エアブローで水が飛ぶ、シリンダーや電磁弁が錆びて止まる、塗装にハジキやブツが出る、冬になると配管が凍る――。工場の圧縮空気のトラブルの多くは、空気と一緒に運ばれる水と油が原因です。コンプレッサーは大気の水蒸気や、給油式なら潤滑の油も一緒に送り出します。
ただし、同じ「水が出る」でも、ドレンが抜けていないのか、ドライヤーの露点が足りないのかで、打つ手は違います。この記事では、症状から原因を切り分ける流れを示し、ドレンの抜き方、エアードライヤーの方式の選び方、フィルターの組み方、油を含むドレンの処理、清浄度の等級と測り方を、相談できる企業とあわせて紹介します。
症状から原因を切り分ける
まず、何が、どこで出ているかを見ます。末端から液体の水が出るのか、冷える所でだけ結露するのか、油で汚れるのか、ドレンの捨て方の問題なのかで、必要な機器が変わります。

出典:フクハラ「ドレン処理の必要性」・テクネ計測「エアードライヤーでの露点測定」・前田シェルサービス「3in1マルチ・ドライフィルター」と編集部の整理をもとに AI(Claude)で作成
液体の水ならドレンの抜き方、冷える所の結露ならドライヤーの露点、油や粒子ならフィルター、ドレンの排水なら油水分離の装置を見直します。どこまできれいにすればよいか分からないときは、清浄度の等級を決めて測る(E)ところから始めます。
原因ごとの見分け方と対策
症状(A〜E)ごとに、起きている現象、解決に使える技術、選ぶときの注意、相談できる企業をまとめました。
エアーガンや末端から水が出る・機器が錆びる(液体の水)
エアブローで水が飛ぶ、シリンダーや電磁弁が錆びて動きが悪くなる、梅雨や夏に水が増える。月曜の朝に特に多い。
- 起きている現象
- コンプレッサーが吸い込んだ水蒸気は、圧縮して冷やすと水(ドレン)になります。J-Net21 の計算例では、20℃・湿度65%の空気を毎分5m³ 圧縮して30℃まで冷やすと、1日に約20L のドレンが出ます。たまったドレンが流れに乗ると、末端まで水が運ばれます。フクハラは、ドレンを処理しないと空気タンクや配管が腐食し、シリンダーや電磁弁などのエアー機器の故障の要因になるとしています。
- 解決に使える技術
- ドレンを確実に抜くトラップ・配管
- フィルターで水滴を分けるメインラインフィルター
- ドライヤーで水蒸気を減らすそもそも水にしない
まず、タンク・ドライヤー・フィルターのドレンが本当に抜けているか(トラップの詰まり・手動の抜き忘れ)を確かめます。抜けているのに水が出るなら、ドライヤーの後の配管で結露している(B)可能性があります。
ドライヤーがあるのに、冷える所で結露する・凍る(露点が足りない)
冬の朝や屋外の配管、冷房の効いた部屋を通る配管で水が出る。寒冷地で配管や機器のドレンが凍る。
- 起きている現象
- ドライヤーは水蒸気を減らしますが、ゼロにはしません。出口の空気の露点(水になり始める温度)より冷える所を通ると、そこで再び結露します。冷凍式の出口空気露点は、たとえばオリオン機械の RAX で圧力下 10℃ なので、配管が10℃より冷えると水が出ます(編集部の解説)。圧力下露点と大気圧露点は数字が大きく違うので、仕様を比べるときに混同しないようにします。
- 解決に使える技術
- ドライヤーの方式を選ぶ冷凍式・吸着式・膜式
- 使う場所だけ低露点にする膜式のポイント除湿
- 露点を測って見張る露点計
工場全体を低露点にするとエネルギーがかかります。吸着式・膜式は乾いた空気の一部を捨てて再生するので、必要な場所だけに使うことも考えます。
塗装・ブロー・測定器が油や粒子で汚れる(油・粒子)
塗装のハジキ・ブツ・ムラが減らない、ブローした製品に油の膜が残る、エアーベアリングの測定器が止まる・びびる。
- 起きている現象
- 給油式のコンプレッサーの空気には、油がミスト(細かな粒)や蒸気(気体)で混ざります。前田シェルサービスは、塗装ロボットのエアーの清浄度を測ったところ多数の不純物があったという事例や、三次元測定器のエアーベアリングの小さな穴に不純物が付いて、びびりや停止の原因になるという事例を公開しています。テクネ計測は、ドレンが塗装面に付くとムラやハジキの原因になるとしています。
- 解決に使える技術
- フィルターの段と精度を決めるミスト・脱臭
- 使う場所の近くで仕上げる最後のフィルター
- 清浄度を等級で決めて測るISO 8573-1
オイルミストフィルターの「出口の油の濃度」は、入口の濃度などの条件つきの値です(SMC の選定ガイドでは入口が約30mg/m³ 以下の場合)。油の蒸気はミストのフィルターでは残るので、においや蒸気まで問題になる用途では脱臭(活性炭など)を加えます。
ドレンの捨て方が分からない(油を含む排水)
ドレンをそのまま側溝や下水に流している、ドラム缶にためて産業廃棄物に出していて費用がかかる、ISO14001 の審査で指摘された。
- 起きている現象
- フクハラによると、エアーコンプレッサーやドライヤーから出るドレンにはコンプレッサーオイルなどの油が含まれ、そのまま排水すると水質汚濁防止法・下水道法に抵触するおそれがあります。水質汚濁防止法の排水基準は、油分濃度(n-ヘキサン抽出物質含有量)5mg/L 以下で、地域によってはさらに厳しい上乗せ条例があります。
- 解決に使える技術
- ドレンを処理して流す油水分離
- ドレンを確実に集めるトラップと集合管
産業廃棄物として出すと 1L あたり 25〜50円ほどかかるとフクハラは説明しています。ドレンの量は夏に増えるので、処理装置は夏の量で選びます。
どこまできれいにすればよいか、数値で決めたい(清浄度の等級)
食品・医薬品・半導体・精密測定で、圧縮空気の品質を取引先や監査に示したい。フィルターやドライヤーの効果を数字で確かめたい。
- 起きている現象
- 圧縮空気の清浄度は、ISO 8573-1:2010(JIS B 8392-1:2012)で、固体粒子・湿度(圧力露点)・油の3つをそれぞれ等級で表します(オリオン機械の技術情報)。たとえば等級1は、圧力露点 −70℃ 以下、油の総濃度 0.01mg/m³ 以下です。測り方も規格になっていて、粒子・露点・油のミスト・油の蒸気は別々の方法で測ります(ユニケミーの技報)。
- 解決に使える技術
- 清浄度を等級で決めて測る露点計・受託測定
- ドライヤーとフィルターを組む等級に合わせて
この等級は一般の工業用の圧縮空気が対象で、呼吸や医療に直接使う空気には適用されません(オリオン機械)。また、等級0は「汚れがゼロ」ではなく、等級1より厳しい条件を使う側・納める側が決めるものです。
なぜ圧縮空気から水と油が出るのか
圧縮して冷やすと、水蒸気が水になる
空気が含むことのできる水蒸気の量は、温度で決まっています。コンプレッサーは空気を圧縮して体積を小さくするので、同じ体積の中の水蒸気が増え、さらにアフタークーラーやタンク・配管で冷やされると、含みきれない分が水(ドレン)になります(フクハラ「ドレンとは?」)。オリオン機械は、0.69MPa に圧縮した空気は大気を約1/8 の体積にしたもので、水分・ゴミ・油分は大気の約8倍の濃度で含まれるとしています。

出典:J-Net21「圧縮空気システムの省エネのポイントは?(その2)」・フクハラ「ドレンとは?」をもとに AI(Claude)で作成
J-Net21(中小企業基盤整備機構)の計算例では、吸い込む空気1m³ 中の水分 11.2g のうち、0.7MPa(G) に圧縮して30℃まで冷やした空気に残るのは 3.8g で、その差が水になります。毎分5m³・1日10時間・稼働率90%で、1日に19,980g、約20L のドレンです。夏は吸い込む水分が増えるので、ドレンも増えます。
露点には「圧力下」と「大気圧」の2つがある
露点は、空気を冷やしていったときに水が出始める温度です。圧縮した空気は、同じ水分量でも高い温度で結露します。オリオン機械の換算表では、0.69MPa で圧力下露点 10℃ の空気は、大気圧下に換算すると −17.3℃、圧力下 −40℃ は大気圧下 −58.0℃ です。

出典:オリオン機械「露点温度と露点換算」と編集部の解説をもとに AI(Claude)で作成
ドライヤーのカタログでは、冷凍式は圧力下露点、膜式・吸着式は大気圧露点で書かれていることがあり、数字をそのまま比べると取り違えます(編集部の解説)。どちらの露点か、何 MPa のときの値かを確かめてから比べます。露点と相対湿度のしくみは 技術の基礎知識「露点(と相対湿度)」で解説しています。
油はミスト・液体・蒸気で入ってくる
給油式のコンプレッサーは、油で潤滑・シール・冷却をしています。フクハラによると、消費される油は空気1m³ あたり、レシプロで 0.06cc、旧世代のスクリューで 0.02〜0.04cc、新世代のスクリューで 0.002〜0.005ccで、オイルフリー機は油を使いません。この油が水と混ざってドレンになり、一部はミストや蒸気として空気と一緒に流れます。

出典:前田シェルサービス「塗装ラインの事例」
圧縮空気の規格では、油の総濃度は、液体の油・油のミストと、油の蒸気の合計です(ユニケミーの技報)。ミストは粒なのでフィルターで捕まえられますが、蒸気は気体なので、ミストのフィルターだけでは残ります。
出典:圧縮空気システムの省エネのポイントは?(その2)|J-Net21、ドレンとは?|フクハラ、露点温度と露点換算|オリオン機械、塗装ラインの事例|前田シェルサービス、圧縮空気の清浄度測定(技報59号)|ユニケミー
対策の詳しい内容
ドレンを確実に抜く(ドレントラップと配管)
ドレンは、アフタークーラー・タンク・ドライヤー・フィルターと、配管の低い所・末端にたまります。たまる所ごとに抜き口を設け、自動で抜くのが基本です。手動の水抜きは、忘れるとすぐに水がたまります(編集部の解説)。

出典:前田シェルサービス「オートマチックドレン排出バルブ」・フクハラ「ドレン処理装置」と編集部の解説をもとに AI(Claude)で作成
前田シェルサービスのオートマチックドレン排出バルブは、ドレンがたまると浮き(フロート)が押し上げられて弁が開き、圧力差でピストンが動いてドレンを出すしくみで、エアーの圧力だけで動くので電源が要りません。ドレンには油やゴミが混ざるので、同社は、異物除去用の手動バルブを工場によっては月に1回以上開いて掃除するよう書いています。

出典:前田シェルサービス「オートマチックドレン排出バルブ」
枝管は主管の上から取り出すと、主管の底を流れる水を拾いにくくなります(編集部の解説)。ドライヤーやフィルターのドレンを1本の集合管にまとめるときは、その前に逆止弁を入れます(フクハラのドレン処理装置の参考配管)。寒冷地では、ドレンが残っていると凍るおそれがあるので、終わったらドレンを抜ききります(前田シェルサービスの 3in1 マルチ・ドライフィルターの説明)。
エアードライヤーで露点を下げる(冷凍式・吸着式・膜式)
エアードライヤーは、水蒸気を減らして、配管の中で水にならないようにする機器です。オリオン機械は、冷凍機で圧縮空気を冷やして水分を結露させて除く冷凍式が、もっとも多く使われるとしています。同社の RAX の出口空気露点は圧力下 10℃ です。冷凍式より低い露点が要るときは、吸着式や膜式を使います。

出典:オリオン機械「エアードライヤーの種類」・オリオン機械「RAX」・オリオン機械「膜式エアードライヤー」・フクハラ「膜式エアードライヤー」・アトラスコプコ「吸着式ドライヤ」をもとに AI(Claude)で作成
吸着式は、吸着剤に水分を吸わせ、2本の筒を切り替えながら、除湿した空気の一部で吸着剤を乾かして再生します(オリオン機械)。アトラスコプコは、非加熱式(ヒートレス)の再生に使う空気は約 7bar(e) でドライヤーの公称容量の15〜20%、電気ヒーターで温める加熱パージ式は約8%としています。

出典:オリオン機械「エアードライヤーの種類」
膜式は、水蒸気は通し、酸素や窒素は通しにくい中空糸膜で水蒸気を外へ出します。ドレンは出ず、電源も要りませんが、乾いた空気の一部をパージとして捨てます(オリオン機械)。同社の MD15 の標準性能では、出口 106L/min に対してパージが 14L/min で、入った空気の約12%にあたります(編集部の計算)。フクハラは、膜を通った空気は酸素濃度が少し下がるので、呼吸用のエアーには使わないよう注意しています。

出典:オリオン機械「エアードライヤーの種類」
使う場所だけ低露点・高清浄にする
工場全体の空気を低露点にすると、吸着式・膜式のパージの分だけ多くの空気をつくることになります。ふだんの空気は冷凍式で乾かし、塗装・計装・精密機器など、乾いた空気が要る場所の手前だけに膜式やフィルターを足す方法もあります(編集部の解説)。膜式は配管の途中に組み込むだけで使え、屋外・防爆区域でも使えるとフクハラは説明しています。

出典:フクハラ「膜式エアードライヤー」
膜式の出口の露点は、流す量で変わります。フクハラの性能グラフのように、流量を増やすと露点は上がるので、必要な流量と露点の両方で型式を選びます。前田シェルサービスの小型のインラインメンブレンドライヤ(大気圧露点 −30℃)は、前段に同社のフィルターを付けて使うよう指定しています。
フィルターで油と粒子を除く(段の組み方)
水滴・油滴・粒子・油のミスト・油の蒸気は、大きさも状態も違うので、粗いものから細かいものへ段を重ねて除きます。前田シェルサービスの 3in1 マルチ・ドライフィルターは、同じ軸上の3つのエレメントで段階的にろ過し、0.01µm 以上の固形粒子を除き、出口のオイルミスト濃度を 0.01mg/m³ にするとしています。

出典:前田シェルサービス「3in1マルチ・ドライフィルター」・SMC「製品選定ガイド」・ユニケミー「圧縮空気の清浄度測定」・J-Net21「同(その1)」と編集部の解説をもとに AI(Claude)で作成
フィルターの性能の数字は条件つきです。SMC の選定ガイドでは、出口のオイルミスト濃度の値は、入口のオイルミスト濃度(コンプレッサーの吐出濃度)が約30mg/m³ 以下の場合とされています。また、ろ過を細かくするほど目詰まりで圧力損失が増えるので、差圧を見てエレメントを交換します。J-Net21 は、ドライヤーを含めた配管の全圧力損失を 0.05MPa を目標に、0.1MPa 程度に抑えるよう勧めています。
油を含むドレンを処理する
ドレン処理装置は、給油式のコンプレッサーで出たドレンから主に油だけを除いて、清水にする装置です(フクハラ)。同社のドレンデストロイヤーは、水質汚濁防止法の基準の 5mg/L 以下に処理し、納入実績は 1〜2mg/L、処理水を確かめる清水確認槽が全機種に付いています。

出典:フクハラ「ドレンとは?」・フクハラ「ドレン処理の必要性」・フクハラ「ドレン処理装置」をもとに AI(Claude)で作成
同社の試算では、75kW のコンプレッサーで夏の1日(10時間)に 170L のドレンが出る場合、産廃に出すと年に約122万円、装置のランニング費は約8.9万円で、年間の平均(夏の量の半分)で見ても年に約57万円の削減になるとしています。ドレンの量はコンプレッサーの大きさ・季節・地域で変わるので、自社の量で計算し直します(編集部の解説)。
出典:オートマチックドレン排出バルブ|前田シェルサービス、ドレン処理装置|フクハラ、ドレン処理の必要性|フクハラ、エアードライヤーの種類|オリオン機械、冷凍式エアードライヤー RAX|オリオン機械、膜式エアードライヤー|オリオン機械、吸着式ドライヤ|アトラスコプコ、膜式エアードライヤー|フクハラ、3in1マルチ・ドライフィルター|前田シェルサービス、インラインメンブレンドライヤ|前田シェルサービス、製品選定ガイド 圧縮空気清浄化機器|SMC、圧縮空気システムの省エネのポイントは?(その1)|J-Net21
清浄度を等級で決めて、測って確かめる
ISO 8573-1(JIS B 8392-1)の等級
圧縮空気の清浄度は、ISO 8573-1:2010 と JIS B 8392-1:2012 で、固体粒子・湿度と水分・油の3つをそれぞれ等級で表します。たとえば、圧力露点は等級1で −70℃ 以下、等級2で −40℃ 以下、等級4で +3℃ 以下、油の総濃度は等級1で 0.01mg/m³ 以下、等級2で 0.1mg/m³ 以下です(オリオン機械の技術情報)。

出典:オリオン機械「圧縮空気の品質等級」・ユニケミー「圧縮空気の清浄度測定」をもとに AI(Claude)で作成
用途ごとに必要な等級を決め、それに合わせてドライヤーとフィルターを組みます。フィルターやドライヤーのメーカーは、機器の組み合わせで得られる等級を示していることがあります(SMC の選定ガイドなど)。ただし、その値は入口の空気の条件で変わります。
露点・粒子・油を測る
規格では、粒子・露点・油のミスト・油の蒸気・微生物をそれぞれ別の方法で測ります。ユニケミーの技報によると、固体粒子はレーザーパーティクルカウンター法がもっとも多く使われ、油のミストはメンブランフィルターで捕集して赤外線分光分析、油の蒸気は活性炭の管に通してガスクロマトグラフ質量分析で求めます。規格は、実際の運転条件での測定が望ましいとしています。

出典:ユニケミー「圧縮空気の清浄度測定」・テクネ計測「エアードライヤーでの露点測定」をもとに AI(Claude)で作成
露点は、ドライヤーの出口に露点計を付けて常に見ておくと、故障にすぐ気づけます。テクネ計測は、露点がふだんより高くなったら、それはエアードライヤーの故障を示すと説明しています。パーティクルカウンターは 0.3µm 以上に対応する装置が多いので、評価したい粒径の範囲と装置が合うかを確かめます(ユニケミー)。
出典:圧縮空気の品質等級|オリオン機械、圧縮空気の清浄度測定(技報59号)|ユニケミー、エアードライヤーでの露点測定|テクネ計測、製品選定ガイド 圧縮空気清浄化機器|SMC
圧縮空気の水分・油の対策を相談できる企業
各企業が解決できる課題と技術の内容を、企業が公開している情報をもとに紹介します。ドレン処理装置、圧縮空気用フィルター、エアードライヤー、露点計、清浄度の受託測定を挙げました。
株式会社フクハラ|ドレン処理装置と膜式エアードライヤー
フクハラとは
フクハラは、横浜市瀬谷区に本社を置く、エアーコンプレッサーの周辺機器のメーカーです(1971年に有限会社福原製作所として設立)。「エアーコンプレッサー専用ドレン抜きの総合コンサルタント」として始まり、ドレントラップ、ドレン処理装置、エアーフィルター、膜式エアードライヤーをつくっています。
フクハラの得意技術
| 技術 | 内容 |
|---|---|
| ドレン処理装置「ドレンデストロイヤー」 | 給油式のコンプレッサーのドレンから油を除いて清水にする装置。水質汚濁防止法の排水基準(油分濃度 5mg/L 以下)に処理し、納入実績は1〜2mg/L。上乗せ条例の3mg/L 以下に対応する補助装置もある。PSD(PSD8T を除く)・XSD・LSD・SD 型は、ポンプや電気機器を使わずに処理できる |
| 膜式エアードライヤー | 中空糸膜で水蒸気を除き、圧縮空気を供給するだけで大気圧露点 −17〜−65℃の乾いた空気が得られるとしている(同社の比較では冷凍式は −17℃)。ドレンが出ず、使用圧力は 0.2〜2.1MPa。圧縮空気をパージするので省エネではない、と同社自身が書いている |
同社は、膜を通った空気は酸素濃度が少し低くなるため、呼吸用のエアーや、規定の濃度で使う機器には使わないよう注意しています。
フクハラが解決できる課題
- ドレンをポリ容器やドラム缶にためて、産業廃棄物に出している
- 油を含むドレンを、そのまま下水に流してしまっている
- 冷凍式ドライヤーの後でも、末端でドレンが出る・もっと露点を下げたい
公開されている実績
- ドレンをポリ容器で受けてドラム缶に移し、産廃処理に出していた新潟県の会社で、処理を自動にした(同社の「お客様の声」)
- ドレンを下水に流していて ISO14001 の審査で指摘を受けた神奈川県の会社が、導入後に取得できた(同)
- 給油式のコンプレッサーのドレンを 5ppm 以下に処理し、処理水を排水できるようにした(同社の導入実績)

出典:フクハラ「ドレン処理装置」
出典:会社概要|フクハラ、ドレン処理装置|フクハラ、膜式エアードライヤー|フクハラ、ドレン処理装置の導入例|フクハラ
株式会社前田シェルサービス|油・水・粒子を段階的に除く圧縮空気用フィルター
前田シェルサービスとは
前田シェルサービスは、愛知県岡崎市に本社営業所を置く、圧縮空気用エアーフィルターのメーカーです(1965年設立)。1985年に米国の会社からエアーフィルターの販売権と特許権を取得し、1992年から「3in1マルチ・ドライフィルター」をつくっています。ドレンを自動で抜くバルブや膜式のドライヤーもあります。
前田シェルサービスの得意技術
| 技術 | 内容 |
|---|---|
| 3in1マルチ・ドライフィルター | 同じ軸上の3つのエレメントで段階的にろ過し、0.01µm 以上の固形粒子を除き、出口のオイルミスト濃度は 0.01mg/m³(ISO 8573-1 の固形粒子・オイルの等級1に対応)。最大流量は 0.7MPa のとき 300〜6,000L/min(ANR)。2つの圧力計で、エレメントの交換時期を目で確かめられる |
| オートマチックドレン排出バルブ AD-24-A | ドレンがたまると浮き(フロート)が押し上げられて弁が開き、圧力差でピストンが動いてドレンを出す。エアーの圧力だけで動くので電源が要らない。使用圧力 0.13〜0.97MPa、最大ドレン排出 0.95L/min |
| インラインメンブレンドライヤ | 中空糸膜で大気圧露点 −30℃ の乾いた空気をつくる小型のドライヤー。前段に 3in1 マルチ・ドライフィルターを付けて使う |
同社は、他のオイルミストフィルターと比べて圧力損失が30〜50%低いとしています。
前田シェルサービスが解決できる課題
- 塗装ラインで、ハジキ・ブツ・ムラなどの不良が減らない
- 三次元測定器・エアーマイクロメーターなど、エアーを使う測定器が不安定
- エアーガンから水が出て、ブローした製品が錆びる
公開されている実績
- 塗装ロボットの出すエアーを測ると不純物が多く、フィルターを付けたところ、コンプレッサーが原因と思われる不良率が0%になった(同社の事例)
- 飲料の製造ラインで、圧縮空気の 0.3µm 以上の不純物がゼロになり、FSSC22000 の認証を取得した(同)
- 三次元測定器のエアーベアリングの小さな穴に不純物が付いて起きていた止まり・びびりが減った(同)

出典:前田シェルサービス「3in1マルチ・ドライフィルター」
出典:会社概要・沿革|前田シェルサービス、3in1マルチ・ドライフィルター|前田シェルサービス、オートマチックドレン排出バルブ|前田シェルサービス、塗装ラインの事例|前田シェルサービス、飲料製造ラインの事例|前田シェルサービス、三次元測定器の事例|前田シェルサービス
オリオン機械株式会社|冷凍式・吸着式・膜式のエアードライヤー
オリオン機械とは
オリオン機械は、長野県須坂市に本社を置く、空調・冷却・除湿と圧縮空気の浄化機器のメーカーです(1946年創立)。冷凍式・吸着式(ヒートレス)・膜式・膨張分離式のエアードライヤー、エアーフィルター、ドレン処理装置、ドレントラップをつくり、露点の換算や品質等級の技術情報も公開しています。
オリオン機械の得意技術
| 技術 | 内容 |
|---|---|
| 冷凍式エアードライヤー RAX | 冷凍機で圧縮空気を冷やして水分を結露させて除く。出口空気露点は圧力下 10℃、処理空気量は空冷式で 0.32/0.37〜8.9/10.4m³/min(50/60Hz)、周囲温度 45℃ でも運転できる。熱交換器はステンレスシェル |
| ヒートレス(吸着式)・膜式 | 吸着式は吸着筒を切り替え、除湿した空気の一部で吸着剤を再生する。フロンを使わずに低露点の空気が得られる。膜式(MD15〜MD75)は無電源で、出口空気露点は大気圧下 −17〜−10℃ |
オリオン機械が解決できる課題
- 冷凍式で足りるのか、吸着式・膜式が要るのかを選びたい
- ドライヤー・フィルター・ドレンの処理まで、まとめて相談したい
- 圧力下露点と大気圧露点の換算や、品質等級の読み方を確かめたい

出典:オリオン機械「冷凍式エアードライヤー RAX」
出典:会社概要|オリオン機械、エアードライヤーの種類|オリオン機械、冷凍式エアードライヤー RAX|オリオン機械、膜式エアードライヤー|オリオン機械
株式会社テクネ計測|ドライヤーの露点を見張る露点計
テクネ計測とは
テクネ計測は、川崎市高津区に本社を置く、露点計と気体中の水分管理の会社です(1978年に株式会社テクネ洋行として設立)。国産の露点計 TK-100 シリーズを製造・販売し、海外メーカーの露点計の代理店もしています。低露点で JCSS の認定を取っています。
テクネ計測の得意技術
| 技術 | 内容 |
|---|---|
| オンライン露点計 TK-100 | 静電容量式で、測定範囲は −100〜+20℃dp、精度 ±2℃dp。同社は吸着式のドライヤーの露点管理に使うとしている |
| 露点トランスミッター TE-660 | 高分子式で −60〜+20℃dp。同社は膜式のドライヤーの露点管理に使うとしている |
同社は「エアードライヤーは自分で故障を教えてくれないので露点計を使用設置し管理することが重要」とし、露点がふだんより高くなったら、ドライヤーの故障を示すと説明しています。
テクネ計測が解決できる課題
- ドライヤーが止まっていたのに気づかず、末端でドレンが出た
- 吸着式・膜式のドライヤーの露点を、常に記録しておきたい
- 露点計の校正・点検を頼みたい

出典:テクネ計測「エアードライヤーでの露点測定」
出典:会社概要|テクネ計測、エアードライヤーでの露点測定|テクネ計測
株式会社ユニケミー|圧縮空気の清浄度の受託測定
ユニケミーとは
ユニケミーは、名古屋市熱田区に本社を置く、理化学分析・試験の専門会社です(1972年設立)。圧縮空気の清浄度を、JIS B 8392 のシリーズに沿って、固体粒子・水分・油・ガス状の汚染物質・微生物について測っています。
ユニケミーの得意技術
| 技術 | 内容 |
|---|---|
| 圧縮空気の清浄度測定 | 固体粒子はレーザーパーティクルカウンター法、油のミスト・液体はメンブランフィルターで捕集して赤外線分光分析、油の蒸気は活性炭の管に通してガスクロマトグラフ質量分析で求める。微生物は培地に捕集して測る |
| 自主測定の相談 | パーティクルカウンターを買って自分で固体粒子を測りたい会社に、機器の購入から測り方まで相談に乗った例を公開している。高価な減圧器の代わりに、市販の袋を加工して圧力を逃がしながら測る方法を提案した |
同社は、医薬品・化粧品・半導体・食品などの品質を重視する製造業から、JIS B 8392-1 の固体粒子の等級1〜2相当を求められて測るケースがあるとしています。
ユニケミーが解決できる課題
- 取引先や監査に、圧縮空気の清浄度を第三者の測定値で示したい
- フィルターやドライヤーを入れた後の効果を、数値で確かめたい
- 油の蒸気や菌など、ふつうの測定器では測りにくいものを調べたい

出典:ユニケミー「圧縮空気の清浄度測定」・ユニケミー「測り方改革-圧縮空気測定-」・ユニケミー「会社概要」をもとに AI(Claude)で作成
出典:会社概要|ユニケミー、圧縮空気の清浄度測定(技報59号)|ユニケミー、測り方改革-圧縮空気測定-|ユニケミー
選ぶ前に確かめる条件
圧縮空気の水分・油の対策を相談する前に、次のことを整理しておくと話が早く進みます。
- コンプレッサー:給油式かオイルフリーか、出力(kW)、吐出圧力、台数と運転のしかた
- 今の機器:アフタークーラー・タンク・ドライヤー(方式と露点)・フィルター(ろ過精度)・ドレントラップの有無と位置
- 症状:水が出る・結露する・凍る・油で汚れる、のどれか。出る場所(末端・特定のライン)と季節・時間帯
- 使い方:塗装・ブロー・計装・食品や医薬品に触れる・精密測定など、用途ごとに必要な露点・粒子・油の等級
- 配管:屋外や冷える場所を通るか、最も低くなる温度、配管の材質と古さ(錆)
- ドレンの今の処理:そのまま排水・産廃・処理装置、ドレンの量、地域の排水基準
関連する課題
この課題に関係する分野・技術・製品のページ
※アイキャッチ画像は、AI(ChatGPT)で生成したイメージです。実在の製品・設備ではありません。
情報の確認日:2026年10月19日
