半導体・電子部品・医薬品・精密部品の工場で、クリーンルームの清浄度が決めたクラスを保てない。測ると粒子の数が上限を超える、作業を始めると粒子が増える、扉の近くだけ汚れている、製品にほこりが付く――そんな困りごとはありませんか。
編集部の整理では、こうした症状の多くはフィルターと気流、人からの発塵、室圧、静電気のどれかが原因です。この記事では、症状ごとに原因と対策を整理し、清浄度を保ちながら電気代を下げる方法と、相談できる企業を紹介します。まず下のマトリクスで、症状に合う対策を確かめてください。
課題と解決技術のマトリクス
縦に症状、横に対策を並べました。行の見出しを押すと、くわしい説明に移ります。
| 課題(症状) | フィルター・気流・換気の見直し | 局所クリーン化(ブース・FFU) | 室圧(差圧)の管理 | 人の発塵の対策(ウェア・エアシャワー) | 除電(イオナイザー) | 測定・監視(粒子数・差圧) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| A測ると清浄度クラスの上限を超える | ◎ | ○ | △ | ○ | ||
| B人が入る・動くと粒子が増える | △ | ○ | ◎ | ○ | ||
| C扉の開け閉め・隣の部屋から汚れが入る | △ | ◎ | ○ | ○ | ||
| D製品・部品にほこりが付く | △ | ○ | ◎ | |||
| E清浄度は足りているが、電気代・建設費が高い | ○ | ◎ | △ | △ |
◎ 第一候補○ 有効△ 条件によって有効
◎は症状に合いやすい対策、○は有効な対策、△は条件しだいの対策の目安で、編集部が厚生労働省「無菌操作法による無菌医薬品の製造に関する指針」、日本エアーテックのテクニカルレポート、環境省のガイドラインと各社の公開情報をもとに付けた目安です。空欄は、その対策がふつう効かないか、この記事で根拠を確かめられなかったものです。
記号の根拠:A のフィルター・気流・換気の見直し(◎)は、HEPA の漏れ・吹出し風速の均一性・差圧を据付時と定期的に検査するよう無菌操作法指針が定めていることから、局所クリーン化(○)は開放型クリーンブースで吹出し 0.25m/s 以上なら人が通っても ISO 5 を保てた実験(日本エアーテック TR No.78)から、室圧(△)は隣の部屋から入る場合に限ると編集部が判断したことから、測定・監視(○)は測る点をいちばん悪い所を想定して選ぶこと(先端医療振興財団)と 5.0µm 以上の粒子の傾向を見ると劣化に早く気づくこと(無菌操作法指針)から付けました。B の人の発塵の対策(◎)はクリーンウェアで発塵が1〜2桁減ること(TR No.83)、局所クリーン化(○)は作業域の一方向流(指針の 0.45m/s ±20%、TR No.78)、換気(△)は作業のあと15〜20分程度で元の清浄度に戻ることが望ましいとする指針の記述、監視(○)はグレード A を作業中ずっと測ることが望ましいとする指針から。C の室圧(◎)は 10〜15Pa 以上の差圧と常時の監視・警報(指針)、人の発塵の対策(○)はエアシャワーの清浄化の運転と扉のインターロックが必須とする TR No.89、局所クリーン化(△)はブースの中の圧力を高めると影響が減ること(TR No.78)、監視(○)は差圧の常時モニタリング(指針)から。D の除電(◎)は静電気の力が粒子の付着を助けイオナイザーで中和する方法が有効とする研究(豊橋技術科学大学)とエアシャワーの中の除電の事例(シシド静電気)、ウェア(○)は静電気の対策をしたクリーンウェア(ミドリ安全)、局所クリーン化(△)は製品のまわりの粒子そのものを減らす方法であることから(編集部の判断)。E の局所クリーン化(◎)は環境省のガイドラインの試算(エネルギー68%減)、気流(○)は非稼働時に FFU の風量を下げる試算(研究所、72.3%)と気流方式の工夫(高砂熱学工業は空調の搬送動力の低減、ダイダンは天井内のダクト工事を減らすことによる工事費・工期の削減)、室圧と監視(△)は風量を下げても陽圧を保つことが条件になることから付けました。

出典:厚生労働省「無菌操作法による無菌医薬品の製造に関する指針」・日本エアーテック TR No.83・同 TR No.89・豊橋技術科学大学 博士論文要旨・環境省 ガイドラインをもとに AI(Claude)で作成
課題の診断と解決策
症状(A〜E)ごとに、起きている現象、解決に使える技術、選ぶときの注意、相談できる企業をまとめました。
測ると清浄度クラスの上限を超える
パーティクルカウンターで測ると、決めた ISO クラスの上限を超える点がある。
- 起きている現象
- 清浄度は、決めた粒径以上の粒子が 1m³ に何個までかで決まります(ISO 14644-1)。上限を超える原因は、HEPA フィルターの漏れ、吹出しの風速・風量の不足、気流のよどみなどです。ファンのある機器の近くや、機器の置き方で気流がよどむ所は粒子が多くなりやすいと報告されています(先端医療振興財団)。
- 解決に使える技術
- HEPA の漏れ・風速・換気回数を確かめる据付時と定期的に
- 作業域だけ局所クリーン化するブース・FFU
- 測る点と測り方を見直すいちばん悪い所を想定
測る点の数は部屋の面積で決まり、2015 年版からは各点の平均がすべて上限以下でないと合格になりません(リオン総合カタログ)。全体の平均だけで判断せず、点ごとに確かめます。
人が入る・動くと粒子が増える
人がいないときは清浄なのに、作業を始めると粒子の数がはね上がる。
- 起きている現象
- 半導体のクリーンルームでは、作業者は今も粒子の主な発生源とされています(三機工業の研究、2024年)。0.3µm 以上の粒子は、軽作業で一般の作業服なら1分に50万〜100万個、クリーンウェアなら1万〜2万個出ると報告されています(日本エアーテック TR No.83)。
- 解決に使える技術
- クリーンウェア・エアシャワー・入退室の手順服と動きで1〜2桁変わる
- 作業域を一方向流のブースにする人の粒子をすぐ下へ流す
- 換気回数を確かめる作業のあとの回復時間
クリーンウェアにしても、動きが大きいと粒子は増えます。重要な区域に人が入る・手を入れる回数を最小限にすることが求められています(無菌操作法指針)。
扉の開け閉め・隣の部屋から汚れが入る
扉を開けたあと、入口の近くだけ粒子が多い。前室や廊下の汚れが流れ込んでいるようだ。
- 起きている現象
- 空気は圧力の高い所から低い所へ流れます。清浄度の高い部屋の圧力が隣より低いと、扉のすき間や開け閉めのときに汚れた空気が入ります。エアシャワーも、前室側の扉を開けると中はほぼ前室と同じ清浄度まで汚れると報告されています(日本エアーテック TR No.89)。
- 解決に使える技術
- 室圧(差圧)を保ち、常に監視する無菌区域の出入口で 10〜15Pa 以上
- エアシャワーのインターロックと清浄化の運転扉が同時に開かない
- ブースの中を陽圧にする外の影響を減らす
無菌操作法指針は、無菌操作区域とその他の支援区域の間にエアロックを設け、扉を閉じた状態で10〜15Pa かそれ以上の差圧を保つこと、特に重要な差圧は常にモニタリングして異常のときの警報を備えることが望ましいとしています。
製品・部品にほこりが付く
部屋の粒子の数は基準内なのに、製品や部品の表面にほこりが付く。
- 起きている現象
- 静電気の力は、空気中に浮いている粒子が表面に付くのを助けます。電子デバイスを作る部屋は相対湿度が40〜45%程度で、静電気が出やすいとされています(豊橋技術科学大学の博士論文の要旨)。帯電した製品には、部屋の粒子の数が基準内でもほこりが付くことがあります(編集部の解説)。
- 解決に使える技術
- イオナイザーで除電する製品・服の電荷を中和
- 静電気の対策をしたクリーンウェア服の帯電を抑える
- 製品のまわりだけ局所クリーン化する粒子そのものを減らす
コロナ放電式のイオナイザーは、放電する電極に粒子が付いたり、電極がすり減って粒子を出したりすることが課題とされています(同)。電極の清掃・交換の手入れを計画に入れます。
清浄度は足りているが、電気代・建設費が高い
部屋全体を高い清浄度に保つため、空調・送風の電力が大きい。新しくつくる費用も高い。
- 起きている現象
- クリーンルームは、清浄度を保つためにフィルターを通して回す空気の量が多く、送風機の動力が大きくなります(日立評論 1995年)。必要な所だけを高い清浄度にすれば、FFU で処理する風量を減らせます。
- 解決に使える技術
- 必要な所だけ局所クリーン化する試算で68%減の例
- 使わない時間は FFU の風量を下げる陽圧を保てる程度に
- 差圧を保ちながら下げる監視しながら運転
風量を下げるときは、陽圧(差圧)を保てるかを確かめます。環境省のガイドラインと研究所の数値は、どちらも想定した条件での試算です。
なぜクリーンルームの清浄度が保てなくなるのか
清浄度クラスは「粒子の数の上限」で決まる
クリーンルームの清浄度は、JIS B 9920-1(ISO 14644-1 がもと。2019年制定、日本空気清浄協会と日本規格協会が原案を作成)で、ISO クラス1〜9 に分けます。0.5µm 以上の粒子なら、ISO 5 は 1m³ に 3,520 個まで、ISO 7 は 352,000 個までで、数字が1つ増えるごとに上限は10倍になります(リオン総合カタログ)。
昔の米国連邦規格 209E の「クラス100」は ISO 5、「クラス10,000」は ISO 7 にあたります(同。209E は2001年に廃止)。医薬品の無菌区域では、グレード A を ISO 5、グレード B・C を作業時の粒子の数で ISO 7・ISO 8 に対応させています(無菌操作法指針)。

出典:リオン「微粒子計測器 総合カタログ」・厚生労働省「無菌操作法による無菌医薬品の製造に関する指針」をもとに AI(Claude)で作成
人が、いまも主な発生源
半導体のクリーンルームでも、作業者は粒子の主な発生源とされています(三機工業、エアロゾル研究 2024年)。0.3µm 以上の粒子の数は、一般の作業服で軽作業なら1分に 5×10⁵〜1×10⁶ 個、中作業で 1×10⁶〜1×10⁷ 個、激しい動きで 1×10⁷〜3×10⁷ 個、クリーンウェアなら軽作業で 1×10⁴〜2×10⁴ 個と報告されています(日本エアーテック TR No.83)。

出典:日本エアーテック TR No.83「クリーンルームの清浄度計算」をもとに AI(Claude)で作成
気流がよどむ所に、粒子がたまる
クリーンルームは、清浄な空気を送って粒子を押し流すか薄めて、外へ出します。給気口を天井、排気口を床の近くに置き、部屋全体で下向きの流れをつくる方法が一般的です(無菌操作法指針)。機器の置き方で気流がよどむ所や、ファンのある機器の近くは粒子が多くなりやすいことが、実際の測定で報告されています(先端医療振興財団)。
圧力が逆になると、外から入る
清浄度を保つには、清浄度の高い区域から隣の低い区域へ空気が流れるようにすることが重要です(無菌操作法指針)。差圧が下がったり逆になったりすると、扉のすき間や開け閉めのときに外の空気が入ります。
静電気が、粒子を引き寄せる
静電気の力は、浮いている粒子の付着(ESA)や、静電気の放電(ESD)による不良を起こします。対策は、接地や加湿で電荷を逃がす方法と、イオナイザーで中和する方法に大きく分けられ、電子デバイスの製造では後者が有効とされています(豊橋技術科学大学の博士論文の要旨)。
出典:無菌操作法による無菌医薬品の製造に関する指針(平成23年改訂)|厚生労働省(PMDA 掲載)、微粒子計測器 総合カタログ|リオン、JIS B 9920-1:2019 閲覧用プレビュー|日本規格協会、テクニカルレポート No.83 クリーンルームの清浄度計算|日本エアーテック、クリーンルーム内作業の動作解析と人体発塵に関する研究(エアロゾル研究 39巻4号)|J-STAGE、環境モニタリング測定ポイント数の適正化のための模擬操作の実施と解析|先端医療振興財団(厚生労働科学研究)、クリーンルームにおけるイオナイザーを用いた静電気対策技術に関する研究(博士論文要旨)|豊橋技術科学大学
解決技術の詳細
清浄度を保つ考え方は、粒子を「持ち込まない」「出さない」「ためない」「すぐ外へ出す」の4つに整理できます(編集部の整理)。ここでは、対策ごとに要点と数値の目安をまとめます。
フィルター・気流・換気回数を見直す
HEPA フィルターは、0.3µm 以上の粒子を少なくとも 99.97%の効率で捕らえる空気用フィルターです(無菌操作法指針)。重要区域(グレード A)と直接支援区域(グレード B)の HEPA は、少なくとも年1回、PAO などのエアロゾルで完全性(漏れ)を確かめ、重要区域のフィルターの使用条件が厳しい場合は年2回以上が望ましいとされています。グレード A では吹出し風速の均一性、HEPA の差圧も、据付時と定期的に検査します(同)。
気流は、空気が一方向にまっすぐ流れる一方向流と、清浄な空気で薄めて入れ替える非一方向流に分かれます。グレード A の区域は一方向気流とし、開放系のクリーンブースや RABS では平均風速 0.45m/s ±20%が推奨されています。非一方向流では換気回数が目安で、直接支援区域では30回/時、グレード C に相当する部屋では20回/時を確保することが望ましいとされています(同)。

出典:厚生労働省「無菌操作法による無菌医薬品の製造に関する指針」をもとに AI(Claude)で作成
局所クリーン化(クリーンブース・FFU・ミニエンバイロメント)
部屋全体ではなく、製品が空気にさらされる所だけを高い清浄度にする方法です。半導体の工場では、ウェハを密閉した容器(FOUP)で運び、装置へ移す空間(EFEM)だけをミニエンバイロメントとして管理し、部屋全体の清浄度は装置の保守に必要なレベルに緩める方向に変わってきました(日立評論 2007年)。
開放型のクリーンブース(ISO 5 相当)を ISO 6 の部屋に置いた実験では、吹出しの風速が 0.25m/s 以上なら、発煙しながら人が約1.5m/s で横を歩いても中は ISO 5 を保てました。0.20m/s 以下では空気のカーテンの働きが弱まり、外の空気が中まで入りました。部屋が ISO 7 のときは保てず、カーテンを長くし、ブースの中の圧力を高めると影響が減るとまとめています(日本エアーテック TR No.78)。

出典:日本エアーテック TR No.78「開放型クリーンブースにおける清浄度維持能力」をもとに AI(Claude)で作成
室圧(差圧)を保ち、エアロックを設ける
清浄度の高い部屋ほど圧力を高くし、空気がきれいな側から汚い側へ流れるようにします。無菌操作法指針は、無菌操作区域とその他の支援区域の間にエアロックを設けて、扉を閉じた状態で10〜15Pa かそれ以上の差圧を保ち、特に重要な差圧は常にモニタリングして、異常のときの警報を備えることが望ましいとしています。実験に使われた ISO 5 の部屋では、室圧 20Pa・前室 13Pa の例があります(日本エアーテック TR No.89)。

出典:厚生労働省「無菌操作法による無菌医薬品の製造に関する指針」・日本エアーテック TR No.89「エアーシャワーに必要な性能と有効性」をもとに AI(Claude)で作成
人からの発塵を減らす(クリーンウェア・エアシャワー・手順)
クリーンウェアは、一般の作業服より発塵を1〜2桁減らします(TR No.83)。エアシャワーは、体に付いた比較的大きい粒子を落とすことと、外の空気が入らないようにする(エアロック)ための設備です。風速 25m/s・ノズル8個を1とすると、風速 33m/s・ノズル11個で除塵の効率が2.17倍になった実験があります(日本エアーテック TR No.82)。
ただし、前室側の扉を開けるとエアシャワーの中はほぼ前室と同じ清浄度まで汚れ、清浄化の運転なしで中の扉を開けると、クリーンルームの扉の近くも1桁以上悪くなりました。同レポートは、吹き終わったあとの清浄化の運転と、扉のインターロックは必須とまとめています(TR No.89)。
除電(イオナイザー)で付着を防ぐ
イオナイザーは、プラスとマイナスのイオンを当てて製品や服の電荷を中和し、粒子を引き寄せにくくします。コロナ放電式が主流ですが、放電する電極への粒子の付着や電極のすり減りによる発塵が課題とされてきました(豊橋技術科学大学の博士論文の要旨)。エアシャワーのノズルにイオナイザーを付け、服に付いた異物を取り除く事例もあります(シシド静電気)。

出典:豊橋技術科学大学 博士論文要旨をもとに AI(Claude)で作成
測定・監視(粒子数と差圧)
清浄度は、光の散乱で粒子を数える光散乱式の気中粒子計数器(パーティクルカウンター)で測ります。測る点の数は部屋の面積で決まり(例:10m² で5点、52m² で10点、1,000m² で27点)、1点で吸う空気の量は「クラスの上限で 20 個になる量」と「1分・2L」の大きいほうです。校正は1年以内が望ましいとされています(リオン総合カタログ)。
無菌の作業域(グレード A)では、作業のあいだ通して、作業する所のできるだけ近く(30cm 以内が望ましい)で連続して測ることが望ましく、5.0µm 以上の粒子を定期的に測って傾向を見ると、環境の劣化に早く気づけるとされています(無菌操作法指針)。

出典:リオン「微粒子計測器 総合カタログ」・厚生労働省「無菌操作法による無菌医薬品の製造に関する指針」・先端医療振興財団(厚生労働科学研究)をもとに AI(Claude)で作成
清浄度を保ちながら電気代を下げる
環境省のガイドラインは、ISO 4 相当(クラス10)の部屋を、局所クリーン化で全体 ISO 6 相当(クラス1,000)にした試算で、FFU で処理する風量が 300,000m³/h から 96,500m³/h になり、エネルギーの消費量・CO₂・エネルギーの費用がそれぞれ68%減る例を示しています(年8,760時間運転、FFU の台数を減らす想定)。
使わない時間に FFU の風量を下げる方法もあります。研究所のクリーンルームの試算では、年間休日120日・8〜20時の稼働と仮定すると、実際に使う時間は約34%です。非稼働時の風量を定常の 50,000 から 30,000 に下げると消費電力量は終日定常運転の72.3%、35,000 にすると81.3%と試算されています。確かめられたのは風量 35,000 で約6Pa の陽圧を保てるところまでで、風量を下げても陽圧を保てれば、外からのほこりの侵入は防げるとしています(分子科学研究所ほか、2026年)。

出典:環境省「クリーンルーム局所クリーン化技術の導入」・東海国立大学機構 技術発表会の発表資料をもとに AI(Claude)で作成
出典:無菌操作法による無菌医薬品の製造に関する指針(平成23年改訂)|厚生労働省(PMDA 掲載)、クリーンルームの省エネルギー対策(日立評論 1995年11月号)|日立、ミニエンバイロメントシステム時代のクリーンルーム技術(日立評論 2007年4月号)|日立、テクニカルレポート No.78 開放型クリーンブースにおける清浄度維持能力|日本エアーテック、テクニカルレポート No.82 エアーシャワーの除塵効果|日本エアーテック、テクニカルレポート No.89 エアーシャワーに必要な性能と有効性|日本エアーテック、微粒子計測器 総合カタログ|リオン、クリーンルーム局所クリーン化技術の導入(温室効果ガス排出削減ガイドライン)|環境省、クリーンルーム風量・差圧自動制御の試み|東海国立大学機構 技術発表会
クリーンルームの清浄度の課題を相談できる企業
各企業が解決できる課題と技術の内容を、企業が公開している情報をもとに紹介します。局所クリーン化の装置、フィルターと FFU、クリーンルームの設計・施工、パーティクルカウンター、クリーンウェア、除電のメーカーを挙げました。
興研株式会社|部屋を囲わずに作業域だけ ISO クラス1にする KOACH
興研とは
興研は、東京都千代田区にある、防じんマスクなどの労働衛生保護具と環境改善機器のメーカーです(1943年創業)。部屋を壁で囲わずに、作業する所だけを高い清浄度にする「KOACH(コーチ)」を出しています。
興研の得意技術
| 技術 | 内容 |
|---|---|
| スーパークリーン生成装置 KOACH | 向かい合うプッシュフードから出した気流を中央でぶつけ、クリーン度クラス1のクリーンな空間をつくる。全機種が ISO クラス1 とし、ナノファイバーのフィルター「FERENA」を載せている |
| 短い工期・少ない電力 | 半導体分野のページでは、大型のフロアータイプでも清浄度の測定を含めて1週間〜10日ほどで設置が完了するとし、工場全体の消費電力が10分の1になった客もいると紹介している |
興研が解決できる課題
- 部屋を建て替えずに、装置や作業台の周りだけを高い清浄度にしたい
- クリーンルームを短い工期でつくりたい
- 部屋全体を高い清浄度にしているための電力を減らしたい
公開されている実績
- 産業技術総合研究所、東京大学宇宙線研究所、JAXA、京都大学iPS細胞研究所などへの導入を紹介している
- 製品の開発者が第6回ものづくり日本大賞の内閣総理大臣賞を受けたとしている

出典:興研「スーパークリーン生成装置 KOACH」
出典:会社案内|興研、スーパークリーン生成装置 KOACH|興研、KOACH 半導体分野|興研
日本無機株式会社|HEPA・ULPA フィルターと FFU・クリーンルーム機器
日本無機とは
日本無機は、東京都台東区にある、エアフィルターのメーカーです(1939年設立。ダイキン工業のグループ会社)。HEPA・ULPA フィルターのほか、FFU(ファンフィルターユニット)・エアシャワー・パスボックス・クリーンブースなどのクリーンルーム機器を出しています。
日本無機の得意技術
| 技術 | 内容 |
|---|---|
| HEPA・ULPA フィルター | 標準 HEPA フィルタ「アトモス ATML」は0.3µm の粒子の捕集率 99.99%以上、標準 ULPA フィルタ「アトモス ATMML」は 0.1µm の粒子の捕集率 99.9995%以上としている |
| ファンフィルタユニット | 超薄型の FFU「PFT2」シリーズを、局所クリーン化などに使う多目的な FFU としている |
| 環境診断・フィルタ調査 | クリーンルームの性能を保つための診断・フィルターの調査を行う |
圧力損失・風量などの数値は、同社の電子カタログで確かめられます。
日本無機が解決できる課題
- 清浄度クラスに合わせて、HEPA と ULPA のどちらを使うかを選びたい
- 今の部屋に FFU を足して、一部だけ清浄度を上げたい
- クリーンルームの性能が落ちていないかを診断してもらいたい

出典:日本無機「標準HEPAフィルタ アトモスATML」・同「標準ULPAフィルタ アトモスATMML」・同「PFT2」・同「クリーンルーム機器」・同「環境診断・フィルタ調査」をもとに AI(Claude)で作成
出典:会社概要|日本無機、標準HEPAフィルタ アトモスATMLフィルタ|日本無機、標準ULPAフィルタ アトモスATMMLフィルタ|日本無機、超薄型ファンフィルタユニット PFT2|日本無機、クリーンルーム機器|日本無機、環境診断・フィルタ調査|日本無機、電子カタログ|日本無機
高砂熱学工業株式会社|省エネの気流方式と高い清浄度のクリーンルームの施工
高砂熱学工業とは
高砂熱学工業は、東京都新宿区にある、空調設備の設計・施工の会社です(1923年創立)。半導体などの工場のクリーンルームを手がけています。
高砂熱学工業の得意技術
| 技術 | 内容 |
|---|---|
| TCR-SWIT® | 旋回させた清浄な空気で部屋の空気を誘引する方式のクリーンルーム。清浄度はISO 4〜5(0.1µm の粒子で 1,000 個/cf)とし、従来の混合換気より空調の搬送動力を減らせるとしている。2026年1月時点で導入63件・延べ面積 395,000m² |
| 高い清浄度のクリーンルーム | 産業技術総合研究所つくば西のスーパークリーンルーム(2002年3月竣工、床面積 3,000m²)は、FFU による一方向流方式でクラス3(JIS B 9920)、23±1℃・45%±5%としている |
高砂熱学工業が解決できる課題
- 清浄度を保ったまま、クリーンルームの空調のエネルギーを減らしたい
- 研究開発用の高い清浄度(クラス3 など)のクリーンルームをつくりたい

出典:高砂熱学工業「TCR-SWIT®」・同「産業技術総合研究所 つくば西 スーパークリーンルーム」をもとに AI(Claude)で作成
出典:会社概要|高砂熱学工業、クリーンルーム TCR-SWIT®|高砂熱学工業、産業技術総合研究所 つくば西 スーパークリーンルーム|高砂熱学工業
ダイダン株式会社|ダクトのないクラス6〜8 のクリーンルーム
ダイダンとは
ダイダンは、大阪市西区にある、空調・電気・衛生の設備工事の会社です(1903年創業)。天井のダクトを使わずにクラス6〜8 のクリーンルームをつくるシステムを出しています。
ダイダンの得意技術
| 技術 | 内容 |
|---|---|
| バーチャルダクト・クリーンルームシステム® | クラス6〜8 のクリーンルーム向けのダクトレスの空調システム。壁面の特殊な吹出口とコアンダ効果で気流を遠くまで運ぶ。天井の中にダクトを通す従来の方式と比べ、工事費と工期を大幅に減らせるとしている |
| 再生医療向けのクリーンな環境 | 再生医療向けに「オールインワンCPユニット®」を出している |
ダイダンが解決できる課題
- クラス6〜8 の部屋を、ダクト工事を減らしてコストと工期を抑えてつくりたい
- 再生医療の細胞の加工に使うクリーンな環境をつくりたい

出典:ダイダン「バーチャルダクト・クリーンルームシステム」
出典:会社概要|ダイダン、バーチャルダクト・クリーンルームシステム|ダイダン、再生医療|ダイダン
リオン株式会社|清浄度を測る気中パーティクルカウンター
リオンとは
リオンは、東京都国分寺市にある、補聴器・音響・振動・微粒子の計測器のメーカーです(1944年設立)。クリーンルームの清浄度を測る気中パーティクルカウンターを出しています。
リオンの得意技術
| 技術 | 内容 |
|---|---|
| 気中パーティクルカウンター | KC-24 は 0.1µm から5つの粒径を測り、流量 28.3 L/min。ISO 21501-4・ISO 14644-1 に対応し、クリーンルームの評価・フィルターのリークテストに使う。KC-22A(0.1µm、2.83 L/min)、KC-22B(0.08µm、0.3 L/min)もある |
| 測定と管理の解説 | 清浄度クラスは ISO 14644-1 の粒径ごとの上限の濃度で決まり、流量の誤差は設定値の ±5%以内、校正は1年以内が望ましいと説明している |
リオンが解決できる課題
- 自社のクリーンルームが、決めた清浄度クラスを保てているかを測りたい
- 装置や部品のどこから粒子が出ているか(発塵源)を調べたい
- フィルターの性能・漏れを確かめたい
公開されている実績
- 測定例のページで、クリーンルームの清浄度の管理(KA-03)、装置の中に置いて直接管理する小型の KA-02、発塵源の調査、部品の発塵試験、フィルターの性能試験を紹介している

出典:リオン「KC-24」・同「気中パーティクルカウンタ 一覧」・同「気中微粒子の測定と管理」・同「クリーンルームの測定例」をもとに AI(Claude)で作成
出典:会社概要|リオン、気中パーティクルカウンタ KC-24|リオン、気中パーティクルカウンタ 一覧|リオン、気中微粒子の測定と管理|リオン、クリーンルームの測定例|リオン
ミドリ安全株式会社|クラス別のクリーンウェアと静電気の対策用品
ミドリ安全とは
ミドリ安全は、東京都渋谷区にある、作業服・安全靴・保護具のメーカーです(1952年設立)。クリーンルームのクラスに合わせたクリーンウェアと、静電気の対策用品を出しています。
ミドリ安全の得意技術
| 技術 | 内容 |
|---|---|
| クリーンウェア | クリーン度のクラス別(10〜100対応、100〜1000対応、10000以上対応)に分けている。部屋のクラスは 1 立方フィートあたりの 0.5µm 以上の粒子の数で分かれるとし、そのクラスに合うウェアを選ぶよう案内している |
| 静電気の対策用品 | ESD 対策用品のサイトで、超静電素材 MEGANA® を使ったクリーンウェアを出し、IEC 61340-5-1 に対応としている。静電気対策のシューズや用品も出している |
ミドリ安全が解決できる課題
- 部屋のクラスに合うクリーンウェアを選び、人からの発塵を減らしたい
- 発塵の対策と静電気の対策を、同じウェアでまとめて行いたい

出典:ミドリ安全「クリーンウェア」・同「ESD・クリーンルーム用品」をもとに AI(Claude)で作成
出典:会社データ|ミドリ安全、クリーンウェア|ミドリ安全、ESD・クリーンルーム用品|ミドリ安全
シシド静電気株式会社|エアシャワー・搬送の除電と除塵
シシド静電気とは
シシド静電気は、東京都渋谷区にある、静電気の除電器(イオナイザー)と測定器のメーカーです(1938年創業)。クリーンルームの入口のエアシャワーや、ウェハの搬送の除電の事例を公開しています。
シシド静電気の得意技術
| 技術 | 内容 |
|---|---|
| エアシャワーの中の除電 | 服の帯電は、異物が付く見落とされがちな原因だとし、エアシャワーのノズル部分(パンカー)からイオンを出して全身に均一にイオンを当て、服に付いた異物を取り除く事例(対応商品 JB)を紹介している |
| 除電除塵装置 Trz:CuBe | 除電の性能 1秒以下(エア圧 0.6MPa のとき)、10µm 以上のダストを98%以上捕集するとし、製品の用途に「ホコリ・異物」を挙げている |
シシド静電気が解決できる課題
- 静電気で、服や部品にほこりが付くのを防ぎたい(エアシャワーの中を含む)
- 搬送中・組立中のワークの除電と除塵を、まとめて行いたい
公開されている実績
- ウェハ・FOUP の除電の事例も公開している

出典:シシド静電気「エアシャワー内の除電」
出典:会社概要|シシド静電気、エアシャワー内の除電の事例|シシド静電気、除電除塵装置 Trz:CuBe|シシド静電気、ウェハの除電の事例|シシド静電気
選ぶ前に確かめる条件
クリーンルームの清浄度の対策を相談する前に、次のことを整理しておくと話が早く進みます。
- 目標の清浄度クラス(ISO クラス・医薬品のグレード)と、測る粒径。作業時と非作業時のどちらの値か
- 部屋の面積・天井の高さと、気流の方式(一方向流か非一方向流か)、FFU や吹出口の数
- 最近の測定の結果(測った点・粒子の数・日時)と、どの点・どの時間に上限を超えたか
- 部屋に入る人数・入る回数・作業の内容、クリーンウェアの種類
- 隣の部屋・前室との差圧と、扉・エアシャワー・パスボックスの使い方
- 製品にほこりが付く場合は、製品・服の帯電の状態と、部屋の湿度
- クリーンルームの稼働時間・休みの日の運転と、空調・送風の電力の量
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※アイキャッチ画像は、AI(ChatGPT)で生成したイメージです。実在の製品・設備ではありません。
情報の確認日:2026年10月7日
