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エポキシ樹脂(熱硬化性樹脂の選び方)

エポキシ樹脂は、分子の中のエポキシ基が硬化剤と反応して3次元の網目になり、加熱しても溶けない固体になる熱硬化性樹脂です。

エポキシ樹脂(熱硬化性樹脂の選び方)
8件解決できる課題
5社紹介している企業
31点図と写真
40件出典

エポキシ樹脂(熱硬化性樹脂の選び方)

作業台の上に、琥珀色の主剤と淡い色の硬化剤の容器、計量カップ、黒いエポキシで封止したチップの載った基板、シリカの粒を含むエポキシの塊、炭素繊維の積層板が並び、右上に分子の網目の拡大図があるイラスト(AI で生成したイメージ)

信頼性・長寿命新しい機能を持たせる材料(物性・劣化)樹脂・ゴム硬化・反応接着・密着熱膨張・熱応力樹脂複合材料接着基板・電子部品半導体・電子機器

エポキシ樹脂は、分子の中のエポキシ基が硬化剤と反応して3次元の網目になり、加熱しても溶けない固体になる熱硬化性樹脂です。三菱ケミカルは特徴として、硬化収縮が小さく寸法安定性に優れること、金属やコンクリートへの接着力が強いこと、機械的強度・電気絶縁性・耐熱性・耐薬品性・耐水性を挙げ、用途に塗料・電気絶縁材料・複合材料・土木建築材料・接着剤を挙げています。性質は主剤(エポキシ樹脂)と硬化剤の組み合わせ、硬化の温度と時間、フィラー(充填材)で大きく変わります。

出典:エポキシ樹脂 jER™|三菱ケミカル、エポキシ樹脂硬化剤 jERキュア™|三菱ケミカル

このページでは、硬化のしくみ、主剤と硬化剤の種類と選び方、Tg(ガラス転移温度)と熱膨張の見方、ほかの熱硬化性樹脂とのくらべ方、使う場面ごとの選び方、配合量とカタログ値の見方、発熱・硬化不良などの注意をまとめ、得意分野の違う会社を紹介します。接着剤としての選び方は技術「接着剤」、基板の封止・防湿は技術「ポッティング・コンフォーマルコーティング」で扱っています。

エポキシ樹脂の企業(早見表)

企業配合・
カスタム
注型・
封止
硬化剤成形品・
積層板
受託
分析
フアインポリマーズエポキシ配合品の専業。LED 封止・注型・接着(東京都)●●
利昌工業エポキシモールド電気機器と積層板(大阪府)●●
寺田高熱伝導・高耐熱のエポキシ「テラダイト」(東京都)●●
味の素ファインテクノ一液性エポキシ用の潜在性硬化剤(神奈川県)●●
三井化学分析センターエポキシ接着剤の組成分析・熱分析(千葉県)●

●は、各社の公式サイト(寺田は同社のイプロスの掲載を含む)で扱いや事例を確認できたものです(空欄は、扱っていないという意味ではありません)。社名を押すと、その会社の紹介へ移ります。

目次

この技術で解決できる課題

エポキシ樹脂が効くのは、部品を包んで絶縁・防湿したい、しっかり接着したい、繊維と組み合わせて軽く強くしたい、熱で柔らかくなる・はがれるのを防ぎたいといった困りごとです。一方で、選び方や使い方を誤ると、固まらない、発熱して割れる、熱サイクルではがれるといった不具合のもとにもなります。

電子部品の保護、接着、軽量化、耐熱、防食という困りごとと、エポキシ樹脂でできることの対応図
図1 困りごとと、エポキシ樹脂でできること
出典:三菱ケミカル・スリーボンド・DIC・レゾナックをもとに AI(Claude)で作成

出典:エポキシ樹脂 jER™|三菱ケミカル、テクニカルニュース32 エポキシ樹脂の硬化剤(PDF)|スリーボンド、エポキシ樹脂封止材 有機基板用|レゾナック

課題この技術での解決課題ページ
接着剤・樹脂の硬化不良を防ぎたい配合比と混合を一定にし、加熱は接着部の実温度で決める2液:計量と混合を一定にする
樹脂と金属をしっかり接合したい構造用のエポキシ接着剤と表面処理を組み合わせる接着剤:表面処理と組み合わせる
LED を長寿命にしたい封止の樹脂で湿気・硫化ガスを遮るコーティング・封止
燃えにくくしたい難燃型の主剤や、ハロゲンフリーの難燃グレードを使う難燃グレードの樹脂
鉄をアルミ・樹脂・複合材に替えて軽くしたいCFRP のマトリックス(母材)に使うCFRP(炭素繊維強化樹脂)
高温でも使える材料にしたい多官能の主剤・高温硬化の硬化剤で Tg を上げる耐熱樹脂
磁石の減磁を防ぎたい磁石の防錆のコーティングに使うめっき・コーティングを選ぶ

右の列は、関係する課題ページの対策の節へのリンクです。

仕組み:エポキシ基が開いて硬化剤とつながり、網目になる

日本接着学会誌の解説は、エポキシ基を大きな歪みエネルギーを持つ三員環で、非常に反応性が高いと説明しています。活性水素を2個以上持つ化合物(アミンなど)は、エポキシ基を2個以上持つ樹脂と反応して架橋し(重付加型の硬化剤)、カチオンやアニオンの触媒でエポキシ基どうしを次々に付加重合させるもの(触媒型の硬化剤)もあります。

エポキシ基の三員環、硬化剤との反応で環が開くこと、主剤と硬化剤がつながった3次元の網目の模式図
図2 硬化のしくみ(模式図)
出典:日本接着学会誌「エポキシ樹脂硬化剤について」・スリーボンド「テクニカルニュース32」をもとに AI(Claude)で作成

出典:鬼塚賢三「エポキシ樹脂硬化剤について」日本接着学会誌 Vol.53 No.4(2017)|J-STAGE、テクニカルニュース32 エポキシ樹脂の硬化剤(PDF)|スリーボンド

スリーボンドのテクニカルニュースは、アミン系の硬化剤では、1級アミンの活性水素がエポキシ基と反応して2級アミンになり、それがさらに反応すると説明しています。架橋させるには、硬化剤は1分子に活性水素を3個以上、アミノ基を2個以上持つ必要があり、エポキシ基と活性水素が等モルのときが最適としています。

出典:テクニカルニュース32 エポキシ樹脂の硬化剤(PDF)|スリーボンド

硬化の温度で、性質が変わる

日本接着学会誌の解説は、重付加型の硬化剤では硬化温度が高いほど、ガラス転移点などの硬化物の物性が向上するとしています。アミンは種類によって室温でも加熱でも硬化でき、酸無水物とフェノール系は加熱硬化だけで、芳香族アミンは高温での反応になるかわりに Tg と靱性の高い硬化物になるとしています。同じ樹脂でも、硬化の温度と時間(段階硬化・後硬化)を変えると性質が変わるので、試作の段階から量産と同じ条件で固めて評価します(編集部)。

出典:鬼塚賢三「エポキシ樹脂硬化剤について」日本接着学会誌 Vol.53 No.4(2017)|J-STAGE

種類と選び方:主剤・硬化剤・一液と二液

エポキシ樹脂の材料は、主剤(エポキシ樹脂)の骨格、硬化剤の種類、一液か二液かの組み合わせで選びます。そこにフィラーや改質剤を加えて、熱膨張・熱伝導・難燃性・柔軟性を調整します。

主剤:ビスフェノール型・ノボラック型・脂環式

三菱ケミカルは、ビスフェノールA型を基本の樹脂とし、ほかのタイプとして、ビスフェノールF型を低粘度で作業性に優れるもの、多官能のものを耐熱性・耐薬品性に優れるもの、ビフェニル型を耐熱性・低応力性に優れるものとしています。DIC のカタログでは、液状のビスフェノールA型の標準品(EPICLON 850)のエポキシ当量 184〜194 g/eq、粘度 11,000〜15,000 mPa・s(25℃)、ビスフェノールF型(830)の 165〜180 g/eq・3,000〜4,000 mPa・s のほか、半導体の封止材・積層板向けの高耐熱のクレゾールノボラック型、耐熱・耐水・低誘電のジシクロペンタジエン型、高耐熱・低誘電正接のナフタレン型などを挙げています。

ビスフェノールA型の液状と固形、ビスフェノールF型、クレゾールノボラック型、ジシクロペンタジエン型、ナフタレン型、脂環式のエポキシ当量・粘度または軟化点・特徴の表
図3 主剤(エポキシ樹脂)の種類と特徴(各社の規格値・代表値)
出典:DIC「EPICLON 総合カタログ」・ダイセル「セロキサイド」・三菱ケミカル「jER」をもとに AI(Claude)で作成

出典:エポキシ樹脂 jER™|三菱ケミカル、EPICLON エポキシ樹脂&硬化剤 総合カタログ(PDF)|DIC、エポキシ樹脂(セロキサイド)|ダイセル

ダイセルは、脂環式エポキシ樹脂(セロキサイド)は原料にエピクロロヒドリンを使わないので塩素を含まず、高耐熱(高 Tg)の硬化物ができ、グリシジルエーテルに比べてカチオン重合性に優れるとしています。塩素は電子部品の腐食の原因になるので、ナガセケムテックスは塩素の含有量を100ppm まで下げた低塩素タイプを用意しています。

出典:エポキシ樹脂(セロキサイド)|ダイセル、金属に使用する高耐熱性エポキシ樹脂(デナコールの実験室)|ナガセケムテックス

硬化剤:固まる温度と、できあがりの性質

三菱ケミカルは硬化剤を、脂肪族ポリアミン(主に常温硬化)、脂環族ジアミン(主に中温)、芳香族ジアミン・イミダゾール・3級アミン・酸無水物・フェノール樹脂(主に高温)、メルカプタン(主に低温)、ジシアンジアミド(主に潜在性)に分けています。スリーボンドのテクニカルニュースは、脂肪族アミンは発熱が著しく可使時間が短いこと、ビスフェノールA型を硬化した場合の熱変形温度は最高120℃であること、芳香族アミンは加熱が必要で熱変形温度が150〜160℃になること、酸無水物は硬化の条件は厳しいが可使時間が長く、発熱量が少ないので大型の成形物を作りやすいことを挙げています。

常温の脂肪族ポリアミン、低温のメルカプタン系、中温の脂環族ジアミン、高温の芳香族ジアミン・酸無水物・フェノール樹脂、潜在性のジシアンジアミドと、それぞれの性質の一覧
図4 硬化剤の種類と、固まる温度の目安
出典:三菱ケミカル「jERキュア」・スリーボンド「テクニカルニュース32」・日本接着学会誌をもとに AI(Claude)で作成

出典:エポキシ樹脂硬化剤 jERキュア™|三菱ケミカル、テクニカルニュース32 エポキシ樹脂の硬化剤(PDF)|スリーボンド、鬼塚賢三「エポキシ樹脂硬化剤について」日本接着学会誌 Vol.53 No.4(2017)|J-STAGE

一液と二液:混ぜる手間と、保管・加熱

スリーボンドは、一液性は製品の中の硬化剤が加熱で主剤と反応して固まり、二液性は主剤と硬化剤を混ぜて固まるとし、一液は加熱が必要だが管理が容易、二液は室温で硬化できるが計量・混合の手間がかかるとしています。一液性に使う潜在性硬化剤について、スリーボンドは「室温で安定に貯蔵でき、熱・光・圧力などで急速に硬化する」もの、日本接着学会誌はジシアンジアミドについて、融点210℃付近の結晶で、160〜180℃で硬化させ、ウレア系やイミダゾール系の促進剤を併用すると120〜140℃で硬化でき、半硬化の状態を保てるのでプリプレグに多く使われるとしています。

二液性と一液性の特徴をくらべたカードと、ジシアンジアミド・イミダゾール・アミンアダクト系の潜在性硬化剤の例
図5 一液性と二液性のちがい
出典:スリーボンド・日本接着学会誌・味の素ファインテクノ「アミキュア」をもとに AI(Claude)で作成

出典:エポキシ樹脂について(技術セミナー)|スリーボンド、テクニカルニュース32 エポキシ樹脂の硬化剤(PDF)|スリーボンド、鬼塚賢三「エポキシ樹脂硬化剤について」日本接着学会誌 Vol.53 No.4(2017)|J-STAGE、エポキシ樹脂用潜在性硬化剤 アミキュア|味の素ファインテクノ

UV・熱で固めるカチオン硬化

酸を出す開始剤で脂環式エポキシを開環重合させるカチオン硬化は、UV や熱で固められます。UBE の資料は、熱カチオン硬化の脂環式エポキシは「堅脆い傾向」で、オキセタンを加えると硬化温度が下がり柔らかくなるとし、脂環式エポキシの硬化物の例でガラス転移温度 224℃、弾性率 3.2 GPaを示しています(保証値ではないと注記)。UV 硬化の照度・積算光量の管理は、課題「接着剤・樹脂の硬化不良を防ぎたい」で扱っています。

出典:熱カチオン硬化(PDF)|UBE

耐熱と熱膨張:Tg を基準に考える

ナガセケムテックスは、金属用の高耐熱性エポキシ樹脂を選ぶときは、Tg・荷重たわみ温度(HDT)・連続使用温度・短時間のピーク耐性の4つの指標を見るとし、連続使用温度は Tg より30〜50℃低く設定するのが基本(Tg 150℃なら連続使用は100〜120℃まで)としています。また、Tg は測定方法や条件によって値が変わるので、測定方法(DSC・DMA など)と測定条件を確認するよう勧めています。スリーボンドは、エポキシ樹脂の熱分解温度を250〜350℃程度としています。

汎用エポキシTg120〜140℃、BPA/F系の高Tg品180〜200℃、高耐熱エポキシ200℃以上、熱分解250〜350℃を温度の軸に並べた図と、連続使用温度をTgより30〜50℃低くする考え方
図6 Tg と、使える温度の考え方
出典:ナガセケムテックス「金属に使用する高耐熱性エポキシ樹脂」「接着剤を耐熱温度別で紹介」・スリーボンド「エポキシ樹脂について」をもとに AI(Claude)で作成

出典:金属に使用する高耐熱性エポキシ樹脂(デナコールの実験室)|ナガセケムテックス、接着剤を耐熱温度別で紹介|ナガセケムテックス、エポキシ樹脂について(技術セミナー)|スリーボンド

Tg の意味は技術の基礎知識「ガラス転移点(Tg)」、熱膨張は「線膨張係数」で説明しています。

熱膨張:金属の4〜10倍。フィラーで下げる

ナガセケムテックスは、エポキシ樹脂の熱膨張率は金属の4〜10倍あり、温度が変わると接着の界面に大きな応力が出てクラックや剥離の原因になるので、ゴム成分で柔軟性を持たせたり、シリカやアルミナなどの無機フィラーを入れて熱膨張率を金属に近づけたりするとしています。レゾナックの BGA・CSP など有機基板用の封止材のうち、CEL-9750・CEL-9700 の4品種は、ガラス転移温度 125〜150℃、Tg より下の線膨張係数(α1)6〜12 ppm/℃、Tg より上(α2)27〜41 ppm/℃ です。

温度と伸びのグラフで、Tgより下のα1の傾きが小さくTgより上のα2の傾きが大きいことと、レゾナックの封止材CEL-9750・9700の4品種のTg・α1・α2・曲げ弾性率・成型収縮率の値の表
図7 熱膨張は Tg の上下で変わる(封止材の値の例)
出典:レゾナック「エポキシ樹脂封止材 有機基板用」(CEL-9750・9700 の4品種)・ナガセケムテックス「金属に使用する高耐熱性エポキシ樹脂」をもとに AI(Claude)で作成

出典:金属に使用する高耐熱性エポキシ樹脂(デナコールの実験室)|ナガセケムテックス、エポキシ樹脂封止材 有機基板用|レゾナック

ナガセケムテックスは、電子部品では樹脂・金属・セラミックスの熱膨張の差が熱応力になり、界面の剥離やクラックを起こすとし、アクリル系ポリマーで変性すると、Tg を保ったまま弾性率を下げて応力を緩和できるとしています。デンカは、封止材のフィラーに使う溶融シリカを球状にすると、流動性が上がり高充填できるとしています。熱膨張の差で起きる割れは、課題「繰り返し荷重・熱サイクルで割れる」も参照してください。

出典:可とう性付与(樹脂の柔軟化)|ナガセケムテックス、溶融シリカ(球状)|デンカ

ほかの熱硬化性樹脂とのくらべ方

ナガセケムテックスの耐熱温度別の解説では、汎用のエポキシ(2液)は Tg 120〜140℃、高耐熱エポキシは Tg 200℃以上とし、フェノール樹脂は270℃でもガラス転移しない、高耐熱シリコーンは250℃で連続使用できる、ポリイミドは連続350℃・瞬間500℃に耐えるとしています。レゾナックは、不飽和ポリエステル樹脂を、スチレンなどに溶かした硬化の速い熱硬化性樹脂で主にガラス繊維の FRP に使うもの、ビニルエステル樹脂を、エポキシ樹脂の変性型で耐薬品性に優れるものとしています。

エポキシ(汎用・高耐熱)、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル、ビニルエステル、シリコーン、ポリイミドの耐熱の目安と特徴の表
図8 エポキシとほかの熱硬化性樹脂
出典:ナガセケムテックス「接着剤を耐熱温度別で紹介」・レゾナック「不飽和ポリエステル樹脂」「ビニルエステル樹脂」をもとに AI(Claude)で作成

出典:接着剤を耐熱温度別で紹介|ナガセケムテックス、不飽和ポリエステル樹脂|レゾナック、ビニルエステル樹脂(FRP用)|レゾナック

選ぶ順番

出典の内容を、選ぶ順番に並べると下の図のようになります。まず使い方と固め方を決め、使う温度から Tg を決め、主剤と硬化剤、フィラーの順に絞り、最後に工程と試験で確かめます(編集部が整理)。

使い方、硬化の方法、耐熱、主剤と硬化剤、フィラーと改質、工程と試験の6段階でエポキシ樹脂を選ぶ流れ図
図9 エポキシ樹脂の選び方(編集部が整理)
出典:このページの出典(三菱ケミカル・DIC・スリーボンド・ナガセケムテックス)をもとに AI(Claude)で作成

出典:エポキシ樹脂硬化剤 jERキュア™|三菱ケミカル、EPICLON エポキシ樹脂&硬化剤 総合カタログ(PDF)|DIC、金属に使用する高耐熱性エポキシ樹脂(デナコールの実験室)|ナガセケムテックス

使う場面ごとの選び方

使う場面よく使われる組み合わせ選ぶときのポイント
半導体の封止材ノボラック型などの主剤+フェノール系硬化剤+溶融シリカ反り(弾性率と熱膨張)、Tg、難燃、イオン・塩素
基板(積層板)ガラス布に含浸。難燃型(臭素化)やハロゲンフリーTg、厚さ方向の熱膨張、誘電特性、難燃性
CFRP のマトリックス低粘度で高弾性率・耐熱の主剤、潜在性硬化剤でプリプレグに成形の温度、繊維への含浸、保管の期間
注型・ポッティング(コイル・変成器)酸無水物系など発熱の小さい組み合わせ+フィラー発熱、収縮、真空脱泡、吸水、耐電圧
接着二液の常温硬化、一液の加熱硬化相手の材料、使う温度と Tg、硬化の条件
塗料固形のビスフェノールA型、粉体塗料用の主剤塗る方法、防食、屋外では紫外線への弱さ

組み合わせとポイントの列は、DIC・レゾナック・住友ベークライト・スリーボンド・利昌工業・日本接着学会誌の記載をもとに編集部が整理したものです。

半導体の封止材、基板、CFRPのマトリックス、注型・ポッティング、接着剤、塗料の6つの場面と、選ばれる組み合わせのカード
図10 場面ごとに選ばれる組み合わせ
出典:DIC・レゾナック・住友ベークライト・スリーボンド・利昌工業をもとに AI(Claude)で作成

出典:EPICLON エポキシ樹脂&硬化剤 総合カタログ(PDF)|DIC、パワー半導体の信頼性を向上!高Tgのエポキシ系耐熱封止材|レゾナック、半導体封止用エポキシ樹脂成形材料 スミコン EME|住友ベークライト、エポキシ樹脂 用途別(複合材用途)|DIC

半導体・パワーモジュールの封止

レゾナックは、パワー半導体向けの高 Tg の封止材(CEL-400)について、エポキシと硬化剤のフェノールを最適に選んで配合し、高 Tg と熱分解の抑制(250℃での重量減少で評価)のバランスを高 Tg の側に引き上げたとし、シリコーン系の低応力剤で弾性率を下げて、ワイヤー・シリコン・基板の熱膨張の差に対応するとしています(Tg は TMA で175〜190℃)。住友ベークライトは、半導体封止用のエポキシ樹脂成形材料(スミコン EME)で、ハロゲン・アンチモン系の難燃剤を使わずに UL94 V-0 を達成したとし、用途に半導体パッケージ、車載の ECU、ローター磁石の固定、ステーターコイルの封止、パワーモジュールを挙げています。

出典:パワー半導体の信頼性を向上!高Tgのエポキシ系耐熱封止材|レゾナック、半導体封止用エポキシ樹脂成形材料 スミコン EME|住友ベークライト

CFRP・積層板

DIC は、複合材料用のエポキシ樹脂には低粘度であるとともに、高弾性率・耐熱性などの機能が要るとし、用途に航空機・スポーツ用品を挙げています。日本接着学会誌の解説は、ジシアンジアミドは半硬化の状態を一定期間保てるので、プリプレグ工法で多く使われるとしています。CFRP の加工は課題「CFRP の穴あけ・切削で層間剥離・バリを防ぎたい」で扱っています。

出典:エポキシ樹脂 用途別(複合材用途)|DIC、鬼塚賢三「エポキシ樹脂硬化剤について」日本接着学会誌 Vol.53 No.4(2017)|J-STAGE

向いている条件と注意点

エポキシ樹脂が向いている条件

  • 金属・樹脂・セラミックスなどに、しっかり付けたい
  • 硬化の収縮を小さくし、寸法を保ちたい
  • 電気を絶縁し、湿気・薬品から守りたい
  • 繊維と組み合わせて、軽く強くしたい

気をつけたい条件

  • Tg に近い温度で長く使う(柔らかくなる・はがれる)
  • 金属と熱膨張の差が大きく、熱サイクルがかかる
  • 一度に大量に混ぜる・厚く注型する(発熱)
  • 未硬化の樹脂に人が触れる工程(皮膚のかぶれ)

この一覧は、三菱ケミカル・ナガセケムテックス・スリーボンド・厚生労働省の記載をもとに編集部が整理したものです。

出典:エポキシ樹脂 jER™|三菱ケミカル、金属に使用する高耐熱性エポキシ樹脂(デナコールの実験室)|ナガセケムテックス、テクニカルニュース32 エポキシ樹脂の硬化剤(PDF)|スリーボンド、ビスフェノールAジグリシジルエーテル(GHS ラベル)|厚生労働省 職場のあんぜんサイト

よくある失敗:固まらない・発熱・気泡・はがれ

出典に出てくる注意を、症状ごとに並べました。スリーボンドは、二液のエポキシ接着剤の硬化時間は早いもので30分、長いもので数日で、室温の影響を受けやすく、冬は固まりにくいとし、混合比・可使時間・硬化条件は製品ごとに違うので取扱説明書を確かめるよう求めています。

固まらない、発熱して焼ける・割れる、気泡が残る、熱サイクルではがれる・割れる、高温で柔らかくなる、手がかぶれるの6つの症状と、主な原因と対策の表
図11 よくある失敗と、その原因(編集部が出典をもとに整理)
出典:スリーボンド・日本接着学会誌・ナガセケムテックス・利昌工業・厚生労働省 職場のあんぜんサイトをもとに AI(Claude)で作成

出典:エポキシ接着剤を使用するときのポイントは?|スリーボンド、テクニカルニュース32 エポキシ樹脂の硬化剤(PDF)|スリーボンド、鬼塚賢三「エポキシ樹脂硬化剤について」日本接着学会誌 Vol.53 No.4(2017)|J-STAGE、金属に使用する高耐熱性エポキシ樹脂(デナコールの実験室)|ナガセケムテックス、エポキシモールド電気機器|利昌工業、ビスフェノールAジグリシジルエーテル(GHS ラベル)|厚生労働省 職場のあんぜんサイト

発熱:量が多いほど、厚いほど熱がこもる

スリーボンドのテクニカルニュースは、脂肪族アミンの例としてジエチレントリアミンの 100g バッチの可使時間を20分とし、脂肪族アミンは発熱が著しいとしています。日本接着学会誌の解説は、3級アミンは硬化時の発熱が大きく、厚い硬化物では内部の温度が上がるとしています。一度に混ぜる量を減らす、段階的に温度を上げる、発熱の小さい硬化剤を選ぶ、といった対策をとります(編集部)。

大量に混ぜた樹脂の断面で中心ほど熱い様子のイメージと、脂肪族アミン・酸無水物・3級アミンの発熱についての説明と対策
図12 硬化の発熱(イメージ)
出典:スリーボンド「テクニカルニュース32」・日本接着学会誌をもとに AI(Claude)で作成

出典:テクニカルニュース32 エポキシ樹脂の硬化剤(PDF)|スリーボンド、鬼塚賢三「エポキシ樹脂硬化剤について」日本接着学会誌 Vol.53 No.4(2017)|J-STAGE

皮膚のかぶれ:未硬化の樹脂に触れない

厚生労働省の職場のあんぜんサイトでは、液状のビスフェノールA型エポキシ樹脂の主成分(ビスフェノールAジグリシジルエーテル)を、アレルギー性の皮膚反応を起こすおそれがある(皮膚感作性)などに分類し、換気、保護具、皮膚に付いたら多量の水で洗うことを注意書きに挙げています。スリーボンドのテクニカルニュースも、脂肪族アミンには皮膚刺激性や毒性があるとしています。使う製品の SDS を確かめ、手袋と換気を徹底します(編集部)。

出典:ビスフェノールAジグリシジルエーテル(GHS ラベル)|厚生労働省 職場のあんぜんサイト、テクニカルニュース32 エポキシ樹脂の硬化剤(PDF)|スリーボンド

カタログ値の見方と、配合量の決め方

項目見方
エポキシ当量(g/eq)エポキシ基1個あたりの樹脂の重さ。硬化剤の量の計算に使う
粘度25℃の mPa・s が多いが、ガードナー法や 150℃の値など、測り方が製品で違う
可使時間(ポットライフ)混ぜてから使える時間。量と温度で変わる
硬化条件・ゲル化時間温度×時間。段階硬化・後硬化(ポストキュア)の有無
ガラス転移温度(Tg)測定法(DSC・TMA・DMA)と条件をそろえて比べる
線膨張係数(α1・α2)Tg の下と上の2つの値。相手の材料とくらべる
吸水率・塩素量電子部品では、吸湿と腐食のもとになる塩素を見る
保管条件・ライフ室温か冷蔵か、どれだけの期間使えるか

見方の列は、DIC のカタログ・ナガセケムテックス・UBE・味の素ファインテクノの資料の記載をもとに編集部が整理したものです。

エポキシ当量、粘度、可使時間、硬化条件、Tg、線膨張係数、吸水率・塩素量、保管条件の見方の表
図13 カタログ(技術資料)で見る項目
出典:DIC「EPICLON 総合カタログ」・ナガセケムテックス・UBE「熱カチオン硬化」をもとに AI(Claude)で作成

出典:EPICLON エポキシ樹脂&硬化剤 総合カタログ(PDF)|DIC、EPICLON 850 技術資料(PDF)|DIC、金属に使用する高耐熱性エポキシ樹脂(デナコールの実験室)|ナガセケムテックス、熱カチオン硬化(PDF)|UBE

DIC のカタログでは、同じ「粘度」でも、液状品は 25℃の mPa・s、固形品や溶液品はガードナー法や 150℃での値などで示されています。UBE の資料のように、技術資料には「数値は保証値ではない」と書かれていることが多いので、くらべるときは測定の条件をそろえ、最後は自社の部品と工程で確かめます(編集部)。DIC は EPICLON 850 の保管を「室温25℃以下で、換気の良い涼しい場所」としています。

出典:EPICLON エポキシ樹脂&硬化剤 総合カタログ(PDF)|DIC、熱カチオン硬化(PDF)|UBE、EPICLON 850 技術資料(PDF)|DIC

配合量:エポキシ当量と活性水素当量で計算する

アミン系の硬化剤では、エポキシ基と活性水素が等モルのとき最適とされます(スリーボンド)。そこで、硬化剤の量(phr:主剤100に対する重さ)= 硬化剤の活性水素当量 ÷ 主剤のエポキシ当量 × 100 で目安を出します。例えば、エポキシ当量 190 g/eq の主剤に、活性水素当量 30 g/eq の硬化剤を使うなら、30 ÷ 190 × 100 ≒ 15.8 phr です(編集部の計算。硬化剤の当量は説明のための仮の値)。

硬化剤の量の計算式と、エポキシ当量190・活性水素当量30の場合に約15.8phrになる計算の例、実際は製品の配合比を使う注意
図14 硬化剤の量の決め方(編集部の計算の例)
出典:スリーボンド「テクニカルニュース32」・DIC「EPICLON 総合カタログ」・日本接着学会誌をもとに AI(Claude)で作成

出典:テクニカルニュース32 エポキシ樹脂の硬化剤(PDF)|スリーボンド、EPICLON エポキシ樹脂&硬化剤 総合カタログ(PDF)|DIC、鬼塚賢三「エポキシ樹脂硬化剤について」日本接着学会誌 Vol.53 No.4(2017)|J-STAGE

ただし、日本接着学会誌の解説は、ジシアンジアミドは配合量をエポキシ基に対して 0.5〜0.9 当量とし、160〜180℃で硬化させる場合は 0.5〜0.7 当量で Tg が上がるとしています。製品になっている配合品では、資料の混合比を守ります。混合の管理は課題「接着剤・樹脂の硬化不良を防ぎたい」も参照してください。

出典:鬼塚賢三「エポキシ樹脂硬化剤について」日本接着学会誌 Vol.53 No.4(2017)|J-STAGE

量産・品質の注意

  1. 計量と混合を一定にする配合比・混ぜる時間・量を決め、可使時間の内に使う
  2. 気泡を抜き、熱を逃がす真空で脱泡し、厚いものは段階的に硬化させる
  3. 硬化を確かめるTg・硬化度を測り、ロットで変わらないか見る

この3点は、スリーボンド・利昌工業・三井化学分析センターなどの記載をもとに編集部が整理したものです。

真空で脱泡し、収縮を小さくする

利昌工業は、エポキシモールドの電気機器(計器用変成器など)で、充填材と硬化剤を最適に配合して体積収縮率を0.5%程度にし、樹脂の注型を高温・高真空で行って気泡を取り除いているとし、樹脂の吸水率を0.1%以下としています。がいしの製造では、樹脂を金型の中で順に固まる(ゲル化する)まで送り続ける加圧ゲル化法を、高圧の直圧成形法より内部の歪みやボイドが出にくい製法と説明しています。

利昌工業のページに載っている、金型にタブレット状のエポキシ樹脂を入れて上から加圧する直圧成形法と、注型タンクの液状エポキシ樹脂を加圧して金型に送り込む加圧ゲル化法をくらべた断面図
直圧成形法と加圧ゲル化法(出典:利昌工業)

出典:エポキシモールド電気機器|利昌工業

硬化度・Tg を測って確かめる

三井化学分析センターは、DSC でガラス転移温度・熱量などが、TMA で平均線膨張係数・軟化温度・ガラス転移温度がわかるとしています。一液性のエポキシ接着剤を溶剤や分子量の違いで分け、硬化剤・エポキシ樹脂・硬化促進剤・フィラーをそれぞれ分析する例も示しています。硬化度を FT-IR・DSC で測る方法は、課題「接着剤・樹脂の硬化不良を防ぎたい」で扱っています。

出典:示差走査熱量測定(DSC)|三井化学分析センター、熱機械分析(TMA)|三井化学分析センター、接着剤の組成分析 -1液性エポキシ樹脂系-|三井化学分析センター

相談する前に整理すること

エポキシ樹脂の材料や加工を会社に相談するときは、次の点を整理しておくと話が早く進みます(編集部が整理した項目です)。

使い方、相手の材料、使う温度と熱サイクル、必要な性質、厚みと量、硬化の方法、工程、いまの困りごとの8項目のチェック表
図15 エポキシ樹脂を相談する前に整理すること
出典:このページの出典をもとに AI(Claude)で作成
  • 使い方(接着・注型・封止・含浸・塗装・積層)と、包む・付ける相手の材料
  • 使う温度の最高と最低、熱サイクルの有無
  • 必要な性質(絶縁・熱伝導・透明・難燃・柔軟性・耐薬品)
  • 厚み・1回に使う量、部品の大きさ
  • 硬化の方法(常温か加熱か、温度と時間、UV)と、使える設備
  • 工程(混ぜ方・塗り方・脱泡・タクト)と、保管の条件
  • 規制(ハロゲンフリー・RoHS など)と、塩素・イオンの要求
  • いまの困りごと(硬化不良・割れ・はがれ・気泡・反り)と、不具合品

企業紹介(エポキシ樹脂の技術)

エポキシ配合品の専業メーカー、エポキシで注型した電気機器と積層板のメーカー、高熱伝導のエポキシの少量生産、一液性に使う潜在性硬化剤、エポキシ接着剤の受託分析まで、得意分野の違う会社を紹介します。掲載は各社の公開情報にもとづきます。

企業配合・
カスタム
注型・
封止
硬化剤成形品・
積層板
受託
分析
フアインポリマーズエポキシ配合品の専業。LED 封止・注型・接着(東京都)●●
利昌工業エポキシモールド電気機器と積層板(大阪府)●●
寺田高熱伝導・高耐熱のエポキシ「テラダイト」(東京都)●●
味の素ファインテクノ一液性エポキシ用の潜在性硬化剤(神奈川県)●●
三井化学分析センターエポキシ接着剤の組成分析・熱分析(千葉県)●

●は、各社の公式サイト(寺田は同社のイプロスの掲載を含む)で扱いや事例を確認できたものです(空欄は、扱っていないという意味ではありません)。社名を押すと、その会社の紹介へ移ります。

フアインポリマーズ株式会社|エポキシ配合品の専業。LED 封止・注型・高耐熱の接着剤

フアインポリマーズとは

東京都中央区に本社、千葉県野田市に工場を置く、エポキシ樹脂配合品と半導体薬品の会社です(1973年設立、KISCO の100%子会社)。エポキシ樹脂をベースに配合・変性した製品を「EpiFine」の名で作っています。

フアインポリマーズの2液性エポキシの透明封止グレード(汎用ランプ・青色白色ランプ・ディスプレイ・表面実装)と常温硬化の注型グレードの配合比・推奨硬化条件・Tgの表
図16 フアインポリマーズの2液性エポキシの例(同社の参考値)
出典:フアインポリマーズ「2液性エポキシ樹脂製品」をもとに AI(Claude)で作成

フアインポリマーズの得意技術

技術内容
1液・2液のエポキシ配合品小型電子部品のシール・接着剤(1液)、LED 用の封止剤(2液)、電子部品の注型・シール剤・接着剤(2液)
高耐熱・低熱膨張の接着剤(開発品)一液性で Tg 195℃、熱膨張係数 3.5×10⁻⁵/K。硬化条件は 120℃×10分・150℃×2分(同社の測定値で保証値ではない)
受託加工・技術支援樹脂配合品の受託加工(エポキシ樹脂の加熱溶解・混合)。設計・評価段階のデータの収集・分析から不具合の原因調査まで

フアインポリマーズのページに載っている、高耐熱接着剤で接着した鉄どうしの試験片の接着強度を、25℃・120℃・150℃・180℃の環境温度ごとに示した棒グラフ(19.6・19.6・21.4・19.1MPa)
高耐熱接着剤の環境温度ごとの接着強度(Fe/Fe、JIS K 6850 準拠)(出典:フアインポリマーズ)

フアインポリマーズが解決できる課題

  • LED・光学部品・電源の部品を、透明な樹脂や耐電圧のある樹脂で封止したい
  • 高温でも接着力の落ちにくいエポキシ接着剤を試したい
  • 既存の品種を用途に合わせて改良してほしい(カスタマイズ)

公開されている実績・用途

  • 2液製品の用途例として、屋外表示・屋内照明などの LED の封止、モーター・電源など耐電圧が求められる部品の封止を挙げている(同社の記載)

出典:会社概要|フアインポリマーズ、事業案内|フアインポリマーズ、2液性エポキシ樹脂製品(EpiFine)|フアインポリマーズ、高耐熱接着剤の開発(EpiFine)|フアインポリマーズ

利昌工業株式会社|エポキシで注型した電気機器と、ガラスエポキシの積層板

利昌工業とは

大阪市北区に本社を置く、電子材料・電気絶縁材料・工業用材料と、エポキシモールド電機機器の会社です(1921年創業、1937年設立)。

利昌工業の得意技術

技術内容
エポキシモールド電気機器計器用変成器・がいし・ブッシング・モールド変圧器・リアクトルなど。体積収縮率0.5%程度のエポキシ樹脂を高温・高真空で注型
加圧ゲル化法・真空含浸がいしは1974年に加圧ゲル化法を導入。モールド変圧器は、ガラス繊維で充填した巻線に低粘度のエポキシを高真空で含浸する金型方式真空含浸法
熱硬化性積層板ガラスエポキシの積層板(G-10・FR-4 など)、難燃性の品種、フローはんだのパレット用など

利昌工業が解決できる課題

  • 高電圧の機器の絶縁を、気泡の少ない注型品で作りたい
  • ガラスエポキシの板材(FR-4 など)を、耐熱・難燃で選びたい

公開されている実績・用途

  • モールド変圧器の金型方式真空含浸法は1973年に国内で初めて国産化し、9,200台以上の実績があるとしている(同社の記載)

出典:会社概要|利昌工業、エポキシモールド電気機器|利昌工業、電気絶縁材料・工業材料(積層板)|利昌工業

株式会社寺田|高熱伝導・高耐熱のエポキシ「テラダイト」を少量から

東京都港区に本社、茨城県につくば工場を置く、電子材料・化学品の会社です(1947年設立、従業員70名)。自社製品の「テラダイト」で、高放熱・高耐熱の材料の開発に力を入れているとしています。

寺田のテラダイトの高熱伝導率エポキシTE-7162・TE-7163・TE-7900・TE-7127・TE-6500・TE-7901の熱伝導率と特徴の表
図17 寺田の放熱絶縁用エポキシの例(同社の掲載から)
出典:寺田のイプロスの製品ページ(TERADITE・TE-7162・TE-7900)をもとに AI(Claude)で作成

寺田の得意技術

技術内容
高熱伝導のエポキシ熱伝導率 1〜4 W/(m・K) の注型・封止用(TE-7162〜TE-7901)。いずれも V-0 相当品。低温硬化品・1液性もある
ラインアップ高熱伝導(最大 6.5 W/(m・K))、高耐熱(最大 300℃)、汎用ポッティング、透明、柔軟、接着剤、UV 硬化、機能性樹脂
カスタマイズ・少量生産要望に合わせたカスタマイズ。最小 1kg 程度からの受注生産

寺田が解決できる課題

  • モーター・コイル・トランスを、放熱のよいエポキシで封止したい
  • 少量から、条件に合わせた配合を試したい

公開されている実績・用途

  • TE-7900 の用途として、産業用モーター・コイル・トランス・コンデンサーなど電子機器の放熱絶縁封止を挙げている(同社の掲載)

出典:会社概要|寺田、事業情報|寺田、エポキシ&アクリル樹脂 TERADITE(テラダイト)|寺田(イプロス)、高熱伝導率エポキシ樹脂 TE-7162|寺田(イプロス)、高熱伝導率エポキシ樹脂 TE-7900|寺田(イプロス)

味の素ファインテクノ株式会社|一液性エポキシに使う潜在性硬化剤「アミキュア」

味の素ファインテクノとは

神奈川県川崎市に本社、群馬県に工場を置く、電子材料・機能材料の会社です(1942年創立、従業員487名)。

味の素ファインテクノのアミキュアPN-23・PN-H・PN-50・PN-Fの添加量・硬化条件・ライフ・特長の表
図18 味の素ファインテクノの潜在性硬化剤の例(同社の表から)
出典:味の素ファインテクノ「アミキュア」「プレーンセット」をもとに AI(Claude)で作成

味の素ファインテクノの得意技術

技術内容
潜在性硬化剤・硬化促進剤(アミキュア)アミンアダクト系の PN・MY シリーズ、ヒドラジドシリーズ、複合系の AH シリーズ。PN-23 は 80℃×30分で硬化し、ライフ1か月(同社の条件)
一液性のエポキシ接着剤(プレーンセット)熱硬化・UV 硬化・UV と熱の併用の硬化に対応
そのほかの電子材料層間絶縁材料、半導体封止材料、磁性材料など

味の素ファインテクノが解決できる課題

  • 二液のエポキシの計量・混合をやめて、一液にしたい
  • 一液のエポキシを、低い温度・短い時間で固めたい。ポットライフも延ばしたい
  • 耐熱性の低い部品を、低温で硬化する接着剤で付けたい

公開されている実績・用途

  • アミキュアの用途として、電子材料の接着剤・封止材・フィルム、自動車用の接着剤・構造材料、プリプレグ・フィラメントワインディングなどの複合材料、粉体塗料を挙げている(同社の記載)

出典:会社概要|味の素ファインテクノ、エポキシ樹脂用潜在性硬化剤 アミキュア|味の素ファインテクノ、接着材料・封止材料 プレーンセット|味の素ファインテクノ

株式会社三井化学分析センター|エポキシ接着剤の組成分析と、DSC・TMA の熱分析

三井化学分析センターとは

千葉県袖ヶ浦市に本社を置く、物質の分析・物性試験の受託の会社です(1999年設立、三井化学の100%出資、社員数479名)。

三井化学分析センターの一液性エポキシ接着剤の分析で、溶剤と分子量の違いで無機フィラー・硬化剤・高分子・エポキシ樹脂・硬化促進剤に分け、それぞれIR・NMR・FD/MSなどで調べる流れ図
図19 一液性エポキシ接着剤の組成を調べる流れ(同社ページの記載をもとに作成)
出典:三井化学分析センター「接着剤の組成分析 -1液性エポキシ樹脂系-」「DSC」「TMA」をもとに AI(Claude)で作成

三井化学分析センターの得意技術

技術内容
接着剤の組成分析一液性エポキシ接着剤を分け、硬化剤(例:ジシアンジアミド)、エポキシ樹脂(例:クレゾールノボラック型)を IR・FD/MS などで解析。UV 硬化型接着剤の分析の実績もある
熱分析DSC でガラス転移温度・融解温度・熱量・比熱容量など、TMA で平均線膨張係数・軟化温度・ガラス転移温度(−100〜600℃)
材料の分類熱硬化性プラスチック・エラストマー・ゴムなどの分析メニュー

三井化学分析センターが解決できる課題

  • 市販の一液性エポキシ接着剤の組成を知り、自社の開発の参考にしたい
  • 硬化物のガラス転移温度・線膨張係数を測りたい

出典:会社概要・沿革|三井化学分析センター、接着剤の組成分析 -1液性エポキシ樹脂系-|三井化学分析センター、示差走査熱量測定(DSC)|三井化学分析センター、熱機械分析(TMA)|三井化学分析センター

使われる製品・事例

三菱ケミカルは、エポキシ樹脂の用途に塗料・電気絶縁材料・複合材料・土木建築材料・接着剤・治工具を挙げています。住友ベークライトは半導体パッケージ・車載の電装部品・パワーモジュールの封止、DIC は航空機・スポーツ用品の複合材料、利昌工業は計器用変成器・がいし・モールド変圧器の注型、フアインポリマーズは LED・電源の部品の封止を、用途として挙げています。

出典:エポキシ樹脂硬化剤 jERキュア™|三菱ケミカル、半導体封止用エポキシ樹脂成形材料 スミコン EME|住友ベークライト、エポキシ樹脂 用途別(複合材用途)|DIC、エポキシモールド電気機器|利昌工業、2液性エポキシ樹脂製品(EpiFine)|フアインポリマーズ

出典・確認日

※アイキャッチ画像は、AI(ChatGPT)で生成したイメージです。実在の製品ではありません。図はAI(Claude)で作成した概念図です。

情報の確認日:2026年10月8日 本ページの内容は一般的な情報で、実際の硬化・耐熱・接着の性能は、樹脂と硬化剤の銘柄・配合・硬化の条件・部品の形と材料・使う環境により異なります。製品を選ぶときは、各社の技術資料と試験で確かめてください。

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