CAE(Computer Aided Engineering)は、コンピューターで部品の強度や性能を予測する技術です。形を小さな要素に分けて計算する構造解析(有限要素法、FEM)で応力・変形・固有振動数を、熱流体解析(CFD)で温度・流れ・圧力を求めます。射出成形・鋳造・プレスの解析もあります。答えは、入れた形・条件・材料データで決まります。
このページでは、解析のしくみ、解析と要素の種類の選び方、ソフトの使い分け、結果の見方(ミーゼス応力・安全率)、解析を信頼できるものにする注意をまとめ、解析を受託する企業を紹介します。試作の前に何を予測できるかは、課題ページ「作る前に性能を予測したい」でも扱っています。
CAE の企業(早見表)
| 企業 | 構造解析 | 熱流体 解析 | 成形・ 鋳造の解析 | 最適化 | 材料試験・ 材料データ | 導入・ 教育の支援 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| テラバイト構造解析の受託と材料試験 | ● | ● | ● | |||
| 富士テクニカルリサーチ幅広い分野の受託解析 | ● | ● | ● | ● | ||
| アドバンスドナレッジ研究所熱流体解析ソフトと受託 | ● | |||||
| フローサイエンスジャパン鋳造のシミュレーション | ● | ● | ||||
| セイロジャパン樹脂流動解析の材料測定 | ● | ● | ||||
| くいんと構造最適化のソフトと受託 | ● | ● |
●は、各社の公式サイトで取り扱いを確認できた分野です(空欄は、扱っていないという意味ではありません)。テラバイトの「導入・教育の支援」は CAE コンサルティング、フローサイエンスジャパンの「熱流体解析」は CFD の FLOW-3D の受託解析です。社名を押すと、その会社の紹介へ移ります。
この技術で解決できる課題
大阪産業技術研究所のものづくり計算センターは、CAE の分野として、構造解析、熱流体解析、衝撃・振動、音響、生産の解析(プレス・鍛造・鋳造・樹脂流動・溶接)、電磁場を挙げています。困りごとに合わせて、解析の種類を選びます。

出典:大阪産業技術研究所 テクニカルシート No.24-11・MONOist の記事の記載をもとに AI(Claude)で作成
| 課題 | この技術での解決 | 課題ページ |
|---|---|---|
| 試作してから強度不足・割れに気づく | 構造解析で、応力と変形を試作の前に計算する | 構造解析(FEM) |
| 薄く軽くすると強度が足りない | 解析と最適化で、どこに材料を残すかを決める | 解析と試験で確かめる |
| 軽くすると振動・騒音が増える | 固有値解析で固有振動数を求め、共振を避ける | 振動・騒音の解析と計測 |
| 小型化で部品の温度が上がる | 熱流体解析で、熱がこもる所を探す | 熱の見積もり・解析 |
| 流体抵抗・圧力損失を減らしたい | 流体解析で、損失の大きい場所を確かめる | 流体解析と計測 |
| 射出成形の外観不良を減らしたい | 樹脂流動解析で、充填・ウェルド・ひけを型の前に見る | 流動解析(CAE) |
| 溶接・成形で歪む・反る | CAE で変形を予測し、順序や条件を決める | CAE で変形を予測する |
| 試作回数を減らしたい | 解析で候補を絞ってから試作する | 解析で候補を絞る |
右の列は、関係する課題ページの対策の節へのリンクです。
出典:大阪産業技術研究所 テクニカルシート No.24-11「CAE入門」
仕組み
大阪産業技術研究所のテクニカルシートは、構造解析の設定の流れを、①CAD データの作成・読み込み、②メッシュの作成、③材料データの入力、④境界条件(荷重・固定)の入力、⑤解析・結果表示、としています。MONOist の連載は、一般の CAE ソフトは前処理(プリ)、計算(ソルバー)、結果の表示(ポスト)の3つで構成されるとしています。

出典:大阪産業技術研究所 テクニカルシート No.24-12・MONOist「設計者CAEを活用した構造解析はじめの一歩」の記載をもとに AI(Claude)で作成
出典:大阪産業技術研究所 テクニカルシート No.24-12「構造解析/線形解析・弾性解析の活用法」(2024年)、MONOist「設計者CAEを活用した構造解析はじめの一歩」(2022年)
構造解析:形を要素に分け、荷重と固定を入れて計算する

同じテクニカルシートは、線形解析を、フックの法則(力=ばね定数×変形量)が成り立つ範囲の計算とし、荷重が2倍なら変形や応力も2倍になると説明しています。永久変形や破壊は線形解析からは求められず、結果を見て計算する人が判断します。線形解析に必要な材料データは縦弾性係数(ヤング率)とポアソン比だけで、軟鋼と高炭素鋼は強さが違っても縦弾性係数はほぼ同じなので、解析結果にはほとんど違いが出ません。強さの違いは、結果の応力を材料の耐力と比べて判断します。
固定のしかたについては、全方向を固定する方法、特定の方向や回転だけを固定する方法などがあり、実際の使用状況に応じた固定方法を検討する必要がある重要な境界条件としています。
出典:大阪産業技術研究所 テクニカルシート No.24-12「構造解析/線形解析・弾性解析の活用法」(2024年)
熱流体解析:流れる部分を取り出して計算する
大阪産業技術研究所の熱流体解析のテクニカルシートでは、製品の形をそのまま使わず、気体や液体が流れる部分(流体領域)を取り出し、解析を安定させるために入口・出口を延ばします。壁の近くには、速度と温度が急に変わる境界層を表すための薄いメッシュを置き、乱流は時間平均のモデル(この例では SST k-ω モデル)で扱います。定常解析は、流れと熱が釣り合った状態で収束して完了します。

出典:大阪産業技術研究所 テクニカルシート No.26-09 の記載と値をもとに AI(Claude)で作成
同シートの多管式熱交換器の例では、仕切り板(バッフル板)を入れると、空気の出口温度は119℃から68℃に下がり、熱交換の能力は1.8kW から2.3kW に上がりました。一方で、圧力損失は53Pa から102Pa に増えました。
出典:大阪産業技術研究所 テクニカルシート No.26-09「流体解析/定常熱流体解析の活用法」(2026年)
種類と選び方
解析は、何を知りたいか(強度・揺れ・衝撃・熱・流れ・成形)で選びます。構造解析は、線形か非線形か、静的か動的かでも分かれます。

出典:大阪産業技術研究所 テクニカルシート No.24-11 の記載をもとに AI(Claude)で作成
| 種類 | わかること | 数値の例(出典) | 向いている場面 | 注意 |
|---|---|---|---|---|
| 線形静解析 | 一定の荷重での応力・変形 | 根元の相当応力416MPa → 形を変えて272MPa(耐力300MPa。大阪産業技術研究所) | 強度・剛性の確認、形の案の比較 | 降伏後の変形・破壊は求められない |
| 非線形解析 | 塑性・大変形(座屈)・接触 | 板厚0.2mm の角パイプが150N 付近から座屈(大阪産業技術研究所) | ゴム・薄肉・はめあい・当たる部品 | 計算が収束しにくく、時間がかかる |
| 固有値解析・周波数応答解析 | 固有振動数と揺れ方、共振のときの振幅 | 治具の1次固有振動数186.8〜202.6Hz(拘束条件で変化。広島市工業技術センター) | 共振を避ける設計 | 固定のしかたで値が変わる |
| 衝撃解析(陽解法) | 落下・衝突など短い時間の変形 | 時間刻みは最も小さい要素で制限される(Ansys の解説) | 落下試験・衝突・金属成形 | 小さな時間刻みを多数くり返す |
| 熱流体解析(CFD) | 温度・流速・圧力の分布 | バッフル板で熱交換1.8→2.3kW、圧力損失53→102Pa(大阪産業技術研究所) | 機器の冷却、配管・ダクトの流れ | 乱流モデル・輻射などの設定で結果が変わる |
| 樹脂流動・鋳造・プレスの解析 | 充填・凝固・成形の不良と変形 | 注湯温度を見直し不良率22%→12%(岐阜県) | 型を作る前の不良の予測 | 材料データと成形条件が要る |
数値は各機関・各社の資料の値で、条件が違うので、表の数値どうしを比べないでください。「向いている場面」「注意」は、このページの出典をもとに編集部が整理したものです。
出典:大阪産業技術研究所 テクニカルシート No.24-11「CAE入門」、大阪産業技術研究所 テクニカルシート No.24-12「構造解析/線形解析・弾性解析の活用法」(2024年)、大阪産業技術研究所 テクニカルシート No.25-22「構造解析/非線形解析の特徴と解析事例」(2026年)、広島市工業技術センター 年報 事例報告「振動試験用治具の固有振動数への数値解析条件の影響評価」、Ansys「陽解法動とは」、大阪産業技術研究所 テクニカルシート No.26-09「流体解析/定常熱流体解析の活用法」(2026年)、岐阜県産業技術総合センター 研究報告 第7号「鋳造シミュレーションを用いた革新的な生産効率の向上に関する研究(第2報)」
要素の種類:形に合わせて、ソリッド・シェル・ビームを選ぶ
大阪産業技術研究所のテクニカルシートは、三次元の解析に使う代表的な要素として、ソリッド要素(六面体・四面体)、薄板に使うシェル要素、骨組みに使うビーム要素を挙げています。I形鋼の片持ちはりでは、どの要素でも先端の変位は0.444〜0.448mm、根元の相当応力は12.3〜12.5MPa で、理論値(0.43mm、13.5MPa)と同程度でした。一方、長さ3,000mm の骨組み構造では、角部の相当応力がソリッド要素で74MPa、ビーム要素だけでは20MPa で、局所的な応力を解析できていない結果でした。ビーム要素を主にして必要な部分にソリッド要素を置くと75MPa になり、計算時間は126秒から22秒に縮みました。

出典:大阪産業技術研究所 テクニカルシート No.24-16 の記載と値をもとに AI(Claude)で作成
出典:大阪産業技術研究所 テクニカルシート No.24-16「構造解析/代表的な要素の種類と特徴」(2024年)
1次要素と2次要素:四面体の1次要素は硬めに出る
MONOist の連載(2020年)の片持ちばりの例では、四面体の1次要素で要素サイズを5mm にすると、最大変形量は理論値の87%、最大応力は82%、2.5mm でも96%と90%でした。筆者は、四面体1次要素は要素サイズを十分に小さくしても理論解を下回る「固めの要素」とし、四面体2次要素は要素サイズによらず最大変位量が安定した(最大応力は、特異点の影響で理論解を上回ることがあった)としています。設計者CAE では四面体の2次要素を使うとし、最近の CAE ソフトの自動メッシュの初期設定は四面体2次要素になっているとしています。
別の連載(2024年)では、穴のある板の応力集中(厳密解300MPa)で、2次要素は1/4円弧を4分割しただけでほぼ厳密解になり、1次要素は18分割でも厳密解になりませんでした。2分割では、1次要素は半分の応力値しか出ず、筆者はこの値を使って強度を評価すると危険な判断をしてしまうとしています。3D CAD 付属の CAE は、ソフトの初期設定(1次か2次か)を一度確かめるとよいとしています。

出典:MONOist「CAEはメッシュが命!」(2020年)と「1次要素と2次要素は『次元が違うくらい』異なる!?」(2024年)の値をもとに AI(Claude)で作成
出典:MONOist「CAEはメッシュが命!」構造解析、はじめの一歩(7)(2020年)、MONOist「1次要素と2次要素は『次元が違うくらい』異なる!?」(2024年)
非線形解析:比例しない問題は、非線形で解く
大阪産業技術研究所のテクニカルシートは、非線形性を、材料非線形(塑性変形する金属、大変形で剛性が変わるゴム)、幾何学的非線形(薄肉構造の座屈など)、接触(境界条件が変わる)の3つに分けています。非線形解析は荷重を細かいステップに分けて反復計算し、収束しないときはステップ分割や境界条件を見直す必要があり、計算時間は増える傾向があるとしています。

出典:大阪産業技術研究所 テクニカルシート No.25-22 の記載(曲線の形は模式)をもとに AI(Claude)で作成
同シートの例では、板厚0.2mm の鋼の角パイプを押すと、大変形の解析では150N 付近から座屈して線形解析より変形が大きくなり、材料の非線形も入れると180N 付近で降伏してさらに変形が増えました。下に0.3mm のすき間で支えを置いた例では、線形解析は最初から固着しているものとして扱うため、接触の変化を追えませんでした。
出典:大阪産業技術研究所 テクニカルシート No.25-22「構造解析/非線形解析の特徴と解析事例」(2026年)
落下・衝突は陽解法で解く

日本計算工学会の講演論文は、自動車の衝突のような強い非線形の衝撃問題には陽解法が有効で、衝突などの特別な場合を除けば一般に陰解法が使われるとしています。陽解法は安定のための時間刻みに強い制約があります。Ansys の解説は、陽解法は落下試験・車両衝突・金属成形などの短時間の非線形問題に向き、時間刻みはモデル内の最も小さい要素をひずみの波が通る時間で制限されるとしています。
出典:日本計算工学会 第29回計算工学講演会論文集 C-10-02(2024年)、Ansys「陽解法動とは」
使う場面ごとの選び方

同じ CAE でも、設計のどの段階で、誰が、何を決めるために使うかで、使うソフトとやり方が変わります。
| 使う場面 | よく使われる解析・ソフト | 選ぶときのポイント | 公開されている例 |
|---|---|---|---|
| 設計の初期に形の案を比べる | 設計者CAE(3D CAD に組み込まれた構造解析) | メッシュの大きさをそろえて相対比較。変位から見る | 形・材料の複数案の相対評価(MONOist の連載) |
| 強度・剛性を数値で確かめる | 線形静解析(2次要素) | 応力集中部のメッシュ、材料の耐力と比べる | ブラケットの根元の応力416→272MPa(大阪産業技術研究所) |
| ゴム・薄肉・接触する部品 | 非線形解析(専任者の汎用ソフト) | 材料モデル・接触の設定、収束 | 角パイプの座屈と接触(大阪産業技術研究所) |
| 機器の冷却・配管の流れ | 熱流体解析(CFD) | 流体領域・境界層メッシュ・乱流モデル・輻射 | 熱交換器(大阪産業技術研究所)、ヒートシンク(福島県) |
| 射出成形・鋳造・プレス | 樹脂流動・鋳造・プレスの専用ソフト | 材料データ(粘度など)と成形条件 | PP の充填不足(広島県)、水栓の鋳造(岐阜県) |
「よく使われる解析・ソフト」と「選ぶときのポイント」は、このページの出典をもとに編集部が整理したものです。
出典:MONOist「設計者CAEを活用した構造解析はじめの一歩」4ページ目(2022年)、大阪産業技術研究所 テクニカルシート No.24-12「構造解析/線形解析・弾性解析の活用法」(2024年)、大阪産業技術研究所 テクニカルシート No.25-22「構造解析/非線形解析の特徴と解析事例」(2026年)、大阪産業技術研究所 テクニカルシート No.26-09「流体解析/定常熱流体解析の活用法」(2026年)、福島県「ヒートシンクの熱流体解析シミュレーション手法の開発」、広島県立総合技術研究所 西部工業技術センター 研究報告 No.66「デジタルものづくりによる不良レス射出成形技術の開発(第1報)」、岐阜県産業技術総合センター 研究報告 第7号「鋳造シミュレーションを用いた革新的な生産効率の向上に関する研究(第2報)」
設計者CAE と、専任者のソフト・専用ソフト
MONOist の連載(2022年)は、CAE は以前は高度な専門知識と労力が必要だったが、専任者ではなく設計者が 3D CAD と連携して使える CAE ソフト(設計者CAE)が登場したとしています。設計者CAE は解析の精度は専任者のハイエンドなソフトに劣るものの、操作性がよく、設計者自身がすぐに解析して答えを出せるスピードが利点で、最初は形状や材料の案を比べる相対評価に使い、比べるときはメッシュサイズを変えずに行うとよいとしています。

出典:MONOist の記事(設計者CAE・振動シミュレーション・樹脂流動解析)の記載をもとに AI(Claude)で作成
振動の解析について別の連載(2023年)は、固有振動数だけならモーダル解析で多くの固有振動数が分かる一方、時刻歴応答解析と周波数応答解析には少々高額な CAE ソフトが必要としています。樹脂流動解析は、設計者への普及が遅れ、「成形メーカーや金型屋に任せている」という声が多いと紹介されています(2016年の記事)。
出典:MONOist「設計者CAEを活用した構造解析はじめの一歩」(2022年)、MONOist「設計者CAEを活用した構造解析はじめの一歩」4ページ目(2022年)、MONOist「振動シミュレーションを理解する~CAEソフトによるモーダル解析~」(2023年)、MONOist「樹脂流動解析は金型屋にお任せ。それで本当にいいの?」(2016年)
成形・鋳造の解析は、材料データで結果が変わる
広島県立総合技術研究所 西部工業技術センターの研究では、PP の試験形状で、データベースの樹脂の粘度を使った解析は充填不足(ショートショット)を予測できず、固化温度付近で計測した粘度を使うと実際の成形品に近い形になりました。固化温度付近の粘度は成形温度付近の100倍を超えました。

出典:広島県立総合技術研究所 西部工業技術センター 研究報告 No.66 の記載(曲線の形と止まる位置は模式)をもとに AI(Claude)で作成
岐阜県産業技術総合センターは、青銅鋳物の水栓部品で、注湯温度を1,175℃と1,200℃にした場合の湯流れを鋳造シミュレーションで比べ、実際に1,200℃で鋳造すると、鋳造欠陥による不良率は22%から12%に下がりました。同センターは、水栓部品ごとに最適な鋳造温度を設定する必要があるとしています。

出典:岐阜県産業技術総合センター 研究報告 第7号の値をもとに AI(Claude)で作成
出典:広島県立総合技術研究所 西部工業技術センター 研究報告 No.66「デジタルものづくりによる不良レス射出成形技術の開発(第1報)」、岐阜県産業技術総合センター 研究報告 第7号「鋳造シミュレーションを用いた革新的な生産効率の向上に関する研究(第2報)」
向いている条件と注意点
向いている条件
- 形や材料の案を、試作の前にたくさん比べたい
- 測りにくい所(部品の内部・流れの中)の応力・温度・流速を見たい
- 型や設備を作る前に、成形・加工の不良を見つけたい
- 試作品の測定と照らし合わせて、次の設計に使い回したい
注意点
- 荷重・固定・発熱量などの条件が実物と違うと、答えも違う
- 応力が集中する角は、メッシュで値が変わり続ける(特異点)
- 材料データ(特に樹脂・ゴム)が使う条件と合っているか
- 非線形・接触・衝撃・流体は、設定と計算に時間がかかる
この一覧は、このページの出典をもとに編集部が整理したものです。
よくある失敗:角の最大応力をそのまま信じる
大阪産業技術研究所のテクニカルシートの片持ち梁の例では、根元の角の最大応力は、メッシュを10mm から0.1mm まで細かくするにつれて239MPa から799MPa へ上がり続けました。こうした所は CAE で「特異点」と呼ばれます。一方、応力集中部の評価に使うホットスポット応力や線形化応力は、メッシュ0.1〜1mm でほぼ一定(約300MPa)でした。

出典:大阪産業技術研究所 テクニカルシート No.24-13 の表1の値をもとに AI(Claude)で作成
MONOist の連載(2020年)の例でも、固定した穴の縁に出た最大の応力(62MPa)は、拘束した部分とピン角で特異点の可能性が高いとして値を無視し、フィレットの端の35〜40MPa で強度を判断しています。
出典:大阪産業技術研究所 テクニカルシート No.24-13「構造解析/応力集中部の評価について」、MONOist「線形静解析の流れを“ステップ・バイ・ステップ”で理解する」構造解析、はじめの一歩(5)(2020年)
解析結果の見方

解析ソフトは、変形図・応力のコンター図・温度や流速の分布などを表示します。どの値を、何と比べて判断するかを先に決めてから読みます。
| 結果 | 見方 |
|---|---|
| 変形図 | まず、設定した荷重の向きに変形しているかを確かめる。変形は倍率をかけて描かれていて、実際の量とは違う |
| 相当応力(ミーゼス応力) | いろいろな向きの応力を一軸の引張に換算した値。耐力(降伏応力)・引張強さ・自社の許容応力と比べる |
| 最大主応力・最小主応力 | 脆い材料の割れは最大主応力、座屈・接触は最小主応力も見る |
| 固有振動数 | 使うときの振動の周波数と重ならないかを見る。固定のしかたで値が変わる |
| 温度・流速・圧力の分布 | コンター図(断面の分布)、ベクトル図(向きと大きさ)、流線(三次元の流れ)で見る |
この表は、MONOist の連載と大阪産業技術研究所のテクニカルシート(No.24-12・26-09)の記載をもとに編集部が整理したものです。
材料に合った応力で判断する
MONOist の連載(2026年)は、ミーゼス応力を、引張・圧縮・せん断が混ざった複雑な応力を「材料が降伏するか」という観点で1つの数値にまとめたもので、向きを持たない値としています。使い分けとして、延性材料(一般的な鋼材・アルミ)はミーゼス応力で降伏を、脆性材料は最大主応力で割れを判定し、座屈・接触では最小主応力も確認するとしています。応力のピークが出ても、メッシュ依存や特異点ではないか、実際にそこから破壊が進むかを検討する必要があるとしています。

出典:MONOist「主応力とミーゼス応力は何が違うのか」と「線形静解析の流れ」の記載と値をもとに AI(Claude)で作成
出典:MONOist「主応力とミーゼス応力は何が違うのか」若手エンジニアのための機械設計入門(14)(2026年)
安全率と、耐えられる荷重の逆算

MONOist の連載(2020年)の線形静解析の例では、SS400(降伏応力245MPa)のブラケットで、フィレットの端の応力35〜40MPa から、安全率は6〜7倍としています。また、1,000N の荷重で最大のミーゼス応力が750MPa だった場合、750÷245=3.06倍なので、1,000N÷3.06=約327N が降伏応力に等しくなる荷重の目安になり、これは荷重と変形が比例する線形静解析だから成り立つ逆算だとしています。
出典:MONOist「線形静解析の流れを“ステップ・バイ・ステップ”で理解する」構造解析、はじめの一歩(5)(2020年)
解析を信頼できるものにする注意
- 実物・試験と照らし合わせるどこまで合えば十分かを、目的に合わせて先に決める
- 固定と材料データを確かめる固定のしかたと材料データで、答えが変わる
- 簡略化と対称を使い分ける見たい現象に影響しない所だけを消して軽くする
この3点は、このページの出典(清水建設 櫻井氏の資料・広島市工業技術センター・MONOist)をもとに編集部が整理したものです。
検証と妥当性確認(V&V)
清水建設の櫻井英行氏の資料では、検証(Verification)は計算が正しく解けているか(ソフトの誤り、数値の誤差、メッシュを変えたときの収束)、妥当性確認(Validation)はモデルが実際の現象を正しく表しているかを、使う目的に照らして評価するものです。固体力学では ASME V&V 10、流体・伝熱では ASME V&V 20 が標準としてまとめられています。

出典:清水建設 櫻井英行「V&Vの二つの流れ」の記載をもとに AI(Claude)で作成
出典:清水建設 櫻井英行「V&Vの二つの流れ」(土木学会 応用力学委員会)
固定のしかたと材料データで、答えが変わる
広島市工業技術センターは、振動試験用の治具で、固定する穴の拘束のしかたを7通りに変えて固有振動数を解析しました。1次の固有振動数は186.8〜202.6Hz と変わり、ヤング率を±5%変えると−2.6〜+2.5%、密度を±5%変えると−2.4〜+2.6%変わりました。同センターは、振動試験の2か所の共振点(286Hz・288Hz)に最も近かった拘束条件で解析し、解析の共振点294.7Hz との差は3.0%・2.3%でした。

出典:広島市工業技術センター 年報 事例報告の値をもとに AI(Claude)で作成
熱の解析でも同じです。福島県の公設試験研究機関は、ヒートシンクの解析と実測を比べ、自然空冷の最初の条件では解析のほうが全体に温度が低く、平均絶対誤差は3.03でした。フィンの間の空気の温度が上がることを輻射の条件に入れると、2.44になりました。

出典:福島県の公設試験研究機関の研究報告の値をもとに AI(Claude)で作成
出典:広島市工業技術センター 年報 事例報告「振動試験用治具の固有振動数への数値解析条件の影響評価」、福島県「ヒートシンクの熱流体解析シミュレーション手法の開発」
モデルの簡略化と対称モデル
MONOist に転載された CAD Japan.com の記事では、電子機器のファンによる冷却を流体解析で検討した例で、ほぼ全部の形を入れた解析は10時間たっても5%ほどしか進まず、メモリ不足で諦めました。発熱0.01W 以下の部品、高さ1mm 以下の基板上の部品、0.5mm 以下の穴を消すルールを決めると、条件の設定は約3分の1の時間、計算は1時間弱で完了しました。結果は実測と±15%程度の開きがありましたが、ファンや開口の位置を変えた多くのケースを比べて最適な配置を導いたとしています。

出典:MONOist の記事(解析モデルの簡略化、FEMの知識総まとめ)と大阪産業技術研究所 No.25-22 の記載をもとに AI(Claude)で作成
MONOist の別の連載(2011年)は、構造・荷重・固定がすべて対称なら、モデルを何分の1かにして解析でき、対称の条件は拘束条件として設定するとしています。ただし、すべてが対称になる場面はかなり限られるとしています。大阪産業技術研究所の角パイプの例も、対称性を考えて1/2 で解析しています。消してよい形は見たい現象によって違い、熱の例のルールをそのまま強度の解析に使うことはできません(編集部の解説)。
出典:MONOist「『10時間やっても5パーセントしか進んでいない』そんな時こそ解析モデルの簡略化」(2016年)、MONOist「FEMの知識総まとめ」設計者CAEを始める前にシッカリ学ぶ有限要素法(12)(2011年)、大阪産業技術研究所 テクニカルシート No.25-22「構造解析/非線形解析の特徴と解析事例」(2026年)
相談する前に整理すること
解析を頼むときや、社内で始めるときは、次の条件をできるだけ具体的にそろえておくと、解析の種類と精度、進め方を決めやすくなります。

出典:このページの内容をもとに AI(Claude)で作成
- 知りたい性能(強度・剛性・振動・温度・流れ・成形の不良など)と、合否の目安の値
- 目的(候補を比べたいのか、数値で合否を決めたいのか)と、どこまで合えば十分か
- 3D CAD のデータの形式と、簡略化してよい所
- 荷重・固定・発熱量・流量・周りの温度など、解析に入れる条件(分からない所はどれか)
- 材料の種類とグレード、材料データ(ヤング率・熱伝導率・粘度など)の有無
- 照合に使える試作品や試験の結果、社内で続けて解析したいか(ソフト・人・教育)
この一覧は、このページの出典をもとに編集部が整理したものです。
公設試の講習や設備も使える

公設試験研究機関(公設試)にも、CAE の相談や講習があります。福岡県工業技術センター 機械電子研究所は、構造強度・振動・熱流体・磁界・音響の分野で、同研究所の CAE ソフトや評価設備を使った支援を紹介する無料のセミナーと技術相談会(希望者)を、2025年9月30日の開催で案内しています。岐阜県産業技術総合センターは、初心者向けに3次元 CAD、構造解析(線形静解析・トポロジー最適化)、熱流体・樹脂流動解析の操作を体験する研修(無料・定員10名。県内事業者・岐阜県工業会会員など)を、2026年6月23日の開催で案内しています(カリキュラムは予定)。
出典:福岡県工業技術センター 機械電子研究所「CAEを活用した実践的なデジタルものづくり支援セミナー」開催案内(2025年9月30日)、岐阜県産業技術総合センター「令和8年度 次世代企業技術者育成事業 分野横断応用研修『CAE 活用』課程」開催案内
企業紹介(CAE技術)
CAE の解析を受託する企業や、ソフト・材料データを扱う企業を、得意な分野が重ならないように選びました。構造解析と材料試験、幅広い分野の受託解析、熱流体解析、鋳造のシミュレーション、樹脂流動解析の材料測定、構造最適化を入れています。内容は各社の公式サイトで確認できる範囲です。各社が扱っている分野は、次の早見表のとおりです。
| 企業 | 構造解析 | 熱流体 解析 | 成形・ 鋳造の解析 | 最適化 | 材料試験・ 材料データ | 導入・ 教育の支援 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| テラバイト構造解析の受託と材料試験 | ● | ● | ● | |||
| 富士テクニカルリサーチ幅広い分野の受託解析 | ● | ● | ● | ● | ||
| アドバンスドナレッジ研究所熱流体解析ソフトと受託 | ● | |||||
| フローサイエンスジャパン鋳造のシミュレーション | ● | ● | ||||
| セイロジャパン樹脂流動解析の材料測定 | ● | ● | ||||
| くいんと構造最適化のソフトと受託 | ● | ● |
●は、各社の公式サイトで取り扱いを確認できた分野です(空欄は、扱っていないという意味ではありません)。テラバイトの「導入・教育の支援」は CAE コンサルティング、フローサイエンスジャパンの「熱流体解析」は CFD の FLOW-3D の受託解析です。社名を押すと、その会社の紹介へ移ります。
株式会社テラバイト|構造解析の受託に加えて、樹脂・ゴムの材料試験と落下試験を自社で行い、解析と実物の照合までできる
テラバイトとは
テラバイトは、東京都文京区に所在する CAE の会社です(1997年設立)。解析ソフトの販売のほか、受託解析、材料試験と材料データの作成、落下試験、CAE のコンサルティングを行っています。材料試験・落下試験の試験所は東京都台東区にあります。

出典:テラバイト「受託解析」「材料試験」「落下試験」の記載をもとに AI(Claude)で作成
テラバイトの得意技術
| 技術 | 内容 |
|---|---|
| 受託解析 | 解析のテーマに合わせてソルバーを選び、顧客に代わって解析して結果のレポートを納める。解析モデルだけの納品もできる。利用の場面として「実機との比較評価」「解析ソフトウェアの精度検証」「不良現象の再現」「材料特性を反映した解析」を挙げている |
| 材料試験と材料データの作成 | 樹脂・ゴム・発泡材の引張・圧縮・高速引張・粘弾性などの試験を行い、解析で使う材料データに変換して渡す。樹脂の落下衝撃解析では「ひずみ速度依存性」、ゴムでは「粘弾性特性」を無視できないとしている |
| 落下試験 | 自社の落下試験機で、加速度(8チャンネル)とひずみ(2チャンネル)を同時に測る。LS-DYNA と合わせて使えば、落下試験と解析の妥当性の評価もできるとしている |
| CAE コンサルティング | CAE ソフトとハードの選定、初期の導入教育、運用のサポートを、定期契約かスポット契約で行う |
テラバイトが解決できる課題
- 強度・変形を試作の前に確かめたいが、社内に解析する人がいない
- 解析の結果が実物と合わない。実機との比較で確かめたい
- 樹脂やゴムの製品で、解析に使う材料データがない
- CAE を社内で立ち上げたい(ソフトの選定・教育)
出典:テラバイト「会社概要」、テラバイト「受託解析」、テラバイト「材料試験」、テラバイト「落下試験」、テラバイト「CAEコンサルティング」
株式会社富士テクニカルリサーチ|応力・振動・熱・流体から板成形・樹脂流動まで受託で解析し、試作前の性能評価とトラブルの原因分析を行う
富士テクニカルリサーチとは
富士テクニカルリサーチは、神奈川県横浜市西区(みなとみらい)に本社を置く会社です(1991年設立、資本金3億8,300万円)。原子力・火力発電設備の科学技術計算から始まり、CAE の受託解析や解析ソフトの開発を行っています。

富士テクニカルリサーチの得意技術
| 技術 | 内容 |
|---|---|
| CAE 受託解析 | 製品設計のときの性能評価や、生産設計のときの事前の問題予測を受託で解析する。解析の分野は、応力(線形・非線形)、振動、熱伝導、熱応力、疲労、衝撃・衝突・落下、流体、電磁場、音響、板成形、樹脂流動などと幅広い |
| トラブルの原因分析 | 設計で検討していなかった環境や、予測できない環境で起きたトラブルについて、構造・流体・熱・振動の面から要因を分析する |
| 最適化 | 形状の寸法や生産条件の組み合わせから、応答曲面法や数理計画法で最適な組み合わせを探す |
富士テクニカルリサーチが解決できる課題
- 試作の前に、強度・剛性・振動の性能を確かめたい
- 成形・加工で出る不具合を、型や設備を作る前に見つけたい
- 原因の分からないトラブルを、解析で調べたい
公開されている実績・用途
- コンサルティングの実績例として、自動車の車体剛性の設計(CAD → メッシュ → 条件の設定 → 計算 → 結果の評価 → 構造の改良)の流れを紹介している
出典:富士テクニカルリサーチ「会社概要」、富士テクニカルリサーチ「CAE受託解析サービス」
株式会社アドバンスドナレッジ研究所|熱流体解析ソフト FlowDesigner を開発し、機器の通風・熱設計の受託解析と、目標の温度から改善点を探す逆解析を行う
アドバンスドナレッジ研究所とは
アドバンスドナレッジ研究所(AKL)は、東京都台東区に所在する会社です(1998年設立)。熱流体解析ソフト「FlowDesigner」の開発・販売と、気流解析・温熱環境解析の受託、解析のコンサルティングを行っています。

アドバンスドナレッジ研究所の得意技術
| 技術 | 内容 |
|---|---|
| 気流・温熱の受託解析 | FlowDesigner で、温度・速度・輻射・湿度・結露などを解析する。適用分野に機械装置の通風・熱設計(UPS・制御盤・回路ケース)、データセンターの熱対策、クリーンルームの気流制御を挙げている。3D CAD からの解析モデルの作成もできる |
| 逆解析(感度マップ) | ふつうの解析の結果をもとに、目標の温度や風速を決めると、どの条件を変えると目標に近づくかが「感度マップ」で表示される。試行錯誤の時間を短くできるとしている |
アドバンスドナレッジ研究所が解決できる課題
- 機器や筐体の中で、熱がこもる所を試作の前に知りたい
- 解析結果を出してほしいと言われたが、社内に解析する時間や人がいない
- ファンや開口の位置を、何を変えればよいかの見当をつけたい
公開されている実績・用途
- 適用ケースとして、ノート PC の筐体で CPU の内部の平均温度が150℃になり目標の80℃を大きく上回った例について、逆解析で給気口の位置と大きさを検討する事例を公開している(結果は資料請求)
出典:アドバンスドナレッジ研究所「カンパニープロファイル」、アドバンスドナレッジ研究所「解析サービス」、アドバンスドナレッジ研究所「製造業界向け使用例」、アドバンスドナレッジ研究所「筐体開口位置の最適化」
株式会社フローサイエンスジャパン|鋳造専用のシミュレーション FLOW-3D CAST で、引け巣や湯回り不良などの鋳造欠陥を予測する
フローサイエンスジャパンとは
フローサイエンスジャパンは、静岡県浜松市に所在する CFD(数値流体力学)の専門会社です(2011年4月設立)。米国 Flow Science 社の FLOW-3D と、鋳造専用の FLOW-3D CAST の日本総代理店で、販売・レンタル、技術サポート、受託開発、受託解析を行っています。

フローサイエンスジャパンの得意技術
| 技術 | 内容 |
|---|---|
| 鋳造シミュレーション FLOW-3D CAST | 凝固収縮巣(引け巣)、湯回り不良、空気の巻き込み量などの鋳造欠陥や、鋳型の温度分布、鋳型の溶損、熱応力による変形を予測する。溶湯と鋳型の材料データベースを標準で持つ |
| 湯流れの予測の精度 | 流れる湯の表面の形を追う方法(VOF 法)を改良した TruVOF 法を使う。高圧ダイカストの充填不足の比較で、シミュレーションが実機の流動パターンを良好に再現したとしている |
| 受託解析 | FLOW-3D・FLOW-3D CAST を使った受託解析と受託開発を行う |
フローサイエンスジャパンが解決できる課題
- 鋳造の欠陥(引け巣・湯回り不良・空気の巻き込み)を、型を作る前に予測したい
- 薄くて複雑なダイカストの湯流れを確かめたい
- 湯の流れや固まり方を見て、方案や条件を決めたい
出典:フローサイエンスジャパン「フローサイエンスジャパンについて」、フローサイエンスジャパン「アクセスマップ」、フローサイエンスジャパン「FLOW-3D CAST」
株式会社セイロジャパン|樹脂流動解析の精度を左右する粘度・PVT・熱伝導率などを「レオロジーセンター」で実測する
セイロジャパンとは
セイロジャパンは、埼玉県春日部市に本社を置く、製造業向けの CAD/CAM/CAE を扱う会社です。樹脂流動解析ソフト Moldex3D を扱い、2013年に材料物性を測る「レオロジーセンター」を設けました。

出典:セイロジャパン「材料物性測定サービス」の記載をもとに AI(Claude)で作成
セイロジャパンの得意技術
| 技術 | 内容 |
|---|---|
| 材料物性の測定(レオロジーセンター) | 「プラスチックCAEにおいて、粘度などの材料特性は解析精度に大きく影響します」として、せん断粘度、溶融粘弾性、粘度の圧力依存性、PVT 特性、熱伝導率、ガラス転移温度、比熱、結晶化の挙動、硬化反応の速さなどを測る |
| 解析用のモデル式への当てはめ | 測ったデータを、粘度のモデル式(Cross 式など)、PVT のモデル式(Tait 式)、結晶化・硬化のモデル式に当てはめる例を公開している |
| 樹脂流動解析 Moldex3D | 射出成形の樹脂の流れ・そりなどを解析するソフトを扱う |
セイロジャパンが解決できる課題
- 射出成形の解析が実物と合わない。材料データを実測したい
- スーパーエンプラ・長繊維入り・フッ素系などの樹脂の粘度を測りたい
- 解析に使うモデル式の係数を求めたい
出典:セイロジャパン「国内・グループ会社拠点」、セイロジャパン「材料物性測定サービス」、セイロジャパン「Moldex3D」
株式会社くいんと|構造最適化のソフトと受託解析で、剛性と固有振動数を保ったまま軽くする
くいんととは
くいんとは、東京都府中市に所在する、1985年設立の会社です(資本金1,520万円)。事業内容は、計算力学関連ソフトウェアの開発・販売と技術コンサルティングです。1989年に位相最適化プログラム OPTISHAPE を発売しています。

くいんとの得意技術
| 技術 | 内容 |
|---|---|
| 構造最適化のソフトウェア | トポロジー最適化の OPTISHAPE-TS や、SOLIDWORKS のアドインとして使う構造最適設計ソフト HiramekiWorks を開発・販売している |
| 剛性と固有振動数を制約にした軽量化 | HiramekiWorks の事例では、ブラケットを、剛性と固有振動数を制約条件にして最適化(軽量化)し、途中で製造性を考えてリモデリングしたうえで、さらに最適化した。剛性と固有振動数の要求性能を満たしながら、約61%の軽量化を達成したとしている |
| 受託解析 | 自社製品を使った設計支援などの受託解析を行い、モデルとデータの作成から解析・報告書の作成まで、全体でも一部でも引き受けるとしている |
くいんとが解決できる課題
- 軽くしたいが、固有振動数や剛性を下げたくない
- どこに材料を残せばよいか、形の案がほしい
- 最適化の結果を、作れる形に落とし込みたい
出典:くいんと「会社概要」、くいんと「事例7 固有振動数と製造性を考慮したブラケットの形状最適化」、くいんと「受託解析」

使われる製品・事例
公開されている例には、ブラケット部品の強度の設計変更(大阪産業技術研究所)、骨組み構造(同)、多管式熱交換器の仕切り板(同)、振動試験用の治具(広島市工業技術センター)、ヒートシンク(福島県)、PP の射出成形品(広島県)、青銅鋳物の水栓部品(岐阜県)、樹脂製のリードの周波数応答と空気清浄機の室内の気流(静岡県 浜松工業技術支援センター)、ブラケットの形状最適化(くいんと)があります。
出典:大阪産業技術研究所 テクニカルシート No.24-12「構造解析/線形解析・弾性解析の活用法」(2024年)、大阪産業技術研究所 テクニカルシート No.24-16「構造解析/代表的な要素の種類と特徴」(2024年)、大阪産業技術研究所 テクニカルシート No.26-09「流体解析/定常熱流体解析の活用法」(2026年)、広島市工業技術センター 年報 事例報告「振動試験用治具の固有振動数への数値解析条件の影響評価」、福島県「ヒートシンクの熱流体解析シミュレーション手法の開発」、広島県立総合技術研究所 西部工業技術センター 研究報告 No.66「デジタルものづくりによる不良レス射出成形技術の開発(第1報)」、岐阜県産業技術総合センター 研究報告 第7号「鋳造シミュレーションを用いた革新的な生産効率の向上に関する研究(第2報)」、静岡県工業技術研究所 浜松工業技術支援センター「流体及び周波数応答解析を活用した製品開発支援」(工業技術情報 2026 No.11)、くいんと「事例7 固有振動数と製造性を考慮したブラケットの形状最適化」
関連する技術
CAE とあわせて検討される技術です。
出典・確認日
- 大阪産業技術研究所 テクニカルシート No.24-11「CAE入門」
- 大阪産業技術研究所 テクニカルシート No.24-12「構造解析/線形解析・弾性解析の活用法」(2024年)
- MONOist「設計者CAEを活用した構造解析はじめの一歩」(2022年)
- 大阪産業技術研究所 テクニカルシート No.26-09「流体解析/定常熱流体解析の活用法」(2026年)
- 大阪産業技術研究所 テクニカルシート No.25-22「構造解析/非線形解析の特徴と解析事例」(2026年)
- 広島市工業技術センター 年報 事例報告「振動試験用治具の固有振動数への数値解析条件の影響評価」
- Ansys「陽解法動とは」
- 岐阜県産業技術総合センター 研究報告 第7号「鋳造シミュレーションを用いた革新的な生産効率の向上に関する研究(第2報)」
- 大阪産業技術研究所 テクニカルシート No.24-16「構造解析/代表的な要素の種類と特徴」(2024年)
- MONOist「CAEはメッシュが命!」構造解析、はじめの一歩(7)(2020年)
- MONOist「1次要素と2次要素は『次元が違うくらい』異なる!?」(2024年)
- 日本計算工学会 第29回計算工学講演会論文集 C-10-02(2024年)
- MONOist「設計者CAEを活用した構造解析はじめの一歩」4ページ目(2022年)
- 福島県「ヒートシンクの熱流体解析シミュレーション手法の開発」
- 広島県立総合技術研究所 西部工業技術センター 研究報告 No.66「デジタルものづくりによる不良レス射出成形技術の開発(第1報)」
- MONOist「振動シミュレーションを理解する~CAEソフトによるモーダル解析~」(2023年)
- MONOist「樹脂流動解析は金型屋にお任せ。それで本当にいいの?」(2016年)
- 大阪産業技術研究所 テクニカルシート No.24-13「構造解析/応力集中部の評価について」
- MONOist「線形静解析の流れを“ステップ・バイ・ステップ”で理解する」構造解析、はじめの一歩(5)(2020年)
- MONOist「主応力とミーゼス応力は何が違うのか」若手エンジニアのための機械設計入門(14)(2026年)
- 清水建設 櫻井英行「V&Vの二つの流れ」(土木学会 応用力学委員会)
- MONOist「『10時間やっても5パーセントしか進んでいない』そんな時こそ解析モデルの簡略化」(2016年)
- MONOist「FEMの知識総まとめ」設計者CAEを始める前にシッカリ学ぶ有限要素法(12)(2011年)
- 福岡県工業技術センター 機械電子研究所「CAEを活用した実践的なデジタルものづくり支援セミナー」開催案内(2025年9月30日)
- 岐阜県産業技術総合センター「令和8年度 次世代企業技術者育成事業 分野横断応用研修『CAE 活用』課程」開催案内
- テラバイト「会社概要」
- テラバイト「受託解析」
- テラバイト「材料試験」
- テラバイト「落下試験」
- テラバイト「CAEコンサルティング」
- 富士テクニカルリサーチ「CAE受託解析サービス」
- 富士テクニカルリサーチ「会社概要」
- アドバンスドナレッジ研究所「製造業界向け使用例」
- アドバンスドナレッジ研究所「カンパニープロファイル」
- アドバンスドナレッジ研究所「解析サービス」
- アドバンスドナレッジ研究所「筐体開口位置の最適化」
- フローサイエンスジャパン「FLOW-3D CAST」
- フローサイエンスジャパン「フローサイエンスジャパンについて」
- フローサイエンスジャパン「アクセスマップ」
- セイロジャパン「国内・グループ会社拠点」
- セイロジャパン「材料物性測定サービス」
- セイロジャパン「Moldex3D」
- くいんと「事例7 固有振動数と製造性を考慮したブラケットの形状最適化」
- くいんと「会社概要」
- くいんと「受託解析」
- 静岡県工業技術研究所 浜松工業技術支援センター「流体及び周波数応答解析を活用した製品開発支援」(工業技術情報 2026 No.11)
※アイキャッチ画像は、AI(ChatGPT)で生成したイメージです。実在の製品ではありません。図はAI(Claude)で作成した概念図です。
情報の確認日:2026年10月2日 本ページの内容は一般的な情報で、実際の解析の精度は形・条件・材料データ・ソフトと使い方により異なります。

