モーターやポンプ、減速機の軸受が、思ったより早くゴロゴロと音を立てはじめる。交換しても、同じくらいの期間でまた壊れる。新しい装置の軸受が、何年もつのかを説明できない。軸受の寿命は、荷重と回転速度から計算で見積もれます。そのうえで、潤滑と汚れ(異物)の条件によって、同じ軸受でも寿命が何倍も変わります。
このページでは、まず寿命の計算の考え方を説明し、深溝玉軸受 6206 を例に、条件を変えると寿命がどう変わるかを計算します。そのあとで、計算より早く壊れる原因と、寿命を延ばす方法を、式のどこに効くのかと合わせて紹介します。
軸受の寿命は、計算で見積もれる

転がり軸受は、正しく使っていても、内輪・外輪の軌道面や玉(転動体)が、繰り返し荷重を受けて少しずつ疲れ、やがて表面がうろこ状にはがれます(はく離)。この「転がり疲れ」で決まる寿命を、JIS B 1518(ISO 281)の式で計算します。

出典:ジェイテクト「軸受の寿命計算」、NTN「定格荷重と寿命」をもとに AI(Claude)で作成
基本定格寿命 L10:荷重の3乗で効く
同じ軸受を同じ条件で一群まとめて回したとき、その90%がはく離を起こさずに回れる総回転数を、基本定格寿命 L10 といいます。式は次のとおりです。
L10 =(C / P)p [106 回転]
L10h = 106 ÷(60 × n)× L10 [時間]
- C:基本動定格荷重(軸受の寸法表にある値。軸受の大きさと種類で決まる)
- P:動等価荷重(軸受にかかる荷重を、ラジアル方向の1つの荷重に置き換えた値)
- p:玉軸受は 3、ころ軸受は 10/3
- n:回転速度(min-1)
大事なのは、寿命が荷重の3乗(ころ軸受は10/3乗)に反比例することです。荷重が2倍になると、玉軸受の寿命は8分の1になります。逆に、荷重を少し下げるか、C の大きい軸受を選ぶだけで、寿命は大きく延びます。

ジェイテクト 6206 2RUの C の値で計算。回転速度は説明のための例。AI(Claude)で作成
修正定格寿命 Lnm:潤滑と汚れで大きく変わる
基本定格寿命は、ふつうの材料と、ふつうの使い方を前提にした値です。実際の潤滑と汚れの条件を入れたのが、修正定格寿命 Lnm = a1 × aISO × L10 です。
- a1(信頼度係数):何%の軸受がその寿命までもつかを決める。90%なら 1、95%なら 0.64、99%なら 0.25
- aISO(寿命修正係数):潤滑の状態(粘度比 κ)、汚れの程度(汚染係数 ec)、疲労限荷重と荷重の比(Cu/P)で決まる。実用上の上限は 50
- 粘度比 κ:運転する温度での潤滑油の動粘度 ν を、軸受の大きさと回転速度で決まる基準動粘度 ν1 で割った値。κ が小さいと油膜が足りず、金属どうしが接触しやすい
- 汚染係数 ec:潤滑剤にまざった硬い粒子で、軌道面に圧痕ができる影響を表す。極めて清浄なら 1、ひどい汚れでは 0 に近づく
NTN の技術資料は、汚染係数の目安を次のように示しています(転動体のピッチ径が100mm 未満の場合)。同じ軸受でも、シールの有無やろ過の細かさで ec が変わり、寿命が大きく変わります。
| 汚れの程度 | 代表的な状態 | ec の目安 |
|---|---|---|
| 極めて高い清浄度 | 実験室レベルの清浄な状態 | 1 |
| 高い清浄度 | とても細かなフィルターでろ過した油、グリースを封入したシール軸受 | 0.8〜0.6 |
| 標準の清浄度 | 細かなフィルターでろ過した油、グリースを封入したシールド軸受 | 0.6〜0.5 |
| わずかな汚れ | 潤滑剤がわずかに汚れている | 0.5〜0.3 |
| ふつうの汚れ | シールなし、粗いフィルター、摩耗粉やまわりの粒子が入る | 0.3〜0.1 |
| ひどい汚れ | ひどく汚れた環境 | 0.1〜0 |

NTN「定格荷重と寿命」表5.9の ISO 281 の式で計算。AI(Claude)で作成
計算に使う荷重:動等価荷重と荷重係数

軸受にラジアル荷重 Fr とアキシアル荷重 Fa が同時にかかるときは、P = X・Fr + Y・Fa で1つの荷重に置き換えます。X と Y は、軸受の種類と荷重の比で決まる係数で、メーカーの寸法表にあります。
機械の振動や衝撃で、実際の荷重は計算値より大きくなります。ジェイテクトの資料では、荷重係数 fw の目安を、振動や衝撃の少ない電動機・工作機械で 1.0〜1.2、ふつうの運転の送風機・圧縮機などで 1.2〜2.0、激しい振動や衝撃のある圧延機・建設機械などで 2.0〜3.0 としています。荷重を小さく見積もると、寿命は3乗で大きく見えてしまうので、荷重係数は現場の実態に合わせます。
出典:軸受の寿命計算|ジェイテクト Koyo、軸受に作用する荷重の計算|ジェイテクト Koyo、転がり軸受 理論・実践ガイドブック 5.定格荷重と寿命|NTN
計算例:深溝玉軸受 6206 の寿命を見積もる
モーターなどに多い深溝玉軸受 6206(内径30mm、外径62mm、幅16mm)で計算します。条件は、説明のための例です。
| 項目 | 値 | 根拠 |
|---|---|---|
| 軸受 | 6206 2RU(ジェイテクト) | 同社の製品ページ |
| 基本動定格荷重 C | 24.3 kN | 同上 |
| 疲労限荷重 Cu | 0.800 kN | 同上 |
| 動等価荷重 P | 2.0 kN(ラジアル荷重だけ。荷重係数を含めた値) | 説明のための例 |
| 回転速度 n | 1,500 min-1 | 説明のための例 |
| 転動体のピッチ径 Dpw | 約46 mm((内径+外径)÷ 2 で代用) | NTN の資料の代用法 |
※ジェイテクトは、自社の標準軸受の定格荷重を JIS の値の1.25倍で示しています。日本精工の寸法表では、6206 の C は 21.4 kN です。メーカーごとに定格荷重の決め方が違うので、計算はそのメーカーの値で行います。
手順1:基本定格寿命を出す
C / P = 24.3 ÷ 2.0 = 12.15。玉軸受なので3乗して、L10 = 12.153 ≒ 1,794(× 106 回転)。時間に直すと、L10h = 106 ÷(60 × 1,500)× 1,794 ≒ 約1万9,900時間です。24時間の連続運転なら約2.3年にあたります。
手順2:潤滑と汚れの条件を入れる
基準動粘度は、NTN の資料の式(n が 1,000 min-1 以上のとき ν1 = 4,500 × n-0.5 × Dpw-0.5)から、約17 mm²/s です。運転温度での潤滑油の動粘度がこれと同じなら κ = 1、3分の1程度なら κ ≒ 0.3 です(グリースでは基油の動粘度で代用した目安です。NTN は、グリース潤滑の場合は相談するよう書いています)。
κ = 1、標準の清浄度(ec = 0.5)とすると、ec × Cu / P = 0.5 × 0.8 ÷ 2.0 = 0.2 で、ISO 281 の式から aISO ≒ 6.9。修正定格寿命は約13万8,000時間になります。同じ潤滑でも、異物が入って ec = 0.1 になると aISO ≒ 0.94 に下がり、寿命は約1万8,700時間と、7分の1ほどになります。
条件を変えると、寿命はこう変わる
| 条件 | 計算 | 寿命(時間) | 条件1との比 |
|---|---|---|---|
| 1. 基本定格寿命(a1 = 1、aISO = 1) | (24.3 ÷ 2.0)3 | 約19,900 | 1 |
| 2. 荷重が1.5倍(P = 3.0 kN) | (24.3 ÷ 3.0)3 | 約5,900 | 約0.30 |
| 3. 荷重を0.8倍に(P = 1.6 kN) | (24.3 ÷ 1.6)3 | 約38,900 | 約2.0 |
| 4. 潤滑が十分(κ = 1)・標準の清浄度(ec = 0.5) | aISO ≒ 6.9 | 約138,000 | 約6.9 |
| 5. 4と同じ潤滑で、異物が入る(ec = 0.1) | aISO ≒ 0.94 | 約18,700 | 約0.94 |
| 6. 4と同じ清浄度で、粘度が足りない(κ = 0.3) | aISO ≒ 0.33 | 約6,600 | 約0.33 |
| 7. 4の条件で、信頼度を99%にする | a1 = 0.25 | 約34,500 | 約1.7 |

6206 2RU、C = 24.3 kN、Cu = 0.8 kN。条件は説明のための例。AI(Claude)で作成
この例では、潤滑と汚れの条件だけで、寿命が約6,600時間から約13万8,000時間まで、20倍ほど変わります。荷重の見直しで2倍、潤滑と清浄度の見直しでさらに数倍、というように、効く項目を組み合わせて考えます。なお、条件4のように計算寿命がとても長くなる場合は、実際にはグリースの寿命や取付けの状態が先に寿命を決めることがあります(次の節)。
aISO の計算は複雑なので、実務ではメーカーの計算ツールや線図を使います。ジェイテクトはウェブ上で寿命とグリース寿命の計算ツールを公開しています。
出典:6206 2RU 製品詳細|ジェイテクト Koyo、6206 シリーズ|日本精工、標準軸受の特長|ジェイテクト Koyo、転がり軸受 理論・実践ガイドブック 5.定格荷重と寿命|NTN
なぜ、計算より早く壊れるのか
NTN の総合カタログは、軸受は正しく扱えば転がり疲れの寿命まで使えるが、予想より早く壊れたときは、軸受の選び方、取扱い、潤滑などに何らかの不備があると考えるべきだ、としています。早く壊れる主な原因は、次のとおりです。

出典:NTN「軸受の損傷と対策」などをもとに AI(Claude)で作成
潤滑不良とグリースの寿命

潤滑油の粘度が足りない(κ が小さい)と、油膜が薄くなって金属どうしが接触し、表面からはく離が始まります。グリースで潤滑する軸受では、グリースそのものが熱で劣化して寿命を迎えます。日本精工は、軸受の温度が70℃を超えたら、15℃上がるごとにグリースの補給間隔を半分にするとしています。NTN は、80℃以上では10℃上がるごとに補給間隔を1/1.5にすることを、おおまかな目安にしています。
異物の混入

硬い粒子が軌道面に噛み込むと、くぼみ(圧痕)ができ、そこから早くはく離します。修正定格寿命の汚染係数 ec は、この影響を表す係数です。計算例のとおり、ec が 0.5 から 0.1 に下がるだけで、寿命は7分の1ほどになります。
電食
インバーターで回すモーターなどでは、軸に電圧がかかり、軸受の中を電流が流れることがあります。玉と軌道面の間の薄い油膜で放電が起き、接触面が溶けて傷みます。NTN の資料によると、はじめは丸い斑点で、進むと洗濯板のような横縞(フルーティング)ができ、異音や振動の原因になります。

出典:NTN「絶縁軸受 メガオーム」、福田交易「軸電圧・軸受電流対策」などをもとに AI(Claude)で作成
取付け・はめあい・すきま

日本精工は、軸受の寿命は運転中のすきまがわずかに負のときに最も長くなり、予圧が大きすぎると寿命が急に下がる、としています。はめあいがゆるいと、内輪や外輪が軸やハウジングに対して滑るクリープが起き、すきまが小さすぎると焼付きにつながります。NTN のカタログでも、はく離の原因として、取付け不良、軸やハウジングの精度不良、内部すきまが小さすぎることを挙げています。
出典:16. 軸受の損傷と対策(総合カタログ)|NTN、11. 潤滑(総合カタログ)|NTN、グリース潤滑|日本精工、はめあいとすきま|日本精工、絶縁軸受 メガオーム|NTN
寿命を延ばす方法と、式のどこに効くか
寿命を延ばす方法は、寿命の式の項を大きくする方法(荷重を下げる、C を上げる、aISO を上げる)と、式の前提をこわす原因をなくす方法(電食、取付け、グリース切れ)に分けられます。状態監視は寿命そのものは延ばしませんが、はく離の初期で見つけて、突然止まるのを防ぎます。
| 方法 | 式のどこに効くか | 計算例での効き方 | 相談できる企業 |
|---|---|---|---|
| 荷重とサイズの見直し | P を下げる、C を上げる | 荷重0.8倍で約2倍 | ジェイテクト |
| 潤滑の見直し・自動給脂 | κ を上げる(aISO)、グリース寿命 | κ 0.3→1 で約21倍 | 協同油脂、リューベ |
| 密封と清浄度 | ec を上げる(aISO) | ec 0.1→0.5 で約7倍 | ジェイテクト |
| 長寿命材料の軸受 | 材料の質(異物に強い) | メーカーの試験値で判断 | ジェイテクト |
| 電食の対策 | 式の前提(電流を流さない) | 式には出ない | 福田交易、ジェイテクト、明西エンジニアリング |
| 取付け・はめあい・すきま | 式の前提(正しい取付け) | 式には出ない | ジェイテクト |
| 状態監視(振動診断) | 寿命は延ばさず、壊れる前に見つける | ― | 明西エンジニアリング |

この記事の計算例をまとめた模式図。AI(Claude)で作成
荷重とサイズの見直し

寿命は荷重の3乗で効くので、最初に見直すのは荷重です。ベルトの張りすぎ、軸の芯ずれ、アンバランスは、軸受の荷重を増やします。スペースが許せば、C の大きい軸受(1つ大きいサイズ、幅の広いシリーズ、ころ軸受)に替えます。計算例では、荷重を2割下げるだけで寿命は約2倍になります。
潤滑の見直し・自動給脂

運転温度で必要な粘度(κ ≧ 1 が目安)の潤滑剤を選び、温度を下げる工夫をします。グリース潤滑では、温度や回転速度に合ったグリースを選び、補給の間隔と量を守ります。人の手による給脂で、忘れや量のばらつきが出るときは、集中給脂などの自動給脂も手段になります。
密封と清浄度

シール付きの軸受にする、外側にシールやカバーを足す、潤滑油のろ過を細かくする、組立てのときに異物を入れない、といった方法で ec を上げます。異物の入りやすい環境では、軸受の形式(シールド形・シール形)の選び方も寿命に効きます。異物の入り方の調べ方は、異物が混入するの課題ページも参考になります。
長寿命材料の軸受
異物が避けられない環境では、異物によるくぼみに強い材料や熱処理の軸受が使えます。ジェイテクトの SH 軸受・KE 軸受・NK 軸受、NTN の ETA 軸受などです。メーカーが示す寿命の倍率は、それぞれの試験条件での値なので、自分の条件(異物の大きさ・量、荷重、潤滑)に近いかを確かめます。
電食の対策

電流を軸受に通さないことが基本です。玉をセラミック(窒化ケイ素など)にしたハイブリッド軸受、外輪などに絶縁の皮膜を付けた絶縁軸受、軸を接地して電流を軸受の外へ逃がす接地リングやアースブラシがあります。軸受電流には種類があり、種類によって効く対策が違うので、まず軸電圧や電流を測って確かめます。インバーターのノイズの対策は、ノイズで誤作動する・EMCに通らないの課題ページも参考になります。
取付け・はめあい・すきま

荷重の向きと大きさに合ったはめあいを選び、運転温度での内部すきまを確かめます。ジェイテクトは、しめしろの最大は軸径の1/1000以下、または最大応力120MPa以下が安全としています。取付けのときに、玉を通して力をかけて軌道面を傷つけないことも大切です。
状態監視(振動診断)

軸受のはく離は、初期には小さな傷として始まり、振動にあらわれます。振動を定期的に測って傾向を見れば、壊れる前に交換の時期を決められます。設備を止められない、軸受の損傷がモーターの焼損まで進むと損害が大きい、という場合に向きます。寿命の見積もりそのものを確かめたいときは、加速試験で寿命を見積もりたいの課題ページも参考になります。
出典:はめあいの選定|ジェイテクト Koyo、標準軸受の特長|ジェイテクト Koyo、事例 vol.13 NK軸受|ジェイテクト、長寿命ASシリーズ TAB・ETA軸受|NTN、絶縁(特殊環境用ベアリング)|ジェイテクト、軸電圧・軸受電流対策|福田交易、軸受診断|明西エンジニアリング
軸受の寿命を延ばす技術を持つ企業
各企業が解決できる課題と技術の内容を、企業が公開している情報をもとに紹介します。軸受そのものを替えたいのか、潤滑を見直したいのか、電食を止めたいのか、壊れる前に見つけたいのかによって、相談先が変わります。
株式会社ジェイテクト|長寿命軸受・電食に強いセラミック玉軸受
ジェイテクトとは
ジェイテクトは、愛知県刈谷市に本社を置く、軸受(Koyo ブランド)、ステアリング、工作機械などのメーカーです(従業員は連結43,233人、2026年3月)。軸受の寿命計算やはめあいの選び方などの技術情報を、Koyo のサイトで公開しています。
ジェイテクトの得意技術
| 技術 | 内容 |
|---|---|
| 標準軸受の材料 | 非金属介在物を減らす独自の成分設定により、同社の標準軸受は JIS B 1518 に準じた一般の軸受のおよそ2倍の寿命としている。このため、カタログの定格荷重は JIS の値の1.25倍で示している |
| 異物に強い長寿命軸受 | 表面の硬さと圧縮残留応力で異物への強さを上げた SH 軸受、浸炭と残留オーステナイトの調整による KE 軸受などがある。農業機械・建設機械向けの NK 軸受は、異物の入った油の中での寿命が従来の KE 軸受の1.5倍以上としている |
| 電食に強いセラミック玉軸受 | インバーターで回すモーター向けに、新しいセラミック材の玉を使った軸受を開発。従来と同じ程度の絶縁性と耐久性を、比較的安い価格で実現したとしている。線膨張係数が内外輪に近く、温度変化によるすきまの変化が小さい |
Koyo のサイトでは、寿命計算の式、荷重係数、汚染係数、はめあいの選び方などを公開しています。この記事の計算例の軸受(6206 2RU)の定格荷重と疲労限荷重も、同社の製品ページの値です。
ジェイテクトが解決できる課題
- 異物が入る環境で、軸受が早くはく離する
- インバーターで回すモーターの軸受が、電食で早く壊れる
- 軸受の種類とサイズを、寿命の計算から選び直したい
公開されている実績
- モーターメーカー向けに、インバーターモーターやファンモーター用の、電食に強いセラミック玉軸受を開発(同社の事例 vol.4)

出典:標準軸受の特長、事例 vol.4の公開情報をもとに AI(Claude)で作成
出典:標準軸受の特長|ジェイテクト Koyo、事例 vol.4 電食に強い新セラミックボールベアリング|ジェイテクト、絶縁(特殊環境用ベアリング)|ジェイテクト、事例 vol.13 NK軸受|ジェイテクト、会社概要|ジェイテクト
協同油脂株式会社|転がり軸受用の長寿命グリース
協同油脂とは
協同油脂は、神奈川県藤沢市に本社を置く、1936年創業のグリース・潤滑剤の専門メーカーです(従業員は単体488人、2026年3月末)。自動車の電装補機、鉄道車両の主電動機、モーターなど、用途に合わせた転がり軸受用のグリースを多くそろえています。
協同油脂の得意技術
| 技術 | 内容 |
|---|---|
| マルテンプ ET-C | 高温・高速で回る軸受向けのウレアグリース。異常はく離を防ぐ添加剤を入れ、軸受の長寿命化をねらう。使用温度範囲は −40〜200℃ |
| マルテンプ ET-100K / ET-SH | 焼付き寿命を高めたグリース。ET-100K はほかのウレアグリースより1ランク上、ET-SH は ET シリーズの中でも最高水準の焼付き寿命としている |
| マルテンプ SRL / レアマックススーパー | SRL は玉軸受用の長寿命グリースで、低騒音で広い温度範囲に使える。レアマックススーパーはモーターの軸受用 |
協同油脂が解決できる課題
- 高温・高速で、グリースが早く劣化して軸受が焼き付く
- モーターの軸受のグリースを長寿命のものに替えて、保全の手間を減らしたい
- 低い温度から高い温度まで、広い温度範囲で使えるグリースにしたい

出典:転がり軸受用グリース|協同油脂の公開情報をもとに AI(Claude)で作成
出典:転がり軸受用グリース|協同油脂、マルテンプ ET-C|協同油脂、会社概要|協同油脂
株式会社明西エンジニアリング|モーター軸受の振動診断と電食の確認
明西エンジニアリングとは
明西エンジニアリングは、大阪府東大阪市に本社を置く、1971年設立のモーター・回転機の修理と保守の会社です。埼玉県川口市と名古屋市にも拠点があり、設備の巡回点検の一つとして軸受の診断を行っています。
明西エンジニアリングの得意技術
| 技術 | 内容 |
|---|---|
| 軸受診断 | デジタル式の軸受診断器で、設備を動かしたまま短時間で振動を測り、分析する。オーバーオール値やピーク値による簡易診断と、傾向管理のグラフで判定する |
| 損傷の前兆をとらえる | 軸受の損傷の原因として、疲労(機械的・電気的)、潤滑不良、異物の混入を挙げ、五感では見つけにくい前兆を振動でとらえるとしている |
| 電食の確認と対策 | 軸電流を測る機器で電食の有無を確かめ、メンテナンスの要らない接地リングで対策する方法を紹介している |
同社は、アースブラシを付けていても防げない電食がよく報告されている、と書いています。
明西エンジニアリングが解決できる課題
- 軸受の傷を、壊れる前に見つけたい(自社に診断の人手や機器がない)
- 軸受の損傷から、モーターの巻線の焼損まで進むのを防ぎたい
- インバーターで回すモーターに、電食が起きていないか確かめたい


出典:軸受診断|明西エンジニアリング、電食の確認と対策(スタッフブログ、2020年)|明西エンジニアリング、会社概要|明西エンジニアリング
リューベ株式会社|集中潤滑システムで自動給脂
リューベとは
リューベは、東京都千代田区に本社を置く、1964年設立の潤滑剤と集中潤滑装置のメーカーです(従業員142名、2025年6月)。工作機械など小型〜中型の機械向けに、ポンプから潤滑剤を自動で送る集中潤滑のシステムをつくっています。
リューベの得意技術
| 技術 | 内容 |
|---|---|
| ハイブリッド集中潤滑システム LHL | 電動ポンプから、多くの潤滑点に、適切な時に適切な量の潤滑剤を送る集中給脂のシステム。電動ポンプ P-107 は DC24V、吐出量 7mL/min |
| LHL グリス | オイルとグリスの長所をあわせ持つとする潤滑剤で、耐荷重性・耐摩耗性・耐水性にすぐれる。LHL X100 の使用温度は −20〜+150℃ |
同社のサイトでは、軸受の寿命が何倍になるといった数値は示していません。給脂の忘れや、量の多すぎ・少なすぎを防ぐ手段として検討します。
リューベが解決できる課題
- 人手の給脂で、忘れや量のばらつきが出る
- 適切な時に適切な量だけ給脂して、グリースの出しすぎを減らしたい

出典:集中潤滑システム|リューベの公開情報をもとに AI(Claude)で作成
福田交易株式会社|軸電圧・軸受電流の対策品
福田交易とは
福田交易は、東京都中央区に本社を置く、1950年設立の専門商社です(社員120名)。インバーターで回すモーターの軸電圧・軸受電流の対策について技術解説を公開し、接地リング(イージス アースリング)やドイツ FAG 社の絶縁軸受を扱っています。
福田交易の得意技術
| 技術 | 内容 |
|---|---|
| 軸受電流の見分け方 | 軸受電流を、静電容量による放電電流(EDM 電流)、高周波の循環電流、ベースが分かれた機器の間の電圧の3つに分け、軸の接地、軸の絶縁、共通の接地で対策するとしている。高周波の循環電流は、75kW 以上のモーターで問題になるとしている |
| 接地リング・接地ストラップ | メンテナンスの要らない接地リング(イージス アースリング)と高周波用の接地ストラップを扱う。カーボンブラシは摩耗が避けられず、高周波を除ききれないと説明している |
| 絶縁軸受 | ドイツ FAG 社製の絶縁軸受 INSUTECT を扱い、6212〜6220C3・6312〜6320C3 を国内に在庫している |
放電で約5μm のくぼみや洗濯板のような傷(フルーティング)ができ、潤滑剤が炭のようになって異物になり、早い損傷につながる、と説明しています。軸受の内輪と外輪の電位差は、軸電圧テスターで確かめられます。
福田交易が解決できる課題
- インバーターで回すモーターに電食が出て、軸受が早く壊れる
- アースブラシの摩耗と交換をなくしたい
- 大きなモーターの循環電流を止めたい

出典:軸電圧・軸受電流対策|福田交易の説明をもとに AI(Claude)で作成
選ぶ前に確かめる条件
メーカーや保守会社に相談する前に、次の条件を整理しておくと、寿命の計算と原因の切り分けが早くなります。
- 軸受の呼び番号とメーカー、使っている台数、いまの寿命(交換までの時間や回転数)
- 荷重:ラジアル荷重とアキシアル荷重の大きさ、ベルトや歯車の有無、振動や衝撃の程度
- 回転速度と運転のしかた(連続か、起動・停止が多いか、正逆転か)
- 潤滑:油かグリースか、銘柄、補給の間隔と量、運転時の軸受の温度
- 汚れ:シールの有無、まわりの粉じん・水・切粉、ろ過の方法
- 壊れた軸受の状態:はく離、焼付き、洗濯板のような縞(電食)、圧痕、クリープの跡
- 取付け:はめあい、内部すきま、予圧、軸とハウジングの精度、芯ずれ
- インバーター駆動かどうか、モーターの出力、接地のしかた
- 目標の寿命と、確かめる方法(寿命計算、試験、振動の傾向管理)
関連する課題
この課題に関係する分野・技術・製品のページ
※アイキャッチ画像は、AI(ChatGPT)で生成したイメージです。実在の製品ではありません。
情報の確認日:2026年9月29日
