ヤング率

鋼・アルミニウム・ゴムの棒に同じおもりを下げ、ゴムだけが大きく伸びたイメージ

ヤング率(ヤングりつ)は、材料を引っ張ったり押したりしたときの、伸び縮みのしにくさを表す数値です。同じ形の部品でも、鉄で作るかアルミニウムで作るか樹脂で作るかで、たわみ方や伸び方が大きく変わります。その違いを数字で比べるのがヤング率です。このページでは、ヤング率の意味、計算のしかた、身の回りの材料の値、「強さ」との違い、ものづくりでの使われ方を、できるだけやさしく説明します。

目次

ひとことで言うと

ヤング率とは

同じ太さ・同じ長さの棒を同じ力で引っ張ったとき、どれだけ伸びにくいかを材料ごとに比べた数値です。

大きいほど伸びにくく、たわみにくい(鋼・セラミックス)、小さいほど伸びやすく、たわみやすい(樹脂・ゴム)。単位は GPa(ギガパスカル)などで、別名を「縦弾性係数」、記号は E と書きます。

同じ太さ・長さの鋼・アルミニウム合金・ゴムの棒を同じ力で引いたとき、鋼はほとんど伸びず、アルミニウム合金は鋼の約3倍、ゴムは大きく伸びる模式図
図1 ヤング率は、引っ張ったときの伸びにくさ
出典:ミスミ meviyをもとに AI(Claude)で作成
材料の中の原子を、ばねでつながった球として表し、引っ張ると原子どうしをつなぐばねが伸びるイメージ
ヤング率:材料そのものの「ばね」のかたさイメージ(AI[ChatGPT]で生成)

ヤング率は、力を外せば元の形に戻る範囲(弾性の範囲)での値で、材料ごとにほぼ決まった値(物性値)です。ばねの硬さを表す「ばね定数」を、材料そのものの性質として表したもの、と考えると分かりやすくなります。

出典:硬さを表すヤング率は“材料のバネ定数”:仕事にちゃんと役立つ材料力学(7)|MONOist、S505 弾み方・板ばねの力くらべ(展示解説)|名古屋市科学館

身近な例:同じ形の定規でも、曲がり方が違う

机の端に、同じ長さ・幅・厚さの鋼の定規とプラスチックの定規を留めて、先に同じおもりを下げてみます。鋼の定規はほとんど曲がりませんが、プラスチックの定規は大きく曲がります(編集部の例)。

机の端に留めた鋼の定規とプラスチックの定規の先に同じおもりを下げると、プラスチックの定規だけが大きくたわむ模式図
図2 同じ形でも、プラスチックの定規は鋼の定規よりよく曲がる
出典:この記事の内容をもとに AI(Claude)で作成

形が同じなのに曲がり方が違うのは、材料のヤング率が違うからです。鋼のヤング率は約205GPa、樹脂は1〜3.5GPa ほどで(下の表)、樹脂のヤング率は鋼の約60分の1〜約190分の1しかありません(計算は編集部)。ゴムや樹脂は、ヤング率が小さい材料の代表です。

出典:【設計者必見】ヤング率(縦弾性係数)とは?強度との違い・主要材料一覧・たわみ計算まで徹底解説|ミスミ meviy

式と単位:ヤング率=応力÷ひずみ

ヤング率は、「応力」と「ひずみ」という2つの量から求めます。

長さLの棒に力Fをかけると伸びΔLが生じる図と、応力=F÷A、ひずみ=ΔL÷L、ヤング率=応力÷ひずみの式
図3 応力をひずみで割った値がヤング率
出典:ミスミ meviy、名古屋市科学館をもとに AI(Claude)で作成
量求め方単位
応力 σ(シグマ)力 F ÷ 断面積 AN/mm²(=MPa)
ひずみ ε(イプシロン)伸び ΔL ÷ 元の長さ L単位なし(割合)
ヤング率 E応力 σ ÷ ひずみ εGPa(1GPa=1,000MPa=1,000N/mm²)

弾性の範囲では、加える力と変形の大きさは比例します(フックの法則)。材料どうしを比べるときは、断面1mm² あたりの力(応力)と、元の長さに対して何割伸びたか(ひずみ)に直して考えます。応力とひずみの比例の係数がヤング率で、σ=E×ε と書けます。ひずみには単位がないので、ヤング率の単位は応力と同じになります。

出典:S505 弾み方・板ばねの力くらべ(展示解説)|名古屋市科学館、硬さを表すヤング率は“材料のバネ定数”:仕事にちゃんと役立つ材料力学(7)|MONOist、【設計者必見】ヤング率(縦弾性係数)とは?強度との違い・主要材料一覧・たわみ計算まで徹底解説|ミスミ meviy

応力-ひずみ線図の「傾き」がヤング率

金属を引っ張ったときの応力-ひずみ線図の模式図。原点からのまっすぐな部分の傾きがヤング率で、その先に降伏点、いちばん高い所の引張強さ、破断がある
図4 応力-ひずみ線図の、最初のまっすぐな部分の傾きがヤング率
出典:島津製作所、ミスミ meviyをもとに AI(Claude)で作成

材料を引っ張りながら応力とひずみを測り、グラフにしたものを応力-ひずみ線図(S-S カーブ)といいます。最初のまっすぐな部分(弾性の範囲)の傾きがヤング率です。傾きが急なほど、同じ力を加えても変形しにくい材料です。まっすぐな部分を過ぎると、力を外しても元に戻らない変形(塑性変形)が始まります。グラフのいちばん高い所の応力が引張強さです。

出典:応力-ひずみ線図|島津製作所、【設計者必見】ヤング率(縦弾性係数)とは?強度との違い・主要材料一覧・たわみ計算まで徹底解説|ミスミ meviy

計算してみよう:細い棒におもりを下げると、どれだけ伸びる?

式を伸びについて直すと、伸び ΔL = 力 F × 長さ L ÷(断面積 A × ヤング率 E)です。直径1mm(断面積 約0.785mm²)、長さ1m(1,000mm)の棒に、1kg のおもり(力 約9.8N)を下げたときの伸びを計算しました。

直径1mm・長さ1mの棒に1kgのおもりを下げたときの伸びを、鋼・チタン合金・アルミニウム合金・マグネシウム合金・ポリカーボネートで比べた横棒グラフ
図5 直径1mm・長さ1mの棒に1kgのおもりを下げたときの伸び
出典:ミスミ meviy、大阪富士工業(マグネシウム合金)、KDAをもとに編集部が計算し、AI(Claude)で作成
材料ヤング率 GPa伸び
鋼(SS400)205約 0.06mm
チタン合金 Ti-6Al-4V110約 0.11mm
アルミニウム合金 A505271約 0.18mm
マグネシウム合金 AZ3145約 0.28mm
ポリカーボネート2.4約 5.2mm

鋼の棒は 0.06mm ほどしか伸びませんが、同じ形のポリカーボネートの棒は約5mm、鋼の85倍ほど伸びる計算になります。伸びはヤング率に反比例するので、ヤング率が半分なら伸びは2倍です(値は各社の代表値、計算は編集部。弾性の範囲で考えた計算です)。

出典:【設計者必見】ヤング率(縦弾性係数)とは?強度との違い・主要材料一覧・たわみ計算まで徹底解説|ミスミ meviy、各種材料との比較|大阪富士工業(マグネシウム合金)、PC(ポリカーボネート)樹脂の物性値|KDA

身の回りの材料のヤング率

炭化ケイ素・アルミナ・鋼・ステンレス鋼・銅・チタン合金・石英ガラス・アルミニウム合金・マグネシウム合金・PEEK・POM・ポリカーボネート・ABS・ポリプロピレンのヤング率を対数目盛で比べた横棒グラフ
図6 身の回りの材料のヤング率(常温の代表値。対数目盛なので、目盛り1つで10倍)
出典:ミスミ meviy、京セラ ファインセラミックス、大阪富士工業(マグネシウム合金)、東ソー、KDAをもとに AI(Claude)で作成
材料ヤング率 GPaメモ・出典
炭化ケイ素(SiC)440セラミックス(京セラ)
アルミナ360セラミックス(京セラ)
鋼(SS400・S45C)205ミスミ
工具鋼(SKD11)206ミスミ
ステンレス鋼(SUS304)193ミスミ
銅(C1100)130ミスミ
チタン合金(Ti-6Al-4V)110ミスミ
鋳鉄(FC250)100鋼の約半分(ミスミ)
石英ガラス74東ソー
アルミニウム合金(A5052)71鋼の約3分の1(ミスミ)
マグネシウム合金(AZ31)45大阪富士工業
PEEK3.5樹脂(ミスミ)
POM(ポリアセタール)2.7樹脂(ミスミ)
ポリカーボネート(非強化)2.4引張弾性率(KDA)
ABS1.9樹脂(ミスミ)
ポリプロピレン(PP)1.1樹脂(ミスミ)

金属の中でも、鋼は約200GPa、アルミニウム合金は約70GPa、マグネシウム合金は約45GPa と差があり、樹脂は金属よりずっと小さく、1〜3.5GPa ほどです。セラミックスは鋼より大きいものが多く、京セラの資料ではサファイアが470GPa、炭化ケイ素が440GPa です。同じ材料名でも、等級・作り方・温度で値は変わるので、設計には使う材料のデータシートの値を使います。

炭素繊維強化プラスチック(CFRP)は、ミスミの表では70GPa ですが、繊維の向きによって値が大きく変わる材料で、向きをそろえれば金属以上のかたさを出すこともできます。

出典:【設計者必見】ヤング率(縦弾性係数)とは?強度との違い・主要材料一覧・たわみ計算まで徹底解説|ミスミ meviy、剛性(ヤング率)|京セラ ファインセラミックス、各種材料との比較|大阪富士工業(マグネシウム合金)、石英ガラスの物性|東ソー、PC(ポリカーボネート)樹脂の物性値|KDA

「強さ」とヤング率は別のもの

ふつうの鋼と高強度の鋼の応力-ひずみ線図。最初の傾き(ヤング率)は同じで、どこまで耐えられるか(強さ)だけが違う模式図
図7 鋼は強くしても、最初の傾き(ヤング率)はほとんど同じ
出典:ミスミ meviyをもとに AI(Claude)で作成

よく混同されるのが「強さ」と「かたさ(剛性)」です。強さ(降伏点や引張強さ)はどこまで壊れずに耐えられるか、ヤング率は同じ力でどれだけ変形しにくいかを表します。

同じ長さの鋼の板を片側で固定して先に同じおもりを下げると、薄い板のほうが大きくたわむイメージ
強い鋼でも、薄くすればたわみは増えるイメージ(AI[ChatGPT]で生成)

ミスミの解説によると、ふつうの軟鋼でも、強度の高い特殊鋼や熱処理した高張力鋼(ハイテン)でも、鉄鋼材料のヤング率は約206GPa でほぼ同じです。そのため、強い鋼に替えても、たわみは減りません。強い鋼にしたからと板を薄くすると、強度は足りても、たわみは増えます。たわみを減らすには、板を厚くする、リブを立てるなど、形のほうを変えます。

焼入れ・焼戻しなどの熱処理では、硬さは大きく変わりますが、ヤング率はほとんど変わりません。ただし工具鋼では、熱処理の条件や試験の温度で値が多少変わることもあります(プロテリアルの解説)。

出典:【設計者必見】ヤング率(縦弾性係数)とは?強度との違い・主要材料一覧・たわみ計算まで徹底解説|ミスミ meviy、物理的特性|プロテリアル特殊鋼、S505 弾み方・板ばねの力くらべ(展示解説)|名古屋市科学館

温度が上がると、ヤング率は下がる

炭素鋼とステンレス鋼の縦弾性係数が20℃・100℃・350℃で少しずつ下がる棒グラフと、樹脂の弾性率がガラス転移温度で大きく下がる模式図
図8 温度が上がると、ヤング率は下がる
出典:日本製鉄(建設設備配管情報サービス)、日本分析機器工業会をもとに AI(Claude)で作成

ヤング率は温度で変わります。日本製鉄の配管の資料の表では、炭素鋼管(SGP)の縦弾性係数は 20℃で 1.96×10⁴kgf/mm²(約192GPa)、350℃で 1.74×10⁴kgf/mm²(約171GPa)と、350℃で20℃の約9割に下がります(GPa への換算は編集部)。

樹脂は、ガラス転移温度(硬いガラスのような状態から、ゴムのように柔らかい状態に変わる温度)を超えると、弾性率が下がり、柔らかくなります。樹脂の部品を熱い所で使うときは、使う温度での値を確かめます。

出典:4.熱による鋼管の膨張と荷重|日本製鉄(建設設備配管情報サービス)、分析の原理 06 熱分析の原理と応用|日本分析機器工業会、【設計者必見】ヤング率(縦弾性係数)とは?強度との違い・主要材料一覧・たわみ計算まで徹底解説|ミスミ meviy

引っ張ると細くなる:ポアソン比と横弾性係数

棒を引っ張ると長くなると同時に細くなる様子と、ポアソン比=横のひずみ÷縦のひずみの式
図9 引っ張ると、長くなるだけでなく細くなる(ポアソン比)
出典:MONOistをもとに AI(Claude)で作成

棒を引っ張ると長くなりますが、同時に少し細くなります。細くなった割合(横のひずみ)を伸びた割合(縦のひずみ)で割った値をポアソン比(記号 ν、ニュー)といいます(定義の説明は編集部の解説)。また、ずらす向きの力(せん断)に対する変形しにくさを横弾性係数(記号 G)といい、向きによる性質の差がない材料では、G = E ÷(2 ×(1 + ν))の関係があります。

たとえば東ソーの溶融石英ガラスは、ヤング率74GPa・ポアソン比0.17・剛性率(横弾性係数)31GPa で、この式で計算すると約32GPa とほぼ合います(計算は編集部)。図の「金属はおよそ0.3、ゴムは0.5に近い」は編集部の解説です。

出典:実務で使う場合の線膨張係数とポアソン比:技術者は材料選択から勝負に出ろ!(3)|MONOist、石英ガラスの物性|東ソー

ものづくりでどう効くか

たわみ:ヤング率と「厚さの3乗」で決まる

片持ちばりの先に力Fをかけたときのたわみδの図と、δ=F×L³÷(3×E×I)、長方形の断面ならI=b×h³÷12の式
図10 はりのたわみは、ヤング率と「厚さの3乗」で決まる
出典:ミスミ meviyをもとに AI(Claude)で作成

片方を固定した棒(片持ちばり)の先に力 F をかけたとき、先のたわみ δ は δ = F × L³ ÷(3 × E × I)で計算できます。I は断面二次モーメントという「断面の形による曲がりにくさ」で、幅 b・厚さ h の長方形なら I = b × h³ ÷ 12 です。ミスミの例では、長さ100mm・10mm 角の棒の先に100N をかけると、鋼(SS400)で約0.19mm、アルミニウム合金(A5052)で約0.56mm たわみ、アルミは鋼の約3倍たわむ計算になります。

式から分かるとおり、ヤング率が2倍ならたわみは半分、厚さが2倍ならたわみは8分の1です(厚さの3乗が効くため。8分の1は編集部の計算)。厚さは3乗で効き、ヤング率は1乗で効くので、厚さや断面の形を変えるとたわみを大きく減らせます(編集部の解説)。形でかたさを上げる方法は、課題ページ「薄く軽くすると強度が足りない」で解説しています。ヤング率の大きい材料を選ぶと、部品の固有振動数が上がり、共振を避けやすくなる効果もあります(ミスミの解説)。

出典:【設計者必見】ヤング率(縦弾性係数)とは?強度との違い・主要材料一覧・たわみ計算まで徹底解説|ミスミ meviy

軽くしたい:重さあたりのかたさで比べる

鋼の薄い棒と、それより厚いアルミニウムの棒に同じおもりを下げ、どちらも同じだけたわむイメージ
軽い金属は、厚くしてかたさを補うイメージ(AI[ChatGPT]で生成)

アルミニウム合金やマグネシウム合金は軽い一方で、ヤング率も小さい材料です。大阪富士工業の表の値で、ヤング率を密度で割ると、SUS304 で約25、アルミニウム合金 A5052 で約26、純チタンで約24、マグネシウム合金 AZ31 で約25 と、重さあたりにすると金属どうしはあまり差がないことが分かります(計算は編集部)。軽い金属に替えるときは、厚くするなど形で補うのが基本です。詳しくは分野ページ「材料(物性・劣化)」で、同じかたさの板を別の材料で作ったときの厚さと重さを計算しています。

出典:各種材料との比較|大阪富士工業(マグネシウム合金)

温度差:伸びを止められると、大きな力(熱応力)が出る

自由な棒は温まると伸びるだけだが、両端を固定した棒は伸びられず壁を押し、圧縮の応力(熱応力)が生まれる図と、熱応力=E×α×ΔTの式
図11 伸びたいのに伸びられないと、力(熱応力)が生まれる
出典:ATOMICA(日本原子力研究開発機構)、日本製鉄(建設設備配管情報サービス)をもとに AI(Claude)で作成
両端を壁に固定した鋼管が温まって伸びようとし、伸びを止められて両端の壁を強く押しているイメージ
熱応力:伸びを止められた管が壁を押すイメージ(AI[ChatGPT]で生成)

物は温まると伸び、冷えると縮みます。両端を固定するなどして伸び縮みを止められると、内部に応力が生まれます。これを熱応力といい、σ = E × α × ΔT(α は線膨張係数、ΔT は温度の変化)で表せます。ヤング率が大きい材料ほど、同じだけ伸びを止められたときの力が大きいということです。たとえば日本製鉄の表の炭素鋼管の値(E 約192GPa、α 11.6×10⁻⁶/℃)で、両端を固定した管の温度が50℃上がると、約110MPa の熱応力になります(計算は編集部)。

異なる材料を貼り合わせた部品や、はんだでつないだ電子部品が温度の上がり下がりで割れるのも、この熱応力が原因の1つです。課題ページ「繰り返し荷重・熱サイクルで割れる」も参照してください(編集部の解説)。

出典:熱応力|ATOMICA(日本原子力研究開発機構)、4.熱による鋼管の膨張と荷重|日本製鉄(建設設備配管情報サービス)

ヤング率の測り方

ヤング率の測り方として、伸び計を付けた引張試験、試験片をたたいて固有振動数を測る共振法、超音波の伝わる速さから求める超音波パルス法の3つを示した図
図12 ヤング率の主な測り方
出典:静岡県工業技術研究所 沼津工業技術支援センター、日鉄テクノロジーをもとに AI(Claude)で作成
  • 引張試験:試験片を引っ張りながら力と伸び(ひずみ)を測り、弾性の範囲の直線の傾きからヤング率を求めます。弾性の範囲の伸びはとても小さいので、ひずみの測り方が結果を左右します。静岡県工業技術研究所が高張力鋼板で試した例では、ビデオ式の伸び計はノイズが大きく直線性に乏しかった一方、ひずみゲージではノイズが少なく、ヤング率を測定できました。
  • 共振法:試験片を糸などで支えて振動させ、曲げ振動の共振する振動数と、試験片の寸法・質量から計算でヤング率を求めます。ひずみが 10⁻⁵ 程度と小さく、ガラスやセラミックスのような割れやすい材料も測れます(日鉄テクノロジーの自由共振法の解説)。
  • 超音波パルス法:超音波が試験片の中を伝わる速さから求める方法です(図のしくみは編集部の解説)。
糸でつるした細長い試験片を下から振動させ、両端と中央が上下に揺れる曲げの共振を起こしているイメージ
共振法:糸でつるした試験片を曲げ振動させるイメージ(AI[ChatGPT]で生成)

方法は JIS で決められていて、金属の高温での値は JIS Z 2280(金属材料の高温ヤング率試験方法)、ファインセラミックスは JIS R 1602(ファインセラミックスの弾性率試験方法)、樹脂は JIS K 7161-1(引張弾性率)や JIS K 7171(3点曲げ試験による曲げ弾性率)などがあります。樹脂のカタログでは、引張弾性率と曲げ弾性率のどちらの値かを確かめます。試験の方法が違うので、値が同じとは限りません。

出典:金属材料のヤング率測定手法の検討(令和6年度 研究成果事例)|静岡県工業技術研究所 沼津工業技術支援センター、自由共振法を用いた Ni 基合金(ハステロイX)の高温ヤング率・剛性率測定(No.STM-2102-1)|日鉄テクノロジー、JIS Z 2280:1993 金属材料の高温ヤング率試験方法|日本規格協会、JIS R 1602:1995 ファインセラミックスの弾性率試験方法|日本規格協会、JIS K 7161-1:2024 プラスチック-引張特性の求め方-第1部:通則(見本)|日本規格協会、JIS K 7171:2022 プラスチック-曲げ特性の求め方(見本)|日本規格協会

出典

  1. 硬さを表すヤング率は“材料のバネ定数”:仕事にちゃんと役立つ材料力学(7)|MONOist
  2. S505 弾み方・板ばねの力くらべ(展示解説)|名古屋市科学館
  3. 【設計者必見】ヤング率(縦弾性係数)とは?強度との違い・主要材料一覧・たわみ計算まで徹底解説|ミスミ meviy
  4. 応力-ひずみ線図|島津製作所
  5. 各種材料との比較|大阪富士工業(マグネシウム合金)
  6. PC(ポリカーボネート)樹脂の物性値|KDA
  7. 剛性(ヤング率)|京セラ ファインセラミックス
  8. 石英ガラスの物性|東ソー
  9. 物理的特性|プロテリアル特殊鋼
  10. 4.熱による鋼管の膨張と荷重|日本製鉄(建設設備配管情報サービス)
  11. 分析の原理 06 熱分析の原理と応用|日本分析機器工業会
  12. 実務で使う場合の線膨張係数とポアソン比:技術者は材料選択から勝負に出ろ!(3)|MONOist
  13. 熱応力|ATOMICA(日本原子力研究開発機構)
  14. 金属材料のヤング率測定手法の検討(令和6年度 研究成果事例)|静岡県工業技術研究所 沼津工業技術支援センター
  15. 自由共振法を用いた Ni 基合金(ハステロイX)の高温ヤング率・剛性率測定(No.STM-2102-1)|日鉄テクノロジー
  16. JIS Z 2280:1993 金属材料の高温ヤング率試験方法|日本規格協会
  17. JIS R 1602:1995 ファインセラミックスの弾性率試験方法|日本規格協会
  18. JIS K 7161-1:2024 プラスチック-引張特性の求め方-第1部:通則(見本)|日本規格協会
  19. JIS K 7171:2022 プラスチック-曲げ特性の求め方(見本)|日本規格協会

※アイキャッチ画像は、AI(ChatGPT)で生成したイメージです。実在の製品ではありません。

情報の確認日:2026年10月1日

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