休みの日も、コンプレッサーが動き続けている。ポンプの流量が多すぎるので、バルブを半分閉めて使っている。夏になると空調で電力が大きく増え、1日のピークで基本料金が上がる。工場の電力は、生産設備のほかに、こうした空気・水・空調をつくる設備でも多く使われます(編集部の解説)。
省エネルギーセンターが2019〜2023年度に行った工場の省エネ診断では、改善提案の対象設備で最も多かったのがコンプレッサ(25.4%)、次が空調・換気設備(19.7%)でした。漏れているのか、回し方が合っていないのか、熱が入りすぎているのか、ピークが出ているのかで、効く対策が違います。困っていることから、次のマトリクスで候補になる対策を確かめてください。
課題と解決技術のマトリクス
| 課題(症状) | エア漏れ対策と圧力の見直し | インバーター(回転数制御) | 空調・冷凍の負荷を減らす | 電力の見える化とデマンド管理 | 機器の更新・置き換え(台数制御・高効率) |
|---|---|---|---|---|---|
| Aコンプレッサーの電気代が大きい(休日も止まらない、圧力が高い) | ◎ | ○ | ○ | ○ | |
| Bポンプ・ファンをバルブやダンパーで絞って使っている | ◎ | ○ | ○ | ||
| C空調・冷凍の電力が大きい(夏に増える) | ○ | ◎ | ○ | ○ | |
| D基本料金(契約電力)が高い | ◎ | ||||
| Eどこでどれだけ使っているか分からない | ○ | ○ | ◎ |
◎ 第一候補○ 有効△ 条件によって有効
※記号は一般的な傾向に基づく目安です。どの対策が合うかは、設備の台数と容量、運転時間、負荷の変わり方(季節・時間帯・休日)、圧縮空気や冷却水の使い方、建物と受電の契約によって変わります。症状Aの「エア漏れ対策と圧力の見直し」の「◎」は、一般工場では圧縮空気の漏れが20%程度あるといわれ、吐出圧力を0.8MPa-abs から0.1MPa 下げると漏れが減る分も含めて10%程度の省エネが期待できるとする解説(中小機構 J-Net21)と、圧力の低減・漏れの防止の試算(省エネルギーセンター)、「インバーター」の「○」は、インバーター機では風量比と動力比がほぼ同じになるとする試算(省エネルギーセンター)、「見える化」の「○」は、流量計で漏れ箇所の特定が容易になるとする解説(愛知時計電機)と、休日の電力の見える化で休日の電力使用量を大幅に減らした事例(省エネルギーセンター)、「機器の更新・置き換え」の「○」は、低い圧力で足りる曝気をコンプレッサーからルーツブロワに替えた試算(省エネルギーセンター)とインバーター化と台数制御盤の試算(ダイナテック)を示しています。症状Bの「インバーター」の「◎」は、回転数制御の相似則と試算(環境省、J-Net21)、ポンプ・ファンのインバーター化の試算(省エネルギーセンター)、「見える化」の「○」は、インバーター化のチューニングに超音波流量計とクランプ型電力計で測る手順(省エネルギーセンター)、「機器の更新」の「○」は、7.5kW の三相誘導電動機を IE1 から IE3 に更新して約4.9%の省エネが期待できるとする解説(J-Net21)を示しています。症状Cの「空調・冷凍の負荷を減らす」の「◎」は、フィルター・フィンの清掃、室外機の日よけ・散水、設定温度の見直しの効果を示す解説と試算(J-Net21、省エネルギーセンター)、「インバーター」の「○」は、冷却水ポンプのインバーター化の試算(環境省)と冷凍機のインバーター化の支援(ダイナテック)、「見える化」の「○」は、工場の年間の電力のうち空調の割合を算出した診断の事例(省エネルギー診断の事例集)、「機器の更新」の「○」は、空調の改善提案に高効率機器への更新を挙げる集計(省エネルギーセンター)を示しています。症状Dの「見える化」の「◎」は、30分デマンド値と契約電力の関係の解説(J-Net21)と、デマンド監視装置の導入で最大電力を下げる提案(省エネルギーセンター)を示しています。症状Eの「見える化」の「◎」は、工場全体・回路・設備の順に測る方法の解説(省エネルギーセンター)、「エア漏れ」の「○」は、生産を止めて漏れ率を測る方法(省エネルギーセンター、J-Net21)、「インバーター」の「○」は、流量と電力を測ってから回転数を調整する手順(省エネルギーセンター)を示しています。◎は、公的機関や企業の資料で、その症状に直接はたらくとされている対策、○は効果が期待できる対策を示します(記号の根拠は、下の「解決技術の詳細」と企業紹介の各出典です)。空欄は、その対策だけでは直接の対策になりにくいことを示します。
課題の診断と解決策
どこから手を付けるかは、困っていることと、最初に確かめる所で見当をつけられます(編集部の整理)。

出典:この記事の内容をもとに AI(Claude)で作成
コンプレッサーの電気代が大きい(休日も止まらない、圧力が高い)
休み明けにエアタンクの圧力が下がっている。使う所より、ずっと高い圧力で運転している。

- 起きている現象
- J-Net21 の解説では、一般工場での圧縮空気の漏れは20%程度あるといわれ、コンプレッサーの消費電力は工場の全消費電力量の10〜30%を占めるとしています。吐出圧力は、使う所の圧力に配管の圧力損失を足した値が必要で、それより高く運転すると動力が無駄になります。
- 解決に使える技術
- 漏れ率を測って漏れを直す休日の圧力の下がり方で分かる
- 吐出圧力を下げる0.1MPa で10%程度
- 台数制御・インバーター機負荷に合わせて回す
圧力を下げると、圧力が瞬間的に落ちる設備で足りなくなることがあります。省エネルギーセンターの事例では、研磨の砥粒を除くエアブローで圧力が大きく下がる1台は、圧力の低減を見送っています。
ポンプ・ファンをバルブやダンパーで絞って使っている
流量や風量が多すぎるので、バルブやダンパーを半分閉めて調整している。

- 起きている現象
- バルブで絞ると、流量が減っても消費電力はわずかしか下がらず、バルブの抵抗で生じるロスの分の電力を使い続けます(J-Net21)。ポンプ・ファンは、回転数を下げると流量は回転数に、軸動力は回転数の3乗に比例して下がります(環境省)。
- 解決に使える技術
- インバーターで回転数を下げるバルブ・ダンパーは全開にする
- 流量と電力を測って調整する超音波流量計・クランプ型電力計
- 高効率モーター(IE3)更新のとき
実揚程(くみ上げる高さ)が大きいポンプでは、回転数を下げても省エネ効果が小さくなります。J-Net21 は、回転数制御が有効なのは実揚程が小さく、流量比で30〜80%程度までとしています。
空調・冷凍の電力が大きい(夏に増える)
夏になると電力が大きく増える。冷房が効きにくく、設定温度を下げている。

- 起きている現象
- フィルターやフィンが汚れると熱の交換量が下がり、汚染が激しい環境ではフィルターを清掃しないと、シミュレーションの一例では1.5倍も多く電力を使うこともあるとされます(J-Net21)。室外機に日が当たる、屋根からの熱が入る、設定温度に余裕を見すぎている、なども電力を増やします(編集部の解説)。
- 解決に使える技術
- フィルター・フィンの清掃5〜10%の削減の目安
- 室外機の日よけ・設定温度の見直し品質に影響しない範囲で
- 屋根・設備の遮熱輻射熱を減らす
設定温度を緩めるのは、品質管理上問題がないエリアに限ります(省エネルギーセンターの提案の条件)。冷凍庫などは、保管の基準温度を確かめてから見直します。
基本料金(契約電力)が高い
使う電力量はそれほど多くないのに、基本料金が高い。夏の1日だけ電力が大きく出た。

- 起きている現象
- 高圧で受電し契約電力が500kW 未満の場合、30分ごとの平均電力(30分デマンド値)の月の最大と過去11か月の最大のうち、いちばん大きい値が契約電力になります。1回でも大きな30分デマンド値が出ると、1年間その値が適用されます(J-Net21)。
- 解決に使える技術
- デマンド監視装置で監視する超えそうなときに警報
- 止める設備の順番を決めておく空調・工作機器など
- 起動の重なりを避ける編集部の解説
警報が出ても、止める設備と順番が決まっていないと対応が遅れます。J-Net21 の例では、管理者が不在の日に最大電力を記録していました。
どこでどれだけ使っているか分からない
電気代は分かるが、どの設備がどれだけ使っているか分からず、何から手を付ければよいか決められない。

- 起きている現象
- 電気料金は、最大の電力で決まる基本料金と、使った量で決まる電力量料金でできています。省エネルギーセンターは、事業所全体、回路別(空調・照明など)、設備単体と順に測って、最大の電力の削減と電力量の削減を検討するとしています。
- 解決に使える技術
- デマンド監視・回路ごとの計測全体→回路→設備
- 休日の電力を見える化する止め忘れが分かる
- 漏れ率を測るコンプレッサーの昇圧・降圧の時間
測ったあとは、効果の大きい対策から手を打ち、前後を同じ条件(生産量・気温)で比べると、効果を確かめられます(編集部の解説)。
なぜ、工場の電力が無駄に使われるのか
工場の電力の多くはモーターが使っている
日本電機工業会の資料では、モーターは全消費電力量の約55%、産業用モーターは産業部門の消費電力量の約75%を使っていると推計しています。コンプレッサー・ポンプ・ファンも、モーターで動く設備です。止めてよいときに止まっていない、必要より高い圧力や多い流量で回している、という使い方の無駄は、モーターの電力にそのまま表れます(編集部の解説)。省エネルギーセンターの診断の改善提案(2019〜2023年度)でも、コンプレッサ25.4%、空調・換気設備19.7%、照明14.3%、デマンド管理その他10.4%の順に多くなっています(電力の内訳ではなく、提案の対象設備の割合)。

出典:省エネルギーセンター「工場の省エネルギーガイドブック2024」・日本電機工業会「三相誘導電動機のトップランナー基準(案)の紹介」をもとに AI(Claude)で作成
圧縮空気は、つくるのに電力がかかり、漏れても気づきにくい

コンプレッサーの理論断熱動力は、吐出圧力が高いほど大きくなり、吸込み空気の温度(絶対温度)に比例します(J-Net21)。漏れる空気の量は圧力に比例するため、圧力が高いと漏れも増えます。圧縮空気は漏れていても目に見えず、環境上・火災上の危険性もないことから放置されがちで、コンプレッサーメーカーの調査では10〜20%の圧縮空気が漏れているとされます(J-Net21)。
流量をバルブで絞ると、ロスの分の電力を使い続ける

ポンプは、ポンプの揚程曲線と配管の抵抗曲線が交わる点で運転されます。吐出しバルブを絞ると配管の抵抗が大きくなって流量は減りますが、ポンプが出す揚程はむしろ上がり、消費電力は少ししか下がりません。インバーターで回転数を下げると、揚程曲線そのものが下がり、バルブは全開のまま流量を減らせます(J-Net21)。締切揚程が定格の1.4倍、実揚程が定格揚程の0.3倍のモデルでは、流量を半分にするとき、バルブで絞れば定格の電力の65%、インバーターなら24%で済む計算です。

出典:中小機構 J-Net21「実揚程の大きなポンプにインバータを取り付けても省エネ効果が少ないのはなぜ?」・環境省「インバーター制御装置等の回転数制御装置の導入」をもとに AI(Claude)で作成
原因の切り分け方
次は編集部の整理です。まず、受電の電力量と30分デマンド値の月ごとの推移を見ます。次に、空調・照明・コンプレッサー・生産設備などの回路ごとに分けて測り、最後に大きい設備を単体で測ります。休日や夜間の電力が下がりきらないならコンプレッサー・空調・照明の止め忘れやエア漏れ、デマンドの最大が特定の時刻に出るなら設備の起動の重なり、夏だけ大きく増えるなら空調・冷凍の負荷を疑います。

出典:省エネルギーセンター「省エネはエネルギーの『見える化』から」をもとに AI(Claude)で作成
出典:三相誘導電動機のトップランナー基準(案)の紹介|日本電機工業会、工場の省エネルギーガイドブック2024|省エネルギーセンター、圧縮空気システムの省エネのポイントは?(その1:吐出圧力の低減)|中小機構 J-Net21、同(その2:吸込み温度の低減)|中小機構 J-Net21、圧縮空気漏れ対策の省エネ効果は?|中小機構 J-Net21、実揚程の大きなポンプにインバータを取り付けても省エネ効果が少ないのはなぜ?|中小機構 J-Net21、省エネはエネルギーの「見える化」から|省エネルギーセンター
解決技術の詳細
工場の電力を減らす対策は、圧縮空気の無駄をなくす(漏れ・圧力)、回し方を変える(インバーター)、空調・冷凍の負荷を減らす、測ってピークと無駄を見つける(見える化・デマンド)、機器を更新・置き換える、の5つに分けられます(編集部の整理)。多くは、測って運用を変えるだけで始められます。
エア漏れ対策と圧力の見直し
漏れの量は、生産を止めて使う側のバルブを閉め、コンプレッサーが圧力 P2 から P1 まで上げる時間 t1 と、止まってから漏れで P2 まで下がる時間 t2 を測れば、漏れ率=t1÷(t1+t2)で推定できます(省エネルギーセンター)。漏れが多いと t2 が短くなります。漏れやすいのは継手・弁・ゴムホースの接合部・電磁弁で、超音波のリークディテクターは稼働中でも漏れの場所と概略の量を確かめられるとしています。

出典:省エネルギーセンター「工場の省エネルギーガイドブック2024」・中小機構 J-Net21「圧縮空気漏れ対策の省エネ効果は?」をもとに AI(Claude)で作成
省エネルギーセンターの試算では、37kW のインバーター機(負荷80%、年6,000時間)で、測定した漏れ率20%のうち80%の漏れを防いで4%にすると、風量比と動力比が0.84になり、年177,600kWh から149,200kWh(16%減)になります。J-Net21 も、55kW のスクリュー(インバーター機、年6,000時間)で漏れ率8%をなくすと年25,700kWh・51.4万円(20円/kWh)の削減と試算しています。
吐出圧力は、0.8MPa-abs から0.1MPa 下げると理論上約8%の動力が下がり、漏れが減る分(約2.5%)を加えて10%程度の省エネが期待できます(J-Net21)。省エネルギーセンターの試算では、37kW×2台(負荷80%、年5,000時間)で0.7MPa から0.6MPa に下げて動力比0.92、年296,000kWh から272,300kWh(8%減)で、容積式(レシプロ・スクリュー)に有効な対策としています。同センターの2017年度の事例集では、15kW×3台のうち2台で吐出圧力を0.69MPa から0.59MPa に下げ、電力が1号機で7.5%、2号機で5.0%減りました(3台目は、エアブローで圧力が大きく下がるため保留)。配管の圧力損失は、ドライヤを含めて0.05MPa を目標にするとされています(J-Net21)。

出典:中小機構 J-Net21「圧縮空気システムの省エネのポイントは?(その1)」・省エネルギーセンター「工場の省エネルギーガイドブック2024」をもとに AI(Claude)で作成
インバーター(回転数制御)
遠心ポンプは、流量が回転数に、揚程が回転数の2乗に、軸動力が回転数の3乗に比例します(環境省)。環境省の試算では、15kW×2台の冷却水ポンプ(負荷率80%、24時間×365日)で流量を80%にするとき、定格に対する消費電力の比が弁制御の90%からインバーターの50%になり、年237千kWh から131千kWh(44%減)になります。同省がまとめた補助事業のインバーター導入32件のうち、高負荷の5事例では CO2削減率の中央値が17%、低負荷の17事例では68%でした。
省エネルギーセンターの試算では、水洗ポンプを弁制御からインバーターにして全揚程を38m から30m にすると年71,500kWh から59,500kWh(17%減)、局所排気ファンをダンパ制御からインバーターにして休日は風量を45%に下げると年287,900kWh から162,100kWh(44%減)になります。チューニングには、超音波流量計・圧力測定器・クランプ型電力計で流量と電力を測りながら回転数を下げていきます。

出典:省エネルギーセンター「工場の省エネルギーガイドブック2024」・環境省「インバーター制御装置等の回転数制御装置の導入」をもとに AI(Claude)で作成
空調・冷凍の負荷を減らす
J-Net21 は、室内外機のフィンコイルの薬品洗浄(2〜3年に1回)と室内機のフィルター清掃(毎月1回程度)で5〜10%の削減が期待できるとしています。室外機(凝縮器)では、フィンの洗浄で圧縮機の動力が5%程度、南西側の日よけで夏の晴天時に5%程度、散水(13L/h/台)で盛夏時に7%程度下がるとし、散水はスケールが付くので定期的な清掃が必要としています。
設定にも無駄が出ます。省エネルギーセンターの試算では、基準が−25℃の冷凍庫を−28℃で運転していたのを−25℃にすると、動力比が88%になり年141,900kWh から124,900kWh になります。同センターの2023年度の事例集では、生産用機械器具の工場で、品質管理上問題がないエリアの冷暖房の設定温度(概ね22℃)を1℃緩和する提案で、年460千円の削減を見込んでいます(EHP 26台、合計能力488.5kW)。屋根や設備からの輻射熱は、遮熱材で入る量を減らす方法があります(ライフテックの紹介を参照)。

出典:中小機構 J-Net21「空調室内機フィルタや室外機フィンの定期的清掃による省エネ」・同「凝縮器(室外機)に対する省エネ対策は?」・省エネルギーセンター「工場の省エネルギーガイドブック2024」・省エネルギーセンター「省エネ事例集 2023」をもとに AI(Claude)で作成
コンプレッサーの熱も空調に関わります。コンプレッサーからは容量の100〜110%程度の熱風が出て、37kW 機なら37kW の暖房能力に相当します(J-Net21)。吸込み空気の温度を約10℃下げると約3%の省エネになる(静岡県)ため、空冷式の排熱はダクトで屋外に出し、吸気は屋外の空気から取るのが省エネのポイントとされています(J-Net21)。冬は、この排熱を暖房に使う方法もあります。

出典:中小機構 J-Net21「空気圧縮機の排熱利用」・同「圧縮空気システムの省エネのポイントは?(その2)」・静岡県「省エネ事例集」をもとに AI(Claude)で作成
電力の見える化とデマンド管理
基本料金は、30分ごとの平均電力(30分デマンド値)の最大で決まります。J-Net21 の例では、契約電力を320kW から300kW に抑えると、基本料金の単価1,269円/(kW・月)、受電力率100%の条件で年約26万円の削減になる試算です。省エネルギーセンターの2023年度の事例集では、生産用機械器具の工場で、デマンド警報のときに空調機や工作機器などを一時停止する運用で最大電力を15kW 下げる提案をしています(投資400千円、回収2.1年)。

出典:中小機構 J-Net21「契約電力と30分デマンド値の関係」をもとに AI(Claude)で作成
見える化は、事業所全体・回路別・設備単体と順に測ります(省エネルギーセンター)。同センターのガイドブックでは、休日の電力使用量という無駄を見える化し、週末のブレーカーオフを習慣化して休日の電力使用量を大幅に減らした工場の事例を紹介しています。省エネルギー診断の事例集の製造業Aの広島工場では、空調の使用がいちばん少ない1月を基準に、年間の電力のうち空調が約15.7%を占めると算出しています(八本松工場は約18.9%)。室外機の清掃で、空調の消費エネルギーを約10%減らせるとしています。
機器の更新・置き換え(台数制御・高効率)
用途に合わない機器を使っていると、運用の工夫では取り切れない無駄が残ります。省エネルギーセンターの試算では、排水処理の曝気(必要な圧力60kPa 程度)に0.69MPa のコンプレッサー(30kW)を使っていたのを、11kW のルーツブロワに替えて年236,500kWh から61,600kWh(74%減)にしています。ファン(10kPa 未満)・ブロワ(10kPa〜0.1MPa 未満)・コンプレッサー(0.1MPa 以上)は圧力で区分されています。
モーターは、2015年度から三相誘導電動機のトップランナー基準に IE3(プレミアム効率)が適用されています。J-Net21 は、定格出力が小さいほど効果が大きい傾向にあり、50Hz・4極・7.5kW の三相誘導電動機をIE1 から IE3 に更新すると約4.9%の省エネが期待できるとしています。トップランナーモーターは回転速度が速くなる傾向があり、ポンプ・ファンでは負荷が増えることがあるので確かめます(J-Net21)。複数台のコンプレッサーは、台数制御で必要な台数だけを効率のよい負荷で動かす方法があります(ダイナテックの紹介を参照)。

出典:中小機構 J-Net21「トップランナーモータが2015年度からスタートします」・日本電機工業会をもとに AI(Claude)で作成
出典:工場の省エネルギーガイドブック2024(事例 C-1〜C-5 ほか)|省エネルギーセンター、2017年度 省エネ事例集|省エネルギーセンター、省エネ事例集 2023|省エネルギーセンター、インバーター制御装置等の回転数制御装置の導入(設備ガイドライン)|環境省、ポンプや送風機の回転速度調整による省エネとは?(その2)|中小機構 J-Net21、空調室内機フィルタや室外機フィンの定期的清掃による省エネ|中小機構 J-Net21、凝縮器(室外機)に対する省エネ対策は?|中小機構 J-Net21、空気圧縮機の排熱利用|中小機構 J-Net21、契約電力と30分デマンド値の関係|中小機構 J-Net21、トップランナーモータが2015年度からスタートします|中小機構 J-Net21、省エネ事例集(p.65-66)|静岡県、省エネルギー診断 事例(製造業A)|省エネルギー診断拡充事業
工場の省エネの技術を持つ企業
各企業が解決できる課題と技術の内容を、企業が公開している情報をもとに紹介します。コンプレッサー・ポンプ・冷凍機の改修なら設備の会社、エアの量と漏れを測りたいなら流量計のメーカー、屋根や設備の熱なら遮熱材の会社、電力やエアを画面で見たいなら制御盤・見える化の会社、というように、困りごとで合う相談先が変わります。
| 企業 | 解決できる課題 | 種類 | 何ができるか | 合う症状 |
|---|---|---|---|---|
| ダイナテック | 設備の改修・施工 | コンプレッサーのインバーター化や台数制御、ポンプ・冷凍機の負荷の測定と、インバーター化・更新時の機種選定で電力を減らす。 | A コンプレッサーの電気代が大きい(休日も止まらない、圧力が高い) B ポンプ・ファンをバルブやダンパーで絞って使っている C 空調・冷凍の電力が大きい(夏に増える) | |
| 愛知時計電機 | 流量計メーカー | エア用の流量計と見える化のシステムで、エアの使用量や漏れの場所・量をつかみ、元圧を下げられるか確かめる。 | A コンプレッサーの電気代が大きい(休日も止まらない、圧力が高い) E どこでどれだけ使っているか分からない | |
| ライフテック | 遮熱材 | 遮熱シート「サーモバリア」で、屋根からの熱や高温の設備から出る熱を抑える。 | C 空調・冷凍の電力が大きい(夏に増える) | |
| セイクン | 見える化・制御盤 | 電気・エア・ガス・水の使用状況を建物や設備ごとに見える化し、エア漏れやポンプの運転の無駄を見つける。 | B ポンプ・ファンをバルブやダンパーで絞って使っている D 基本料金(契約電力)が高い E どこでどれだけ使っているか分からない |
株式会社ダイナテック|コンプレッサー・ポンプ・冷凍機の省エネ改修
ダイナテックとは
ダイナテックは、福井県福井市に本社・第一工場がある会社です(1986年設立)。ビル用設備・産業用機器の販売・設置工事・メンテナンス、制御盤の製作とソフト開発、配管・ダクト・空調工事の設計施工などを行っています。
ダイナテックの得意技術
| 技術 | 内容 |
|---|---|
| コンプレッサーのインバーター化と台数制御盤 | 従来の調節弁や発停制御では、コンプレッサーを動かすモーターが常にほぼフル稼働して電力を使っているとし、インバーター化と台数制御盤の組み合わせを提案している。モデル工場の試算では、現場調査の負荷測定から年間の使用量を8,758,200m³・1,152,400kWh と見積もり、1m³/min の空気を作る電力(原単価)を0.131580から0.100097kW にすることで、年275,734kWh(11円/kWh 換算で約303万円)の削減を見込んでいる |
| ポンプのインバーター化 | 工場内の循環水ポンプ(15kW)をインバーターで90%・80%運転にした場合の効果を試算している。同社の実績では、適正な流量を確保しながらの現地調整で、実測で周波数を70%(42Hz)程度まで下げた事例が多数あるとし、70%程度まで調整できた場合は年82万円の省エネになるとしている |
| 冷凍機の省エネ診断 | 冷凍機の電力使用料金の削減、負荷状況の把握による更新時の機種選定、運転状態の把握による効率のよい稼働環境づくりを、診断とインバーター化で支援するとしている |
ダイナテックが解決できる課題
- コンプレッサーのインバーター化や台数制御で、電力使用料金を削減したい
- ポンプ・冷凍機の負荷状況を測り、インバーター化や更新時の機種選定に生かしたい

出典:ダイナテック「省エネルギー」をもとに AI(Claude)で作成

出典:ダイナテック「省エネルギー」
愛知時計電機株式会社|圧縮空気の流量計と見える化
愛知時計電機とは
愛知時計電機は、名古屋市熱田区に本社・本社工場がある流体計測機器のメーカーです。ガス・水道のメーターのほか、工場向けのエア用の流量計や、見える化のシステムを扱っています。
愛知時計電機の得意技術
| 技術 | 内容 |
|---|---|
| 圧縮空気の見える化 | コンプレッサーの大元や工場・ライン単位で流量計を付けて使用量の変化をつかみ、システムで省エネ対策の前後を比べやすくするとしている。エア漏れは無色透明・無臭で無害なため対応に手が付けられていないのが実情とし、流量計を付けることで漏れ箇所の特定も容易になるとしている |
| 圧縮空気の損失の試算 | 同社岡崎工場の75kW コンプレッサー(6,000時間/年、19円/kWh)を根拠に、元圧を0.7MPa から0.6MPa に下げると約81,579kWh・年155万円の削減、フィルターに100kPa の詰まりがあると年25.5万円の損失、配管に3mm の穴があると年40万円のロスになると試算している |
| エア用の流量計 | エア用の超音波流量計など、圧縮空気の流量を測る計測機器を製造している |
同社は、コンプレッサーと空調機の電力削減を目的に、流量計と見える化のソフトを導入した事例(リコーエレメックス岡崎工場)も紹介しています。
愛知時計電機が解決できる課題
- コンプレッサーの元圧が下げられるか、エアの使用量を測って確かめたい
- エア漏れの場所と量を、流量の変化からつかみたい

出典:愛知時計電機「省エネはコンプレッサエアの見える化から」をもとに AI(Claude)で作成

出典:愛知時計電機「省エネはコンプレッサエアの見える化から」
出典:本社・生産拠点|愛知時計電機、省エネはコンプレッサエアの見える化から|愛知時計電機
株式会社ライフテック|工場の屋根・設備の遮熱シート
ライフテックとは
ライフテックは、岐阜県各務原市に本社がある会社です(1997年設立)。遮熱シート「サーモバリア」の企画・販売を主な事業にしています。
ライフテックの得意技術
| 技術 | 内容 |
|---|---|
| アルミ箔の遮熱シート | サーモバリアはアルミ純度99%以上のアルミ箔を使った遮熱シートで、反射性能が高く放射率が低いため、太陽から放射される輻射熱を97%カットするとしている。室内温度の改善、空調効率の改善による光熱費の削減、工場・倉庫の労働環境の改善を効果に挙げている |
| 工場の屋根と設備への施工 | トヨタ紡織 大口工場では、高温で加熱する機械設備の放熱対策に「フィット工法」を、日射の輻射熱対策として屋根に「スカイ工法」を施工した事例を紹介している |
施工事例のページでは、電力消費量が下がったとする担当者のコメントを紹介していますが、削減量の数値は載っていません。
ライフテックが解決できる課題
- 夏に屋根からの熱で工場が暑く、空調が効きにくい
- 高温の設備から出る熱を抑えたい

出典:ライフテック「施工実績」
出典:会社概要|ライフテック、サーモバリアとは|ライフテック、施工実績(トヨタ紡織 大口工場)|ライフテック
株式会社セイクン|エネルギーの見える化と制御盤
セイクンとは
セイクンは、愛知県名古屋市南区に本社がある会社です(1983年設立)。制御盤の設計製作、電気工事全般、落雷保護工事、教育事業、部品販売を行っています。
セイクンの得意技術
| 技術 | 内容 |
|---|---|
| エネルギーの見える化 | 愛知県のガス会社でのプロジェクトで、ガス・エア・水道・電気など現場で消費されるエネルギーの使用状況をリアルタイムで計測し、画面で見える化した事例を紹介している。データは自動的に格納し、グラフや表で解析結果を出せるとしている |
| データを使った改善 | 同じ事例で、ガス流量の解析で炉・ボイラーの稼働を最適化する、エアの流量分析からエア漏れを見つけて解消する、ポンプの台数と流量を解析・制御して利用量を適正化する、を挙げている |
事例のページには、削減量の数値は載っていません。
セイクンが解決できる課題
- 電気・エア・ガス・水の使用状況を、建物や設備ごとに見える化したい
- 見える化したデータから、エア漏れやポンプの運転の無駄を見つけたい

出典:セイクン「エネルギーの見える化」
出典:会社案内|セイクン、エネルギーの見える化(実績)|セイクン
選ぶ前に確かめる条件
相談する前に、次の条件を整理しておくと、話が早くなります。
- 月ごとの電力量・30分デマンド値・契約電力と、夏・冬・休日の違い
- コンプレッサーの台数・容量・制御方式(インバーター機か)、吐出圧力と使う所で必要な圧力
- 休日に生産を止めたときの圧力の下がり方(漏れ率)
- ポンプ・ファンの容量・運転時間と、バルブ・ダンパーの開度、実揚程(くみ上げる高さ)
- 空調・冷凍の台数と設定温度、フィルター・室外機の清掃の頻度、室外機の置き場所と日当たり
- 電力を回路ごと・設備ごとに測れる計器があるか、測ったデータを誰が見るか
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※アイキャッチ画像は、AI(ChatGPT)で生成したイメージです。実在の製品ではありません。
情報の確認日:2026年10月2日





