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ヒートパイプ・ベーパーチャンバー(しくみ・種類・選び方)

ヒートパイプは、中を真空にした金属の管に少量の液を封じ、熱い側で液が蒸発し、冷たい側で凝縮して戻るくり返しで、熱を小さな温度差で遠くへ運ぶ部品です。

ヒートパイプ・ベーパーチャンバー(しくみ・種類・選び方)
3件解決できる課題
6社紹介している企業
33点図と写真
24件出典

ヒートパイプ・ベーパーチャンバー(しくみ・種類・選び方)

熱源の上の銅のヒートパイプの中を切り開き、蒸気が冷たい側のヒートシンクへ流れ、ウィックを伝って液が戻る様子と、柱とウィックが見える平らなベーパーチャンバーの断面を描いたイラスト(AI で生成したイメージ)

小型・軽量化高性能化信頼性・長寿命伝熱(放熱・冷却)温度むら加熱・冷却熱交換器・ヒートシンク半導体・電子機器産業機械・ロボット

ヒートパイプは、中を真空にした金属の管に少量の液を封じ、熱い側で液が蒸発し、冷たい側で凝縮して戻るくり返しで、熱を小さな温度差で遠くへ運ぶ部品です。それを平らな板にして熱を面に広げるのがベーパーチャンバーです。動く部品がなく、動力も要りません。ノートパソコンやスマートフォン、サーバー、インバーター、LED 照明、熱板などに使われています。

出典:大日本印刷「熱を瞬時に伝えるヒートパイプ、その歴史と仕組み」、下西技研工業「ヒートパイプ ①ヒートパイプの原理」、SDS「ベイパーチャンバー|高効率放熱設計による小型・薄型機器の熱対策」

このページでは、ヒートパイプとベーパーチャンバーのしくみ、ウィック(毛細管構造)と作動液の種類、取り付けの向き・太さ・つぶし・曲げで運べる熱が変わること、運べる熱の限界、カタログの見方をまとめ、得意分野の違う会社を紹介します。熱を伝えるすき間の材料は技術「放熱シート・グリス」、周りより低く冷やすときは「ペルチェ素子」も参考になります。

ヒートパイプ・ベーパーチャンバーの企業(早見表)

企業ヒート
パイプ
ベーパー
チャンバー
ヒートシンク
との組み合わせ
高温・
産業用
古河電気工業データセンター・鉄道・医療の冷却器(東京都)●●●
下西技研工業銅・アルミ・扁平のヒートパイプと薄型 VC(大阪府)●●●
アルファVC を規格品で1個から、VC を入れたヒートシンクの測定例(静岡県)●●
片岡線材ワイヤウィックのヒートパイプ、310℃の高温用(愛知県)●●
新日電熱工業ヒートパイプを埋め込んだ熱盤(大阪府)●●
WELCON拡散接合で作る平板の VC(新潟県)●

●は、各社の公式サイトで製品・事例を確認できたものです(空欄は、扱っていないという意味ではありません)。「高温・産業用」は、200℃を超える用途や熱板などの産業用の例があるものです。社名を押すと、その会社の紹介へ移ります。

目次

この技術で解決できる課題

ヒートパイプとベーパーチャンバーが効くのは、熱源のすぐそばにヒートシンクを置けない、小さなチップの熱がヒートシンクの一部にしか広がらない、薄い機器の中で部品の温度が上がる、熱板の面内で温度がそろわないといった困りごとです。下西技研工業は、ヒートパイプの作用はあくまで熱の移動で冷却能力はなく、ヒートシンクや放熱フィンなどと組み合わせて冷やすとしています。

熱源の近くにヒートシンクを置けない、チップの熱が広がらない、薄い機器で温度が上がる、熱板の温度がそろわない、ファンの音や故障を増やしたくないという困りごとと、ヒートパイプ・ベーパーチャンバーでできることの対応図
図1 困りごとと、ヒートパイプ・ベーパーチャンバーでできること
出典:このページの出典(大日本印刷・下西技研工業・SDS の解説と各社の公開情報)をもとに AI(Claude)で作成

出典:下西技研工業「ヒートパイプ ①ヒートパイプの原理」、大日本印刷「熱を瞬時に伝えるヒートパイプ、その歴史と仕組み」

課題この技術での解決課題ページ
小型化で部品の温度が上がるヒートパイプで熱源の熱をヒートシンクへ運ぶ。ベーパーチャンバーで熱をヒートシンクのベースに広げる冷却部品(ヒートシンク・ファン・ヒートパイプ)
加熱・冷却の温度むらで品質がばらつく熱板にヒートパイプを埋め込み、面内の温度分布を良くする均熱の熱板(ヒーター配置・ヒートパイプ)
LEDを長寿命にしたいLED の基板の熱をヒートパイプで放熱部へ運び、接合部の温度を下げる熱設計・放熱で接合部の温度を下げる

右の列は、関係する課題ページ(対策の節)へのリンクです。

仕組み:蒸発・凝縮と毛細管力で熱を運ぶ

下西技研工業の解説では、ヒートパイプは銅やアルミの中空の本体、中に封じた揮発しやすい液(作動液)、凝縮した液を毛細管現象で動かすウィックでできています。①熱い所の内壁で液が熱を吸って蒸発し、②蒸気が空洞を通って冷たい所へ移り、③冷やされて液に戻り、④ウィックを伝って熱い所へ戻ります。大日本印刷の解説は、パイプの中は作動液とその蒸気以外が含まれないよう真空になっていて、蒸発・凝縮が起きやすくなっているとしています。

銅の管の長手方向の断面。左下の熱源で液が蒸発し、蒸気が管の中央を右へ流れ、右上のヒートシンクの所で凝縮し、内壁のウィックを伝って左へ戻る
図2 ヒートパイプの原理(長手方向の断面)
出典:下西技研工業「ヒートパイプの原理」・大日本印刷の解説をもとに AI(Claude)で作成

出典:下西技研工業「ヒートパイプ ①ヒートパイプの原理」、大日本印刷「熱を瞬時に伝えるヒートパイプ、その歴史と仕組み」

なぜ小さな温度差で多くの熱を運べるか

液が蒸発するときに吸い、凝縮するときに出す熱(潜熱)で熱を運ぶからです。大日本印刷は、ヒートパイプの熱伝導率は銅や銀の数倍〜数十倍としています。新日電熱工業は銅の100倍以上、海外の技術誌 Electronics Cooling(1996年)は、同じ大きさの銅の100倍から数千倍の熱を運べるとしています。数字が出典で大きく違うのは、ヒートパイプの「熱伝導率」が見かけの値で、長さ・運ぶ熱の量・向きで変わるためです(編集部の補足)。設計では倍率ではなく、カタログの最大熱輸送量と熱抵抗で考えます。

出典:大日本印刷「熱を瞬時に伝えるヒートパイプ、その歴史と仕組み」、新日電熱工業「ヒートパイプ」、Electronics Cooling, S. D. Garner「Heat Pipes for Electronics Cooling Applications」(1996年、英語)

取り付けの向きで性能が変わる

作動液は重力の影響を受けます。下西技研工業は、熱源が下のボトムヒート、同じ高さの水平ヒート、熱源が上のトップヒートの3つで、運べる熱はトップヒート<水平ヒート<ボトムヒートとし、ボトムヒートか水平ヒートの配置をすすめています。同社の測定(アルミのヒートパイプ、幅40×長さ480×厚さ2.0mm、20W)では、熱抵抗がボトムヒートで0.34℃/W、水平で1.28℃/W、トップヒートで1.7℃/W でした。

ボトムヒート・水平・トップヒートの3つの向きのヒートパイプの絵と、熱抵抗0.34、1.28、1.7℃/Wの横棒グラフ
図3 取り付けの向きと熱抵抗(ある測定の例)
出典:下西技研工業「ヒートパイプ ②伝熱特性」をもとに AI(Claude)で作成

出典:下西技研工業「ヒートパイプ ①ヒートパイプの原理」、下西技研工業「ヒートパイプ ②伝熱特性」

種類と選び方:ヒートパイプとベーパーチャンバー

大日本印刷の解説は、ヒートパイプが「線」として2点間で熱を伝えるのに対し、ベイパーチャンバーは「面」として熱を周辺に広げるとしています。どちらも運ぶ・広げる部品で、最後に空気や水へ熱を捨てるのはヒートシンクや水冷です。販売会社の SDS は、熱設計の本からの引用として、ベーパーチャンバーの平面方向の熱伝導率を 10,000W/mK、ヒートパイプを約10,000〜100,000W/mK、ヒートシンクの材料のアルミを約200〜250W/mK、銅を約380W/mK と表に並べ、価格はベーパーチャンバーが3つの中で高いとしています。

ベーパーチャンバー・ヒートパイプ・ヒートシンクの形、熱の運び方、熱伝導率の目安、得意なこと、価格を並べた比較表
図4 ベーパーチャンバー・ヒートパイプ・ヒートシンクの違い
出典:SDS「ベイパーチャンバー」(同社が『熱設計の本』から引用した値)と大日本印刷の解説をもとに AI(Claude)で作成

出典:大日本印刷「熱を瞬時に伝えるヒートパイプ、その歴史と仕組み」、SDS「ベイパーチャンバー|高効率放熱設計による小型・薄型機器の熱対策」

種類形と特徴数値の例(出典)向いている場面注意
丸いヒートパイプ(銅・水)銅の管。曲げ加工がしやすい最大熱輸送量 φ6 で65W・φ8 で80W(長さ150mm。下西技研工業)熱源から離れたヒートシンクへ運ぶ0℃以下で凍る。向き・長さで運べる熱が変わる
扁平型ヒートパイプ丸い管をつぶした薄い形超薄型で厚さ1.0〜1.8mm、5〜45W(下西技研工業)ノートパソコンなど薄い機器つぶすほど運べる熱が下がる
アルミヒートパイプアルミの平たい管、作動液はアセトン動作温度 -40〜150℃、5〜200W(同社の試験方法の参考値。下西技研工業)軽くしたい、氷点下になる所銅・水と温度・性能の範囲が違う
ベーパーチャンバー平らな板の中にウィックと柱厚さ0.3〜8mm、最大450×450mm(SDS)小さなチップの熱を広い面へ広げるヒートパイプより高い。薄いほど運べる熱は小さい

「測り方が違うので、表の数値どうしを比べない」でください。最大熱輸送量は会社ごとの試験方法の値です。向いている場面と注意の列は、このページの出典をもとに編集部が整理したものです。

出典:下西技研工業「銅ヒートパイプ」、下西技研工業「扁平型ヒートパイプ」、下西技研工業「アルミヒートパイプ」、SDS「ベイパーチャンバー|高効率放熱設計による小型・薄型機器の熱対策」

下西技研工業の扁平型ヒートパイプのページに載っている、平たくつぶした銅のヒートパイプ、丸い銅のヒートパイプ、細い銅のヒートパイプの3本の写真
扁平型と丸いヒートパイプ(出典:下西技研工業)

ウィック:グルーブ・メッシュ・焼結

ウィックは液を熱源へ戻す毛細管の構造で、よく使われるのは焼結(粉末)・メッシュ(金網)・グルーブ(溝)の3つです(Electronics Cooling、2008年)。同誌は蒸発部の熱流束の限界を、焼結でおよそ50W/cm²(特別な設計で250W/cm²)、メッシュで10〜15W/cm²、グルーブでおよそ5W/cm²としています。1996年の同誌の解説は、グルーブは水平や熱源が下のときに強く重力に逆らうのは苦手で、焼結はその逆に重力に逆らう姿勢で強いとしています。熱源が上になる機器では、焼結などのウィックを選びます。

グルーブ、メッシュ、焼結の3つのウィックの断面と、それぞれの向きへの強さと熱流束の限界の目安を並べた図
図5 ウィック(毛細管構造)の3つの種類
出典:Electronics Cooling の解説(2008年・1996年)をもとに AI(Claude)で作成

出典:Electronics Cooling, A. Engelhardt「Pushing the Boundaries of Heat Pipe Operation」(2008年、英語)、Electronics Cooling, S. D. Garner「Heat Pipes for Electronics Cooling Applications」(1996年、英語)

作動液と使える温度

使える温度は作動液で決まります。下西技研工業は、水(純水)は0℃以上〜約200℃で0℃以下では使えない、エタノールは約-10℃〜約100℃強、ナフタリンは約200℃〜約400℃としています。パイプの材料は、銅とアルミが一般的で、ナフタリンにはステンレスを使います。Electronics Cooling(1996年)は、電子機器の冷却では銅と水、氷点下では銅とメタノールが標準としています。

エタノール・水・ナフタリンの使える温度の範囲を横棒で示し、0℃で水が凍る線を引いた図
図6 作動液と使える温度の目安
出典:下西技研工業「ヒートパイプの原理」・新日電熱工業「ヒートパイプ」をもとに AI(Claude)で作成

出典:下西技研工業「ヒートパイプ ①ヒートパイプの原理」、大日本印刷「熱を瞬時に伝えるヒートパイプ、その歴史と仕組み」、Electronics Cooling, S. D. Garner「Heat Pipes for Electronics Cooling Applications」(1996年、英語)

使う場面ごとの選び方

使う場面よく使われる形選ぶときのポイント
ノートパソコン・スマートフォン扁平のヒートパイプ、薄いベーパーチャンバー入るすき間の厚さと、運ぶ熱(スマートフォンの CPU 5W・厚さ0.3〜0.4mm の例。SDS)
サーバー・データセンターヒートパイプ式ヒートシンク、ベーパーチャンバー、3D ベーパーチャンバー発熱の大きさ(200〜400W・厚さ3〜4mm の例。SDS)、空冷で足りないときは水冷・液浸(古河電気工業)
インバーター・鉄道のパワーモジュール大型のベーパーチャンバー、ヒートパイプ式ヒートシンクIGBT 500〜2,000W・450×450mm の例(SDS)。ファンを使わない形(古河電気工業)
熱板・均熱用の金型熱板に埋め込んだヒートパイプ使う温度の上限(銅・水で200℃まで)と、ヒーターとの配置(新日電熱工業・片岡線材)
LED 照明ヒートパイプとヒートシンクLED の熱を放熱部へ運んで寿命を延ばす(下西技研工業)

ポイントの列は、このページの出典をもとに編集部が整理したものです。

ベーパーチャンバー:発熱と厚さの関係

SDS は、取り扱う Boyd Corporation 製のベーパーチャンバーの使用用途として、スマートフォンの CPU 5W で厚さ0.3〜0.4mm、ノートパソコン15〜30W で0.5mm、サーバー200〜400W で3〜4mm、インバーターの IGBT 500〜2,000W で3〜8mmなどの例を挙げています。発熱が大きいほど、厚く大きな板になります。大日本印刷は厚さ0.20mm のベイパーチャンバーを開発したとしています。

スマートフォン、ノートPC、基地局、ゲーム機、サーバー、インバーターの冷やす部品・発熱・厚さ・大きさを並べた表
図7 ベーパーチャンバーの用途ごとの発熱と厚さ(ある販売会社の例)
出典:SDS「ベイパーチャンバー」の使用用途の表をもとに AI(Claude)で作成

出典:SDS「ベイパーチャンバー|高効率放熱設計による小型・薄型機器の熱対策」、大日本印刷「熱を瞬時に伝えるヒートパイプ、その歴史と仕組み」

ベーパーチャンバーの中の構造

SDS の資料では、ベーパーチャンバーは上・下のカバー(銅・銅合金・ステンレス)、ウィック(焼結粉末・メッシュ・エッチング)、つぶれないように支えるポスト(柱)でできていて、外周を拡散接合・ろう付け・レーザー溶接で封じます。アルファの VC シリーズは、銅の薄いケースの内壁に銅の金網を接合し、熱源の部分に多孔質のウィックを置いて、真空にして純水を封じています。

上下のカバーの内側にウィックがあり、間に柱が並ぶベーパーチャンバーの断面。下の熱源の上で蒸発した蒸気が左右に広がる
図8 ベーパーチャンバーの構造(断面)
出典:SDS「ベイパーチャンバー」・アルファ「VC シリーズ」をもとに AI(Claude)で作成

出典:SDS「ベイパーチャンバー|高効率放熱設計による小型・薄型機器の熱対策」、アルファ「ベーパーチャンバー VC シリーズ」

向いている条件と注意点

向いている条件

  • 熱源と放熱する場所が離れている
  • 小さな熱源の熱を広い面に広げたい
  • 薄い・狭いすき間に熱の通り道を作りたい
  • ファンやポンプを増やしたくない(動く部品がない)
  • 熱板などの面の温度をそろえたい

注意点

  • それ自体に冷やす力はない(捨てる先が要る)
  • 熱源が上になる向きでは運べる熱が大きく下がる
  • 水の作動液は0℃以下で使えない。上限の温度もある
  • つぶし・曲げ・長さで運べる熱が下がる
  • 高温では中の圧力が上がる(温度の管理が要る)

この一覧は、このページの出典(下西技研工業・大日本印刷・片岡線材・Electronics Cooling ほか)をもとに編集部が整理したものです。

太さ・つぶし・曲げで運べる熱が変わる

下西技研工業と大日本印刷は、パイプの直径が大きく、扁平より丸く、曲げないもののほうが、熱を運ぶ能力は高いとしています。下西技研工業の銅ヒートパイプ(長さ150mm)の最大熱輸送量の例は、φ4 で20W、φ5 で35W、φ6 で65W、φ8 で80W です(φ8 は長さ100mm で120W の例もある)。扁平型は超薄型(厚さ1.0〜1.8mm)の φ8 で8〜45W で、扁平型の使用上限温度は120℃、動作姿勢は水平・ボトムヒートとしています。

太いと細い、丸いと扁平、まっすぐと曲げたヒートパイプの断面と形を並べ、左のほうが有利と示した図
図9 太さ・つぶし・曲げで、運べる熱が変わる
出典:下西技研工業「ヒートパイプの原理」・大日本印刷の解説をもとに AI(Claude)で作成

出典:下西技研工業「ヒートパイプ ①ヒートパイプの原理」、大日本印刷「熱を瞬時に伝えるヒートパイプ、その歴史と仕組み」、下西技研工業「銅ヒートパイプ」、下西技研工業「扁平型ヒートパイプ」

よくある失敗:運べる熱の限界を超える

Electronics Cooling(1996年)は、ヒートパイプが運べる熱の限界として、粘性・音速・毛細管・飛散(同伴)・沸騰の5つを挙げ、設計でたいてい効くのは、ウィックが液を戻しきれなくなる毛細管限界としています。熱源の所の熱流束が高すぎると、沸騰の膜で液が届かなくなる沸騰限界も起きます。沸騰が始まる熱流束の目安は、メッシュのウィックで5〜10W/cm²、粉末(焼結)のウィックで20〜30W/cm² です。限界を超えると、熱源の所の液がなくなり(ドライアウト)、温度が急に上がります。カタログの値は決まった向き・温度・長さで測った値なので、使う条件で余裕を見ます。

毛細管限界・沸騰限界・飛散限界・音速限界・粘性限界の5つの説明と、電子機器では毛細管と沸騰の限界が効くことを示した図
図10 運べる熱の5つの限界
出典:Electronics Cooling の解説(1996年)をもとに AI(Claude)で作成

出典:Electronics Cooling, S. D. Garner「Heat Pipes for Electronics Cooling Applications」(1996年、英語)

カタログ値の見方(最大熱輸送量・熱抵抗・温度)

ヒートパイプのカタログには、外径・長さ・作動液・最大熱輸送量(Qmax)・使用温度などが並びます。最大熱輸送量と熱抵抗は、測った向き・長さ・熱源の大きさ・冷やし方で大きく変わるので、条件が違う値どうしは比べません。たとえば下西技研工業のアルミヒートパイプの最大熱輸送量 5〜200W は「当社試験方法による参考値」で、厚さ1.5mm 品の水平ヒートは対象外としています。

最大熱輸送量、熱抵抗、使用温度の範囲、寸法と形、ウィックの種類、材料と取り付けの6項目と見方を並べた表
図11 仕様書・カタログで確かめる項目
出典:このページの出典(各社の仕様と Electronics Cooling の解説)をもとに AI(Claude)で作成

出典:下西技研工業「アルミヒートパイプ」

項目見方
最大熱輸送量長さ・向きの条件を確かめる。φ8 の銅ヒートパイプで、長さ150mm は80W、長さ100mm は120W の例(下西技研工業)
熱抵抗熱源の大きさ・冷やし方・電力で変わる。アルファの VC は水冷・熱源15×25mm で、100W と400W の値を分けて載せている
使用温度下限(凍結)と上限(中の圧力)。銅・水は最高200℃(片岡線材)。扁平型で上限120℃の例(下西技研工業)
動作姿勢使える向きが書かれているか(扁平型で「水平、ボトムヒート」の例。下西技研工業)

出典:下西技研工業「銅ヒートパイプ」、アルファ「ベーパーチャンバー VC シリーズ」、片岡線材「製品情報 ヒートパイプ」、下西技研工業「扁平型ヒートパイプ」

見方の列は、このページの出典をもとに編集部が整理したものです。

温度の上限は、中の圧力で決まる

片岡線材は、作動液が水の場合、容器の中の圧力は使う温度の水蒸気圧になり、水蒸気は温度が上がると極めて高圧で危険なので、銅-水型ヒートパイプの最高使用温度は200℃と定められているとしています。同社は、温度の管理ができない場合はヒートパイプを使わないよう注意しています。新日電熱工業のヒートパイプ(銅)も使用温度は20〜200℃です。

出典:片岡線材「製品情報 ヒートパイプ」、新日電熱工業「ヒートパイプ」

組み込み・量産・信頼性の注意

  1. 向きと温度を決める使う姿勢と、最低・最高の温度(保管・輸送も)
  2. 形と加工を決める太さ・つぶし・曲げを決め、加工後の性能で確かめる
  3. つなぎ目を決める受熱板・フィンとの接合と、すき間の材料

この3点は、このページの出典をもとに編集部が整理したものです。

曲げ・つぶしの加工

銅のパイプは曲げや扁平の加工がしやすく、アルミはさらに加工しやすいとされます(下西技研工業)。ただし、曲げ・つぶしで運べる熱は下がるので、加工後の形で性能を確かめます。Electronics Cooling(2008年)は、メッシュのウィックのヒートパイプを曲げるときの課題は、金網を壁に沿わせたまま保つことだとしています。アルミヒートパイプには最小の曲げ半径(R4〜5mm の例。下西技研工業)があります。

出典:下西技研工業「ヒートパイプ ①ヒートパイプの原理」、Electronics Cooling, A. Engelhardt「Pushing the Boundaries of Heat Pipe Operation」(2008年、英語)、下西技研工業「アルミヒートパイプ」

受熱部・放熱部とのつなぎ目

ヒートパイプの性能が良くても、熱源とのすき間や、フィンとの接合部の熱抵抗が大きいと、温度は下がりません(編集部)。アルファは、ヒートシンクのベースにヒートパイプを通す穴を、フィンと同時に成形する技術の見本を公開しています(穴の精度 ±0.02mm、内面は鏡面としている)。熱源とのすき間の材料は、技術「放熱シート・グリス」を参考にしてください。

出典:アルファ「技術見本 – ヒートパイプ・ヒートシンク」

相談する前に整理すること

発熱、距離と形、向き、温度、厚さと重さ、放熱の方法の6つの項目を並べた図
図12 ヒートパイプ・ベーパーチャンバーを相談する前に整理すること
出典:このページの出典をもとに AI(Claude)で作成
  • 発熱(熱源の発熱 W と大きさ、許せる温度)
  • 距離と形(熱源から放熱部までの距離、通り道、曲げ)
  • 向き(使う姿勢、熱源が上になるか、傾きや揺れ)
  • 温度(周りの温度、保管・輸送の最低温度、最高温度)
  • 厚さ・重さ(入るすき間、重さの上限)
  • 放熱の方法(自然空冷・ファン・水冷、数量と費用)

この一覧は、このページの出典をもとに編集部が整理したものです。

企業紹介(ヒートパイプ・ベーパーチャンバー技術)

ヒートパイプ・ベーパーチャンバーを扱う会社を、得意な分野が重ならないように6社紹介します。大手の冷却器、銅・アルミ・扁平のヒートパイプ、規格品のベーパーチャンバー、高温用のヒートパイプ、熱板への埋め込み、拡散接合の平板と、困りごとに近い会社から見てください。掲載の内容は、各社の公式サイトで確認できた情報です。

企業ヒート
パイプ
ベーパー
チャンバー
ヒートシンク
との組み合わせ
高温・
産業用
古河電気工業データセンター・鉄道・医療の冷却器(東京都)●●●
下西技研工業銅・アルミ・扁平のヒートパイプと薄型 VC(大阪府)●●●
アルファVC を規格品で1個から、VC を入れたヒートシンクの測定例(静岡県)●●
片岡線材ワイヤウィックのヒートパイプ、310℃の高温用(愛知県)●●
新日電熱工業ヒートパイプを埋め込んだ熱盤(大阪府)●●
WELCON拡散接合で作る平板の VC(新潟県)●

●は、各社の公式サイトで製品・事例を確認できたものです(空欄は、扱っていないという意味ではありません)。「高温・産業用」は、200℃を超える用途や熱板などの産業用の例があるものです。社名を押すと、その会社の紹介へ移ります。

古河電気工業株式会社|ヒートパイプ・ベーパーチャンバーと液冷を組み合わせた冷却器(データセンター・鉄道・医療)

古河電気工業とは

東京都千代田区に本社がある会社です(1884年創業)。メタル・ポリマー・フォトニクス・高周波の4つのコア技術で、情報通信・エネルギーなどのインフラ、自動車、エレクトロニクスの分野へ製品を提供しています。放熱・冷却の製品では、半世紀にわたり培ってきた放熱・冷却技術を生かすとしています。

古河電気工業の放熱・冷却製品の用途。データセンター(ヒートパイプを使った空冷・ベーパーチャンバー・3Dベーパーチャンバー・水冷と液浸)、鉄道(パワーキッカー・ヒートパイプ式ブロアレス型ヒートシンク)、医療(フィン挿し型ヒートパイプ・ヒートシンク)の3枚のカード
図13 古河電気工業の放熱・冷却製品の用途
出典:古河電気工業「放熱・冷却製品」「放熱・冷却ソリューション」をもとに AI(Claude)で作成

古河電気工業の得意技術

技術内容
データセンターヒートパイプを活用した空冷から、平面方向へ熱を逃がすベーパーチャンバー、高さ方向にも熱を広げる3Dベーパーチャンバー、液冷(水冷・液浸)まで対応するとしている
鉄道何千Wもの熱が出る鉄道車両のパワーモジュールの冷却器。鉄道車両パワコン用パワーキッカー、高速鉄道車両パワコン用ヒートパイプ式ブロアレス型ヒートシンク
医療医療機器の光源装置内のフィン挿し型ヒートパイプ・ヒートシンク。静音化と気流を抑える設計としている

古河電気工業が解決できる課題

  • AI サーバーなど発熱の大きい機器の冷却を、空冷から液冷まで相談したい
  • 鉄道車両などのパワーモジュールの冷却器を小さく軽くしたい
  • 静かで気流を抑えた冷却が要る医療機器を設計したい

出典:古河電気工業「会社概要」、古河電気工業「放熱・冷却製品(サーマル)」、古河電気工業「放熱・冷却ソリューション」

下西技研工業株式会社|銅・アルミ・扁平のヒートパイプと薄型ベーパーチャンバーを自社で設計・製造

下西技研工業とは

大阪府東大阪市に本社がある、精密機器の部品の設計・開発・製造の会社です。ヒンジなどの機構部品、磁気の部品とならんで、ヒートパイプ・放熱ユニットなどの熱対策の製品を手がけ、試作・量産の相談を受けています。

下西技研工業のベイパーチャンバーのページに載っている、四すみにねじ穴のある平らな金属の板のベーパーチャンバーの写真
下西技研工業のベイパーチャンバー(出典:下西技研工業)

下西技研工業の得意技術

技術内容
ベイパーチャンバー薄型タイプ 縦横50〜100mm・厚さ0.4〜4mm、標準タイプ 縦横50〜370mm・厚さ4〜15mm(製造可能サイズの目安)。材質 C1020、作動液は純水
銅・扁平型ヒートパイプ銅ヒートパイプ φ4〜φ8(最大熱輸送量の例 φ6 で65W)。扁平型は厚さ1.0〜1.8mm の超薄型もあり、ウィックはメッシュ・グルーブ・ファイバーなど
アルミヒートパイプA3003 とアセトン、グルーブのウィック。動作温度 -40〜150℃、厚さ1.5〜2.5mm
技術情報ヒートパイプの原理と、向きによる熱抵抗の測定を公開している

下西技研工業が解決できる課題

  • 薄い機器の中に、扁平のヒートパイプやベーパーチャンバーを入れたい
  • 氷点下になる所で使えるヒートパイプがほしい(アルミ・アセトン)
  • ヒートシンク・ファンと組み合わせた放熱ユニットを試作したい

出典:下西技研工業「会社概要」、下西技研工業「ベイパーチャンバー」、下西技研工業「扁平型ヒートパイプ」、下西技研工業「アルミヒートパイプ」、下西技研工業「銅ヒートパイプ」、下西技研工業「ヒートパイプ ②伝熱特性」

下西技研工業の銅ヒートパイプのφ4・φ5・φ6・φ8の最大熱輸送量20・35・65・80Wの横棒と、扁平型の最大熱輸送量の範囲
図14 下西技研工業のヒートパイプの最大熱輸送量(製品の仕様)
出典:下西技研工業「銅ヒートパイプ」「扁平型ヒートパイプ」の仕様をもとに AI(Claude)で作成

株式会社アルファ|ベーパーチャンバーを規格品として1個から、ヒートシンクと組み合わせて

アルファとは

静岡県沼津市の会社です(1972年設立)。冷間鍛造の部品をつくってきた会社で、1989年からヒートシンクの技術を開発しています。2025年6月に、ベーパーチャンバーを規格化し、自社生産で提供すると発表しました。

アルファのベーパーチャンバーの断面を拡大した写真。薄い銅のケースの内側に金網と多孔質のウィックが見える
アルファのベーパーチャンバーの断面の拡大写真(出典:アルファ)

アルファの得意技術

技術内容
VC シリーズ銅の薄いケースの内壁に銅の金網を接合し、熱源部に多孔質のウィック。純水を封入。使用温度範囲10〜90℃。VC80(80×80mm)〜VC120(120×120mm)など
熱抵抗の測定値(水冷)熱源15×25mm・400W で、ベーパーチャンバーなし0.094℃/W に対し VC120 で0.066℃/W
ヒートシンクとの組み合わせ(空冷)熱源12×12mm・55W で、アルミのヒートシンク0.610℃/W、銅を埋め込んだもの0.494℃/W、VC を入れたカスタム仕様0.404℃/W。ヒートシンクに取り付けてセットで納入するサービスは計画中としている

アルファが解決できる課題

  • 小さなチップの熱を、ヒートシンクのベース全体に広げたい
  • ベーパーチャンバーを少量から試したい

出典:アルファ「会社概要」、アルファ「ベーパーチャンバー VC シリーズ」、アルファ「新製品 ベーパーチャンバー(VC シリーズ)リリースのお知らせ」(2025年6月16日)

熱源12×12mm・55Wで、アルミのヒートシンク0.610、銅を埋め込んだヒートシンク0.494、ベーパーチャンバー入り0.404℃/Wの横棒グラフ
図15 アルファのヒートシンクとベーパーチャンバーの熱抵抗(同社の測定値)
出典:アルファ「ベーパーチャンバー VC シリーズ」の測定値をもとに AI(Claude)で作成

片岡線材株式会社|ワイヤウィックのヒートパイプと、310℃までの高温用

片岡線材とは

愛知県津島市の会社です(1977年設立)。ヒートパイプのほか、均熱用の金型・熱板、包装機のシールブロック・ヒートブロック、サーマルジョイントなどを手がけています。1979年には、ワイヤウィック型ヒートパイプが日本包装機械工業会の認定部品になりました。

片岡線材のヒートパイプの種類と最高使用温度の表。銅-水は200℃まで、高温用(特殊銅合金・鉄パイプ)は310℃まで、ステンレス-ナフタリンはそれより高い所
図16 片岡線材のヒートパイプの種類と最高使用温度
出典:片岡線材「製品情報 ヒートパイプ」をもとに AI(Claude)で作成

片岡線材の得意技術

技術内容
ワイヤウィック毛細管力に優れたワイヤウィックを採用し、不利な姿勢のときに効果を発揮するとしている
種類銅-水(外径 φ2〜φ32mm)、鉄-水・ステンレス-ナフタリン(φ6〜φ32mm)、KN1(φ6・φ8mm)
高温用200℃以上の用途のため、特殊銅合金と鉄パイプで容器の強度を高めた高温用を開発。最高使用温度310℃(φ6・φ8mm のみ)

片岡線材が解決できる課題

  • 200℃を超える熱板・金型の温度をそろえたい
  • 均熱用の金型・熱板とヒートパイプをまとめて相談したい
  • 不利な姿勢(熱源が上など)での性能を相談したい

出典:片岡線材「会社案内」、片岡線材「製品情報 ヒートパイプ」

新日電熱工業株式会社|ヒートパイプを埋め込んだ熱盤(ホットプレート)

大阪府八尾市に本社がある、工業用の電熱ヒーターのメーカーです。シーズヒーターや鋳込ヒーター、熱盤などとあわせて、ヒートパイプを熱盤に埋め込んだ製品を手がけています。

新日電熱工業のヒートパイプのページに載っている、金属板の上に銅のヒートパイプとシーズヒーターを並べた熱盤の写真
熱盤の上にヒートパイプ(銅色)とヒーターを並べた様子(出典:新日電熱工業)

新日電熱工業の得意技術

技術内容
ヒートパイプ銅パイプ内に作動液を飽和蒸気圧の状態で密封。熱伝導率は銅の100倍以上としている。材質は銅、パイプ径 φ6〜φ20、長さ200〜3,000mm、使用温度20〜200℃
熱盤への埋め込み熱盤に溝加工をして、ヒーターとヒートパイプを一貫製作し、埋め込んだ状態まで製作できる。ヒーターとヒートパイプの配置は同社の製作ノウハウで決めるとしている

新日電熱工業が解決できる課題

  • 熱盤(ホットプレート)の面内の温度分布を良くしたい
  • ヒーターとヒートパイプの配置をまとめて任せたい

出典:新日電熱工業「会社概要」、新日電熱工業「ヒートパイプ」

株式会社WELCON|拡散接合で作る平板のベーパーチャンバー(WEL-HeatRibbon)

新潟県新潟市秋葉区に本社がある、拡散接合の会社です(2006年設立)。マイクロチャンネルの水冷ヒートシンクや熱交換器、インラインヒーターとならんで、ベーパーチャンバー「WEL-HeatRibbon」を手がけています。

WELCONのベーパーチャンバーの特徴(銅の約10倍の熱伝導性、ヒートパイプより平らで薄い、自由な二次元の形、姿勢による影響が少ない)の4枚のカード
図17 WELCON のベーパーチャンバーの特徴
出典:WELCON「ベーパーチャンバー『WEL-HeatRibbon』」をもとに AI(Claude)で作成

WELCONの得意技術

技術内容
WEL-HeatRibbonシート型ヒートパイプとも呼ばれるベーパーチャンバー。銅の約10倍の熱伝導性(測定方法等にもよる)、ヒートパイプに比べ平板形状で薄型としている
形と取り付け自由な二次元形状を作れ、ドーナツ形・Y字なども可能。熱源との密着性が良く、TIM などで貼り付けるだけで済むとしている
姿勢姿勢による性能の影響が少ないとしている

WELCONが解決できる課題

  • ドーナツ形・Y字など、決まった形の中で熱を広げたい
  • 向きが変わる機器で、熱を面に広げたい

出典:WELCON「会社概要」、WELCON「ベーパーチャンバー『WEL-HeatRibbon』」

使われる製品・事例

大日本印刷の解説によると、ヒートパイプは1942年にアメリカで特許が出願され、1960年代後半に NASA が人工衛星の熱対策に使いました。日本では1978年にオーディオ用アンプのパワートランジスタの熱対策に使われ、1994年にはノートパソコンの CPU の熱対策として小型ヒートパイプが初めて採用されました。いまはスマートフォン、サーバー、ゲーム機、基地局、インバーター(SDS)、鉄道車両のパワーモジュール、医療機器(古河電気工業)、LED 照明(下西技研工業)、熱板(新日電熱工業)などに使われています。

出典:大日本印刷「熱を瞬時に伝えるヒートパイプ、その歴史と仕組み」、SDS「ベイパーチャンバー|高効率放熱設計による小型・薄型機器の熱対策」、古河電気工業「放熱・冷却ソリューション」

出典・確認日

※アイキャッチ画像は、AI(ChatGPT)で生成したイメージです。実在の製品ではありません。図はAI(Claude)で作成した概念図です。

情報の確認日:2026年10月7日 本ページの内容は一般的な情報で、実際に運べる熱・温度・寸法・費用は、製品・使う向き・温度・冷やし方により異なります。

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