軸が折れた、ボルトが割れた、樹脂のケースにひびが入った、製品が突然動かなくなった。交換すれば直るけれど、原因が分からないと、また同じように壊れます。壊れた部品の破面(割れた面)には、どう壊れたかの記録が残っています(大阪産業技術研究所)。
この記事では、壊れ方から原因の見当をつける流れを図にし、疲労・過大な荷重・環境による割れ・樹脂の割れ・電子部品の故障の5つに分けて、見分け方と確かめ方を紹介します。
壊れ方から原因を切り分ける流れ
まず、何が壊れたか(金属・樹脂・電子部品)で分け、次に破面や壊れた状況を見ます。金属の破面は、延性破壊・脆性破壊・疲労破壊・環境破壊の4種類に大別され、それぞれ見た目に特徴があります(大阪産業技術研究所)。次の図は、その特徴をもとに編集部が整理した目安です。

出典:大阪産業技術研究所 No.98046・No.98037・NITE・ユーロフィンFQL・東芝ナノアナリシスなどの説明をもとに AI(Claude)で作成(最終的な判断には詳しい調査が要る)
大阪産業技術研究所の技術シートは、肉眼やルーペによる観察は事故の現場で簡単にでき、延性破壊と脆性破壊の区別や、ビーチマークによる疲労破壊の判断ができる場合があるとしています。ただし、破壊様式をはっきり特定するには、走査電子顕微鏡で破面を調べる必要があるとしています。
出典:技術シート No.98046「金属材料の破面解析」(1999年)|大阪産業技術研究所、技術シート No.98037「プラスチックの環境応力割れ」(1998年)|大阪産業技術研究所、プラスチックの破損による事故事例について(平成21年度 製品安全業務報告会)|製品評価技術基盤機構、故障解析 – IC・電子部品|ユーロフィンFQL
壊れ方ごとの見分け方と対策
壊れ方(A〜E)ごとに、破面や状況の特徴、確かめ方、見誤りやすい点をまとめました。対策の詳しい内容は、それぞれの課題ページで紹介しています。金属の破面の特徴は、次の表が目安になります。

大阪産業技術研究所 技術シート No.98046の表1から一部を抜き出して作図。AI(Claude)で作成
繰り返しの力で、少しずつ割れた(疲労)
大きな力はかけていないのに、使っているうちに軸・ねじ・ばね・ブラケットが折れた。

- 破面・状況の特徴
- 破面にビーチマーク(貝殻模様)があれば、疲労を疑います。ビーチマークからは、破壊の起点と割れが進んだ向きがわかります。電子顕微鏡では、1回の力で割れが進んだ幅を表す細い縞(ストライエーション)が見えることがあります(新潟県工業技術総合研究所)。疲労は、シャフトの段付き部やねじの谷など、力が集中する所から始まります。
疲労とわかっても、それで終わりではありません。起点になった所の形(R が小さい、またはない)、加工や熱処理で残った引張の残留応力(新潟県工業技術総合研究所)、厚すぎるめっき(川重テクノロジーの事例)、腐食(オオスミの事例)など、疲労の引き金になったものまでたどると、対策が決まります。
一度の大きな力・衝撃で壊れた(延性破壊・脆性破壊)
落とした、ぶつけた、想定より大きな力がかかった直後に、部品が曲がって折れた、または砕けるように割れた。

- 破面・状況の特徴
- 伸びやくびれを伴い、破面が鈍い灰白色なら延性破壊で、電子顕微鏡ではくぼみが連続したディンプルが見えます。変形をほとんど伴わず、キラキラした銀白色で山形の模様(シェブロン)があれば脆性破壊です。大阪産業技術研究所の技術シートは、通常の使い方で脆性破壊を起こすのは大半が鉄鋼だとし、その破面(擬へき開破面)は、大型の調質鋼、マイナス数十度の低温にさらされた一般構造用鋼、冷間で大きな加工を受けた SS 材に見られるとしています。
疲労で割れた部品でも、最後に残った断面は一度に壊れます。オオスミの原付ミラーの調査では、同じ破面に疲労破面と延性破面の両方が見られ、原因は繰り返しの力による疲労でした。破面の一部だけを見て「過大な荷重」と決めないことが大切です。
小さな力で、時間がたってから割れた(応力腐食割れ・水素脆性)
大きな力はかかっていないのに、しばらくしてからボルトやステンレスの部品・配管が割れた。錆や変色がある。

- 破面・状況の特徴
- 大阪産業技術研究所の技術シートは、腐食性の環境で割れが進む環境破壊は、外部の応力が非常に小さくても起こることがあるとしています。応力腐食割れの事故が最も多いのはオーステナイト系ステンレス鋼で、塩化物イオンがある環境で起こりやすいとされています。水素脆性(遅れ破壊)は主に鉄鋼で起こり、水素は溶接や電気めっきなどの製造工程、または使う環境での腐食反応で入ります。
原因は使う環境だけとは限りません。川重テクノロジーのステンレス配管の事例では、溶接後の熱処理(約600℃)で材料が鋭敏化していたことが粒界の割れにつながったと推定しています。めっき・溶接・熱処理など、製造の履歴も確かめます。北海道立総合研究機構は、溶融亜鉛めっき品の破損で水素脆化と液体金属脆化の判別が難しかったため、試験片の破面を比べて、2つを判別するための知見を得たとしています。似た壊れ方の見分けには、経験と比べる材料が要ります。
樹脂の部品が割れた(環境応力割れ・疲労・成形不良)
樹脂のケース・カバー・容器が、しばらく使ってから割れた。ねじ留めの所や、油・洗剤が付く所が割れやすい。

- 破面・状況の特徴
- 大阪産業技術研究所の技術シート(1998年)は、同所に持ち込まれた樹脂の割れのクレームの原因のうち、8割以上が環境応力割れ(ESC)だったとしています。力がかかった状態で油・溶剤・洗剤などが付くと、ふつうよりずっと小さなひずみ(0.1%程度)で割れ、鏡のような破断面が見られます。製品評価技術基盤機構(NITE)は、破面の気泡(成形不良)、ビーチマーク(疲労)、鏡面(溶剤割れ)から、樹脂の事故の原因を分けた事例を紹介しています。
滑らかな破面でも、環境応力割れとは限りません。名古屋市工業研究所の事例では、材質から環境応力割れは考えにくく、不良品がすべてインサートのねじ穴のほぼ同じ位置で割れていたことから、ねじ込みで過度の引張がかかったと推察し、インサートの方法とトルクの管理を厳しくしたところ、割れがなくなりました。割れた位置がそろっているかも見ます。
電子部品・基板が動かなくなった(はんだの割れ・マイグレーション・静電気・過電流)
製品が動かない、ときどき止まる。外から見ても、どこが壊れたのか分からない。

- 破面・状況の特徴
- 外観検査では、パッケージの割れ、イオンマイグレーション、汚染や異物の有無を確かめます(東芝ナノアナリシス)。ユーロフィンFQL は、外観では異常が見えなかったトランジスタを発熱解析で調べ、静電気(ESD)破壊による短絡と判断した事例を紹介しています。はんだの接合部は、電源のオン・オフなどで温度が上がり下がりすると、部品と基板の伸び縮みの差で周期的なずれの力を受け、熱疲労で割れます(山梨大学)。
- 確かめ方と対策
- 非破壊検査と故障解析電気特性 → X線・赤外線で絞り込み → 断面
- 聞き取り故障モード・製造ロット・使用条件・環境
- 対策の考え方課題ページ「加速試験で寿命を見積もりたい」
東芝ナノアナリシスは、基板に実装された半導体を交換すると、実装の不良の原因が失われてしまう可能性が高いので、交換する前に外観検査や X線透過などの非破壊観察が必要だとしています。修理や交換の前に、壊れた状態のまま調べます。
なぜ、壊れ方で原因がわかるのか
破面は、壊れた過程の記録
大阪産業技術研究所の技術シートは、金属が壊れたとき、破面に破壊過程の記録とも言うべき特徴が残り、それを調べる破面解析で、破壊の様式・開始点・亀裂の進展方向がわかるとしています。事故調査の一般的な方法は、まず破面解析でどのような割れ方をしたかを調べ、次に、なぜそう割れたかを材質・製造方法・形状・使用状況などから検討して、主な原因を推定することだとしています。
疲労は、繰り返しの力で割れが少しずつ進む壊れ方です。同じ技術シートは、機械構造物の7〜8割は疲労破壊であるといわれているとしています。新潟県工業技術総合研究所も、疲労破壊は機械部品の破壊の種類の中で最も件数が多いとしています。疲労の破面には、割れが少しずつ進んだ跡のビーチマークと、残りの断面が一度に壊れた最終破断部が残ります。

出典:大阪産業技術研究所 No.98046・新潟県工業技術総合研究所の説明をもとに AI(Claude)で作成(模式図)
小さな力でも割れる:環境による破壊
環境破壊は、亀裂の進展が腐食性の環境で大きく促進される壊れ方で、実用上注意が要るのは水素脆性と応力腐食割れです(大阪産業技術研究所)。日鉄テクノロジーの技術資料は、めっき層が傷付いたり剥がれたりすると、母材の露出部から水素が入って遅れ破壊を起こす危険性があり、特に高強度ボルトでは危険性が高くなると言われているとしています。

出典:大阪産業技術研究所 No.98046・日鉄テクノロジー FTM-2012・北海道立総合研究機構の説明をもとに AI(Claude)で作成(割れの形は模式)
樹脂は、薬品が付くと小さな力で割れる
大阪産業技術研究所の技術シートは、樹脂は一般に2%前後のひずみで塑性変形を始めるが、環境応力割れではそれよりはるかに小さい0.1%程度のひずみで壊れるまでになるとしています。潤滑油・溶剤・洗剤の付着、洗浄剤・接着剤・めっき液との接触、可塑剤を含む軟質塩化ビニルとの接触などが原因になり、液体だけでなくガスも影響します。ABS・アクリル・ポリカーボネートなどの非晶性の樹脂は、比較的起こしやすいとされています(名古屋市工業研究所)。

出典:大阪産業技術研究所 技術シート No.98037(1998年)の表1・表2、名古屋市工業研究所の説明をもとに AI(Claude)で作成
はんだは、温度の上がり下がりで割れる
山梨大学の研究室の資料は、電源のオン・オフなどで温度が上がり下がりする環境にさらされるはんだ接合部は、周りの材料(チップと基板)の線膨張係数の違いによる変位のずれで、周期的なせん断の力を受けて熱疲労で壊れるとしています。この寿命の評価には、有限要素法によるシミュレーションが使われます。

出典:山梨大学 林研究室の資料の説明をもとに AI(Claude)で作成(寸法・変形は誇張した模式)
出典:技術シート No.98046「金属材料の破面解析」(1999年)|大阪産業技術研究所、技術トピックス「金属製品の破損について(疲労破壊)」(2014年)|新潟県工業技術総合研究所、技術資料 FTM-2012「めっきボルトの遅れ破壊評価」|日鉄テクノロジー、研究開発成果「溶融亜鉛めっき品の環境脆化の評価」(2021年)|北海道立総合研究機構、技術シート No.98037「プラスチックの環境応力割れ」(1998年)|大阪産業技術研究所、名工研ニュース「ソルベントクラック(ケミカルクラック)」|名古屋市工業研究所、研究紹介資料(はんだ接合部の熱疲労)|山梨大学 林研究室
原因の確かめ方
原因を確かめる方法は、聞き取り、破面の観察、断面・組織の観察、成分分析、非破壊検査、再現試験の6つに分けられます。すべてを行うとは限らず、前の段階の結果を見て次に何を調べるかを決めます。

出典:この記事の内容をもとに AI(Claude)で作成

出典:大阪産業技術研究所・北海道立総合研究機構・分析センター・日鉄テクノロジーの説明をもとに AI(Claude)で作成
聞き取りと、壊れていない部品との比較
北海道立総合研究機構は、金属部品の破損解析を、①設計・製造・使用状況の聞き取り、②外観・破断面のマクロ観察、③必要があれば光学顕微鏡や電子顕微鏡でのミクロ観察という流れで行うことが多いとしています。ステンレス鋼のばねがフック部で折れた事例では、マクロ観察でビーチマークがはっきり見え、聞き取りと合わせて疲労破壊の可能性が高いと結論し、マクロ観察だけで推定できる場合があるとしています。
壊れていない同じ部品を調べることも手がかりになります。同機構の別の事例では、本来ほとんど力がかからない軸が1本だけ折れ、破面のビーチマークの現れ方から「両振り曲げ」の疲労と推測しました。正常品に亀裂がなかったことと文献の事例から、使用中に想定しない力で軸がわずかに曲がり、疲労破壊した可能性が高いと推定しています。

出典:北海道立総合研究機構「軸状金属部品の破損解析」(2023年)をもとに AI(Claude)で作成(最後の1行は編集部の解説)
破面の観察(実体顕微鏡・SEM)

破面の観察には、肉眼・ルーペ・低倍率の実体顕微鏡によるマクロ観察と、走査電子顕微鏡(SEM)によるミクロ観察があり、通常は両方を使います(大阪産業技術研究所)。分析センターの資料は、まず破断面の外観を詳しく観察して、起点・伝播部・最終破断部など壊れ方の情報を集め、その後の分析の計画を立てるとしています。SEM では数百〜数千倍で観察し、破壊の起点と種類(疲労・延性・脆性など)を特定します。
断面・組織の観察と硬さ

破面を横から切った断面を見ると、壊れた所が力の集中しやすい部位か、破面の凹凸、枝分かれした割れがあるかがわかります。断面をエッチングして数百倍で観察すると、腐食、組織の塑性変形、組織の異常(クロム炭化物の析出など)、介在物の有無を調べられます(分析センター)。硬さや引張の試験で材料の強度を確かめ(日鉄テクノロジー)、化学分析で、部品の設計仕様どおりの素材が使われていたかを確かめます(オオスミ)。
成分分析(EDX・EPMA・FT-IR)

破面や表面に付いた物の元素を調べると、腐食や割れの原因の手がかりになります。名古屋市工業研究所は、変色した鉄板の変色部から、正常部にはない酸素・塩素・カルシウムを分析機能付きの電子顕微鏡で検出し、塩化カルシウムの乾燥剤の漏れによる腐食と考えた事例を紹介しています。樹脂では、赤外分光(FT-IR)などで付いていた物質や劣化を調べます。
非破壊検査と、電子部品の故障解析
壊す前に調べる方法もあります。北海道立総合研究機構の軸の事例では、正常品の亀裂の有無を浸透探傷試験で確かめています。電子部品では、外観と電気特性(IV 特性など)で故障の場所としくみを推測し、赤外線ロックインサーモグラフィ(発熱)、3D-X線(CT)、超音波で絞り込んでから、パッケージを開けて断面を研磨し、顕微鏡や SEM で観察します(ユーロフィンFQL)。

出典:ユーロフィンFQL「故障解析 – IC・電子部品」をもとに AI(Claude)で作成
再現試験と応力解析

推定した原因で本当に同じ壊れ方になるかを試すと、原因が確かになります。名古屋市工業研究所は、ポリカーボネートの成形品の割れを破面の写真から環境応力割れと推定し、製品に有機溶剤を直接塗ったところ、直ちに割れが発生した事例を紹介しています。同所は、実際の製品では明瞭な破面ばかりではないので、成分分析や再現試験と合わせて判断する必要があるとしています。
どこに力が集中していたかは、有限要素法(FEM)などの解析で確かめられます。福島県ハイテクプラザは、実際の製品のはんだ接合部の断面写真から寸法を整理して解析モデルを作り、プリント基板上のはんだの割れを解析しています。
出典:技術支援成果「ステンレス鋼製ばねの破損解析 事例1」(2020年)|北海道立総合研究機構、技術支援成果「軸状金属部品の破損解析」(2023年)|北海道立総合研究機構、技術シート No.98046「金属材料の破面解析」(1999年)|大阪産業技術研究所、金属材料の破損原因調査(2024年)|分析センター、技術資料 FTM-2007「材料の破損原因調査」|日鉄テクノロジー、名工研ニュース(製品の変色トラブル・ソルベントクラック)|名古屋市工業研究所、研究成果集「プラスチック射出成形部品が割れた原因」|名古屋市工業研究所、研究成果集「プラスチック成形品の割れの解明」|名古屋市工業研究所、故障解析 – IC・電子部品|ユーロフィンFQL、令和元年度試験研究報告「CAE を用いたプリント基板上のはんだクラックの解析」|福島県ハイテクプラザ
壊れた原因を調べられる企業
各企業が解決できる課題と技術の内容を、企業が公開している情報をもとに紹介します。金属部品の破損、腐食、樹脂・ゴムのトラブル、電子部品の故障のどれを調べたいかによって、合う相談先が変わります。
| 企業 | 解決できる課題 | 種類 | 何ができるか | 合う症状 |
|---|---|---|---|---|
| オオスミ | 分析 | 破断面と素材を調べ、起点から破損の原因をたどる。原付ミラーの破損調査では、疲労破面と延性破面から疲労破壊と判明した。 | A 繰り返しの力で、少しずつ割れた(疲労) B 一度の大きな力・衝撃で壊れた(延性破壊・脆性破壊) C 小さな力で、時間がたってから割れた(応力腐食割れ・水素脆性) D 樹脂の部品が割れた(環境応力割れ・疲労・成形不良) | |
| 川重テクノロジー | 分析・試験 | 破面・腐食・摩耗の事故調査で、原因と対策まで示す。ばねの折損やステンレス配管の漏水の原因を調べた事例がある。 | A 繰り返しの力で、少しずつ割れた(疲労) C 小さな力で、時間がたってから割れた(応力腐食割れ・水素脆性) | |
| 分析センター | 分析 | 外観→断面→SEM→EPMA の順で、金属の破損原因を絞る。応力腐食割れの見え方を公開している。 | B 一度の大きな力・衝撃で壊れた(延性破壊・脆性破壊) C 小さな力で、時間がたってから割れた(応力腐食割れ・水素脆性) | |
| メルコセミコンダクタエンジニアリング | 故障解析 | パワーデバイスの故障を電気特性から断面まで解析し、金型など金属部品の破面も調べる。 | A 繰り返しの力で、少しずつ割れた(疲労) E 電子部品・基板が動かなくなった(はんだの割れ・マイグレーション・静電気・過電流) | |
| 東芝ナノアナリシス | 故障解析 | 半導体・実装の故障を、壊さずに絞り込んでから物理解析する。 | E 電子部品・基板が動かなくなった(はんだの割れ・マイグレーション・静電気・過電流) | |
| KRI | 分析・受託研究 | 樹脂・ゴムのトラブルを、有機分析で原因究明する。潤滑油と樹脂・ゴムの相性も確かめる。 | D 樹脂の部品が割れた(環境応力割れ・疲労・成形不良) |
株式会社オオスミ|破断面と素材を調べ、起点から破損の原因をたどる
オオスミとは
オオスミは、神奈川県横浜市瀬谷区に本社がある会社です(1968年設立)。水質・土壌・大気などの分析や作業環境の測定を行う会社で、異物・材料の分析として、破損した物の原因調査も受託しています。
オオスミの得意技術
| 技術 | 内容 |
|---|---|
| 破断面と素材の調査 | 破損した物の破断面と素材の物性を調べて報告書にまとめる。破壊の起点に注目して調査するとしている。デジタルマイクロスコープ(20〜2,500倍)、SEM、マイクロビッカース硬さ試験機を使う |
| 破面の種類の見分け | 繰り返しの応力ならストライエーション、許容応力を超える引張ならディンプル、衝撃的な過大荷重なら粒界やへき開の割れ、と破面の特徴から壊れ方を判定する。断面のミクロ組織で、異常組織や表面硬化の処理が正しくされているかも確かめる |
| 技術資料 | ステンレス製ばねクリップの折損(起点近くに約167μm の亀裂と腐食生成物。腐食が進んで許容応力を超える荷重がかかり、延性破壊が進んだと考察)、プラスチック製容器蓋の破損(半鏡面・粒状の破面から、樹脂の融着していない部分が起点と考察)などの調査事例を公開している |
| 材質の確認と納期 | 部品が設計仕様どおりの素材だったかを、鉄鋼材料なら蛍光X線・ICP、樹脂なら FT-IR などで確かめる。一般的な破損調査は、試料を預かってから12営業日ほどが目安としている |
同社は、破壊のうち約80%を疲労破壊が占めるとしています(同社の説明)。
オオスミが解決できる課題
- 金属部品が折れた・割れた原因を、起点から知りたい
- ステンレス部品が錆びて折れた原因を知りたい
- 樹脂の容器や部品が割れた原因を知りたい
- 材料の硬さや組織が正常だったかを確かめたい
公開されている実績
- 原付ミラーの破損調査:破面に疲労破面(ストライエーション)と延性破面。硬さは平均約240HV。塗装やめっきが剥がれて腐食が進み、走行時の繰り返し応力で疲労破壊に至ったと判明。介在物の多い鋼材だったことも助長要因の1つと考えられるとしている


出典:会社概要|オオスミ、破損調査・解析|オオスミ、Osumi Technical Report 003「ステンレス製品の折損原因調査」、Osumi Technical Report 002「プラスチック製容器蓋の破損原因調査」
川重テクノロジー株式会社|破面・腐食・摩耗の事故調査で、原因と対策まで示す
川重テクノロジーとは
川重テクノロジーは、兵庫県明石市に本社がある、川崎重工グループの研究開発支援の会社です(1978年設立)。化学分析、材料試験、材料ミクロ組織調査、疲労試験、構造解析などを受託しています。
川重テクノロジーの得意技術
| 技術 | 内容 |
|---|---|
| 破壊形態の調査 | 走査電子顕微鏡によるエレクトロン・フラクトグラフィで、疲労・脆性・延性・クリープ・応力腐食割れ・水素脆化割れなどの破壊形態を調べる |
| 腐食・摩耗の調査 | 機械部品の事故には、破壊、腐食、摩耗などの様々な損傷があるとし、それぞれの調査を行う。事故の事例(ばねの折損、ステンレス配管の粒界腐食など)を公開している |
| 原因から対策まで | 事例ごとに、材質・使用条件・損傷状態・推定原因・対策を示している |
川重テクノロジーが解決できる課題
- ばね・ボルト・シャフトなど機械部品が折れた原因を知りたい
- 配管や水管が腐食・漏水した原因を知りたい
- めっきや熱処理など、製造工程が原因かどうかを確かめたい
公開されている実績
- ばねの折損:めっき部は脆性破壊、母材は疲労破壊。ニッケルめっきの厚さは約30μm で、図面の指示(5±1μm)の約5倍。厚すぎるめっきによる疲労強度の低下と推定し、めっき厚さの管理と、ショットピーニングなどによる表面の圧縮残留応力の付与を対策に挙げている
- ステンレス配管(SUS304)の漏水:溶接後の応力除去焼鈍(約600℃)で鋭敏化した箇所が使用中に腐食し、粒界割れが起きたと推定。材質変更(SUS304L など)と焼鈍の見直しを対策に挙げている

出典:事例・実績:ばねの折損|川重テクノロジーをもとに AI(Claude)で作成
出典:会社概要|川重テクノロジー、事例・実績:機械部品の事故調査|川重テクノロジー、事例・実績:ばねの折損|川重テクノロジー、事例・実績:ステンレス製配管の粒界腐食|川重テクノロジー
株式会社分析センター|外観 → 断面 → SEM → EPMA の順で、金属の破損原因を絞る
分析センターとは
分析センターは、東京都台東区に本社がある分析会社です(1967年設立)。環境の分析・測定のほか、材料評価事業部で金属材料などの破損原因の調査を行っています。
分析センターの得意技術
| 技術 | 内容 |
|---|---|
| 段階を踏んだ調査 | 破断面の外観を詳しく見て分析の計画を立て、断面観察(応力集中しやすい部位か、枝割れの有無)、断面ミクロ観察(腐食、組織の異常、介在物)、SEM(破壊の起点と種類)と進める。同社は、断面ミクロ観察までで事故原因のほぼ80%が推定できるとしている(同社の説明) |
| 付着物の分析 | EPMA で破断面に付着した腐食生成物や異物を分析し、検出された元素から腐食や破損の原因を調べる |
| 過大応力か疲労かの特定 | 一過性の過大応力で一気に壊れたのか、金属疲労で徐々に壊れたのかを、SEM で見えるストライエーション・へき開破面・ディンプルなどで見分ける |
分析センターが解決できる課題
- 金属部品が一度の力で壊れたのか、疲労で壊れたのかを知りたい
- 応力腐食割れかどうかを確かめたい
- 破断面に付いた錆や異物の成分を知りたい
公開されている実績
- ステンレス鋼シャフトの応力腐食割れを例に、破断面・断面・SEM の各段階の見え方を公開している

出典:材料破損原因調査|分析センター・金属材料の破損原因調査をもとに AI(Claude)で作成
出典:会社概要|分析センター、材料破損原因調査|分析センター、機械類破損原因調査|分析センター
メルコセミコンダクタエンジニアリング株式会社|パワーデバイスの故障と金属の破面を、電気特性から断面まで解析する
メルコセミコンダクタエンジニアリングとは
メルコセミコンダクタエンジニアリングは、福岡県福岡市西区に本社がある三菱電機グループの会社です(1984年創立)。パワーデバイスの設計・開発や品質保証・信頼性評価を行い、1994年から受託分析事業を行っています。
メルコセミコンダクタエンジニアリングの得意技術
| 技術 | 内容 |
|---|---|
| パワーデバイスの一貫解析 | 静特性・動特性の評価、市場不具合の発生モードの検証と再現実験から、EMS/OBIRCH による故障箇所の特定、FIB 加工、断面観察まで一貫して行う |
| 金属の破面解析 | 破壊の起点から進展方向と終点を特定し、ストライエーションやディンプルなどの表面形状から、疲労・脆性・延性・環境破壊などの破損要因を推定する |
メルコセミコンダクタエンジニアリングが解決できる課題
- パワーデバイス・半導体が壊れた原因を知りたい
- 市場で起きた不具合を再現して確かめたい
- 金型や金属部品の破損が疲労かどうかを知りたい
公開されている実績
- IGBT チップのリーク不良:Ic-Vg 特性で良品よりリーク電流が高いことを確かめ、裏面 EMS 解析でセル領域内に点状の発光を見つけ、断面解析でバリアメタル・ビアの未形成、層間膜の薄厚化などを確認
- 樹脂成形用の金型パーツの破損:外観観察と SEM の破面解析で起点・進展方向・最終破断部を特定し、疲労破壊と推定。依頼元が構造変更・材料見直しなどの対策を実施

出典:事例紹介 パワーデバイス解析-3・成形金型の疲労破壊解析|メルコセミコンダクタエンジニアリングをもとに AI(Claude)で作成
出典:会社概要|メルコセミコンダクタエンジニアリング、事例紹介 パワーデバイス解析-1|メルコセミコンダクタエンジニアリング、事例紹介 パワーデバイス解析-3|メルコセミコンダクタエンジニアリング、成形金型の疲労破壊解析|メルコセミコンダクタエンジニアリング
東芝ナノアナリシス株式会社|半導体・実装の故障を、壊さずに絞り込んでから物理解析する
東芝ナノアナリシスとは
東芝ナノアナリシスは、神奈川県川崎市幸区に本店がある分析会社です(2002年設立)。半導体、電子部品、一般材料などの受託分析を行っています。
東芝ナノアナリシスの得意技術
| 技術 | 内容 |
|---|---|
| 故障の状況の整理 | 不良品の故障モード(オープン・ショート・リーク電流増・動作不良)だけでなく、製造ロット・在庫期間、使用条件、環境条件をリストアップし、有意差がないかを調べる |
| 壊さずに絞り込む | 外観検査と I-V 特性の測定のあと、X線透過・X線 CT、SAM、磁場顕微鏡などの非破壊検査で故障のしくみを推測する。OBIRCH や発光解析で故障箇所を特定する |
| 物理解析 | 特定した場所を SEM・TEM で観察し、EDS で元素を分析して、故障のメカニズムを明らかにする |
東芝ナノアナリシスが解決できる課題
- 半導体・電子部品が動かなくなった原因を知りたい
- 原因が実装なのか、部品そのものなのかを切り分けたい
- パッケージの中の割れや剥離を、開けずに確かめたい

出典:故障解析の概要(初級者向け)|東芝ナノアナリシスをもとに AI(Claude)で作成
出典:会社概要|東芝ナノアナリシス、故障解析の概要(初級者向け)|東芝ナノアナリシス、OBIRCH/PEM(EMS)による故障箇所特定|東芝ナノアナリシス
株式会社KRI|樹脂・ゴムのトラブルを、有機分析で原因究明する
KRIとは
KRI は、京都市下京区(京都リサーチパーク)に本社がある、大阪ガスの100%子会社の受託研究の会社です(1987年設立)。材料・エネルギー・環境の分野の研究開発と、分析・試験評価を受託しています。
KRIの得意技術
| 技術 | 内容 |
|---|---|
| 樹脂・ゴムのトラブルの原因究明 | 樹脂やゴムは架橋剤や添加剤の組み合わせが多く、同じ系列でも性質が違うとし、樹脂やゴム材料の変化を捉えて、トラブルの原因と機構を明らかにする |
| 有機分析 | 赤外分光(IR)、ラマン、GC、LC などの有機分析機器と EPMA を使う |
KRIが解決できる課題
- 樹脂やゴムの部品のトラブルの原因を知りたい
- 潤滑油や接触する金属と、樹脂・ゴムの相性を確かめたい
- 樹脂が原因で金属部品が腐食していないかを知りたい
公開されている実績
- 受託実績の一例:接触金属による樹脂のアタック、樹脂の許容温度の中でも環境との相互作用で起きたトラブル、潤滑油とゴム・樹脂の相性、樹脂が原因の金属部品の腐食、金属と樹脂の接触面の剥離など

出典:樹脂・ゴム材料等のトラブル原因を究明したい|KRIの受託実績の一例をもとに AI(Claude)で作成
出典:会社概要|KRI、樹脂・ゴム材料等のトラブル原因を究明したい|KRI
調べる前に確かめる条件
調査を頼む前に、次のことを整理し、壊れた部品を残しておくと、原因にたどり着きやすくなります。
- 壊れた部品は、捨てたり修理したりせず、壊れた状態のまま残す(破面どうしを突き合わせたり、こすったりしない。編集部の目安)
- 壊れたときの状況(いつ・どこで・何をしていたか、音や煙、直前の衝撃や温度)
- 使い方と使った期間(荷重、回転数、温度、湿度、触れていた液体や薬品、使用回数)
- 材質・熱処理・めっき・塗装などの仕様と、製造の履歴(製造ロット、工程の変更)
- 同じ部品で、壊れていない物(比べるために、同じロットや使用前の物があるとよい)
- 同じ壊れ方がほかにも起きているか(数、壊れた位置がそろっているか)
- 調べた結果を何に使うか(再発防止の対策、取引先への報告、設計の見直し)と、いつまでに必要か
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※アイキャッチ画像は、AI(ChatGPT)で生成したイメージです。実在の製品ではありません。
情報の確認日:2026年9月30日





