塗料・溶剤・可燃性ガスを扱う工場で、モーターや照明、センサー、タブレットをそのまま持ち込んでよいのか。設備を増やしたいが防爆品が見つからない、どの防爆構造を選べばよいか分からない、カタログの「Ex d IIB T4」の意味が分からない――防爆エリア(危険場所)での電気機器の扱いは、迷うことの多い分野です。
電気機器の火花や熱い表面は、可燃性のガスや粉じんの着火源になります。法令は、爆発のおそれのある場所では、その場所とガスに合った防爆構造の電気機械器具を使うよう定めています。この記事では、危険箇所の区分と防爆構造の考え方を整理し、目的ごとに選べる技術と、相談できる企業を紹介します。
課題と解決技術のマトリクス
縦に「何をしたいか」、横に防爆の方法を並べました。行の見出しを押すと、くわしい説明に移ります。
| 課題(症状) | 耐圧防爆 d | 安全増防爆 e | 本質安全防爆 i | 内圧防爆 p | 粉じん防爆 | 置き場所・換気の見直し |
|---|---|---|---|---|---|---|
| Aモーター・ポンプを危険場所で回したい | ◎ | ○ | △ | |||
| Bセンサー・計器の信号を危険場所から取りたい | ○ | ◎ | ||||
| C操作画面・PC・カメラ・プリンタを置きたい | ○ | ◎ | ○ | |||
| D照明・スイッチ・配線(接続箱)を防爆にしたい | ◎ | ○ | △ | |||
| E粉じんのある場所で電気機器を使いたい | △ | ◎ |
◎ 第一候補○ 有効△ 条件によって有効
◎は目的に合いやすい方法、○は使える方法、△は条件しだいの方法の目安で、編集部が労働安全衛生総合研究所の技術指針(JNIOSH-TR-44「ユーザーのための工場防爆設備ガイド」)と各社の公開情報をもとに付けた目安です。空欄は、その方法がふつう使われないか、この記事で根拠を確かめられなかったものです。
記号の根拠:A の耐圧防爆(◎)は、耐圧防爆が第一類・第二類で使えることと、耐圧防爆形モーターの製品(東芝産業機器システム)から、安全増防爆(○)は、国際整合防爆指針では第一類でも使えるが、構造規格では第二類に限られ、使うときに注意が要り始動の厳しい用途では避けることから、内圧防爆(△)は、保護ガスの設備が要り小形の単体の機器には経済的でない場合があることから付けました(TR-44)。B の本質安全防爆(◎)は ia がゾーン0を含むすべての危険箇所で使えること、耐圧防爆(○)は耐圧防爆型の指示計(宝計機製作所)から。C の内圧防爆(◎)は防爆品のない盤・分析計・PC などを保護ガスで囲えること(TR-44、ピーアンドエフ。小形の単体の機器には経済的でない場合がある)、耐圧防爆(○)は防爆でない機器を容器に入れられることと防爆形のタッチパネル・カメラ(宮木電機製作所)、置き場所・換気(○)は、危険箇所の外に出せる場合や、換気で危険箇所の範囲を小さくできる場合(TR-44)に限って付けました。D の耐圧防爆(◎)・安全増防爆(○)は防爆形の照明・接続箱(岩崎電気・島田電機)、本質安全防爆(△)は本安回路の接続箱・スイッチに限られることから。E の粉じん防爆(◎)は粉じんの種類ごとの防じん防爆構造(TR-44)、本質安全防爆(△)は粉じん用の本安機器が海外の認証で示される例があるが国内の検定の確認が要ることから付けました。

出典:労働安全衛生総合研究所「ユーザーのための工場防爆設備ガイド」(JNIOSH-TR-44)・産業安全技術協会「防爆初級講座 FAQ」をもとに AI(Claude)で作成
課題の診断と解決策
目的(A〜E)ごとに、起きていること、解決に使える技術、選ぶときの注意、相談できる企業をまとめました。
モーター・ポンプを危険場所で回したい
溶剤・可燃性ガスを扱うエリアで、ポンプ・送風機・撹拌機のモーターを使いたい。
- 起きている現象
- 三相かご形誘導電動機は、ふだんは火花を出さないが故障などで着火源になりうる「潜在的発火源」をもつ機器とされ、整流子のある直流電動機などは、ふだんから火花を出す「顕在的発火源」をもつ機器とされます(TR-44)。どの防爆構造を選ぶかは、置く場所が第一類か第二類か、インバーターで回すかで決まります。
- 解決に使える技術
- 耐圧防爆形モーター第一類・第二類で使える
- 安全増防爆形モーター始動の条件・インバーターに注意
- 内圧防爆(大形の機器)保護ガスの設備が要る
インバーターで回すモーターには、組み合わせる電源を指定して防爆の性能を保つ製品があるので、電源の指定と検定の条件を確かめます(TR-44)。安全増防爆のモーターは、始動を頻繁にくり返す・始動の条件が厳しい用途では避けるとされています(同)。
センサー・計器の信号を危険場所から取りたい
タンクの液面・圧力・温度などを、危険場所の中で測って計器室に送りたい。
- 起きている現象
- 計装のように電圧・電流が小さい回路は、本質安全防爆にできます。本質安全防爆の ia は、特別危険箇所(ゾーン0)を含むすべての危険箇所で使え、本安回路の配線はどの危険箇所にも引けます(TR-44)。電力が大きい機器は、耐圧防爆の容器に収めます。
- 解決に使える技術
- 本質安全防爆(バリア・アイソレーター)現場の機器とバリアを組み合わせる
- 耐圧防爆の容器に収めるPLC・表示器など
本安機器とバリア(本安関連機器)を組み合わせるときは、システム全体のグループ・温度等級・保護レベルを、理論計算か火花点火試験で確かめます(TR-44)。複数台を組み合わせるときは、原則としてシステムの検定が要ります(産業安全技術協会)。手持ちのバリアと計器を、条件を確かめずにつながないことが大切です。
操作画面・PC・カメラ・プリンタを置きたい
現場で画面を見て操作したい、監視カメラを付けたい、記録を印字したいが、防爆品が少ない。
- 起きている現象
- 耐圧防爆の容器は、所要の性能があれば防爆でない機器を中に入れられます(TR-44)。内圧防爆は、保護ガスで中の圧力を高めてガスを入れない方法で、防爆品のない盤・分析計などを危険場所に置くときに使われます(小形の単体の機器には経済的でない場合があります)。そもそも危険箇所の外に置けないかも検討します。
- 解決に使える技術
- 内圧防爆(パージ・加圧)掃気してから通電する
- 耐圧防爆の容器に収めるタッチパネル・カメラ
- 置き場所・換気を見直す危険箇所の外に出す
内圧防爆では、内圧が下がったときに働く保護装置が要ります(TR-44)。人が入れない箱の内圧容器は、電気機器の内圧防爆構造として検定が必要です(同)。
照明・スイッチ・配線(接続箱)を防爆にしたい
危険場所の照明を LED に替えたい、スイッチや接続箱、ケーブルの引込みを正しくしたい。
- 起きている現象
- 気中開閉器や継電器の接点、管球の温度が比較的高い照明は、ふだんから着火源になりうる「顕在的発火源」をもつ機器とされます(TR-44)。防爆の機器は、ケーブルグランドなどの引込み金具まで含めた検定の条件で成り立っています(同)。
- 解決に使える技術
- 耐圧防爆の照明・接続箱接点・高温部を容器に収める
- 安全増防爆の照明・接続箱ゾーン2・第二類など
- 本質安全防爆の回路本安回路の接続箱・スイッチ
使うケーブルに合わせてケーブルグランドを別に手配し、防爆の機器に付けて配線することは「明らかに違法な行為」と TR-44 は書いています。機器に付いた、検定の条件に合ったケーブルグランドを使います。
粉じんのある場所で電気機器を使いたい
小麦粉・樹脂の粉・金属粉などが舞う、積もる場所で、照明や機器を使いたい。
- 起きている現象
- 粉じんの危険場所は、爆発に十分な量の粉じんが空気中に舞うおそれがあるか、積もった粉じんが舞い上がるおそれがある場所です。マグネシウム粉・アルミニウム粉などの爆燃性粉じんと、それ以外の可燃性粉じんに分けます(TR-44)。
- 解決に使える技術
- 粉じん防爆(特殊防じん・普通防じん・Ex t)粉じんの種類で選ぶ
- 本質安全防爆(粉じん用)国内の検定の範囲を確かめる
労働安全衛生規則は、可燃性の粉じん(第281条)と爆燃性の粉じん(第282条)の場所でも、防爆構造の電気機械器具を使うよう定めています(TR-44 の法規の抜粋)。ガス用の防爆機器が、そのまま粉じんに使えるとは限りません(編集部の解説)。
なぜ電気機器が爆発の原因になるのか
爆発の3つの条件と、電気機器の役割
爆発は、可燃性のガス・蒸気(または粉じん)、空気(酸素)、着火源の3つがそろうと起きます。電気機器は、開閉器や継電器の接点の火花、ヒーターの電熱体、温度の高い光源などで着火源になりえます(TR-44)。防爆構造は、この着火源の働きを抑える工夫です。

出典:労働安全衛生総合研究所「ユーザーのための工場防爆設備ガイド」(JNIOSH-TR-44)をもとに AI(Claude)で作成
危険箇所は、爆発性雰囲気がある時間で3つに分ける
ガス・蒸気の危険箇所は、爆発性雰囲気が存在する時間と頻度で、特別危険箇所(ゾーン0)、第一類危険箇所(ゾーン1)、第二類危険箇所(ゾーン2)に分けます。例として、ふたを開けた容器の液面の近くは特別危険箇所、製品の取出しやふたの開閉でガスが出る開口部の近くは第一類、ガスケットの劣化や誤操作で漏れるおそれのある所は第二類です(TR-44)。
TR-44 は、米国の API RP505 の目安として、爆発性雰囲気ができる時間が年1,000時間を超えれば特別、1,000〜10時間なら第一類、10〜1時間なら第二類に相当すると紹介しています。危険場所の区分を決めるのは事業者です(産業安全技術協会)。
グループと温度等級で、ガスに合わせる
ガスは着火のしやすさ・火炎の通りやすさで IIA・IIB・IIC のグループに分けます。耐圧防爆では最大安全すきまが0.9mm 以上なら IIA、0.5mm 以下なら IIC です。プロパンは IIA、エチレンは IIB、水素・アセチレンは IIC に入ります(TR-44)。IIC の機器は IIB・IIA のガスにも使えます。
温度等級は、機器の表面がどこまで熱くなるかで T1(450℃以下)から T6(85℃以下)まであります。TR-44 は、使うガスの発火温度の下限から十分に(80%を目安に)下回る温度等級の機器を選ぶよう勧めています。

出典:労働安全衛生総合研究所「ユーザーのための工場防爆設備ガイド」(JNIOSH-TR-44)をもとに AI(Claude)で作成
表示を読めば、使える場所が分かる
国際整合防爆指針による機器には、「Ex」、防爆構造の記号、グループ、温度等級、機器の保護レベル(EPL)が並びます。EPL の Ga はゾーン0、Gb はゾーン1、Gc はゾーン2 に対応します(TR-44。表示の並びは TR-46-1)。古い構造規格による機器は「d 2 G4」のように、爆発等級と発火度で表します。使用条件があるときは、型式検定の合格番号の末尾に「X」が付きます(産業安全技術協会)。

出典:労働安全衛生総合研究所「ユーザーのための工場防爆設備ガイド」(JNIOSH-TR-44)・同「工場電気設備防爆指針 第1編」(JNIOSH-TR-46-1)・産業安全技術協会「防爆初級講座 FAQ」をもとに AI(Claude)で作成
法令と型式検定
労働安全衛生規則第280条は、換気などの措置を講じてもなお、引火性の物の蒸気や可燃性ガスが爆発の危険のある濃度に達するおそれのある箇所で電気機械器具を使うときは、そのガスと危険の程度に応じた防爆構造のものを使うよう定めています。日本で使う防爆の電気機器は、型式検定に合格し、合格標章が付いたものでなければなりません(TR-44)。検定は、厚生労働省に登録された検定機関が行います(厚生労働省の一覧)。
ATEX・IECEx などの海外の認証は、日本の認証の代わりにはなりません(産業安全技術協会)。海外製の防爆機器を使うときは、国内の型式検定を受けているかを確かめます。
出典:ユーザーのための工場防爆設備ガイド(JNIOSH-TR-44)|労働安全衛生総合研究所、工場電気設備防爆指針(国際整合技術指針2020)第1編 総則(JNIOSH-TR-46-1)|労働安全衛生総合研究所、よくある質問|産業安全技術協会、防爆初級講座 FAQ|産業安全技術協会、登録型式検定機関の一覧|厚生労働省
解決技術の詳細
代表的な防爆構造は、考え方で4つに分けられます。耐圧防爆と内圧防爆は着火源を周りから隔てる方法、安全増防爆は安全度を高める方法、本質安全防爆は着火する力そのものを抑える方法です(TR-44)。

出典:労働安全衛生総合研究所「ユーザーのための工場防爆設備ガイド」(JNIOSH-TR-44)をもとに AI(Claude)で作成
耐圧防爆 d:中で爆発しても、外へ出さない
耐圧防爆は、容器の中に入ったガスが中の着火源で爆発しても、容器がその圧力に耐え、接合面のすきまから火炎が外へ出ないようにする構造です。所要の性能をもつ容器なら、防爆でない機器を中に入れられます(TR-44)。モーター・照明・接続箱・計器の容器・カメラなどに広く使われます。

出典:宮木電機製作所「NWEX-CM3Ha」
接合面(フランジ)の近くに壁・配管・架台などがあると、性能が落ちるおそれがあります。TR-44 は、障害物までの距離をIIA で10mm、IIB で30mm、IIC で40mm以上(検定でそれより短い距離で試験した場合を除く)とし、接合面は塗装しない(さび止めのグリースはよい)としています。
安全増防爆 e:ふだん火花・高温を出さない機器を、さらに安全に
安全増防爆は、ふだんの使用で火花や高温の部分ができない機器に限って使い、機械的な強さ・絶縁・接続部・温度上昇の面で安全度を高めた構造です(TR-44)。かご形誘導電動機・照明・接続箱などに使われます。国際整合防爆指針の安全増防爆は第一類でも使えますが、構造規格による安全増防爆は第二類に限られます(同)。
モーターでは、拘束(ロック)したときに銘板の許容拘束時間(tE)以内に電源から切り離す保護装置が必要で、始動を頻繁にくり返す用途は避けます(TR-44)。インバーターで回せない製品もあります(東芝産業機器システムの安全増防爆形モーターはインバーター駆動不可)。
本質安全防爆 i:火花が出ても、着火しないエネルギーにする
本質安全防爆は、回路の電圧・電流を小さく抑え、火花が出ても着火しないようにする構造です(TR-44)。現場の本安機器(センサー・伝送器など)と、非危険場所に置く本安関連機器(バリア・アイソレーター)を本安回路でつなぎます。ia は特別危険箇所でも使えます。特別危険箇所に入れる回路では、本安関連機器は非本安回路と本安回路を絶縁分離したもの(アイソレーター形)が勧められています(同)。

出典:労働安全衛生総合研究所「ユーザーのための工場防爆設備ガイド」(JNIOSH-TR-44)・産業安全技術協会「防爆初級講座 FAQ」をもとに AI(Claude)で作成
いくつかの本安関連機器を組み合わせる回路は、グループ・温度等級・保護レベルをシステム全体で、理論計算か火花点火試験で確かめます(TR-44)。産業安全技術協会は、複数台の本安関連機器と1台の本安機器、または1台の本安関連機器と複数台の本安機器を組み合わせるときは、原則としてシステムの検定が要るとしています。
内圧防爆 p:保護ガスで中の圧力を高め、ガスを入れない
内圧防爆は、空気などの保護ガスで容器の中の圧力を高め、可燃性ガスが入らないようにする構造です。通電の前に保護ガスを十分に流して中のガスを追い出し(掃気)、内圧が決められた値より下がると働く保護装置を備えます(TR-44)。保護ガスの設備が要るので、小形の単体の機器には経済的でない場合があります(同)。

出典:労働安全衛生総合研究所「ユーザーのための工場防爆設備ガイド」(JNIOSH-TR-44)・ピーアンドエフ「パージ・加圧システムの動作原理」をもとに AI(Claude)で作成
人が入る部屋(内圧室)を外より25Pa 以上高い圧力に保ち、通風が止まったら分かる警報を付けるなどの条件を満たせば、その中は非危険場所とみなされ、中の設備は防爆構造でなくてよいとされます(TR-44)。防爆品のない分析計・制御盤・PC を使いたいときの選択肢です。
粉じん防爆:粉じんの種類で構造を選ぶ
構造規格では、爆燃性粉じんの場所には特殊防じん防爆構造、可燃性粉じんの場所には特殊防じんか普通防じん防爆構造を使います(TR-44)。国際規格では、粉じんの場所をゾーン20・21・22に分け、機器の保護レベルは Da・Db・Dc で表します。照明では、ガスと粉じんの両方の表示をもつ製品もあります(岩崎電気)。

出典:労働安全衛生総合研究所「ユーザーのための工場防爆設備ガイド」(JNIOSH-TR-44)をもとに AI(Claude)で作成
置き場所・換気を見直す
換気は、漏れたガスを薄めて、爆発性雰囲気が残る時間を短くします。可能な放出の量に対して換気量が多ければ、危険場所の範囲は小さくなり、場合によっては無視できる程度まで減らせます(TR-44)。ただし、強制換気の装置が止まったときにガスがたまるおそれのある場所は、第二類危険箇所になりうるとされます(同)。
防爆品のない機器は、危険箇所の外に置けないかを先に考えます。非常のときの遮断は、非危険場所から指示できるようにします(TR-44)。区分の見直しには、放出源と換気の評価が要るので、専門家と相談して進めます(編集部の解説)。
設置・配線・保守で、防爆の性能を落とさない
防爆構造は電気機器だけでは成り立たず、設置・配線・使い方・点検の内容に大きく左右されます(TR-44)。ケーブルグランドは機器に付いた検定条件どおりのものを使い、検定で指定されたボルト・取付け方を守り、無許可の改造がないかを点検します。持ち運ぶ防爆機器は、その日の使用を始める前に本体・ケーブル・接続部を点検します(労働安全衛生規則第284条)。

出典:労働安全衛生総合研究所「ユーザーのための工場防爆設備ガイド」(JNIOSH-TR-44)をもとに AI(Claude)で作成
携帯電話・電池式の時計など個人の機器を危険場所に持ち込むときは、持ち込んでよいかを関係する法令と照らして検討する必要があります(TR-44)。現場でスマートフォン・タブレットを使いたいときは、国内の型式検定に合格した防爆形の端末を選びます(編集部の解説)。
出典:ユーザーのための工場防爆設備ガイド(JNIOSH-TR-44)|労働安全衛生総合研究所、防爆初級講座 FAQ|産業安全技術協会、NWEX-CM3Ha(PDF)|宮木電機製作所、高効率安全増防爆形モートル カタログ|東芝産業機器システム、レディオック EX ディオZ1|岩崎電気
防爆の機器・システムを相談できる企業
各企業が解決できる課題と技術の内容を、企業が公開している情報をもとに紹介します。防爆形のモーター・計量機器・タッチパネルとカメラ・内圧システム・照明・配線材・ロボットのメーカーを挙げました。
東芝産業機器システム株式会社|耐圧防爆形・安全増防爆形のモーター
東芝産業機器システムとは
東芝産業機器システムは、神奈川県川崎市幸区にある、東芝グループのモーター・産業機器のメーカーです(2000年設立)。耐圧防爆形と安全増防爆形のモーターを製品にしています。
東芝産業機器システムの得意技術
| 技術 | 内容 |
|---|---|
| 耐圧防爆形モートル | 防爆構造 d2G4 で、ガス・蒸気の第一類・第二類危険箇所で使える。2極・4極は0.2〜45kW、6極は0.2〜30kW。インバーター駆動は専用のモーター(商用運転はできない)で、6〜60Hz の範囲で100%定トルク |
| 高効率 安全増防爆形モートル | 防爆構造 e(発火度 G1・G2・G3、表示は eG3)で、第二類危険箇所で使う。4極0.75〜15kW など。インバーター駆動はできない。産業安全技術協会の検定を受け、検定合格章を付けて納めるとしている |
東芝産業機器システムが解決できる課題
- 化学工場・プラントの第一類危険箇所で、ポンプ・送風機を回すモーターを選びたい
- 第二類危険箇所で、安全増防爆形のモーターで足りるかを判断したい
- 防爆形モーターをインバーターで速度制御したい(耐圧防爆形は専用機、安全増防爆形は不可)

出典:東芝産業機器システム「耐圧防爆形モートル」・同「高効率安全増防爆形モートル」カタログをもとに AI(Claude)で作成
出典:会社概要|東芝産業機器システム、耐圧防爆形モートル|東芝産業機器システム、高効率安全増防爆形モートル カタログ|東芝産業機器システム
株式会社宝計機製作所|耐圧防爆・内圧防爆の計量・制御機器
宝計機製作所とは
宝計機製作所は、山口県柳井市にある、はかり・計量機器のメーカーです(1950年創業)。1984年に耐圧防爆型の指示計、1994年に耐圧防爆の液体充填計量機を開発したとしています。
宝計機製作所の得意技術
| 技術 | 内容 |
|---|---|
| 耐圧防爆型 PLC(TEX-PLC) | 防爆ボックスに PLC(MELSEC Q シリーズ)と表示器を収めたもの。ExdⅡBT5(型式検定合格番号 第TC16725号)で、ZONE1・ZONE2 に置ける |
| 内圧防爆型プリンタ(NP-100) | 防爆表示 fG4。安全エリアの内圧制御盤を通して通信し、ZONE1・ZONE2 で印字する。同社は「国内唯一、危険エリアに設置できるプリンタ」としている |
| 耐圧防爆の計量機 | 台はかり TD-400(ExdⅡBT4)、耐圧防爆型の指示計 TD-3600(ExdⅡBT4)、指示計に ExdⅡBT4 以上を使う液体充填機 TFM-30(ZONE1・ZONE2)など |
宝計機製作所が解決できる課題
- 液体の計量・充填を、危険エリアの中で行いたい
- 危険エリアに PLC と表示器を置いて、その場で制御したい
- 危険エリアで、計量の結果をその場で印字したい

出典:宝計機製作所「防爆機器」・同「TEX-PLC」・同「NP-100」・同「TFM-30」・同「TD-400」をもとに AI(Claude)で作成
出典:会社案内|宝計機製作所、防爆機器|宝計機製作所、耐圧防爆型 PLC TEX-PLC|宝計機製作所、内圧防爆型プリンタ NP-100|宝計機製作所、液体充填機 TFM-30|宝計機製作所、耐圧防爆台はかり TD-400|宝計機製作所、耐圧防爆型指示計 TD-3600|宝計機製作所
株式会社宮木電機製作所|防爆形のタッチパネル・カメラ・PC
宮木電機製作所とは
宮木電機製作所は、京都府亀岡市にある、防爆形の電気機器・制御機器のメーカーです(1918年創業)。沿革では、1962年に爆発等級3級の防爆形操作スイッチを開発し、1993年に耐圧防爆形のタッチパネルを共同で開発、2001年に内圧防爆構造、2002年に耐圧防爆構造の超音波式タッチパネルを発売したとしています。
宮木電機製作所の得意技術
| 技術 | 内容 |
|---|---|
| 防爆形タッチパネル(EXGP-3600R) | 防爆記号 Exd(ib)ⅡBT5、ゾーン1・ゾーン2、型式検定合格番号 第TC18154号。12.1型の表示器を、耐圧防爆の容器に収めている |
| 防爆形ネットワークカメラ(NWEX-CM3Ha) | 耐圧防爆構造 ExdⅡB+H2 T4 で、水素を含むゾーン1・2で使える。PoE 給電、光学ズーム約10倍、IP66 |
| 防爆形の PC・スマートフォン | 防爆形のシンクライアント・タッチパソコン、iPhone を収めた LANEX-Phone(非点火防爆構造 Ex nC ⅡC T5 Gc、ゾーン2だけ)などを紹介している |
宮木電機製作所が解決できる課題
- 危険エリアに、操作画面(タッチパネル)や PC を置きたい
- 水素を扱う場所を含む危険エリアを、ネットワークカメラで監視したい
- ゾーン2で、通話やアプリに使える端末を使いたい

出典:宮木電機製作所「防爆機器」
出典:会社概要|宮木電機製作所、防爆機器|宮木電機製作所、防爆形タッチパネル(PDF)|宮木電機製作所、NWEX-CM3Ha(PDF)|宮木電機製作所、LANEX-Phone(PDF)|宮木電機製作所
株式会社ピーアンドエフ|パージ(内圧)システムと本質安全防爆の機器
ピーアンドエフとは
ピーアンドエフ(Pepperl+Fuchs)は、横浜市西区に拠点を置く会社です。危険場所で使う機器として、パージ・加圧(内圧)システムや、本質安全防爆の機器を扱っています。
ピーアンドエフの得意技術
| 技術 | 内容 |
|---|---|
| パージ・加圧システム Bebco EPS | Ex pxb・Ex pyb・Ex pzc の方式をそろえる。掃気(パージ)は、IEC 60079-2 では容器の容積の5回分、米国の NFPA 496 では4回分とし、その後に内圧を保つしくみを説明している |
| 防爆スマートフォン Smart-Ex 03 | 本質安全防爆の Ex ia IIC T4 Gb(粉じんは Ex ia IIIC T135℃ Db)、IP68。製品資料にある認証は ATEX・IECEx など。日本の危険場所で使うときは、国内の型式検定の合格を確かめる(編集部の注記) |
ピーアンドエフが解決できる課題
- 防爆品のない制御盤・PC・分析計を、保護ガスで囲って危険エリアに置きたい
- 現場でスマートフォン・タブレットを使いたい(国内の検定の確認が前提)
- IEC・ATEX と米国の規格の違いを整理したい

出典:ピーアンドエフ「パージ・加圧システムの種類」・Pepperl+Fuchs「Smart-Ex 03」データシート・産業安全技術協会「よくある質問」をもとに AI(Claude)で作成
出典:法的告知(会社情報)|ピーアンドエフ、パージ・加圧システムの種類|ピーアンドエフ、パージ・加圧システムの動作原理|ピーアンドエフ、Smart-Ex 03 データシート|Pepperl+Fuchs
岩崎電気株式会社|ガス・粉じんのゾーンに合わせた防爆形 LED 照明
岩崎電気とは
岩崎電気は、東京都中央区にある照明・光の機器のメーカーです(1944年設立)。厚生労働省の型式検定(防爆)に合格した防爆形の LED 照明を、ガスのゾーン1・2、粉じんのゾーン21・22 に分けてそろえています。
岩崎電気の得意技術
| 技術 | 内容 |
|---|---|
| 防爆形 LED 投光器(レディオック EX ディオZ1) | 灯具本体は Ex db ⅡB+H₂ T5 Gb・T6 Gb、粉じんは Ex tb ⅢC T100℃ Db・T85℃ Db。ゾーン1・2・21・22で使える。水銀灯400W 相当では消費電力42.1W で、約89%の省エネとしている |
| 安全増防爆形(レディオック EX ヴォーノ) | 灯具本体 ExecⅡCT6・電源装置 ExdbⅡCT6 で、ゾーン2で使う。水素・アセチレンにも対応し、質量9.4kg |
岩崎電気が解決できる課題
- 危険エリアの水銀灯・メタルハライド灯を、防爆形の LED に替えて省エネしたい
- ゾーン2・水素を扱う場所の照明を、軽い安全増防爆形にしたい
- 粉じんのある場所(ゾーン21・22)の照明を選びたい
公開されている実績
- 大宝化学工業(埼玉県)に、防爆形 LED 高天井用照明器具(クリアガラスタイプ43台・フロストタイプ24台)を納めた事例を公開している

出典:岩崎電気「レディオック EX ディオZ1」・同「レディオック EX ヴォーノ」をもとに AI(Claude)で作成
出典:会社概要|岩崎電気、防爆形照明器具|岩崎電気、レディオック EX ディオZ1|岩崎電気、レディオック EX ヴォーノ|岩崎電気、納入事例(大宝化学工業)|岩崎電気
島田電機株式会社|防爆の接続箱・ケーブルグランド・灯具の専業メーカー
島田電機とは
島田電機は、東京都大田区に本社、栃木県佐野市に工場がある、防爆機器の専業メーカーです(1972年設立)。接続箱・配管付属品・ケーブルグランド・灯具などをつくり、自社に防爆の試験設備を持っています。
島田電機の得意技術
| 技術 | 内容 |
|---|---|
| 接続箱・ケーブルグランド | 耐圧防爆構造の接続箱・プルボックス、安全増防爆構造の接続箱。耐圧防爆構造のパッキン式ケーブルグランドは d2・ExdⅡB・IP66 など(型式によっては、内容積2,000cm³ 以下なら ExdⅡC でも使える) |
| 防爆の照明・警告灯 | 安全増防爆構造の埋込蛍光灯、防爆 LED 灯、充電式の防爆 LED ヘッドライト・携帯電灯、耐圧防爆構造の LED 警告灯 |
| 防爆の試験設備 | 爆発試験(強度・引火。試験ガスは水素・エチレン・アセチレン・プロパン)、本質安全機器の火花点火試験(水素・エチレン・プロパン)、衝撃・温度・粉じん(IP5X・IP6X)・散水の試験 |
島田電機が解決できる課題
- 防爆の性能を保ったまま、危険エリアへ配線を引き込みたい(ケーブルグランド・接続箱)
- 危険エリアの照明・警告灯・携帯灯を選びたい
- 防爆の機器を、試験の設備を持つ専業メーカーに相談したい

出典:島田電機「製品一覧」・同「ケーブルグランド」カタログ・同「防爆試験設備」をもとに AI(Claude)で作成
出典:会社概要|島田電機、製品一覧|島田電機、耐圧防爆構造パッキン式ケーブルグランド(PDF)|島田電機、防爆試験設備|島田電機
株式会社安川電機|塗装エリアで動かせる防爆仕様のロボット
安川電機とは
安川電機は、福岡県北九州市八幡西区にある、モーター・ロボットのメーカーです(1915年創立)。塗料を使う塗装エリアの中で動かせる、防爆仕様のロボットを出しています。
安川電機の得意技術
| 技術 | 内容 |
|---|---|
| 防爆仕様のハンドリングロボット(MOTOMAN-MHP45L) | 2019年に販売を始めた、可搬質量45kg・最大リーチ2,850mm のロボット。揮発性のある塗料を使う塗装エリアの中で移載でき、塗装ブースの小型化や、移載専用の装置を不要にすることに役立つとしている |
| 塗装ロボットの防爆の装備 | 2011年に発表した MOTOMAN-EPX2050・EPX2750 では、防爆タイプのプログラミングペンダント(5.7インチのタッチパネル)をオプションにし、制御装置は防爆エリアの外のホストや周辺機器と通信できるとしている。MOTOMAN-MPX3500 の発表の資料では、塗装機器を載せるための内圧スペースをマニピュレータに用意したとしている |
安川電機が解決できる課題
- 塗装エリアの中で、ワークの移載を自動化したい
- 防爆の塗装ロボットで、塗装を自動化したい
- 塗装エリアの中でロボットに教える(ティーチング)ときの機器を選びたい

出典:安川電機「MOTOMAN-MHP45L」・同「MOTOMAN-EPX」・同「MOTOMAN-MPX3500」をもとに AI(Claude)で作成
出典:会社データ|安川電機、防爆仕様ハンドリングロボット MOTOMAN-MHP45L(2019年)|安川電機、塗装ロボット MOTOMAN-EPX シリーズ|安川電機、塗装ロボット MOTOMAN-MPX3500|安川電機
選ぶ前に確かめる条件
防爆の機器を選ぶ・相談する前に、次のことを整理しておくと話が早く進みます。
- 置く場所の危険箇所の区分(特別・第一類・第二類/ゾーン0・1・2、粉じんならゾーン20・21・22)と、だれがどう決めたか
- 扱うガス・蒸気・粉じんの名前と、グループ(IIA・IIB・IIC)・発火温度。水素・アセチレンがあるか
- 周囲の温度・屋外か屋内か・腐食性のガス・水や粉じんのかかり方
- 電源(インバーターで回すか)・必要な出力・信号の種類(本安にできる小さな信号か)
- ケーブルの種類と引込みの方法(ケーブル配線・金属管配線)、機器を置く場所のまわりの壁・配管
- 型式検定の合格番号と使用条件(末尾の X)、海外製の機器なら国内の検定の有無
- 点検・保守の体制と、移動用の機器の使用前の点検のやり方
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※アイキャッチ画像は、AI(ChatGPT)で生成したイメージです。実在の製品・設備ではありません。
情報の確認日:2026年10月7日
