配管・装置の保温・保冷を効率よくしたい(断熱)

工場の配管ラックで、金属の外装で包んだ保温材の配管と、断面に見える保温材の層、布の保温ジャケットで覆ったバルブ、右奥の保温していない配管から熱が上がるようすを描いたイラスト(AI で生成したイメージ)

蒸気の配管も装置も保温してあるのに、燃料代が下がらない。バルブやフランジは、点検で外したあと裸のまま。冷水の配管には結露が付き、保温を外してみたら配管が錆びていた。成形機のシリンダーのまわりは狭くて、厚い保温材を巻けない――工場の保温・保冷には、こうした困りごとがあります。

こうした症状の多くは、保温材の「選び方・厚さ」より、裸の部品・劣化・水の侵入で熱が逃げていることが原因です。逃げている所を測る、裸の部品を覆う、水を入れない、狭い所は薄い断熱材にする、と症状によって効く対策が違います。まず下のマトリクスで、症状と対策の対応を確かめてください。

目次

課題と解決技術のマトリクス

課題(症状)保温材の選び直しと補修着脱式の保温ジャケットエアロゲルなど薄い断熱材防湿・外装の施工と点検熱画像・放熱の診断
A燃料代が下がらない。どこから熱が逃げているか分からない○○◎
Bバルブ・フランジが、保温していないまま◎○○
C保冷の配管・機器に、結露や着氷が出る○○◎
D保温材が濡れている。保温の下で配管が錆びる○○◎
E装置のまわりが狭く、厚い保温材を巻けない○◎○

◎ 第一候補○ 有効△ 条件によって有効

◎は出典で第一の対策(または大きな効果の事例)として説明されているもの、○は有効とされるもの、△は条件によって有効なものです。記号の理由は、下の「課題の診断と解決策」の各カードと「解決技術の詳細」に出典とあわせて書いています。

蒸気の配管の裸のバルブ・外装の破れからの雨水・古い保温材、冷水の配管の継ぎ目からの湿気、狭い装置の5か所に、症状A〜Eの記号を付けた図
図1 配管・装置で、熱が逃げる所と水が入る所(イメージ)
出典:ニチアス技術時報 2023 No.2「保温保冷材の種類と特徴」・省エネルギーセンター「エネルギー管理のためのデータ集」と編集部の整理をもとに AI(Claude)で作成

課題の診断と解決策

症状(A〜E)ごとに、起きている現象、解決に使える技術、選ぶときの注意、相談できる企業をまとめました。

A

燃料代が下がらない。どこから熱が逃げているか分からない

ボイラーや炉の燃料が多いのに、配管も装置も保温してあるように見える。どこを直せば効くのか分からない。

起きている現象
保温材の劣化は外観からわかりにくく、10〜15年を目安に点検するよう勧める施工会社もあります(森工業)。環境省の資料では、保温材が劣化して平均0.3kW/m 逃げていた500m の蒸気配管を補修し、0.1kW/m に抑えると、放熱が年3,240GJ から1,080GJ に減ると試算しています。炉では、ワークを温める熱のほかに炉体の外壁から逃げる熱があり、エコムが示す一例では外壁から逃げる熱が40%でした。
解決に使える技術
選ぶときの注意

どこから手を付けるかは、測ってから決めるのが近道です。熱画像は表面の放射を測るので、外装の材料(光る金属の板など)によって見え方が変わります。放熱の量にして比べ、効果の大きい所から直します。

B

バルブ・フランジが、保温していないまま

直管は保温してあるのに、バルブ・ストレーナ・フランジだけ裸。点検で外したあと、元に戻していない。

起きている現象
バルブ類は形が複雑で表面積が大きく、保温が不十分なことが多いとされます(サムソン)。省エネルギーセンターのデータ集では、0.8MPa の蒸気配管に付いた保温していない100A の仕切弁1個から、約1,425Wの熱が逃げると計算しています(裸の直管1.5m 分)。
解決に使える技術
選ぶときの注意

保温ジャケットは一体型なので、専門の保温工事なしで脱着でき、くり返し使えます(サムソン)。使う温度でカバーの生地と保温材を選びます。機器のまわりに保温材の厚さ以上のすき間がないと付けられないので、狭い所は形を変えて作ります(トリコ)。

C

保冷の配管・機器に、結露や着氷が出る

冷水・冷媒の配管やバルブに水滴が付く。保冷材の表面が濡れる、凍る。

起きている現象
保冷では、低温側が負圧になるため、外気の湿気が保冷材の中へ入りやすくなります。入った水分は中で結露して保冷材に吸われ、断熱の性能が下がります。保冷材には、冷気の漏れによる表面の結露や結氷を防ぐ構造が求められます(ニチアス技術時報)。
解決に使える技術
選ぶときの注意

保冷材には、熱伝導率の低さに加えて高い防湿性が要ります。冷気の漏れによる表面の結露や結氷を防ぐため、外気に通じるすき間を設けない構造にします(ニチアス技術時報)。保冷の厚さは、結露しない表面温度になるように計算で決めます。

D

保温材が濡れている。保温の下で配管が錆びる

外装の継ぎ目から雨水が入り、保温材が湿っている。保温を外したら配管が錆びて減肉していた。

起きている現象
保温材は気孔が多く、繊維系や多孔質のものは水が入ると吸いやすい構造です。水は空気の約20〜30倍熱を伝えやすく、含水すると保温の性能が大きく下がります(ニチアス技術時報)。含水は腐食も進め、保温した配管の外面に起きる腐食を保温材下配管外面腐食(CUI)と呼びます。炭素鋼の配管では、約-4〜121℃(25〜250°F)で起きやすいとされます(Inspectioneering)。
解決に使える技術
選ぶときの注意

濡れた保温材をそのままにすると、熱が逃げ続け、配管も腐食します。はっ水処理した無機多孔質の保温材は、はっ水剤が約200〜250℃で分解するので、それより高い温度ではっ水性を保てません(ニチアス技術時報)。保温を外さずに肉厚の減りを調べる方法(パルス渦流など)もあります。

E

装置のまわりが狭く、厚い保温材を巻けない

成形機のシリンダーや装置の熱がまわりに逃げている。配管が込み合っていて、保温材の厚さを取れない。

起きている現象
保温材は、熱伝導率が低いほど薄くて済みます。エアロゲルのブランケットは、ロックウールやけい酸カルシウムの保温材と比べて約2分の1から3分の1の熱伝導率とされ、6B の配管・内部150℃で同じ放熱量にするのに、ロックウール保温筒46mm・けい酸カルシウム保温筒53mm に対して20mm でした(ニチアスのカタログ)。
解決に使える技術
選ぶときの注意

エアロゲルのブランケットは、使える温度の上限が650℃でも、有機分の分解で施工後の初めての加熱のときに内部の温度が上がることがあり、400℃未満での使用が推奨されています(ニチアスのカタログ)。切ると粉じんが出るので、保護具を使います。

なぜ熱が逃げる・保温が効かなくなるのか

保温していない所から、熱は大きく逃げる

環境省の温室効果ガスの削減の資料(省エネルギーセンターの資料から作成)では、175℃の蒸気を呼び径100A の配管で送るとき、保温していないと約0.95kW/m、保温すると約0.1kW/m の放熱と想定しています。保温材が劣化して平均0.3kW/m 逃げている500m の配管を補修し、0.1kW/m に抑える例では、放熱は年3,240GJ から1,080GJ に、エネルギー費は年63.6百万円から56.8百万円に下がると試算しています。

100A・175℃の蒸気配管の1mあたりの放熱を保温なし約0.95kW/mと保温あり約0.1kW/mの棒で比べ、500mの配管の保温を直す前後の放熱・都市ガス・CO2・エネルギー費を表にした図
図2 保温していない蒸気配管と保温した配管の放熱、保温を直したときの試算
出典:環境省の対策メニュー(蒸気配管の保温)をもとに AI(Claude)で作成

バルブ・フランジは、直管に比べて表面積が大きく、裸のままになりやすい所です。省エネルギーセンターのデータ集では、バルブの表面積を同じ口径の直管の長さに直した「相当裸管長」を示していて、0.8MPa の蒸気配管の保温していない100A のフランジ形仕切弁(2MPa)は1.50m、放散熱量は約1,425W と計算しています。

保温していない100Aの仕切弁から逃げる熱が、裸の直管1.5m分(約1,425W)に当たることを示した図
図3 保温していないバルブの放熱を、裸の直管の長さに直す(相当裸管長)
出典:省エネルギーセンター「エネルギー管理のためのデータ集」をもとに AI(Claude)で作成

保温材は、水を含むと効かなくなる

保温材は気孔率が大きく、人造鉱物繊維(ロックウール・グラスウール)や無機多孔質(けい酸カルシウム)の保温材は、中がつながった構造なので水が入ると吸いやすくなります。吸水すると中の空気が熱伝導率の大きい水に置き換わり、断熱の性能が大きく下がります。20℃のけい酸カルシウム保温材では、含水率と熱伝導率の関係が y=0.0048x+0.0561(x は含水率の体積%)と示されています(ニチアス技術時報)。

20℃のけい酸カルシウム保温材の含水率と熱伝導率の関係の直線のグラフと、0%・20%・50%での値の読み方
図4 けい酸カルシウム保温材の含水率と熱伝導率
出典:ニチアス技術時報 2023 No.2「保温保冷材の種類と特徴」・ニチアス技術時報 2017 No.2をもとに AI(Claude)で作成

保冷では、低温側が負圧になるため外気の湿気が保冷材の中へ入り、中で結露して吸われます。このため保冷材には、防湿性が高く吸水しにくい材料(独立気泡の発泡プラスチックなど)を使います(ニチアス技術時報)。

冷水の配管の保冷材の断面で、防湿層が切れていると湿気が入り中で結露する場合と、防湿層が連続していて湿気を止める場合を比べた図
図5 保冷材に湿気が入るしくみと、防湿層の役割(イメージ)
出典:ニチアス技術時報 2023 No.2「保温保冷材の種類と特徴」をもとに AI(Claude)で作成

保温の下の腐食(CUI)は、外から見えない

保温材の含水は、熱が逃げるだけでなく、保温材と接する配管・機器の金属の腐食を進めます。保温した配管の外面に起きる腐食を「保温材下配管外面腐食(CUI)」と呼びます(ニチアス技術時報)。炭素鋼の配管では25〜250°F(約-4〜121℃)の範囲、とくに大気中の水分の結露と再蒸発をくり返す運転温度で起きやすいとされます(Inspectioneering)。外装の隙間などから水が入りやすいので、外装板の切欠きをシーリングし、外装板を定期的に点検します(ニチアス技術時報)。

外装の継ぎ目から入った雨水が保温材の下にたまり配管の外面が錆びるようすと、炭素鋼で起きやすい温度範囲、防ぐ・見つける方法の表
図6 保温材下配管外面腐食(CUI)の起き方と、防ぐ・見つける方法
出典:ニチアス技術時報 2023 No.2「保温保冷材の種類と特徴」・Inspectioneering の解説・MISTRAS の解説をもとに AI(Claude)で作成

出典:温室効果ガス排出削減等指針 対策メニュー(蒸気配管の保温など)|環境省、エネルギー管理のためのデータ集(抜粋)|省エネルギーセンター、保温保冷材の種類と特徴(ニチアス技術時報 2023 No.2)|ニチアス、ニチアス技術時報 2017 No.2(保温材の含水と CUI)|ニチアス、What is Corrosion Under Insulation (CUI)?|Inspectioneering

解決技術の詳細

保温材の選び直しと補修

保温・保冷材は、使う温度の範囲で選ぶのが最初です。最高使用温度の目安は、けい酸カルシウム(1号品)1000℃、ロックウール400〜650℃、グラスウール250〜400℃、硬質ウレタンフォーム100℃、押出法ポリスチレンフォーム80℃とされます。保冷には、吸水・吸湿しにくい独立気泡の材料が向きます。厚さは、経済性・凍結防止・結露防止・火傷防止などの観点から計算で決めます(ニチアス技術時報)。

けい酸カルシウム・ロックウール・グラスウール・硬質ウレタンフォーム・押出法とビーズ法ポリスチレンフォームの最高使用温度の目安を横棒で比べた図
図7 保温・保冷材の種類と、最高使用温度の目安
出典:ニチアス技術時報 2023 No.2「保温保冷材の種類と特徴」をもとに AI(Claude)で作成

補修では、濡れた・へたった保温材を取り替え、外装まで直します。配管の断熱工事をする森工業は、グラスウールは吸水しやすいので外装(ラッキング)で確実に保護する必要があるとし、10〜15年を目安に、サーモグラフィーや含水率の測定で現状を確かめるよう勧めています(同社のコラム)。

着脱式の保温ジャケット

バルブ・ストレーナ・フランジのように、点検で外す所や形の複雑な所には、布で作った着脱式の保温ジャケットを使います。サムソンの保温ジャケットは、シリコンコートガラスクロスでガラスマット(20〜30mm)を包んだ一体型で、15A〜200A のバルブ類に使え、板金の保温と違って脱着のときに廃材や粉じんが出ないとしています。同社の参考値では、0.7MPa の蒸気の100A の玉形弁で、放熱量1,080W、燃料費は年77,250円です。

高温の蒸気配管のバルブとストレーナを、保温ジャケットを付ける前と後で撮った写真と熱画像。付けたあとは覆った所の温度が低く写っている
図8 保温ジャケットの装着前後の写真と熱画像
出典:トリコ「保温ジャケット」

ジャケットは、生地・保温材・縫製糸の材質で使える温度が決まります。トリコは、規格品をシリコンコーティングガラス繊維(−15〜200℃)とホワイトグラスウール(−15〜700℃)で作り、500℃以上の高温機器用は形状に合わせてオーダーメイドにしています。冷温・低温水の配管の結露対策用のジャケットもあります。

エアロゲルなど薄い断熱材

エアロゲルは、超微粒子のシリカからなる熱伝導率の低い物質で、繊維のマットに担持させたブランケットが保温材として使われます(ニチアス技術時報)。ニチアスのカタログでは、エアロゲルのブランケット(パイロジェル XTE)の熱伝導率は平均温度0℃で0.020、400℃で0.046W/(m・K)(実測値)で、はっ水性があり水蒸気は通すので、CUI のリスクを減らすとしています。

6Bの配管・内部150℃で同じ放熱量にするのに要る厚さを、エアロゲルブランケット20mm・ロックウール46mm・けい酸カルシウム53mm・はっ水パーライト87mmの円で比べた図
図9 同じ放熱量にするのに要る保温材の厚さの比較
出典:ニチアスのカタログ「高性能ナノテク エアロジェル断熱材」をもとに AI(Claude)で作成

AMBIX のエアロゲルジャケット「Thermia」は、断熱層の熱伝導率が0.020W/(m・K)、使用環境温度は−50〜250℃で、射出・押出成形機のシリンダーや温調装置の保温に使われます。面ファスナーやベルトで留めるので、メンテナンスのときの着脱がワンタッチでできます。

防湿・外装の施工と点検

保冷では、防湿層を切らさず、外気に通じるすき間を設けない構造にします。保温では、外装材の隙間から水が入りやすいので、外装板の切欠きをシーリング材でふさぎ、外装板を定期的に点検します。保温材の輸送・保管・施工中の防水も要ります(ニチアス技術時報)。

保温の下の腐食は外から見えないので、保温を外さずに調べる方法も使われます。パルス渦流(PEC)は、保温の上から鋼に渦電流を流して、肉厚の減りを推定する方法で、表面の下地処理も保温の取り外しも要らず、設備を止めずに検査できるとされます(MISTRAS)。減りが疑われる所だけ保温を外して詳しく測れば、補修の範囲を絞れます。

熱画像・放熱の診断

どこから熱が逃げているかは、サーモグラフィで配管・バルブ・装置の表面温度を撮って見つけます。森工業は、赤外線サーモグラフィーカメラで表面温度を見える化し、放熱が大きい箇所を特定する方法が省エネ診断に有効としています(同社のコラム)。見つけた所は、表面温度と長さ・個数から放熱の量に直して、効果の大きい順に手を打ちます。

熱画像で見る・量を見積もる・順番を決める・直して確かめるの4段階の流れと、炉のエネルギー収支の考え方の図
図10 放熱の診断から補修までの流れ
出典:森工業のコラム・エコム「省エネルギー診断」と編集部の整理をもとに AI(Claude)で作成

炉や乾燥炉では、配管だけでなく炉体そのものから熱が逃げます。エコムは、排ガス測定器・接触温度計・サーモグラフィーなどで、エネルギーの投入量・排気の損失・炉体からの放散熱量を測るエネルギー収支の診断をしています。

出典:保温保冷材の種類と特徴(ニチアス技術時報 2023 No.2)|ニチアス、高性能ナノテク エアロジェル断熱材(カタログ M090)|ニチアス、蒸気配管の断熱(保温)の重要性|森工業、工場の省エネ配管設計|森工業、保温ジャケット(資料)|サムソン、保温ジャケット|トリコ、エアロゲルジャケット|AMBIX、Corrosion Under Insulation (CUI) Detection with Pulsed Eddy Current (PEC)|MISTRAS、省エネルギー診断|エコム

保温・保冷の技術を持つ企業

各企業が解決できる課題と技術の内容を、企業が公開している情報をもとに紹介します。蒸気配管の断熱工事をする会社、バルブ用の保温ジャケットを作る会社(2社)、エアロゲルの断熱ジャケットの会社、炉の省エネ診断をする会社を挙げました。

森工業株式会社|蒸気配管の断熱(保温)工事とサーモグラフィーでの熱損失の診断

森工業は、宮城県亘理郡亘理町にある、配管工事・配管溶接工事・水道工事・空気調和設備工事・衛生設備工事の会社です(2022年設立)。工場・プラント・病院・大型施設の蒸気配管の断熱(保温)工事に対応するとしています。

森工業の得意技術

技術内容
断熱材の選定と施工グラスウール・ロックウール・けい酸カルシウムなどから選び、外装(ラッキング)まで一貫して対応するとしている。グラスウールは吸水しやすいので外装で確実に保護する必要がある、と説明している
劣化の診断既存の断熱の劣化診断・更新の提案をし、サーモグラフィーを使った熱損失の診断もするとしている。10〜15年を目安に、サーモグラフィーや含水率の測定で現状を確かめるよう勧めている
バルブ・フランジの保温蒸気配管の省エネの改修として、バルブの保温ジャケットの取付け・スチームトラップの点検と交換などを提案している

同社は、適切な断熱工事で裸管と比べて放熱量を80〜95%減らせるとしています(同社のコラム)。

森工業が解決できる課題

  • 保温材が古くなり、どこから熱が逃げているか分からない
  • 蒸気配管の保温を、材料の選定から外装まで任せたい
  • 東北で、工場の配管の保温の補修・更新を頼みたい
森工業の説明をもとに、グラスウール・ロックウール・けい酸カルシウムの使用温度と向いている所の表と、施工・診断・バルブの保温の3つの対応をまとめた図
図11 森工業の、蒸気配管の断熱(保温)工事の内容
出典:森工業「蒸気配管の断熱(保温)の重要性」・同「工場の省エネ配管設計」をもとに AI(Claude)で作成

出典:会社概要|森工業、蒸気配管の断熱(保温)の重要性|森工業、工場の省エネ配管設計|森工業

株式会社サムソン|蒸気バルブ類の着脱式の保温ジャケット

サムソンとは

サムソンは、香川県観音寺市に本社・工場がある、ボイラなどのメーカーです(1945年に岡﨑鉄工所として創業)。蒸気バルブ類からの放熱を防ぐ保温ジャケットの資料を公開しています。

サムソンの得意技術

技術内容
保温ジャケット外装・内装がシリコンコートガラスクロス、断熱材がガラスマット(20〜30mm)の一体型。玉形弁・仕切弁・Y 型ストレーナ・逆止弁・減圧弁・ボールバルブ・フランジなど、15A〜200Aに使える。安全使用温度は180℃以下(10K 用)
着脱専門性を伴う保温工事と違い、一体型なのでだれでも簡単に脱着でき、くり返し使える。バルブ・配管のメンテナンスのときにも便利としている
省エネ効果の参考値蒸気0.7MPa の玉形弁で、100A なら放熱量1,080W、燃料費 年77,250円・CO₂ 年2.33t(A 重油90円/L、年7,200時間などの条件)

サムソンが解決できる課題

  • 点検で外すので、蒸気のバルブ・ストレーナを保温していない
  • バルブまわりの火傷が心配で、室内も暑い
  • 板金の保温のように、外すたびに廃材や粉じんを出したくない
25Aから200Aの保温していない玉形弁の放熱量を棒グラフにし、口径ごとの年間の燃料費を添えた図
図12 保温していない玉形弁からの放熱量と燃料費(参考値)
出典:サムソン「保温ジャケット」の資料をもとに AI(Claude)で作成

出典:会社情報|サムソン、沿革|サムソン、保温ジャケット(資料)|サムソン

株式会社トリコ|バルブ・配管・高温機器の保温ジャケット(結露対策用も)

トリコは、東京都港区新橋に本社がある会社です(1973年設立)。製造装置の修理・保守・再生のサービスのほか、環境関連の商材として保温ジャケットを扱っています。

トリコの得意技術

技術内容
用途の広さスチーム配管・バルブ用のほか、凍結防止用、冷温・低温水配管の結露対策用、ボイラー・熱交換器など500℃以上の高温機器用(機器の形状に合わせたオーダーメイド)がある。グローブ弁・ゲート弁・Y 型ストレーナーなどの規格品があり、支持金物と当たる所などは追加工で対応する
材質の選び方生地・保温材・縫製糸の材質を、使う温度で選ぶ。規格品はシリコンコーティングガラス繊維(−15〜200℃)とホワイトグラスウール(−15〜700℃)で、ほかにシリカ繊維(80〜1000℃)なども示している
装着前後の比較高温の蒸気配管のバルブ・ストレーナに装着した前後の写真と熱画像を公開し、装着部の放熱を大きく減らせるとしている

トリコが解決できる課題

  • 形の複雑なバルブ・ストレーナに合う保温を作りたい
  • 冷水の配管・バルブの結露を減らしたい
  • 高温の配管のまわりが暑く、作業者の火傷も心配
  • 使う温度に合わせて、カバーの材質を選びたい
保温ジャケットの生地・保温材・縫製糸の材質ごとの使える温度の範囲を横棒で示した表
図13 保温ジャケットの生地・保温材・縫製糸の材質と使える温度
出典:トリコ「保温ジャケット」

出典:会社概要・沿革|トリコ、保温ジャケット|トリコ

株式会社AMBIX|エアロゲルを使った、成形機シリンダーの着脱式の断熱ジャケット

AMBIX(アンビックス)は、大阪市都島区にある会社です(2022年設立)。株式会社加島のアスパイア事業部から独立して事業を継いだ会社で、ホース・ケーブルの保護材などを扱い、エアロゲルを使った断熱ジャケット「Thermia」を出しています。

AMBIXの得意技術

技術内容
エアロゲルジャケット Thermiaシリカエアロゲルと強化繊維を組み合わせた断熱層(熱伝導率0.020W/(m・K))を、シリコンコートガラスクロスで包んだジャケット。使用環境温度は−50〜250℃
着脱耐熱の面ファスナーやベルトで留め、メンテナンスのときの着脱がワンタッチでできるとしている
用途射出・押出成形機のシリンダーの保温、温調装置の保温ジャケット。グラスウールと比べ、より高い保温効果と薄型化・省スペース化が期待できるとしている

AMBIXが解決できる課題

  • 成形機のシリンダーのヒーターの熱が、まわりに逃げている
  • 装置のまわりが狭く、厚い保温材を巻けない
  • メンテナンスで外す所を、工具なしで着脱したい
外側が銀色のシリコンコートガラスクロスで、内側に断熱層が見える円筒形の着脱式の断熱ジャケットの写真
図14 エアロゲルジャケット「Thermia」
出典:AMBIX「エアロゲルジャケット」

出典:会社概要|AMBIX、エアロゲルジャケット|AMBIX

株式会社エコム|炉など熱設備のエネルギー収支の診断(炉壁からの放散熱量)

エコムは、静岡県浜松市浜名区に本社がある、加熱設備の開発・設計・製造・メンテナンスの会社です(1985年設立)。脱臭装置・アルミの溶解保持炉・乾燥炉・熱処理炉・バーナーなどを手がけ、熱設備の省エネ診断もしています。

エコムの得意技術

技術内容
エネルギー収支の診断排ガス測定器・接触温度計・サーモグラフィー・データロガー・風速計で、エネルギーの投入量、排気の損失、炉体からの放散熱量、炉体の蓄熱量を調べる
炉壁の放散熱量炉壁の温度を測って、炉体からの放散熱量を把握する。同社が示すエネルギー収支の一例では、炉体の外壁から逃げる熱が40%、排気などの損失が30%、ワークを温める熱が25%
対策の提案エネルギー収支を分析し、費用対効果を考えて省エネを提案する。省エネ運転の提案や、省エネバーナー・遠赤外線ヒーターなどの機器も自社で開発している

エネルギー収支の数値は、同社が「一例」として示しているものです。

エコムが解決できる課題

  • 炉や乾燥炉の燃料が多く、どこで熱が逃げているか分からない
  • 炉壁から逃げる熱を測って、断熱の見直しの順番を決めたい
  • 熱設備の運転の仕方も含めて、省エネを相談したい
炉のエネルギー収支の一例(ワークを温める熱25%・排気などの損失30%・炉体の外壁から逃げる熱40%)の帯と、診断で測るものと使う機器の表
図15 エコムの省エネ診断:炉のエネルギー収支の一例と、測るもの
出典:エコム「省エネルギー診断」をもとに AI(Claude)で作成

出典:会社概要|エコム、拠点一覧|エコム、省エネルギー診断|エコム

選ぶ前に確かめる条件

保温・保冷の見直しを相談する前に、次のことを整理しておくと話が早く進みます。

  • 困っていること(燃料代が下がらない・裸のバルブ・結露や着氷・保温材の濡れや腐食・厚さを取れない)と、どこで起きているか
  • 流体と温度(蒸気・温水・冷水・冷媒など)、配管の口径と長さ、バルブ・フランジの種類と個数
  • 屋外か屋内か、雨水・洗浄水がかかるか、まわりの温度と湿度
  • 点検・分解の頻度(着脱できる保温が要るか)と、保温材の厚さを取れる空間
  • 今の保温材の種類・施工した年・外装の状態と、表面温度や放熱を測った記録の有無
  • 目標(燃料・CO₂ の削減量、表面温度の上限、結露させない、設備の寿命)と予算

この課題に関係する分野・技術・製品のページ

※アイキャッチ画像は、AI(ChatGPT)で生成したイメージです。実在の製品・設備ではありません。

情報の確認日:2026年10月8日

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