|モーノディスペンサーをもとに AI(Claude)で作成(形は模式)

電子機器のケーブルの引き込み口は、ケーブルグランドで止めます。日本エイ・ヴィー・シーは、推奨の取付穴径、締め付けトルクの参考値、社内の防水試験の結果を技術資料として公開しています。密閉したケースは、温度が下がると中の圧力が下がって水や湿気を吸い込みます。通気フィルター(防水通気膜)は空気を通して水や粉じんを通さない膜で、圧力の差によるシールへの負担を防ぎます(日本ゴア)。タカチ電機工業は、筐体内の結露防止にも有効だとしています。

ケーブルグランドのナットを締めてゴムのシールでケーブルを締め付けるしくみの図
図7 ケーブルグランドのしくみと注意点(課題「電子機器を防水・防じんにしたい」の図)
出典:技術資料|日本エイ・ヴィー・シーをもとに AI(Claude)で作成(形は模式)

出典:液状ガスケット|モーノディスペンサー、真空含浸|Godfrey & Wing、Technical News No.72 UV-Cured-In-Place Gasket(2009年)|スリーボンド、技術資料|日本エイ・ヴィー・シー、GORE プレッシャーベント(カタログ、2024年)|日本ゴア、プロテクティブベント PMF シリーズ(イプロス)|タカチ電機工業

弁と止め方:圧力の波を立てない・和らげる

日本ダクタイル鉄管協会は、バルブを急開・急閉塞するとウォーターハンマーが発生するので、開閉時間を長く取る必要があるとしています。水撃防止器は、ゴムのダイヤフラムや金属ベローズなどの反対側に所定の圧力の空気や窒素を封入して、水撃を吸収するものです(ベン)。水道技術研究センターは、閉止する器具の直近に取り付けることが重要としています。

水撃防止器とエアチャンバのしくみを示す模式図
図8 水撃防止器とエアチャンバのしくみ(課題「ウォーターハンマー(水撃)を防ぎたい」の図)
出典:よくあるご質問|ベン、土地改良事業計画設計基準 設計「パイプライン」技術書 8. 非定常的な水理現象の解析|農林水産省をもとに AI(Claude)で作成

ポンプの逆止弁の水撃は、逆流が始まる前に逆止弁が閉じればよいので、スイングチャッキにカウンタウェイトを付けたり、スプリング式の逆止弁に替えたりして防げます(水道技術研究センター)。日本ダクタイル鉄管協会は、油圧ダッシュポットを付けた緩閉逆止弁で圧力の上昇を低減できるとしています。

ポンプの逆止弁の方式と、向く所を比べた図
図9 ポンプの逆止弁の方式と、向く所(課題「ウォーターハンマー(水撃)を防ぎたい」の図)
出典:土地改良事業計画設計基準 設計「パイプライン」技術書 8. 非定常的な水理現象の解析|農林水産省、ウォーターハンマ(水撃)の発生要因と対策について(水道技術ジャーナル2008年7月)|水道技術研究センターをもとに AI(Claude)で作成

出典:ダクタイル鉄管の設計(Chapter5)|日本ダクタイル鉄管協会、よくあるご質問|ベン、ウォーターハンマ(水撃)の発生要因と対策について(水道技術ジャーナル2008年7月)|水道技術研究センター、土地改良事業計画設計基準 設計「パイプライン」技術書 8. 非定常的な水理現象の解析|農林水産省

試験・検査:漏れ・寿命・防水を数値で確かめる

漏れの対策には、漏れを見つけて測る方法が欠かせません。日本溶接協会の資料は、検知レベルの目安を、水圧法・石鹸水法で10⁻² Pa·m³/s、水没法で10⁻⁴ Pa·m³/s、ヘリウム吸込み法で10⁻⁷ Pa·m³/s、ヘリウム吹付け法・真空容器法で10⁻¹¹ Pa·m³/s としています。量産のラインでは、空気で加圧して圧力の変化を見るエアリークテスターがよく使われます(コスモ計器)。JIS Z 2330 は、方法ごとの可検リーク量は目安で、実際の感度は装置の製造業者に確認する必要があるとしています。

リークテストの方法ごとの検知レベルの目安を比べた図
図10 リークテストの方法ごとの検知レベルの目安(課題「液漏れ・気密不良を防ぎたい」の図)
出典:ヘリウムリークテスト(PDF)|日本溶接協会「軽金属溶接」Vol.50 No.4をもとに AI(Claude)で作成(実際の感度は条件と装置で変わる)

ゴムの寿命は、使う温度より高い温度で試験して、アレニウスの式で使う温度に換算して見積もります。松本産業は、ニトリルゴムの O リングが120℃の試験で400時間で CS 80%に達した結果から、80℃での寿命を約9,200時間と予測する例を示しています。日新電機は、40〜80℃では酸化が主、90〜140℃では可塑剤の揮発が主で、高温側の結果は外挿に使えないとしています。防水・防じんは、IP コードの等級ごとの試験で確かめます。2026年1月20日に JIS C 60529 が制定されました(JIS のまえがき)。

高い温度の試験から使う温度での寿命を見積もる計算例の図
図11 高い温度の試験から、使う温度での寿命を見積もる計算例(課題「ゴム部品がへたる・硬くなる」の図)
出典:品質 News Vol.034「O リングの寿命予測」|松本産業をもとに AI(Claude)で作成

出典:ヘリウムリークテスト(PDF)|日本溶接協会「軽金属溶接」Vol.50 No.4、エアリークテスター導入のメリット|コスモ計器、JIS Z 2330 非破壊試験-漏れ試験方法の種類及びその選択、品質 News Vol.034「O リングの寿命予測」|松本産業、ゴムの劣化事例および試験方法(日新電機技報 Vol.64 No.2、2019年)|日新電機、JIS C 60529:2026 電気機械器具の外郭による保護等級(IP コード)(規格票のプレビュー)|日本規格協会、IP 試験|TÜV ラインランド ジャパン

種類と特徴

バルブは使う目的で、制御・遮断・逆流防止・減圧に大別されます(水道技術研究センター)。シールは、相手の面との動きで分けられ、JIS(JIS B 0116)では運動面に使うものをパッキン、静止面に使うものをガスケットとしています。O リングは運動と固定の両方に使われ、両方に属します(桜シール)。

仕切弁・玉形弁・ボール弁・バタフライ弁・逆止弁の流路の模式と、固定用と運動用のシールの分類の図
図12 バルブとシールの主な種類
出典:配管の仕切バルブの種類と特徴|アピステ、水道用バルブの種類と特性について(水道技術ジャーナル2001年1月)|水道技術研究センター、バルブの種類と構造|昭和バルブ製作所、シール(パッキン・ガスケット)の概要|桜シール、パッキン・O リング・オイルシール・ガスケットの選び方|富士ゴム化学をもとに AI(Claude)で作成
分け方種類特徴
バルブ:止める仕切弁(ゲート弁)板状の弁体で流路を開閉する。全開にすると流路から弁がなくなるので圧力損失は小さいが、中間開度では弁体が振動してトラブルの原因になるため、全開か全閉で使う(アピステ)
バルブ:調整する玉形弁(グローブ弁)締切り性能が高く流量を調節しやすいが、流路が S 字で狭い所があるため、圧力損失が大きい(アピステ)
バルブ:止める・調整するボール弁・バタフライ弁ボール弁は穴の空いた球を回す。流路が直線で圧力損失が小さいが、細かな流量の調節には向かない。バタフライ弁は円盤状の弁体を回す。構造が簡単で省スペース、流量調整もしやすいが、取り付け方向が決まっていて、ウォーターハンマーが発生しやすい(アピステ)。全開時の圧力損失は仕切弁より大きい(水道技術研究センター)
バルブ:逆流を防ぐ逆止弁(チャッキ弁)流体が正方向へ流れると開き、止まると閉じる。スイング式は圧力損失が小さく最も大量に使われている。サイレント式は特殊スプリングで逆流が始まる前に閉じる(昭和バルブ製作所)
シール:固定用(ガスケット)ガスケット・O リング・液状ガスケット配管のフランジなど動かない所に使う。一度圧縮されたガスケットは塑性変形しているので、再利用しない(ダイコー)
シール:運動用(パッキン)O リング・オイルシール・グランドパッキン・メカニカルシールポンプの回転軸やバルブの弁棒など動きのある所に使う。漏れを完全に止めるのではなく、摺動面の潤滑や冷却を考えて漏れ量を制御するのが設計の要点(ダイコー)。オイルシールは回転軸まわりのリップシール(富士ゴム化学)

出典:水道用バルブの種類と特性について(水道技術ジャーナル2001年1月)|水道技術研究センター、配管の仕切バルブの種類と特徴|アピステ、バルブの種類と構造|昭和バルブ製作所、シール(パッキン・ガスケット)の概要|桜シール、ガスケットとパッキンの本質的な違い|ダイコー、パッキン・O リング・オイルシール・ガスケットの選び方|富士ゴム化学

関係する規格

設計や手配でよく出てくる規格には、O リングの JIS B 2401-1、鋼製管フランジの JIS B 2220、フランジのボルトの締め付け方法の JIS B 2251(バルカーの技術誌)、漏れ試験の方法の JIS Z 2330、IP コードの JIS C 60529 などがあります。規格の番号と版を確かめ、図面や仕様書に書いておくと、手配や交換のときに取り違えを防げます(後半は編集部の解説)。

O リングのつぶし率とはみ出し、バックアップリングを示す断面の図
図13 O リングのつぶし率とはみ出し、バックアップリング(課題「液漏れ・気密不良を防ぎたい」の図)
出典:O リングのつぶし代とつぶし率|桜シール、O リングとバックアップリング|桜シール、O リング完全ガイド|ダイコーをもとに AI(Claude)で作成(形は模式)

出典:JIS B 2401-1:2012 O リング-第1部:O リング(規格票のプレビュー)|日本規格協会、JIS B 2220:2012 鋼製管フランジ(規格票のプレビュー)|日本規格協会、段階締付の検討(PDF)|バルカー技術誌 No.37、JIS Z 2330 非破壊試験-漏れ試験方法の種類及びその選択、JIS C 60529:2026 電気機械器具の外郭による保護等級(IP コード)(規格票のプレビュー)|日本規格協会

選ぶ・見直すときに確かめること

バルブ・シールは、止めるもの、温度と圧力、動きと分解、形と締め方、確かめ方の順に確かめて決めます(編集部の整理)。漏れてから材料だけを替えても、つぶし率や締め方、弁の閉め方が原因なら再発します。

止めるもの・温度と圧力・動きと分解・形と締め方・確かめ方の順に確かめる流れの図
図14 シール・バルブを選ぶ・見直すときに確かめる流れ
出典:編集部の整理をもとに AI(Claude)で作成
  • 止めるもの:液体か気体か粉体か、油・薬品・水のどれか、異物やスラリーの有無
  • 温度と圧力:使う温度の幅(低温側も)、最高圧力と負圧、温度・圧力の変化のしかた
  • 屋外かどうか:日射・オゾン・薬品にさらされるか
  • 動きと分解:固定か、往復・回転で動くか。分解・交換するか(FIPG か CIPG か、ガスケットを替えるか)
  • 形と締め方:O リングのつぶし率と溝、ボルトの締め付けの順と段階、ケーブルグランドに合う電線の太さと締め付けトルク
  • 弁の閉め方:閉める時間、逆止弁の方式、水撃防止器や空気槽が要るか
  • 確かめ方:リークテストの方法と検知レベル、寿命の試験、IP 試験

出典:O リングのつぶし代とつぶし率|桜シール、熱影響を考慮したフランジ継手の締付管理に関するガイドライン(PDF)|石油産業活性化センター、ウォーターハンマ(水撃)の発生要因と対策について(水道技術ジャーナル2008年7月)|水道技術研究センター、JIS Z 2330 非破壊試験-漏れ試験方法の種類及びその選択

企業紹介(バルブ・シール技術)

バルブ・シールに関係する技術を持つ企業を、得意分野が重ならないように選びました。紹介の内容は、各社の公式サイトで確認できる範囲で、関係する課題ページの企業紹介と同じです。各社の得意分野は、次の早見表のとおりです。

企業材料溝・
締め付け
回転軸液状
ガスケット
弁・
水撃
漏れの
検査
ダイコーO リング・ガスケットの選び方と締め方●●
三菱電線工業圧縮永久ひずみの小さい EPDM●
タンケンシールセーコウメカニカルシールの製作・修理●
シールエンド液状ガスケット(液体パッキング)●
イシザキばねで逆流の前に閉まる逆止弁●
フクダエアリーク・ヘリウムの漏れ検査●

●は、各社の公式サイトで確認できた得意分野です(空欄は、扱っていないという意味ではありません)。社名を押すと、その会社の紹介へ移ります。

株式会社ダイコー|O リングとガスケットを、選び方と締め方まで

ダイコーとは

ダイコーは、大阪市西成区に本社を置く、1974年創業(1984年設立)の会社です(資本金1,000万円、従業員80名)。ガスケット・パッキンの製造販売を行っており、東京都大田区に東京支社があります。

ダイコーの得意技術

技術内容
O リングの選び方技術コラムで、つぶし代の目安(静的シールで15〜30%、動的シールで10〜20%程度)や、材質ごとの耐熱温度の目安(NBR は-25〜120℃、FKM は-15〜220℃など)を解説している
フランジの締め付け手順JIS B 2251 に準拠した手順として、対角に目標トルクの10%→20%→60%→100%と段階的に締め、円周締めのあと、4時間以上たってから増し締めする方法を紹介している
ガスケットの加工ウォータージェットカッター、CAD データで切り出すカッティングプロッター、大型加工機を持ち、試作1枚からの製作や、継ぎ目のない大型ガスケットに対応するとしている

O リングの漏れで現場に多い原因として、圧縮永久ひずみ(へたり)を挙げ、耐熱性の高い材質への変更や、定期的な交換を対策にしています。

ダイコーが解決できる課題

  • O リングやパッキンから漏れる原因を突き止め、材質を選び直したい
  • フランジのガスケットの漏れを、締め付け方から見直したい
  • 特殊な形・大きなガスケットを、少ない数から作りたい
フランジの締め付け手順。対角の順に目標トルクの10%・20%・60%・100%で段階締めし、円周締め、4時間以上あとに増し締め
フランジの締め付け手順の例
出典:ダイコー「ガスケット選定と締付技術のガイド」の記載をもとに AI(Claude)で作成

出典:O リング完全ガイド|ダイコー、ガスケット選定と締付技術のガイド|ダイコー、ガスケットの応力緩和|ダイコー、会社概要|ダイコー

三菱電線工業株式会社|シール専業。低圧縮永久ひずみの EPDM

三菱電線工業とは

三菱電線工業は、東京都千代田区に本社がある、シール製品の会社です(1917年設立、従業員519名)。1958年に航空機用 O リングの製造を始め、いまは高機能シール製品の専業メーカーとしています。

三菱電線工業の得意技術

技術内容
圧縮永久ひずみの小さい EPDM水関連機器・食品関連機器のシール用に、圧縮永久ひずみ5%の配合(2159-70)を開発した。標準品(2104-70)は11%(JIS K 6262、大型試験片、圧縮率25%。代表値で保証値ではない)
耐塩素水性の EPDM水道水の残留塩素による劣化(墨汁現象・パッキンのクラックによる漏れ)に対し、次亜塩素酸ナトリウム溶液(500ppm・80℃)への浸せきで、標準品は70時間で墨汁現象が起きたのに対し、2160-70 濃紫は240時間でも異常なしとした(圧縮永久ひずみは標準品と同等)

三菱電線工業が解決できる課題

  • 給湯器・水まわりの EPDM シールを長持ちさせたい
  • へたりにくさと塩素水への強さを両立したい
配合の違う EPDM の圧縮永久ひずみと耐塩素水性の比較
図15 配合の違う EPDM の圧縮永久ひずみと耐塩素水性
出典:三菱電線工業「耐塩素水性に優れた EPDM の開発」をもとに AI(Claude)で作成

出典:会社概要|三菱電線工業、耐塩素水性に優れた EPDM の開発(三菱電線工業時報 第108号、2011年)|三菱電線工業

株式会社タンケンシールセーコウ|メカニカルシールの製作と、漏れの原因調査・修理

タンケンシールセーコウとは

タンケンシールセーコウは、東京都大田区に本社を置く、1955年創業のメカニカルシールのメーカーです(資本金1億円、株式会社PILLAR の100%出資。従業員253名)。メカニカルシールの心臓部であるカーボンリングの製造から始まった会社です。

タンケンシールセーコウの得意技術

技術内容
メカニカルシールの修理・メンテナンス他社製・海外製のメカニカルシールの修理、廃盤になった他社品の新規製作、突発漏洩時の緊急整備などを行う。海外製品の事例では、使用済み品から漏洩の原因を調べ、設計値と材質を提案してシールの寿命を延ばしたとしている
静圧形非接触メカニカルシール(HS シール)多孔質カーボンにシールガスを送り、摺動面の間に数μm のすきまを保って、気体・液体・粉体をシールする。軸径φ30〜φ200mm、許容温度200℃
ドライコンタクトシールシール液(潤滑油)を使わない撹拌機用のメカニカルシール。製造物へのシール液の混入を防げるとしている(圧力〜0.5MPa)

同社は、メカニカルシールは潤滑と冷却のために極めて微量な漏れがある部品で、「制御された微量漏れ」を許容しながら安定した運転を実現するのが技術の本質だとしています。

タンケンシールセーコウが解決できる課題

  • ポンプ・撹拌機の軸から漏れる原因を調べ、再発を防ぎたい
  • 廃盤・海外製のメカニカルシールを修理・製作したい
  • シール液を製品に混ぜたくない、粉体をシールしたい
静圧形非接触メカニカルシールのしくみ。シールガスを多孔質カーボンに送り、相手の面との間に数μmのすきまを保つ
静圧形非接触メカニカルシール(HS シール)のしくみ
出典:タンケンシールセーコウ「静圧形非接触メカニカルシール」の記載をもとに AI(Claude)で作成(形は模式)

出典:メカニカルシールの修理・メンテナンス|タンケンシールセーコウ、静圧形非接触メカニカルシール|タンケンシールセーコウ、ドライコンタクトシール|タンケンシールセーコウ、メカニカルシールとは?|タンケンシールセーコウ、会社概要・沿革|タンケンシールセーコウ

シールエンド株式会社|ケース・カバーの合わせ面を液体パッキングで

シールエンドとは

シールエンドは、東京都大田区池上に本社・工場を置く、1957年創業(1958年設立)の会社です(資本金1,000万円)。液状ガスケット・潤滑剤・接着剤などの工業用ケミカル製品を製造販売しています。

シールエンドの得意技術

技術内容
液体パッキング「シールエンド」各種機械・装置のケース・カバーの接合面、ねじ部、パイプフランジの接合面などからの水・油・ガスなどの洩れ防止に使うとしている
用途に合わせた液状ガスケット耐熱性・耐薬品性・耐油性の液状ガスケットや、剥離型、不乾性無溶剤の液状ガスケットの相談に応じている
嫌気性接着剤「ロックエンド」空気から遮断されると硬化し、振動や衝撃によるゆるみ・離脱・洩れを、接合封着力で防ぐとしている

シールエンドが解決できる課題

  • ケース・カバーの合わせ面から油やガスがにじむのを止めたい
  • 耐熱・耐油など、条件に合う液状ガスケットを選びたい
  • ねじ部の緩みと漏れを一緒に防ぎたい
シールエンドの液体パッキング「シールエンド No.507A」の箱
液体パッキング「シールエンド」(出典:シールエンド株式会社)

出典:シールエンド株式会社(製品・会社案内)

株式会社イシザキ|ばねで逆流の前に閉まる逆止弁

イシザキとは

イシザキは、東京都大田区に東京本社がある会社です(1935年設立)。事業内容は「スモレンスキ チャッキ、フートバルブの開発・製造・販売」とリフォーム商材の専門商社で、茨城県に工場があります。

イシザキの得意技術

技術内容
スモレンスキ チャッキバルブスプリングを内蔵した急閉鎖型のリフト式逆止弁。管内の流体が逆流に転ずる瞬間には、内蔵したスプリングの作用で弁体が完全に閉まっているため、ウォーターハンマーを起こさないとしている。1953年に特許を取得
スイング式との違いスイング式は逆流によって弁体が閉まるため、閉鎖が遅れて大きな水撃が出るのに対し、スモレンスキ チャッキはスプリングの作用で閉まる、と説明している
材質本体は鋳鉄・ダクタイル鋳鉄・鋳鋼・ステンレス・青銅、シートは NBR・EPDM・FKM・PTFE をそろえ、高温・薬液の流体にも対応できるとしている(使う場合は問い合わせ)

イシザキが解決できる課題

  • ポンプが止まったときに、逆止弁が「バーン」と鳴る
  • スイング式の逆止弁を、水撃の出にくい逆止弁に替えたい

公開されている実績

  • 水再生センターの送水ポンプ(吐出圧力0.35MPa)で、停止時に圧力タンクの背圧でスイングチャッキが急閉鎖し、大きな衝撃音が出ていた。スモレンスキ チャッキバルブに交換したところ、激しい衝撃音は消えたとしている
スプリングを内蔵したリフト式逆止弁が、運転中は開き、停止時は逆流の前にばねで閉まる模式図
図16 スモレンスキ チャッキバルブのしくみ(模式図)
出典:イシザキ「スモレンスキ チャッキバルブ」・同「導入事例」をもとに AI(Claude)で作成

出典:会社概要|イシザキ、スモレンスキ チャッキバルブ|イシザキ、導入事例(水再生センターの送水ポンプ)|イシザキ

株式会社フクダ|エアリークテスタからヘリウムの超微小漏れまで

フクダは、東京都練馬区に本社を置く、1964年設立の工業用計測器のメーカーです(資本金4,960万円、社員130名。長野計器グループ)。エアリークテスタなどの漏れ検査の装置を作っています。

フクダの得意技術

技術内容
エアリークテスタ密封したワークを空気で加圧し、その圧力の変化で漏れを判定する。一般的な差圧式のほか、漏れ量に合わせて直圧式や流量計を使った製品もそろえる
ヘリウムリークテストシステムヘリウムを検知ガスに使い、漏れ出たヘリウムを検知する。同社のリークテスタの中で、最も細かい漏れを検知できる方式としている
ウルトラファインリークテストシステム独自の「カプセル蓄積法」で、従来は実質10⁻¹⁰ Pa·m³/s(He)台までだった測定を、10⁻¹⁵ Pa·m³/s(He)台まで可能にしたとしている(測定できる量はワークと条件で異なる)

フクダが解決できる課題

  • 量産ラインで、部品の漏れを全数・数値で検査したい
  • 水没の泡の目視検査を、自動の検査に置き換えたい
  • 小型の電子部品など、とても小さな漏れを測りたい
差圧式エアリークテストのしくみ。マスタとワークに同じ圧力をかけ、漏れのあるワーク側の圧力の低下を差圧センサーで見る
差圧式エアリークテストのしくみ
出典:フクダ「エアリークテスタとは?」の記載をもとに AI(Claude)で作成(配管・バルブは省略)

出典:エアリークテスタ|フクダ、ヘリウムリークテストシステム|フクダ、ウルトラファインリークテストシステム|フクダ、会社案内|フクダ

バルブ・シールに関係する分野と製品のページです。

関連する記事・事例

出典・参考

情報の確認日:2026年10月6日 本ページの内容は一般的な情報で、実際の性能は製品・使用条件により異なります。図はAI(Claude)で作成した概念図、冒頭の画像はAI(ChatGPT)で生成したイメージ画像です。企業紹介の内容と図は、関係する課題ページの企業紹介と同じです。

バルブ・シールのよくある課題

バルブ・シールの主な解決技術

流体・熱のほかのテーマ