
電源・インバーターの課題から探す
| 課題 | 目的 | 困りごと |
|---|---|---|
| 電源の変換効率を上げたい | 高性能化 | 電源が熱くて放熱器が小さくできない。軽い負荷・待機のときの効率が低い |
| ノイズで誤作動する・EMCに通らない | 安全・規制 | 電源線や空間を伝わるノイズが規格を超える。インバーターの近くで誤作動する |
| 小型化で部品の温度が上がる | 小型・軽量化 | 電源の基板を小さくしたら、パワー素子や電解コンデンサーの温度が上がった |
| 工場の電力を減らしたい(コンプレッサー・ポンプ・空調の省エネ) | コストダウン | ポンプ・ファンを弁やダンパーで絞って使っていて、電気代が下がらない |
| モーターの損失を減らしたい | 高性能化 | インバーターで回すモーターの損失と、運転のしかたによる電力のむだを減らしたい |
| 再現しない不具合の原因を突き止めたい | 開発・評価 | 電源の電圧の低下(瞬低)や短時間の停電(瞬停)、ノイズで、たまにしか起きない誤作動の原因がつかめない |
| 電池の劣化を抑えたい | 信頼性・長寿命 | 電池の容量が早く減る。充電のしかたや温度の影響を知りたい |
課題ごとに効く技術は、下の「課題と技術のマトリクス」にまとめています。
電源は、商用の交流や電池の直流を、回路が使う電圧・電流に変える部品です。インバーターは、直流から周波数と電圧を変えた交流をつくり、モーターの回転数を変えます。このページでは、電源・インバーターの困りごとを効率と発熱・ノイズ・小型化の熱・モーターの省エネ・モーターの損失の5つに分けて整理しました(編集部の整理)。
電源の中で失われた電力は、すべて熱になります。効率を上げる、ノイズを抑える、熱を逃がす、回転数を下げて使う電力そのものを減らす、の順に考えると、打つ手が見えてきます(編集部の解説)。よくある課題と、それを解決する技術(パワー半導体、回路方式と制御、磁性部品、インバーターによる回転数制御、ノイズ対策、熱の逃げ道、損失の見積もり・測定)、電源とインバーターの種類、選ぶときに確かめることをまとめ、関係する技術を持つ企業を紹介します。
電源・インバーターの企業(早見表)
| 企業 | パワー 半導体 | 回路 方式 | 磁性 部品 | インバー ター化 | ノイズ 対策 | 放熱 | 損失の 解析 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| FLOSFIA酸化ガリウムのパワー半導体 | ● | ||||||
| アイガ電子工業高効率のカスタム電源の設計・製造 | ● | ● | |||||
| サンリッツエレクトロニクス高力率・高効率電源を放熱まで含めて設計 | ● | ● | ● | ||||
| 東邦亜鉛低損失の圧粉磁心コイル | ● | ||||||
| ダイナテックコンプレッサー・ポンプのインバーター化 | ● | ||||||
| 岡谷電機産業電源の入口のノイズフィルター・サージ対策 | ● | ||||||
| スマートエナジー研究所回路シミュレーターで素子ごとの損失を解析 | ● |
●は、各社の公式サイトで確認できた得意分野です(空欄は、扱っていないという意味ではありません)。社名を押すと、その会社の紹介へ移ります。
電源・インバーターでよくある課題
課題が起きる場所は、装置の中の電源(ノイズフィルター、整流・力率改善、DC-DC、基板と筐体)と、モーターを回すインバーター(モーター、ポンプ・ファン、弁・ダンパー)に分けられます(編集部の整理)。どこで損失が出て、どこへ熱やノイズが出ていくかを分けると、打つ手が見えてきます。

出典:編集部の整理をもとに AI(Claude)で作成(機器の形・配置は模式)
| 課題 | 何が起きているか | 主に効く技術 |
|---|---|---|
| 電源の変換効率を上げたい | 素子のオン抵抗とスイッチング、整流のダイオード、トランス・コイルなど、電源の中のあちこちで損失が出て、熱になる | パワー半導体、回路方式と制御、磁性部品、損失の見積もり |
| ノイズで誤作動する・EMCに通らない | スイッチングで出たノイズが電源線や空間を伝わって外へ出る。外から入ったノイズで誤作動する | ノイズ対策、回路方式(ソフトスイッチング)、測定・可視化 |
| 小型化で部品の温度が上がる | 基板や筐体を小さくすると、熱を外へ出す面が減り、パワー素子や電解コンデンサーの温度が上がる | 熱の逃げ道、損失の小さい素子と回路、熱の見積もり |
| 工場の電力を減らしたい(コンプレッサー・ポンプ・空調の省エネ) | ポンプ・ファンを回転数はそのままで弁やダンパーで絞り、ロスの分の電力を使い続ける | インバーターによる回転数制御、流量と電力の測定 |
| モーターの損失を減らしたい | インバーターで回すと高調波でモーターの損失が増え、低速では冷えにくい。運転のしかたで電力が変わる | インバーターによる回転数制御、熱、損失の測定 |
「何が起きているか」は各課題ページの解説、「主に効く技術」の列は、下のマトリクスと各節の内容をもとにした編集部の整理です。
効率は、出力の電力を入力の電力で割った値で、入力と出力の差が損失として電源の中で熱になります。出力100W の電源なら、損失は効率90%で約11.1W、95%で約5.3W です(ロームの効率の式で編集部が計算)。効率を5ポイント上げると、熱になる損失は半分以下になります。

出典:降圧コンバータの効率(アプリケーションノート)|ロームの効率の式で、出力100W として編集部が計算し、それをもとに AI(Claude)で作成
出典:降圧コンバータの効率(アプリケーションノート)|ローム、大容量電源における効率の考え方|アイガ電子工業、ノイズフィルタとは?|岡谷電機産業、基板と熱設計 15. 熱抵抗について|ジィーサス、インバーター制御装置等の回転数制御装置の導入|環境省、インバータ駆動する場合の適用指針(2024年度版)|日本電機工業会
このほか、電源・インバーターに関係する課題として、「再現しない不具合の原因を突き止めたい」、「電池の劣化を抑えたい」も解説しています。
課題と技術のマトリクス
よくある課題に対して、どの技術が効くかをまとめました。記号の理由と出典は表の下にあります。
| よくある課題 | パワー半導体(SiC・GaN) | 回路方式と制御(ソフトスイッチング・同期整流・軽負荷) | 磁性部品(トランス・コイル) | インバーターによる回転数制御 | ノイズ対策(フィルター・配線・シールド) | 熱の逃げ道と寿命部品の温度 | 損失の見積もり・測定・試験 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 電源の変換効率を上げたい | ◎ | ◎ | ○ | ◎ | |||
| ノイズで誤作動する・EMCに通らない | ○ | ◎ | ◎ | ||||
| 小型化で部品の温度が上がる | ○ | ○ | ◎ | ○ | |||
| 工場の電力を減らしたい(コンプレッサー・ポンプ・空調の省エネ) | ◎ | ○ | |||||
| モーターの損失を減らしたい | ◎ | △ | ○ |
◎:第一候補 ○:有効 △:条件によって有効 空欄:公開資料で直接の関係を確認できなかった組み合わせ。一般的な傾向で、効果を保証するものではありません。
記号の理由と出典
| 課題 | 技術 | 記号 | 理由と出典 |
|---|---|---|---|
| 電源の変換効率を上げたい | パワー半導体(SiC・GaN) | ◎ | SiC は高電圧下でもオン抵抗を低くでき、ターンオン・ターンオフの損失が少ない。東芝は、第2世代の SiC MOSFET で、1200V 耐圧の Si IGBT よりターンオフのスイッチング損失を約80%減らしたとしている(出典:SiC パワーデバイス・モジュール(カタログ)|ローム、第2世代SiC MOSFET/IGBT スイッチング損失比較|東芝デバイス&ストレージ) |
| 電源の変換効率を上げたい | 回路方式と制御(ソフトスイッチング・同期整流・軽負荷) | ◎ | 共振を使って電圧か電流がゼロの状態で切り替えると、スイッチング損失はごく小さくなる。転流側をダイオードから FET に替える同期整流は、ダイオード整流より電力損失が小さい(出典:共振回路およびソフトスイッチング(アプリケーションノート)|東芝デバイス&ストレージ、降圧型DC-DCコンバータのダイオード整流と同期整流の違い|村田製作所) |
| 電源の変換効率を上げたい | 磁性部品(トランス・コイル) | ○ | トランス・コイルの高周波での損失は、巻線の直流抵抗損・表皮効果損・近接効果損と、磁心の渦電流損・ヒステリシス損に分けられる。磁心は使う周波数に合った材料を選ぶ(出典:パナソニック技報 Vol.59 No.1(高周波の損失の解析)、フェライト材料|TDK) |
| 電源の変換効率を上げたい | 損失の見積もり・測定・試験 | ◎ | 降圧コンバーターの損失の要因は9つに分けて計算できる。回路シミュレーターで全素子の損失要素を一覧にでき、損失の出ている部品を絞り込める(出典:降圧コンバータの効率(アプリケーションノート)|ローム、About Scideam|スマートエナジー研究所) |
| ノイズで誤作動する・EMCに通らない | 回路方式と制御(ソフトスイッチング・同期整流・軽負荷) | ○ | ソフトスイッチングは di/dt・dv/dt を抑えるので、スイッチングノイズを減らす効果もある。一方で、部品点数の増加と制御の複雑化が短所(出典:共振回路およびソフトスイッチング(アプリケーションノート)|東芝デバイス&ストレージ) |
| ノイズで誤作動する・EMCに通らない | ノイズ対策(フィルター・配線・シールド) | ◎ | 電源線のノイズは、コモンモード・ノーマルモードのチョークコイルと X・Y コンデンサーを組み合わせたノイズフィルターで抑える。基板では、帰り電流の経路を意識し、ループ面積を最小にする(出典:ノイズフィルタとは?|岡谷電機産業、プリント基板のEMC対策|CEND) |
| ノイズで誤作動する・EMCに通らない | 損失の見積もり・測定・試験 | ◎ | 電磁波は目に見えないことが対策を難しくしている。電磁界プローブで測ったデータを機器の画像と重ねて、発生箇所を可視化する方法がある(出典:可視化技術を利用した近傍電磁界測定システム|ノイズ研究所) |
| 小型化で部品の温度が上がる | パワー半導体(SiC・GaN) | ○ | 温度上昇は発熱量に比例するので、損失の小さい素子で発熱を減らせば温度が下がる。SiC はターンオン・ターンオフの損失が少ない(前半は熱抵抗の考え方による編集部の解説)(出典:基板と熱設計 15. 熱抵抗について|ジィーサス、SiC パワーデバイス・モジュール(カタログ)|ローム) |
| 小型化で部品の温度が上がる | 回路方式と制御(ソフトスイッチング・同期整流・軽負荷) | ○ | 効率が高いほど電源の中での発熱が少ない。1kW の電源で効率を90%から95%に上げると損失がおよそ半分になり、ヒートシンクやファンを小さくできる(出典:大容量電源における効率の考え方|アイガ電子工業) |
| 小型化で部品の温度が上がる | 熱の逃げ道と寿命部品の温度 | ◎ | 裏面に放熱パッドのある部品で、パッドの下にサーマルビアがあると熱抵抗が58.4℃/W、ないと78.8℃/W(JEDEC 準拠の4層基板でのシミュレーション値)。アルミ電解コンデンサーの寿命は、60〜95℃の範囲で、周囲の温度が10℃下がるごとにおよそ2倍になる(出典:エクスポーズドパッドタイプパッケージのサーマルビアによる放熱効果(アプリケーションノート、2022年)|ローム、アルミ電解コンデンサの寿命と温度|日本ケミコン) |
| 小型化で部品の温度が上がる | 損失の見積もり・測定・試験 | ○ | 熱の通り道を熱抵抗の網で表す熱回路網法などで部品ごとの温度を見積もる。解析は条件の置き方で実測とずれるので、試作で測って合わせ込む(後半は編集部の解説)(出典:熱回路網法(熱設計入門)|CEND、ヒートシンクの熱流体解析シミュレーション手法の開発|福島県) |
| 工場の電力を減らしたい(コンプレッサー・ポンプ・空調の省エネ) | インバーターによる回転数制御 | ◎ | 遠心ポンプは、軸動力が回転数の3乗に比例する。15kW×2台の冷却水ポンプ(平均負荷率80%、24時間365日運転を想定)で流量を80%にするとき、消費電力の比が弁制御の90%からインバーターの50%になり、年237千kWh から131千kWh になる試算がある(出典:インバーター制御装置等の回転数制御装置の導入|環境省) |
| 工場の電力を減らしたい(コンプレッサー・ポンプ・空調の省エネ) | 損失の見積もり・測定・試験 | ○ | インバーター化のチューニングでは、超音波流量計・圧力測定器・クランプ型電力計で流量と電力を測りながら回転数を下げていく(出典:工場の省エネルギーガイドブック2024|省エネルギーセンター) |
| モーターの損失を減らしたい | インバーターによる回転数制御 | ◎ | ファン・ポンプでは、使う電力は回転速度の3乗に比例して減る。7.5kW のファンで、誘導モーター(IE1)・風量85%・年8,760時間・インバーター効率95%の条件では、商用電源とダンパ制御で約6万8,300kWh、インバーター制御で約5万4,300kWh になる計算例がある(出典:インバータ駆動する場合の適用指針(2024年度版)|日本電機工業会、PM モータ(パンフレット、2014年)|日本電機工業会) |
| モーターの損失を減らしたい | 熱の逃げ道と寿命部品の温度 | △ | インバーターで回すと電流の高調波成分でモーターの損失が増え、温度上昇が高くなる傾向がある。低速では軸の冷却ファンの風量も減って冷えにくいので、負荷によっては低速で使えない(出典:インバータ駆動する場合の適用指針(2024年度版)|日本電機工業会) |
| モーターの損失を減らしたい | 損失の見積もり・測定・試験 | ○ | トルクと回転数を変えながら入力と出力を測ると、運転点ごとの効率がわかる。鉄心の鉄損の分布は、サーモグラフィーカメラで可視化する方法がある(前半は編集部の解説)(出典:技術紹介|ブライテック) |
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主な解決技術
電源・インバーターの課題を解決する代表的な技術です。技術ごとに、しくみと効き方を下で説明します。
| 技術 | 概要 | 解決できる課題 |
|---|---|---|
| パワー半導体(SiC・GaN) | オン抵抗とスイッチング損失の小さい素子に替える | 電源の変換効率を上げたい小型化で部品の温度が上がる |
| 回路方式と制御 | ソフトスイッチング・同期整流・力率改善の方式を見直し、軽い負荷では周波数を下げる | 電源の変換効率を上げたい電源の変換効率を上げたい |
| 磁性部品 | 使う周波数に合った磁心材料と巻線のトランス・コイルにする | 電源の変換効率を上げたい |
| インバーターによる回転数制御 | ポンプ・ファンを弁やダンパーで絞らず、回転数を下げて流量を合わせる | 工場の電力を減らしたい(コンプレッサー・ポンプ・空調の省エネ)モーターの損失を減らしたい |
| ノイズ対策 | 電源の入口のフィルター、ケーブルのフェライト、基板の配線、シールドでノイズを止める | ノイズで誤作動する・EMCに通らないノイズで誤作動する・EMCに通らないノイズで誤作動する・EMCに通らない |
| 熱の逃げ道と寿命部品の温度 | 基板の銅箔とサーマルビア、筐体へ熱を逃がし、電解コンデンサーを熱源から離す | 小型化で部品の温度が上がる小型化で部品の温度が上がる |
| 損失の見積もり・測定・試験 | 素子ごとの損失を計算・シミュレーションし、効率と温度を測り、EMC 試験で確かめる | 電源の変換効率を上げたいノイズで誤作動する・EMCに通らない小型化で部品の温度が上がるモーターの損失を減らしたい |
技術の概要と、つないだ課題は、各節と課題ページの内容をもとにした編集部の整理です。
パワー半導体(SiC・GaN):損失の小さい素子に替える
SiC(炭化ケイ素)や GaN(窒化ガリウム)は、Si よりバンドギャップの大きい半導体です。ロームは、SiC は Si の10倍以上の絶縁破壊電界強度をもち、高電圧下でもオン抵抗を低くでき、ターンオン・ターンオフの損失が少ないとしています。GaN については、Si デバイスと比べてスイッチング性能と高周波性能に優れ、オン抵抗も低いとしています。東芝は、第2世代の SiC MOSFET を1200V 耐圧の Si IGBT と比べ、ターンオフのスイッチング損失を約80%減らしたとしています(周囲温度25℃)。

出典:SiC パワーデバイス・モジュール(カタログ)|ローム、GaN パワーデバイス|ローム、第2世代SiC MOSFET/IGBT スイッチング損失比較|東芝デバイス&ストレージをもとに AI(Claude)で作成
素子のしくみと選び方は、技術ページ「SiC・GaN のパワー半導体」で詳しく扱っています。
出典:SiC パワーデバイス・モジュール(カタログ)|ローム、GaN パワーデバイス|ローム、第2世代SiC MOSFET/IGBT スイッチング損失比較|東芝デバイス&ストレージ
回路方式と制御:切り替えの損失と整流の損失を減らす
スイッチング損失は、素子が切り替わる間に電圧と電流が重なることで出ます。東芝のアプリケーションノートは、共振を使って電圧か電流がゼロの状態で切り替える方法(ZVS・ZCS)を紹介し、スイッチング損失はごく小さくなるとしています。di/dt・dv/dt を抑えるので、スイッチングノイズを減らす効果もある一方、部品点数の増加と制御の複雑化を短所に挙げています。

出典:共振回路およびソフトスイッチング(アプリケーションノート)|東芝デバイス&ストレージをもとに AI(Claude)で作成(波形は模式)
低い電圧で大きな電流を出す電源では、整流のダイオードの損失が効きます。村田製作所の解説の条件(負荷電流10A、オンデューティ0.5、ダイオードの VF=0.5V、FET のオン抵抗10mΩ)で計算すると、転流側の損失はダイオードで2.5W、FET に替える同期整流で0.5W です。軽い負荷・待機のときは、周波数に比例する損失や制御 IC の損失の比重が大きくなるので、低電流時はスイッチング周波数を低くして損失を小さくする方法が一般的です(ローム)。AC 入力の電源では、力率改善(PFC)回路の損失も効率に効きます。onsemi は、SiC を使って設計した単相3kW のトーテムポール PFC 電源で、全負荷効率98.4%としています。

出典:降圧型DC-DCコンバータのダイオード整流と同期整流の違い|村田製作所の解説の条件で編集部が計算し、それをもとに AI(Claude)で作成
出典:共振回路およびソフトスイッチング(アプリケーションノート)|東芝デバイス&ストレージ、降圧型DC-DCコンバータのダイオード整流と同期整流の違い|村田製作所、降圧コンバータの効率(アプリケーションノート)|ローム、Totem-pole PFC and SiC Combine to Improve Power Supply Density and Efficiency|onsemi
磁性部品:周波数に合ったトランス・コイルにする
トランスやコイルの損失は、巻線の銅損と、磁心の鉄損に分けられます。パナソニック技報の論文は、高周波での損失を、直流抵抗損・表皮効果損・近接効果損(巻線)と、渦電流損・ヒステリシス損(磁心)に分けて扱っています。部品を小さくしようと周波数を上げると、磁心の鉄損や巻線の損失も増えます。磁心は、使う周波数に合った材料を選ぶのが基本で、TDK は電力用トランスのフェライト材料を、100kHz 未満、500kHz 未満、1MHz 以上などの周波数帯ごとに用意しています。

出典:パナソニック技報 Vol.59 No.1(高周波の損失の解析)、フェライト材料|TDKをもとに AI(Claude)で作成(巻線の形は模式)
ロームのノートは、オン抵抗の低い MOSFET や直流抵抗の小さいインダクターは一般にサイズが大きくなるとし、損失とサイズはトレードオフになるとしています。
出典:パナソニック技報 Vol.59 No.1(高周波の損失の解析)、フェライト材料|TDK、降圧コンバータの効率(アプリケーションノート)|ローム
インバーターによる回転数制御:使う電力そのものを減らす
ポンプやファンを、回転数はそのままで弁やダンパーで絞ると、流量が減っても消費電力はわずかしか下がらず、ロスの分の電力を使い続けます。遠心ポンプは、流量が回転数に、揚程が回転数の2乗に、軸動力が回転数の3乗に比例します(環境省)。J-Net21 の試算(締切揚程が定格の1.4倍、実揚程が定格揚程の0.3倍)では、流量を半分にするとき、吐出し弁で絞ると定格の電力の65%、インバーターで回転数を下げると24%で済みます。

出典:実揚程の大きなポンプにインバータを取り付けても省エネ効果が少ないのはなぜ?|中小機構 J-Net21、インバーター制御装置等の回転数制御装置の導入|環境省をもとに AI(Claude)で作成
環境省の試算では、15kW×2台の冷却水ポンプ(平均負荷率80%、24時間365日運転を想定)で流量を80%にするとき、消費電力の比が弁制御の90%からインバーターの50%になり、年237千kWh から131千kWh になります。ただし、実揚程(くみ上げる高さ)が大きいポンプでは効果が小さくなり、J-Net21 は、回転数制御が有効なのは実揚程が小さく、流量比で30〜80%程度までとしています。
モーターの側にも注意が要ります。日本電機工業会の指針は、インバーターで回すと電流の高調波成分でモーターの損失が増え、商用電源で回すより温度上昇が高くなる傾向があるとしています。回転数を下げると、軸に付いた冷却ファンの風量も減って冷えにくくなるので、負荷によっては低速で使えないことがあります。
出典:インバーター制御装置等の回転数制御装置の導入|環境省、実揚程の大きなポンプにインバータを取り付けても省エネ効果が少ないのはなぜ?|中小機構 J-Net21、工場の省エネルギーガイドブック2024|省エネルギーセンター、インバータ駆動する場合の適用指針(2024年度版)|日本電機工業会、PM モータ(パンフレット、2014年)|日本電機工業会
ノイズ対策:入口・配線・すき間で止める
電源線のノイズには、電源用のノイズフィルターを使います。岡谷電機産業の解説によると、ノイズフィルターは、2本の配線に同じ向きで乗るコモンモードノイズを抑えるコモンモードチョークコイル、線間を往復するノーマルモードノイズを抑えるノーマルモードチョークコイル、X コンデンサー、Y コンデンサーを組み合わせたものです。Y コンデンサーは定常時にもわずかな漏洩電流を大地に流すため、安全規格の許容値に合わせて選びます。フィルターの前と後の配線を束ねたり近づけたりすると、空間を介してノイズが再結合するとしています。

出典:導体伝導とコモンモード|村田製作所をもとに AI(Claude)で作成
ケーブルには、フェライトコアを使います。村田製作所は、フェライトコアは基板に取り付ける必要がないため、基板を変更する時間がないときに重宝されるとしています。基板では、信号の帰り電流の経路を常に意識し、配線をできるだけ短くしてグラウンドまで含めたループ面積を最小にし、パスコンを素子の近くに置きます(CEND)。設計の段階で直せば、あとからの部品の追加を減らせます。スイッチング周波数を上げるとノイズも出やすくなるので、周波数はノイズの規格と合わせて決めます(編集部の解説)。

出典:ノイズフィルタとは?|岡谷電機産業、ノイズ対策の基礎【第8回】フェライトコア|村田製作所、プリント基板のEMC対策|CENDをもとに AI(Claude)で作成
出典:ノイズフィルタとは?|岡谷電機産業、導体伝導とコモンモード|村田製作所、ノイズ対策の基礎【第8回】フェライトコア|村田製作所、プリント基板のEMC対策|CEND
熱の逃げ道と寿命部品の温度:小さくしても熱を出す
部品の温度は、まわりの温度+発熱量×熱抵抗の合計です(ジィーサスの熱抵抗の考え方による編集部の解説)。温度を下げる方法は、発熱量を減らす、熱抵抗を小さくする、まわりの温度を下げる、のどれかになります。基板の銅箔とサーマルビアは、小さな部品の熱の逃げ道です。ロームの資料では、裏面に放熱パッドのある3mm 角の部品で、パッドの下にサーマルビアがあると熱抵抗が58.4℃/W、ないと78.8℃/Wでした(JEDEC 準拠の4層基板でのシミュレーション値)。1W・周囲50℃なら、接合部の温度は108.4℃と128.8℃で、ビアだけで約20℃違います。

出典:エクスポーズドパッドタイプパッケージのサーマルビアによる放熱効果(アプリケーションノート、2022年)|ロームをもとに AI(Claude)で作成
電源の寿命を決めやすい部品が、アルミ電解コンデンサーです。日本ケミコンの式では、寿命は周囲の温度が10℃下がるごとにおよそ2倍になります(60〜95℃の範囲)。熱い部品どうしを近づけない、電解コンデンサーを熱源の近くや上に置かない、といった配置も、基板が小さいほど効いてきます(編集部の解説)。

出典:アルミ電解コンデンサの寿命と温度|日本ケミコンをもとに編集部が計算し、それをもとに AI(Claude)で作成
出典:基板と熱設計 15. 熱抵抗について|ジィーサス、エクスポーズドパッドタイプパッケージのサーマルビアによる放熱効果(アプリケーションノート、2022年)|ローム、アルミ電解コンデンサの寿命と温度|日本ケミコン
損失の見積もり・測定・試験:どこで失っているかを確かめる
どこから直すかは、損失の内訳で決まります。ロームのノートは、降圧コンバーターの損失の要因として、MOSFET の導通損失・スイッチング損失・逆回復損失・出力容量の損失・デッドタイム損失・ゲート電荷の損失、制御 IC の動作損失、インダクターとコンデンサーの損失の9つを挙げ、式で計算して足し合わせています。回路シミュレーターでは、全ての素子の損失要素を一覧表示・グラフ化できるものがあります(スマートエナジー研究所)。

出典:降圧コンバータの効率(アプリケーションノート)|ローム、About Scideam|スマートエナジー研究所、インバータ出力を正確に測定する電力計 PW3390|日置電機(計測自動制御学会 中部支部シンポジウム 2017)をもとに AI(Claude)で作成
試作したら、入力と出力の電力を測って効率を確かめます。日置電機の技術資料は、インバーターの出力のうちスイッチング(キャリア)周波数の成分は低力率の電力になり、電圧と電流の測定の位相誤差の影響が大きいため、高い周波数までフラットな特性と、電流センサーの位相補正が要るとしています。部品ごとの温度は、熱回路網法や熱流体解析で見積もり(CEND)、試作で測って解析の条件を合わせ込みます。福島県の報告では、自然空冷のヒートシンクで、放射の条件を設定し直すと、解析と実測の温度の平均絶対誤差が3.03から2.44に小さくなりました。ノイズは、電磁界プローブのデータを機器の画像と重ねて、発生箇所を可視化する方法があります(ノイズ研究所)。
出典:降圧コンバータの効率(アプリケーションノート)|ローム、About Scideam|スマートエナジー研究所、インバータ出力を正確に測定する電力計 PW3390|日置電機(計測自動制御学会 中部支部シンポジウム 2017)、熱回路網法(熱設計入門)|CEND、ヒートシンクの熱流体解析シミュレーション手法の開発|福島県、可視化技術を利用した近傍電磁界測定システム|ノイズ研究所、伝導エミッション試験とは|CEND
種類と特徴
電源は、電圧を下げるしくみでリニアレギュレーターとスイッチング方式に、入力と出力をトランスで分けるかどうかで絶縁形と非絶縁形に分けられます。モーターを回すインバーターは、交流を直流にしてから、周波数と電圧を変えた交流をつくります(編集部の整理)。

出典:リニアレギュレータの基礎(アプリケーションノート)|ローム、降圧コンバータの効率(アプリケーションノート)|ローム、絶縁型DC-DCコンバータを非絶縁として使用可能でしょうか(よくあるご質問)|コーセル、インバータの基礎 インバータの回路および制御について(PDF)|明電舎をもとに AI(Claude)で作成(回路の形は模式)
| 種類 | しくみ | 得意なこと | 留意点 |
|---|---|---|---|
| リニアレギュレーター | トランジスタで余分な電圧を落として、一定の電圧を出す | シンプルで省スペース。スイッチングノイズがなく、ノイズを嫌う AV・通信・医療・計測の用途で好まれる傾向がある(ローム) | 入出力の電圧差が大きいと損失が大きく、ほとんどが熱になる。降圧しかできない。効率は出力電圧÷入力電圧で、5V から3.3V なら66%(ローム) |
| スイッチング方式(非絶縁の DC-DC) | 素子を高速でオン・オフし、コイルとコンデンサーで平らにする | 効率が高い。ロームは、昨今のスイッチングレギュレーターの効率を80〜90%以上としている | 損失の内訳が負荷・周波数で変わる。周波数を上げると切り替えの損失が増え、ノイズも出やすい(ローム、編集部の解説) |
| 絶縁形の電源(AC-DC・絶縁形 DC-DC) | トランスを介して二次側へエネルギーを送り、整流・平滑する | 入力と出力をトランスで分ける。絶縁形の DC-DC は、入力と出力をつないで非絶縁として使うこともできるが、そのときは入力-出力間の絶縁耐圧・絶縁抵抗の仕様が削除になる(コーセル) | トランスの銅損・鉄損も効率に効く。AC 入力では力率改善(PFC)回路の損失も効く(パナソニック技報、onsemi) |
| インバーター(モーター駆動) | 電圧形では、三相交流をダイオードで整流し、平滑コンデンサーで平滑した直流を順次切り換えて、可変電圧・可変周波数を出す(明電舎) | モーターの回転数を変えられる。ポンプ・ファンでは使う電力そのものを減らせる(環境省) | 入力側の高調波、モーター側のサージ電圧、高周波の漏れ電流、電磁ノイズ(日本電機工業会) |
インバーターの制御には、周波数を変えるときに出力電圧との比(V/f)を一定にする V/f 制御があり、低速ではトルクが不足するので、電圧を高めにするトルクブーストで補います(三菱電機)。モーター電流を励磁電流とトルク分電流にベクトル演算で分けて制御する方式もあり、V/f 制御で低速のトルクが不足するときの選択肢になります(三菱電機)。
出典:リニアレギュレータの基礎(アプリケーションノート)|ローム、降圧コンバータの効率(アプリケーションノート)|ローム、絶縁型DC-DCコンバータを非絶縁として使用可能でしょうか(よくあるご質問)|コーセル、インバータの基礎 インバータの回路および制御について(PDF)|明電舎、インバーター制御装置等の回転数制御装置の導入|環境省、V/F制御とは(よくあるご質問)|三菱電機、汎用インバータ NEWS Vol.66「ベクトルって何?」(PDF)|三菱電機、インバータを使用した制御盤の設計にあたって(2024年)|日本電機工業会
インバーターを使うときの注意と、関係する規格
日本電機工業会は、インバーターを使った制御盤の課題として、電磁ノイズの増加、電源高調波、高周波漏れ電流の増加、モーター巻線に発生するマイクロサージ電圧を挙げています。インバーターは急峻な電圧変化をもつパルス(通常約2kHz〜15kHz 程度)で電圧と周波数を制御するため、高周波の漏れ電流が浮遊容量を介して流れ、漏電遮断器の不要動作の原因になりやすいとしています。400V 級の例で、モーターの配線が長くなると、モーター端子では約2倍のマイクロサージ電圧が発生し、モーターの絶縁を損傷することがあるとしています。モーターの指針は、サージ電圧が高い場合は、サージ吸収器や交流リアクトルなどで抑えるか、絶縁を強化した電動機を使う必要があるとしています。
入力側では、平滑コンデンサーを充電するために、交流入力電流が高調波を含んだひずみ波形になります。対策として、メーカーが推奨する交流リアクトルか直流リアクトル、PWM コンバーターの採用などがあります(日本電機工業会)。高調波の規格・制度には、1相当たりの入力電流が20A 以下の機器の限度値を定める JIS C 61000-3-2 と、高圧または特別高圧で受電する需要家を対象にした「高調波抑制対策ガイドライン」(1994年制定、2004年改正)があります。日本電機工業会は、汎用インバーター単体は JIS C 61000-3-2 の適用範囲に含まれず、汎用インバーターを組み込んだ1相当たり20A 以下の機械・装置は JIS C 61000-3-2 に従う必要があるとしています。
出典:インバータを使用した制御盤の設計にあたって(2024年)|日本電機工業会、インバータ駆動する場合の適用指針(2024年度版)|日本電機工業会、汎用インバータ及びサーボアンプの高調波抑制対策について(2022年)|日本電機工業会、JIS C 61000-3-2:2019(規格票のプレビュー)|日本規格協会
選ぶ・見直すときに確かめること
電源・インバーターは、入力と出力、効率と負荷、熱と大きさ、ノイズと規格、確かめ方の順に確かめて決めます(編集部の整理)。効率は、どの負荷で測った値かで大きく変わるので、定格だけでなく、長く動く負荷での値を比べます。

出典:編集部の整理をもとに AI(Claude)で作成
- 入力と出力:AC か DC か、入力電圧の範囲、出力の電圧・電流・電力、入力と出力の絶縁が要るか
- 効率と負荷:いまの効率と目標の効率。定格・半分・軽負荷・待機のどれで測った値か。ずっと定格に近いのか、軽負荷や待機の時間が長いのか
- 熱と大きさ:許される大きさと温度、放熱器やファンを付けられるか、電解コンデンサーなど寿命部品の温度
- ノイズと規格:満たすべき EMC の規格、力率・高調波の条件、安全規格
- モーターを回すとき:ポンプ・ファンを弁やダンパーで絞っていないか、実揚程の大きさ、モーターがインバーター駆動に対応しているか、低速で冷えるか
- 確かめ方:損失の計算・シミュレーション、効率と温度の測定(測定器の帯域と電流センサーの位相)、EMC 試験
出典:大容量電源における効率の考え方|アイガ電子工業、実揚程の大きなポンプにインバータを取り付けても省エネ効果が少ないのはなぜ?|中小機構 J-Net21、インバータ駆動する場合の適用指針(2024年度版)|日本電機工業会、インバータ出力を正確に測定する電力計 PW3390|日置電機(計測自動制御学会 中部支部シンポジウム 2017)
企業紹介(電源・インバーター技術)
電源・インバーターに関係する技術を持つ企業を、得意分野が重ならないように選びました。紹介の内容は、各社の公式サイトで確認できる範囲で、関係する課題ページの企業紹介と同じです。各社の得意分野は、次の早見表のとおりです。
| 企業 | パワー 半導体 | 回路 方式 | 磁性 部品 | インバー ター化 | ノイズ 対策 | 放熱 | 損失の 解析 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| FLOSFIA酸化ガリウムのパワー半導体 | ● | ||||||
| アイガ電子工業高効率のカスタム電源の設計・製造 | ● | ● | |||||
| サンリッツエレクトロニクス高力率・高効率電源を放熱まで含めて設計 | ● | ● | ● | ||||
| 東邦亜鉛低損失の圧粉磁心コイル | ● | ||||||
| ダイナテックコンプレッサー・ポンプのインバーター化 | ● | ||||||
| 岡谷電機産業電源の入口のノイズフィルター・サージ対策 | ● | ||||||
| スマートエナジー研究所回路シミュレーターで素子ごとの損失を解析 | ● |
●は、各社の公式サイトで確認できた得意分野です(空欄は、扱っていないという意味ではありません)。社名を押すと、その会社の紹介へ移ります。
株式会社FLOSFIA|酸化ガリウム(Ga₂O₃)のパワー半導体で、変換の損失を減らす
FLOSFIAとは
FLOSFIA(フロスフィア)は、京都市西京区に本社・製造・研究開発拠点を置く、2011年設立の京都大学発のベンチャーです(資本金等42億850万円、資本準備金等を含む。2025年4月1日現在)。パワーデバイス事業と、ミストドライ®法による成膜ソリューション事業を行っています。
FLOSFIAの得意技術
| 技術 | 内容 |
|---|---|
| GaO® パワーデバイス | SiC や GaN と同じく、Si よりバンドギャップの大きい材料である酸化ガリウム(コランダム構造の α 型)を使ったパワー半導体。同社は、Si や SiC と比べてそれぞれ1/3400、1/10の低損失化が期待できる材料としている |
| オン抵抗の低いショットキーバリアダイオード(SBD) | オン抵抗0.1mΩcm² の SBD の試作に成功したとしている(同社調べで世界最小)。販売されている最新の SiC 製 SBD の0.7mΩcm² と比べて86%の低減で、500V 以上の耐圧を持つとしている |
| 用途 | 電力変換モジュールの効率化・小型化、パソコン用 AC アダプターの超小型化などへの応用を挙げ、まず小型電源用途から事業を立ち上げるとしている |
酸化ガリウムは SiC・GaN とは別の材料です。記事のマトリクスでは「SiC・GaN などのワイドバンドギャップ半導体」の列に含めています。
FLOSFIAが解決できる課題
- 整流ダイオードの損失で、電源の効率が上がらない
- 電源を小さくしたいが、ダイオードの発熱が大きい
- SiC の次の材料も含めて、素子の選択肢を知りたい


出典:パワーデバイス事業|FLOSFIA、FLOSFIA トップページ、会社概要|FLOSFIA
アイガ電子工業株式会社|損失を積み上げて設計する、高効率のカスタム電源
アイガ電子工業とは
アイガ電子工業は、茨城県日立市に本社を置く、1946年創業の会社です(資本金6,000万円、従業員135名、グループ従業員163名)。カスタム電源の開発・製造、アナログ・電源回路設計、基板設計・実装、モーター製造などを行っています。
アイガ電子工業の得意技術
| 技術 | 内容 |
|---|---|
| 特注の高効率 AC/DC コンバーター | 創業から50年以上、高効率の AC/DC コンバーターの設計・開発を行ってきたとし、効率90%以上・力率99%以上の高信頼性を兼ね備えたカスタム仕様の開発を行っているとしている。インフラ設備用や産業機器向けの電源装置を挙げている |
| 損失を減らす設計 | 技術解説で、損失を減らす方法として、スイッチング素子に MOSFET を使う、力率改善(アクティブフィルタ)回路を入れる、ゼロスイッチング方式を使う、スイッチング周波数を最適化する、を挙げている |
| 損失の見積もりの公開例 | 出力24V・5A の電源(1次側にアクティブフィルター回路、スイッチング部にアクティブクランプ方式、DC/DC 部に同期整流、スイッチング周波数130kHz)で、部品ごとの損失を足し合わせて総損失13.35W、AC/DC の変換効率0.900 とした計算例を公開している |
アイガ電子工業が解決できる課題
- 効率90%以上の専用電源をつくりたいが、社内にノウハウがない
- 大容量の電源で効率が上がらず、装置が大きくなる
- 汎用品では仕様が合わず、1台から相談したい

出典:スイッチング電源における効率の最適化|アイガ電子工業、大容量電源における効率の考え方|アイガ電子工業、特注高効率AC/DCコンバータ 設計開発サービス|アイガ電子工業、会社案内|アイガ電子工業
株式会社サンリッツエレクトロニクス|ノイズを考えた高力率・高効率電源を、設計から量産まで
サンリッツエレクトロニクスとは
サンリッツエレクトロニクスは、埼玉県川越市に本社・工場を置く、2009年設立の会社です(株式会社サンリッツより新設分割。資本金5,000万円、従業員75名)。電子機器類、各種電源・電子制御装置・通信制御装置、ノイズフィルタの設計製造販売と研究開発を行っています。
サンリッツエレクトロニクスの得意技術
| 技術 | 内容 |
|---|---|
| 高力率・高効率電源の回路設計 | アナログ回路・電源回路・デジタル回路の設計ができ、ノイズを考慮した高力率・高効率電源の設計、SPICE を使ったシミュレーション検証が行えるとしている |
| 放熱まで含めた設計 | 電子部品の発熱量を計算した放熱システムの設計、恒温槽を使った環境試験・信頼性試験などの評価が行えるとしている |
| 電源装置 | AC-DC、DC-DC などの電源装置を扱い、試作と量産を同じ生産ラインでつくるとしている |
サンリッツエレクトロニクスが解決できる課題
- 力率とノイズを満たしながら、効率も上げた電源がほしい
- 回路の設計から、基板・放熱・評価までまとめて頼みたい
- 試作から量産まで、同じ会社に任せたい

出典:サンリッツエレクトロニクス「技術開発」の記載をもとに AI(Claude)で作成
出典:技術開発|サンリッツエレクトロニクス、電源装置|サンリッツエレクトロニクス、会社概要|サンリッツエレクトロニクス
東邦亜鉛株式会社|自社の磁性材料を使った、低損失の圧粉磁心コイル
東邦亜鉛とは
東邦亜鉛は、東京都港区に本社を置く、1937年設立の会社です(資本金11億円)。製錬事業、環境・リサイクル事業、電子部材・機能材料事業などを行い、電子部品事業でインダクタ・トランスの製造販売を行っています。
東邦亜鉛の得意技術
| 技術 | 内容 |
|---|---|
| 圧粉磁心(ダストコア)のコイル | 磁性材料の開発から品質管理、技術営業までの一貫体制を構築しているとし、鉄系・合金系・アモルファスの圧粉磁心を使ったチョークコイルをつくっている。合金系の HK は、周波数特性が良好で100kHz 以上のスイッチング電源に対応するとしている |
| アモルファスダストの HM シリーズ | 金属系ダストで最も低損失なアモルファス材を使い、1ランク上の効率を実現するとしている。カタログでは、直流重畳特性に優れ、低コアロスを実現したコイルで、スイッチング電源の平滑用・力率改善用、DC-DC コンバーターのチョーク用としている |
| 小型化・高効率化 | HKF はスイング特性の大きいチョークコイルで、スイッチング電源の小型化・高効率化に最適としている |
コアロスの数値は、同社のページには書かれていません。選ぶときは、使う周波数・電流で損失を確かめます。
東邦亜鉛が解決できる課題
- チョークコイル・PFC コイルの損失を減らしたい
- 周波数を上げたら、コイルの損失が増えた
- 大電流でもインダクタンスが下がりにくいコイルがほしい

出典:東邦亜鉛「電子部品事業」の製品一覧をもとに AI(Claude)で作成
出典:電子部品事業|東邦亜鉛、HM コイル(カタログ)|東邦亜鉛、会社概要|東邦亜鉛
株式会社ダイナテック|コンプレッサー・ポンプ・冷凍機の省エネ改修
ダイナテックとは
ダイナテックは、福井県福井市に本社・第一工場がある会社です(1986年設立)。ビル用設備・産業用機器の販売・設置工事・メンテナンス、制御盤の製作とソフト開発、配管・ダクト・空調工事の設計施工などを行っています。
ダイナテックの得意技術
| 技術 | 内容 |
|---|---|
| コンプレッサーのインバーター化と台数制御盤 | 従来の調節弁や発停制御では、コンプレッサーを動かすモーターが常にほぼフル稼働して電力を使っているとし、インバーター化と台数制御盤の組み合わせを提案している。モデル工場の試算では、現場調査の負荷測定から年間の使用量を8,758,200m³・1,152,400kWh と見積もり、1m³/min の空気を作る電力(原単価)を0.131580から0.100097kW にすることで、年275,734kWh(11円/kWh 換算で約303万円)の削減を見込んでいる |
| ポンプのインバーター化 | 工場内の循環水ポンプ(15kW)をインバーターで90%・80%運転にした場合の効果を試算している。同社の実績では、適正な流量を確保しながらの現地調整で、実測で周波数を70%(42Hz)程度まで下げた事例が多数あるとし、70%程度まで調整できた場合は年82万円の省エネになるとしている |
| 冷凍機の省エネ診断 | 冷凍機の電力使用料金の削減、負荷状況の把握による更新時の機種選定、運転状態の把握による効率のよい稼働環境づくりを、診断とインバーター化で支援するとしている |
ダイナテックが解決できる課題
- コンプレッサーのインバーター化や台数制御で、電力使用料金を削減したい
- ポンプ・冷凍機の負荷状況を測り、インバーター化や更新時の機種選定に生かしたい

出典:ダイナテック「省エネルギー」をもとに AI(Claude)で作成

出典:ダイナテック「省エネルギー」
岡谷電機産業株式会社|電源の入口で、伝導ノイズと雷サージを止める部品
岡谷電機産業とは
岡谷電機産業は、東京都世田谷区に本社を置く、1939年設立の電子部品メーカーです。ノイズ対策製品、サージ対策製品、LEDなどの表示関連製品、センサを扱っています。

出典:岡谷電機産業の解説をもとに AI(Claude)で作成
岡谷電機産業の得意技術
| 技術 | 内容 |
|---|---|
| ノイズフィルタ・チョークコイル | 単相・三相のノイズフィルタ、コモンモードコイル、EMCコア。電磁ノイズによる機器の誤作動の防止やEMI規制への対応に使う |
| フィルムコンデンサ | 電源のX/Yコンデンサとして使うAC用フィルムコンデンサ、スパークキラー(CR複合部品) |
| サージ対策製品 | AC電源用・通信信号用のサージプロテクタ(SPD)、ガス入り放電管(GDT)、シリコンサージアブソーバ(ABD)。放電・真空管の製造技術がベース |
同社の解説では、Yコンデンサは性質上、定常時にもわずかな漏洩電流を大地に流すため、用途や安全基準に合わせてYコンデンサの容量を選べるノイズフィルタも用意しているとしています。
岡谷電機産業が解決できる課題
- 電源線から出るノイズ(伝導エミッション)が規格を超える
- 雷サージで、屋外につながる機器の電源や通信の回路が壊れる
- リレーやモーターの開閉で出るノイズを抑えたい
出典:製品情報|岡谷電機産業、ノイズフィルタとは?|岡谷電機産業、雷サージとは?回路を守るサージ対策の基礎知識|岡谷電機産業、会社概要|岡谷電機産業
株式会社スマートエナジー研究所|国産の回路シミュレーターで、素子ごとの損失を自動で解析する
スマートエナジー研究所とは
スマートエナジー研究所は、横浜市港北区に本社を置く、2009年設立の会社です(資本金950万円)。電源開発・パワーエレクトロニクス開発に特化した国産の高速回路シミュレーター「Scideam(サイディーム)」を開発・提供しています。
スマートエナジー研究所の得意技術
| 技術 | 内容 |
|---|---|
| 損失解析 | ターンオン、ターンオフの動作をシミュレーションし、高速に演算、全自動で損失解析を行うとしている。全ての素子の全ての損失要素を一覧表示・グラフ化でき、損失解析の時間短縮、回路のボトルネック分析に役立つとしている |
| SiC・GaN のモデル | 損失解析のオプション「Power Palette」に、GaN/SiC のモデルを加えている |
| スイッチング電源向けのソルバー | スイッチング電源のような急峻な応答を繰り返すシミュレーションでも、モデルに合わせてソルバーを自動設定し、収束性が高く高速なシミュレーション環境を提供するとしている |
スマートエナジー研究所が解決できる課題
- 試作の前に、どの素子で損失が出るかを知りたい
- SiC・GaN に替えたときの損失を見積もりたい
- 回路の定数を変えたときの効率の変化を、早く比べたい

出典:スマートエナジー研究所「Scideam」の記載をもとに AI(Claude)で作成(棒の長さは模式)
出典:About Scideam|スマートエナジー研究所、電源の損失解析が大幅進化!GaN/SiCに対応した最新バージョン|スマートエナジー研究所、会社概要|スマートエナジー研究所
関連する分野・製品
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- 技術:SiC・GaN のパワー半導体
- 技術:放熱シート・グリス
- 技術:CAE(構造解析・熱流体解析)
- 技術の基礎知識:共振
出典・参考
- 降圧コンバータの効率(アプリケーションノート)|ローム
- 大容量電源における効率の考え方|アイガ電子工業
- ノイズフィルタとは?|岡谷電機産業
- 基板と熱設計 15. 熱抵抗について|ジィーサス
- インバーター制御装置等の回転数制御装置の導入|環境省
- インバータ駆動する場合の適用指針(2024年度版)|日本電機工業会
- SiC パワーデバイス・モジュール(カタログ)|ローム
- 第2世代SiC MOSFET/IGBT スイッチング損失比較|東芝デバイス&ストレージ
- 共振回路およびソフトスイッチング(アプリケーションノート)|東芝デバイス&ストレージ
- 降圧型DC-DCコンバータのダイオード整流と同期整流の違い|村田製作所
- パナソニック技報 Vol.59 No.1(高周波の損失の解析)
- フェライト材料|TDK
- About Scideam|スマートエナジー研究所
- プリント基板のEMC対策|CEND
- 可視化技術を利用した近傍電磁界測定システム|ノイズ研究所
- エクスポーズドパッドタイプパッケージのサーマルビアによる放熱効果(アプリケーションノート、2022年)|ローム
- アルミ電解コンデンサの寿命と温度|日本ケミコン
- 熱回路網法(熱設計入門)|CEND
- ヒートシンクの熱流体解析シミュレーション手法の開発|福島県
- 工場の省エネルギーガイドブック2024|省エネルギーセンター
- PM モータ(パンフレット、2014年)|日本電機工業会
- 技術紹介|ブライテック
- GaN パワーデバイス|ローム
- Totem-pole PFC and SiC Combine to Improve Power Supply Density and Efficiency|onsemi
- 実揚程の大きなポンプにインバータを取り付けても省エネ効果が少ないのはなぜ?|中小機構 J-Net21
- 導体伝導とコモンモード|村田製作所
- ノイズ対策の基礎【第8回】フェライトコア|村田製作所
- インバータ出力を正確に測定する電力計 PW3390|日置電機(計測自動制御学会 中部支部シンポジウム 2017)
- 伝導エミッション試験とは|CEND
- リニアレギュレータの基礎(アプリケーションノート)|ローム
- 絶縁型DC-DCコンバータを非絶縁として使用可能でしょうか(よくあるご質問)|コーセル
- インバータの基礎 インバータの回路および制御について(PDF)|明電舎
- V/F制御とは(よくあるご質問)|三菱電機
- 汎用インバータ NEWS Vol.66「ベクトルって何?」(PDF)|三菱電機
- インバータを使用した制御盤の設計にあたって(2024年)|日本電機工業会
- 汎用インバータ及びサーボアンプの高調波抑制対策について(2022年)|日本電機工業会
- JIS C 61000-3-2:2019(規格票のプレビュー)|日本規格協会
情報の確認日:2026年10月6日 本ページの内容は一般的な情報で、実際の性能は製品・使用条件により異なります。図はAI(Claude)で作成した概念図、冒頭の画像はAI(ChatGPT)で生成したイメージ画像です。企業紹介の内容と図は、関係する課題ページの企業紹介と同じです。