形鋼(かたこう)は、断面が H・L・コの字などの決まった形をした、細長い鋼材です。H形鋼(H鋼)・山形鋼(アングル)・溝形鋼(チャンネル)などの形と寸法は JIS G 3192、薄い板を曲げて作るリップ溝形鋼(Cチャンネル)などの軽量形鋼は JIS G 3350で決まっていて、1 m あたりの重さは「断面積(cm²)× 0.785」で計算できます。装置の架台やフレームでは、同じ重さでも形と向きで、曲げのかたさが大きく変わります。
この記事では、鋼材の種類、H形鋼の規格と寸法表の読み方、アングル・チャンネル・Cチャンネルの違い、鋼材の重量計算、SS400 などの材質、設計での選び方(強軸と弱軸・ねじり・座屈)、注文するときに決めることまでを、図と表で順に説明します。
知りたいことから読む
- 形鋼・鋼材にはどんな種類があるか知りたい → 主な形鋼の種類
- H-200×100×5.5×8 の数字の意味を知りたい → H形鋼の呼び方と寸法
- H形鋼の規格表(寸法・重さ・断面二次モーメント)を見たい → H形鋼の寸法表の読み方
- アングル・チャンネル・Cチャンネルの違いを知りたい → 山形鋼・溝形鋼・軽量形鋼
- 鋼材の重さを計算したい → 鋼材の重量計算
- SS400 の強さを知りたい → SS400 の機械的性質
- 架台の梁がたわむ・ねじれる → 強軸と弱軸・開いた断面のねじり
形鋼・鋼材とは:主な種類と規格
主な形鋼の種類
JIS G 3192 は、熱間圧延で作る形鋼として、等辺山形鋼・不等辺山形鋼・不等辺不等厚山形鋼・I形鋼・溝形鋼・球平形鋼・T形鋼・H形鋼・CT形鋼を挙げています。一方、JIS G 3350 は、鋼板を冷間成形(通常はロール成形とプレスベンダー加工)で曲げて作る軽量形鋼として、軽溝形鋼・軽Z形鋼・軽山形鋼・リップ溝形鋼・リップZ形鋼・ハット形鋼を定めています。

出典:JIS G 3192・JIS G 3350 の要約ページをもとに AI(Claude)で作成
| 種類 | 断面の形 | 作り方・規格 | よく使う場所の例 |
|---|---|---|---|
| H形鋼 | H。フランジ(上下の板)が平行 | 熱間圧延(JIS G 3192) | 梁・柱・架台の主な部材 |
| I形鋼 | I。フランジの内側に傾きがある | 熱間圧延(JIS G 3192) | 梁など(編集部の整理) |
| 山形鋼(アングル) | L。等辺と不等辺がある | 熱間圧延(JIS G 3192) | 補強・小さな架台・ブラケット |
| 溝形鋼(チャンネル) | コの字 | 熱間圧延(JIS G 3192) | 架台の枠・機械の部材 |
| リップ溝形鋼(C形鋼・Cチャン) | コの字の先を内側に折り返した形 | 冷間成形の軽量形鋼(JIS G 3350) | 下地材・ラック・棚・太陽光の架台 |
| 平鋼・角形鋼管 | 長方形の板、四角いパイプ | 平鋼は熱間圧延、角形鋼管は別の規格(JIS G 3466) | 補強板・フレーム |
種類と規格は JIS G 3192・JIS G 3350 の要約ページ、角形鋼管の規格はスペック早見表、使い場所は各社の製品ページ(企業紹介)と編集部の整理。
出典:JIS G 3192 熱間圧延形鋼の形状,寸法,質量及びその許容差(2014 年版の要約ページ)、JIS G 3350 一般構造用軽量形鋼(2017 年版の要約ページ)、形鋼・角パイプの寸法・重量早見表(JIS G 3192 などをもとに作成)|スペック早見表
「形」の規格と「材質」の規格は別
形鋼を注文するときは、形と寸法(JIS G 3192 など)と、材質(JIS G 3101 の SS400 など)を、それぞれ指定します。JIS G 3101 は、鋼材の形状・寸法・質量とその許容差は JIS G 3191〜3194 によるとしています。たとえば「SS400 の H-200×100×5.5×8」は、形を JIS G 3192 で、材質を JIS G 3101 で決めていることになります(材質の選び方)。
出典:JIS G 3101 一般構造用圧延鋼材(2015 年版の要約ページ)、JIS G 3192 熱間圧延形鋼の形状,寸法,質量及びその許容差(2014 年版の要約ページ)
H形鋼(H鋼)の規格と寸法表の読み方
H形鋼の呼び方と寸法
H形鋼は、上下の2枚の板(フランジ)と、それをつなぐ縦の板(ウェブ)でできています。寸法は、高さ H × 幅 B × ウェブの厚さ t1 × フランジの厚さ t2(mm)の順に書きます。H-200×100×5.5×8 なら、高さ 200 mm、幅 100 mm、ウェブ 5.5 mm、フランジ 8 mm です。ウェブとフランジのつけ根の丸み(r)も寸法表に載っています。

出典:JIS G 3192 の要約ページをもとに AI(Claude)で作成
出典:JIS G 3192 熱間圧延形鋼の形状,寸法,質量及びその許容差(2014 年版の要約ページ)、H形鋼(形状・寸法表)|ヤマトスチール
広幅・中幅・細幅の3つの系列と、外法一定H形鋼
H形鋼は、高さに対する幅の比で広幅(高さ≒幅)・中幅・細幅(幅が高さの半分ほど)の系列に分けて売られています。ヤマトスチールの寸法表では、広幅 150×150〜400×400、中幅 200×150〜900×300、細幅 200×100〜600×200 の範囲です(mm)。構造設計ナビは、細幅は強軸まわりの値が大きく梁向き、広幅は弱軸の値も大きく柱向きと説明しています。
JIS G 3192 の H形鋼には、外法(そとのり)一定H形鋼も含まれます。フランジの厚さによらず高さが一定の H形鋼で、フランジの厚さを変えても梁の高さがそろうのが特徴です。
注意したいのは、呼び寸法と実際の寸法が違うサイズがあることです。たとえばヤマトスチールの細幅の表では、呼び「400×200」に、実寸 396×199 と 400×200 の2種類が並んでいます。図面には実際の寸法で書き、注文も実寸法で指定します(同社は「H×B×t1/t2×長さ」での指示を求めています)。
出典:H形鋼(形状・寸法表)|ヤマトスチール、H鋼の断面性能・単位重量一覧|構造設計ナビ、JIS G 3192 熱間圧延形鋼の形状,寸法,質量及びその許容差(2014 年版の要約ページ)
H形鋼の寸法表の読み方
寸法表には、寸法のほかに、断面積・単位質量(kg/m)・断面二次モーメント(Ix・Iy)・断面二次半径・断面係数(Zx・Zy)が並びます。JIS G 3192 では、断面積と単位質量は規定の値、断面二次モーメントなどは参考の値です。ヤマトスチールの表から4つのサイズを抜き出しました。
| 寸法 H×B×t1×t2(mm) | 断面積(cm²) | 単位質量(kg/m) | Ix(cm⁴) | Iy(cm⁴) | Zx(cm³) | Zy(cm³) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 細幅 200×100×5.5×8 | 26.67 | 20.9 | 1,810 | 134 | 181 | 26.7 |
| 広幅 200×200×8×12 | 63.53 | 49.9 | 4,720 | 1,600 | 472 | 160 |
| 細幅 400×200×8×13 | 83.37 | 65.4 | 23,500 | 1,740 | 1,170 | 174 |
| 広幅 300×300×10×15 | 118.5 | 93.0 | 20,200 | 6,750 | 1,350 | 450 |
ヤマトスチール「H形鋼 形状・寸法表」から抜粋(断面二次モーメント・断面係数は参考値)。全サイズと注記は同社の表と JIS G 3192 で確かめてください。
表の Ix は強軸(フランジが上下にある向き)まわり、Iy は弱軸まわりの値です。Ix が大きいほど、その向きに曲げたときにたわみにくく、Zx が大きいほど、同じ曲げモーメントで生じる応力が小さくなります。断面二次モーメントの意味は 技術の基礎知識「断面二次モーメント」で説明しています。
資料によって値が違うことにも注意します。H-200×100×5.5×8 の単位質量を、ヤマトスチールの表は 20.9 kg/m、構造設計ナビの一覧は 21.3 kg/m としています。計算に使う表は、メーカーの最新の寸法表や JIS の表で確かめるのが安全です。
出典:H形鋼(形状・寸法表)|ヤマトスチール、JIS G 3192 熱間圧延形鋼の形状,寸法,質量及びその許容差(2014 年版の要約ページ)、H鋼の断面性能・単位重量一覧|構造設計ナビ
H形鋼と I形鋼の違い
見た目は似ていますが、H形鋼はフランジの内側と外側が平行、I形鋼はフランジの内側に傾き(勾配)があります(JIS G 3192 の断面形状の略図)。平行なフランジはボルトの座面が平らになり、ほかの部材をつなぎやすい形です(編集部の整理)。I形鋼は、東京製鐵などが建材品種として作っています。
出典:JIS G 3192 熱間圧延形鋼の形状,寸法,質量及びその許容差(2014 年版の要約ページ)、建材品種|東京製鐵
山形鋼(アングル)・溝形鋼(チャンネル)・軽量形鋼(Cチャンネル)
山形鋼・溝形鋼・リップ溝形鋼の違い
山形鋼(アングル)は L 字の形鋼で、辺の長さが同じ等辺と、違う不等辺があります。呼び方は L-50×50×6(辺 A × 辺 B × 厚さ t)です。溝形鋼(チャンネル)はコの字の形鋼で、[-100×50×5×7.5(高さ H × 幅 B × t1 × t2)のように書きます。JIS G 3192 では、溝形鋼の厚さは t1 だけ表示してもよいとしています。
よく混同されるのが、溝形鋼とリップ溝形鋼(C形鋼・Cチャン)です。溝形鋼は熱間圧延で作る厚い形鋼(JIS G 3192)、リップ溝形鋼は鋼板を冷間で曲げて作り、フランジの先を内側に折り返した(リップ)軽量形鋼です(JIS G 3350)。JIS G 3350 の適用厚さは 1.6〜6.0 mm、種類は SSC400 の1つで、降伏点または耐力は 245 N/mm² 以上です。

出典:編集部の整理をもとに AI(Claude)で作成
| 形鋼(例) | 単位質量(kg/m) | 出典 |
|---|---|---|
| 山形鋼 L-50×50×6 | 4.43 | スペック早見表(JIS G 3192 をもとに作成) |
| 溝形鋼 [-100×50×5×7.5 | 9.36 | スペック早見表(JIS G 3192 をもとに作成) |
| リップ溝形鋼 C-100×50×20×3.2(めっき Z12) | 5.54 | 明治鋼業の寸法表(Ix 107 cm⁴) |
| H形鋼 H-200×100×5.5×8 | 20.9 | ヤマトスチールの寸法表(Ix 1,810 cm⁴) |
| ステンレスのアングル 50×50×6(SUS304) | 4.48 | 愛知製鋼の製造寸法表 |
同じ「50×50」の山形鋼でも、厚さで重さと強さが変わります。注文と計算は厚さまで指定します(編集部の整理)。
出典:JIS G 3192 熱間圧延形鋼の形状,寸法,質量及びその許容差(2014 年版の要約ページ)、JIS G 3350 一般構造用軽量形鋼(2017 年版の要約ページ)、形鋼・角パイプの寸法・重量早見表(JIS G 3192 などをもとに作成)|スペック早見表、軽量リップ溝形鋼|明治鋼業、H形鋼(形状・寸法表)|ヤマトスチール、アングル|愛知製鋼 ステンレスカンパニー
鋼材の重量計算
JIS G 3192 は、形鋼の質量を計算質量で表すと決めていて、表6 の計算方法で、基本質量 0.785 kg/(cm²・m)(断面積 1 cm²・長さ 1 m の質量)× 断面積(cm²)=単位質量(kg/m)とし、単位質量は有効数字3桁に丸めます。1本の質量は「単位質量 × 長さ(m)」です。0.785 は、鋼の密度 7.85 g/cm³ から来る数です(JIS G 3350 も、めっき原板の基本質量に 7.85 kg/(mm・m²) を使っています)。

出典:JIS G 3192 の要約ページ(表6)とヤマトスチールの寸法表をもとに AI(Claude)で作成
計算のしかた
- ① 寸法表で断面積(cm²)を見る(H-200×100×5.5×8 なら 26.67 cm²)
- ② 0.785 を掛けて、1 m あたりの質量にする(26.67 × 0.785 ≒ 20.9 kg/m)
- ③ 長さ(m)を掛ける(6 m なら 20.9 × 6 ≒ 125 kg)
- ④ 本数を掛ける(10本なら約 1,250 kg)
平鋼や鋼板のように断面が長方形なら、質量(kg/m)= 0.00785 × 厚さ(mm)× 幅(mm)で計算できます。たとえば厚さ 9 mm・幅 50 mm の平鋼は 0.00785 × 9 × 50 ≒ 3.53 kg/m です。
なお、ステンレスは炭素鋼と密度が違うので、同じ寸法でも重さが少し変わります。愛知製鋼のステンレスアングル 50×50×6 は SUS304 で 4.48 kg/m で、炭素鋼の L-50×50×6(4.43 kg/m)と少し違います。ステンレスはメーカーの表で確かめます。
出典:JIS G 3192 熱間圧延形鋼の形状,寸法,質量及びその許容差(2014 年版の要約ページ)、JIS G 3350 一般構造用軽量形鋼(2017 年版の要約ページ)、H形鋼(形状・寸法表)|ヤマトスチール、形鋼・角パイプの寸法・重量早見表(JIS G 3192 などをもとに作成)|スペック早見表、アングル|愛知製鋼 ステンレスカンパニー
材質の選び方:SS400・SM 材・SN 材・ステンレス
SS400 の機械的性質
装置の架台など一般の構造にいちばん多く使われるのが、JIS G 3101(一般構造用圧延鋼材)のSS400です。JIS G 3101 の表3 による機械的性質は次のとおりで、降伏点は厚さが増すと下がります。
| 厚さ(mm) | 降伏点または耐力(N/mm²) | 引張強さ(N/mm²) |
|---|---|---|
| 16 以下 | 245 以上 | 400〜510 |
| 16 を超え 40 以下 | 235 以上 | 400〜510 |
| 40 を超え 100 以下 | 215 以上 | 400〜510 |
| 100 を超えるもの | 205 以上 | 400〜510 |
JIS G 3101(2015 年版の要約ページ)表3。辺が 40 mm 未満の形鋼などは附属書 JA による。規格は改正されることがあるので、最新版で確かめてください。
出典:JIS G 3101 一般構造用圧延鋼材(2015 年版の要約ページ)
SM 材・SN 材・ステンレス形鋼
形鋼のメーカーは、SS 材のほかに、溶接構造用の JIS G 3106(SM400・SM490 など)、建築構造用の JIS G 3136(SN400・SN490 など)の形鋼も作っています(合同製鐵・東京製鐵の製品ページ)。溶接して組む架台や、建物の骨組みに使う場合は、どちらの規格が要るかを設計の基準と照らして決めます(編集部の整理)。
さびが心配な環境(食品・薬品・屋外)には、ステンレス形鋼(JIS G 4317 熱間成形ステンレス鋼形鋼)もあります。愛知製鋼は、SUS304・SUS304L・SUS316・SUS316L・SUS430 などのアングルを作っています。ステンレスの種類の選び方は技術ページ「ステンレス」、炭素鋼の鋼種は「炭素鋼・合金鋼」で説明しています。
出典:形鋼|合同製鐵、溝形鋼|東京製鐵、アングル|愛知製鋼 ステンレスカンパニー
架台・フレームの設計での選び方
強軸と弱軸:向きで曲げのかたさが変わる
H形鋼は、フランジが上下になる向き(強軸まわり)に曲げると強く、横に寝かせた向き(弱軸まわり)では弱くなります。ヤマトスチールの表では、H-200×100×5.5×8 の Ix は 1,810 cm⁴、Iy は 134 cm⁴ で、強軸のほうが約 13.5 倍たわみにくい計算です。

出典:構造設計ナビの解説をもとに AI(Claude)で作成

出典:ヤマトスチールの H形鋼の形状・寸法表をもとに AI(Claude)で作成
重さあたりのかたさで見ると、梁のように一方向に曲げるなら細幅を強軸の向きで使うと軽くでき、柱のように両方向の曲げや圧縮を受けるなら広幅が向きます(構造設計ナビの説明)。たわみは荷重・支点の間隔・ヤング率・断面二次モーメントで決まるので、表の Ix を使って計算します。
出典:H形鋼(形状・寸法表)|ヤマトスチール、H鋼の断面性能・単位重量一覧|構造設計ナビ
開いた断面はねじりに弱い
H形鋼・溝形鋼・山形鋼・リップ溝形鋼のような開いた断面は、曲げには強くても、ねじられるとゆがみやすい形です。ねじりを受ける部材や、片側だけに荷重がかかる部材には、角形鋼管のような閉じた断面にするか、ほかの部材と組んで箱の形にします(編集部の整理)。溝形鋼やリップ溝形鋼は断面が左右対称でないので、荷重のかけ方によってはねじれも生じます。
横座屈と局部座屈
長くて細い梁に大きな荷重がかかると、梁が弱軸の方向へ横に逃げるようにねじれて倒れる「横座屈」が起きることがあります。機械設計者向けの解説は、横ぶれ止め(横補剛)で防ぐとしています。木村ほか(日本建築学会構造系論文集、2018)は、柱梁接合部で反りが拘束され、連続補剛された H形鋼梁の弾性横座屈荷重の式を導いています。
また、板の幅に対して厚さが薄い(幅厚比が大きい)H形断面の梁は、早く局部座屈して曲げの耐力が下がります(松井ほか、鋼構造論文集、2025。この論文は、その耐力低下が周囲の部材の拘束でどう変わるかを調べています)。軽くしようと板の薄いサイズを選ぶときは、座屈も確かめます。座屈の考え方は 技術の基礎知識「座屈」で説明しています。
出典:H形鋼 JIS G 3192 選定ガイド|機械設計エンジニアの備忘録、木村祥裕・宮夢積・廖望「柱梁接合部により反り拘束されるH形鋼梁の横座屈荷重に及ぼす連続補剛材による座屈変形拘束効果の解明」日本建築学会構造系論文集 83巻751号(2018)、松井聡美・聲高裕治・村上竜人「幅厚比が極めて大きいH形断面梁の局部座屈による耐力劣化挙動に及ぼす軸拘束の影響」鋼構造論文集 32巻127号(2025)
形鋼を注文するときに決めること
形鋼を注文したり、図面に書いたりするときは、次の項目を決めておくと話が早く進みます(各社の製品ページをもとに編集部が整理)。
- 形と寸法:H×B×t1×t2 などを実寸法で(呼び寸法と実寸が違うサイズがある)
- 材質:SS400・SM490・SN490B・SUS304 など。溶接するか、建築の基準にかかるか
- 長さ:メーカーごとに標準の長さがある(ヤマトスチールの H形鋼は 6 m 以上 500 mm ピッチで 24 m まで、14 m 以上は事前に相談。合同製鐵の H形鋼は 6〜12 m の 1 m きざみ)
- 加工:切断・穴あけ・切り欠き・曲げ。形鋼のメーカーや流通加工の会社が受けることがある(ヤマトスチールは形鋼の切断・穴開け加工、中山製鋼所は軽量形鋼の切断・孔あけ・切り欠き加工を挙げている)
- 防錆:塗装・溶融亜鉛めっき・めっき鋼板の軽量形鋼・ステンレス。めっきは技術ページ「めっき」、腐食は 技術の基礎知識「腐食とは」
- 数量と重さ:単位質量 × 長さ × 本数で、運搬や架台の重さを見積もる(重量計算)
溶接の方法は技術ページ「溶接」、図面の溶接記号は 技術の基礎知識「溶接記号の読み方」で説明しています。
出典:H形鋼(形状・寸法表)|ヤマトスチール、会社概要|ヤマトスチール、形鋼|合同製鐵、リップ溝形鋼・軽溝形鋼|中山製鋼所
企業紹介(形鋼・鋼材の技術)
形鋼のサイズや材質、長さ、加工は、形鋼のメーカーに相談できます。相談するときは、使う場所(架台・フレーム・建物)、かかる荷重と支点の間隔、ほしい形と寸法、材質、長さと本数、加工と防錆、使う環境(屋外・食品・薬品)を整理しておくと話が早く進みます。
| 困りごと | 相談先の例 |
|---|---|
| H形鋼のサイズと長さを決めたい | H形鋼のメーカー(電炉・高炉) |
| 小さめの H形鋼や溝形鋼で架台を作りたい | 小形の形鋼をそろえるメーカー |
| 軽くて加工しやすい部材がほしい | 軽量形鋼のメーカー |
| さびない形鋼がほしい | ステンレス形鋼のメーカー |
| 切断・穴あけまでまとめて頼みたい | 加工を受けるメーカー・流通加工の会社 |
ここでは、形鋼を作る6社を紹介します。得意な種類が重ならないように選びました。
| 会社 | H形鋼 | 溝形鋼 | I形鋼 | 軽量 形鋼 | ステン レス | 加工 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| ヤマトスチールH形鋼(兵庫県姫路市) | ● | ● | ● | ● | ||
| 合同製鐵小形のH形鋼・溝形鋼(大阪市北区) | ● | ● | ||||
| 東京製鐵H形鋼・溝形鋼(東京都千代田区) | ● | ● | ● | |||
| 中山製鋼所軽量形鋼(大阪市大正区) | ● | ● | ||||
| 明治鋼業めっきの軽量形鋼(東京都千代田区) | ● | |||||
| 愛知製鋼ステンレス形鋼(愛知県東海市) | ● | ● |
●は、各社の公式サイトで扱いを確認できたものです(空欄は、扱っていないという意味ではありません)。愛知製鋼の溝形鋼はステンレスのチャンネル。社名を押すと、その会社の紹介へ移ります。
ヤマトスチール株式会社|広幅・中幅・細幅・特殊寸法の H形鋼
ヤマトスチールとは
兵庫県姫路市大津区に本社・工場を置き、2003年10月1日に大和工業株式会社から分社して創立した会社です(同社の会社概要・事業所一覧)。営業品目に、H形鋼・溝形鋼・I形鋼・H形鋼ぐい・鋼矢板・不等辺不等厚山形鋼の鋼材と、形鋼の切断・穴開け加工を挙げています。

出典:ヤマトスチールの製品ページをもとに AI(Claude)で作成
ヤマトスチールの得意技術
| 技術 | 内容 |
|---|---|
| H形鋼の4つの系列 | 広幅 150×150〜400×400、中幅 200×150〜900×300、細幅 200×100〜600×200、特殊寸法 250×125〜600×300(mm)。特殊寸法は JIS G 3101(SS400)・JIS G 3106(SM400A/B、SM490A/B) |
| 長さ | 標準長さは 6 m 以上、500 mm ピッチで 24 m まで(14 m 以上は事前に相談)。曲げ加工・ショット加工は事前に相談 |
| 寸法表 | 全サイズの断面積・単位質量・断面二次モーメントなどを製品ページに掲載 |
ヤマトスチールが解決できる課題
- 梁の高さや荷重に合う H形鋼のサイズを選びたい
- 長い材(最大 24 m)を使いたい
- 形鋼の切断・穴あけもまとめて相談したい
出典:会社概要|ヤマトスチール、事業所一覧|ヤマトスチール、H形鋼(形状・寸法表)|ヤマトスチール
合同製鐵株式会社|機械や小さな架台に使いやすい小形の H形鋼と溝形鋼
合同製鐵とは
大阪市北区梅田に本社を置き、1937年(昭和12年)12月9日に設立された会社です(同社の会社情報)。事業内容に、鋼片・線材・各種大形・中形形鋼・軌条・構造用棒鋼・鉄筋用棒鋼などを挙げています。

出典:合同製鐵の製品ページをもとに AI(Claude)で作成
合同製鐵の得意技術
| 技術 | 内容 |
|---|---|
| H形鋼(11サイズ) | 100×100・125×125・150×150・148×100・194×150・150×75・175×90・198×99・200×100・248×124・250×125。標準長さ 6〜12 m(1 m きざみ) |
| 溝形鋼(6サイズ) | 125×65〜200×90。標準長さ 5.5〜12 m |
| JIS 認証 | JIS G 3101(一般構造用)・JIS G 3106(溶接構造用)・JIS G 3136(建築構造用) |
合同製鐵が解決できる課題
- 小さめの H形鋼で装置の架台を作りたい
- 溝形鋼と H形鋼を同じメーカーでそろえたい
- 溶接構造用・建築構造用の材質がほしい
東京製鐵株式会社|電炉で作る H形鋼の幅広いサイズと溝形鋼
東京製鐵とは
東京都千代田区霞が関に本社を置き、1934年11月23日に設立された会社です(同社の会社概要)。H形鋼のページで、自社を国内の電炉メーカーの1つとして紹介しています。

出典:東京製鐵の製品ページをもとに AI(Claude)で作成
東京製鐵の得意技術
| 技術 | 内容 |
|---|---|
| H形鋼 | 細幅 100×50〜600×200、中幅 150×100〜918×303、広幅 100×100〜428×407。同社は「国内電炉メーカーとして最も多いサイズ」をそろえるとしている。主な用途は建築・土木・機械など |
| 溝形鋼 | 100×50〜380×100。JIS G 3101・G 3106・G 3114・G 3136 の各種の記号に対応 |
| ほかの建材品種 | I形鋼、特寸 H形鋼、縞 H形鋼、角形鋼管など |
東京製鐵が解決できる課題
- 小さい H形鋼(100×50 など)から大きなサイズまで選びたい
- 溝形鋼を機械の部材に使いたい
- 電炉の鋼材を使いたい
出典:会社概要|東京製鐵、H形鋼|東京製鐵、溝形鋼|東京製鐵、建材品種|東京製鐵
株式会社中山製鋼所|全国8工場で作るリップ溝形鋼・軽溝形鋼
中山製鋼所とは
大阪市大正区船町に本社・船町工場を置く会社です(同社の会社概要)。建材事業本部が、一般構造用軽量形鋼(JIS G 3350)のリップ溝形鋼と軽溝形鋼を作っています。

出典:中山製鋼所の製品ページをもとに AI(Claude)で作成
中山製鋼所の得意技術
| 技術 | 内容 |
|---|---|
| リップ溝形鋼・軽溝形鋼 | 黒皮のほか、カラー塗装(ダークグレー・ブリックレッド・ブラック)、プレめっき(溶融亜鉛)の製品がある |
| 生産 | 苫小牧・清水・辰口・名古屋・堺・田布施・丸亀・都城の各工場で生産。JIS G 3350 の認証(QA0508009) |
| 加工 | 切断・孔あけ・切り欠きなどの加工も受ける |
中山製鋼所が解決できる課題
- ラック・棚・仮設材に軽量形鋼を使いたい
- さびにくいめっき品や塗装品がほしい
- 切断・孔あけまで済ませた部材がほしい
公開されている実績・用途
- 用途として、工場・倉庫・住宅などの建築関係、農芸ハウス・鶏舎などの農業関係、ラック・棚・仮設材を挙げている
出典:会社概要|中山製鋼所、リップ溝形鋼・軽溝形鋼|中山製鋼所
明治鋼業株式会社|めっき鋼板から作る軽量形鋼と太陽光の架台用の部材
明治鋼業とは
東京都千代田区岩本町に本社を置き、1923年(大正12年)9月27日に創業、1948年(昭和23年)6月29日に設立された会社です(同社の会社概要)。亜鉛めっき鋼板、フォーミング製品(軽量形鋼)、デッキプレートなどを作っています。

出典:明治鋼業の製品ページをもとに AI(Claude)で作成
明治鋼業の得意技術
| 技術 | 内容 |
|---|---|
| 軽量リップ溝形鋼 | JIS G 3350 を取得。注文により各種のめっき鋼板で作る。寸法表に断面二次モーメントやせん断中心の位置を載せる |
| ほかの軽量形鋼 | 軽量山形鋼・軽量溝形鋼・大型軽量リップ溝形鋼・大型軽量Z形鋼・高耐食リップ溝形鋼など |
| 技術資料 | CAD データや、リップ溝形鋼の組立材の断面性能などの技術資料をダウンロードできる |
明治鋼業が解決できる課題
- 屋外の架台に、さびにくい軽量形鋼を使いたい
- 軽量形鋼の断面性能を設計に使いたい
- 太陽光の架台や農業用の施設の部材を選びたい
公開されている実績・用途
- 参考用途として、天井・壁下地、工場・倉庫の建屋、ダクト吊り材、太陽光発電の架台、植物工場、畜舎などを挙げている
出典:会社概要|明治鋼業、フォーミング製品|明治鋼業、軽量リップ溝形鋼|明治鋼業
愛知製鋼株式会社|さびに強いステンレスのアングル・チャンネル
愛知製鋼とは
愛知県東海市に本社を置く会社です(同社の会社概要)。ステンレスカンパニーが、熱間成形ステンレス鋼形鋼(JIS G 4317)のアングル・チャンネルなどを作っています。

出典:愛知製鋼の製品ページをもとに AI(Claude)で作成
愛知製鋼の得意技術
| 技術 | 内容 |
|---|---|
| アングル | 辺 20×20〜130×130、厚さ 3〜12 mm(製造できる組み合わせは表のとおり)。鋼種は SUS304・SUS304L・SUS316・SUS316L・SUS430 ほか |
| チャンネル | 高さ×辺 40×20〜200×100、厚さ 3〜10 mm。圧延品と、等辺アングルを突き合わせ溶接した溶接品がある。標準在庫は SUS304・SUS316・SUS316L |
| ほかの形 | 不等辺アングル・フラットバー・溶接H形鋼など |
愛知製鋼が解決できる課題
- 食品・薬品・屋外の架台をステンレスで作りたい
- SUS316 などの耐食性の高い鋼種の形鋼がほしい
- 小さいサイズのステンレスアングルがほしい
出典:会社概要|愛知製鋼、アングル|愛知製鋼 ステンレスカンパニー、チャンネル|愛知製鋼 ステンレスカンパニー
よくある質問
- H鋼と H形鋼は同じものですか?
- 同じものです。JIS G 3192 の名前は「H形鋼」で、「H鋼」「H型鋼」とも呼ばれます(編集部の整理)。
- H-200×100×5.5×8 の数字の意味は?
- 高さ 200 mm × 幅 100 mm × ウェブの厚さ 5.5 mm × フランジの厚さ 8 mm です(H形鋼の呼び方と寸法)。
- H形鋼の重さはどう計算しますか?
- 断面積(cm²)× 0.785 で 1 m あたりの質量(kg/m)を出し、長さと本数を掛けます。H-200×100×5.5×8 は 26.67 × 0.785 ≒ 20.9 kg/m です(鋼材の重量計算)。
- 鋼材の 0.785 とは何の数ですか?
- 断面積 1 cm²・長さ 1 m の鋼の質量(kg)で、JIS G 3192 の基本質量です。鋼の密度 7.85 g/cm³ から来ています。
- アングルとチャンネルの違いは?
- アングル(山形鋼)は L 字、チャンネル(溝形鋼)はコの字の形鋼です(山形鋼・溝形鋼・リップ溝形鋼の違い)。
- Cチャンネルと溝形鋼は同じですか?
- 違います。溝形鋼は熱間圧延の厚い形鋼(JIS G 3192)、Cチャンネル(リップ溝形鋼)は鋼板を曲げて作る軽量形鋼(JIS G 3350、厚さ 1.6〜6.0 mm)で、フランジの先を内側に折り返しています。
- H形鋼と I形鋼の違いは?
- H形鋼はフランジの内側と外側が平行、I形鋼はフランジの内側に傾きがあります(H形鋼と I形鋼の違い)。
- SS400 の強さは?
- JIS G 3101 では、引張強さ 400〜510 N/mm²、降伏点は厚さ 16 mm 以下で 245 N/mm² 以上(厚いほど低い)です(SS400 の機械的性質)。
- 広幅・中幅・細幅はどう使い分けますか?
- 細幅は強軸まわりの値が大きく梁に、広幅は弱軸の値も大きく柱に向きます(3つの系列)。
- 架台の梁がたわむときは?
- H形鋼の向き(強軸で使っているか)、サイズ(Ix)、支点の間隔を見直します。ねじれるなら閉じた断面や箱組みにします(強軸と弱軸)。
回答は、このページの出典をもとに編集部がまとめたものです。
関連する技術・ページ
- 断面二次モーメント
- 座屈
- 応力とひずみ
- 安全率
- 炭素鋼・合金鋼
- ステンレス
- 板金・プレス加工
- 溶接
- 溶接記号の読み方
- めっき
- 腐食とは
- 薄く軽くすると強度が足りない
- 鉄をアルミ・樹脂・複合材に替えて軽くしたい
- 溶接・成形で歪む・反る
出典・確認日
- JIS G 3192 熱間圧延形鋼の形状,寸法,質量及びその許容差(2014 年版の要約ページ)
- JIS G 3350 一般構造用軽量形鋼(2017 年版の要約ページ)
- 形鋼・角パイプの寸法・重量早見表(JIS G 3192 などをもとに作成)|スペック早見表
- JIS G 3101 一般構造用圧延鋼材(2015 年版の要約ページ)
- H形鋼(形状・寸法表)|ヤマトスチール
- H鋼の断面性能・単位重量一覧|構造設計ナビ
- 建材品種|東京製鐵
- 軽量リップ溝形鋼|明治鋼業
- アングル|愛知製鋼 ステンレスカンパニー
- 形鋼|合同製鐵
- 溝形鋼|東京製鐵
- H形鋼 JIS G 3192 選定ガイド|機械設計エンジニアの備忘録
- 木村祥裕・宮夢積・廖望「柱梁接合部により反り拘束されるH形鋼梁の横座屈荷重に及ぼす連続補剛材による座屈変形拘束効果の解明」日本建築学会構造系論文集 83巻751号(2018)
- 松井聡美・聲高裕治・村上竜人「幅厚比が極めて大きいH形断面梁の局部座屈による耐力劣化挙動に及ぼす軸拘束の影響」鋼構造論文集 32巻127号(2025)
- 会社概要|ヤマトスチール
- リップ溝形鋼・軽溝形鋼|中山製鋼所
- 事業所一覧|ヤマトスチール
- 会社情報|合同製鐵
- 会社概要|東京製鐵
- H形鋼|東京製鐵
- 会社概要|中山製鋼所
- 会社概要|明治鋼業
- フォーミング製品|明治鋼業
- 会社概要|愛知製鋼
- チャンネル|愛知製鋼 ステンレスカンパニー
※製品名・会社名は各社の商標または登録商標です。本ページでは数値と事実だけを要約し、各社の文章・図は転載していません。JIS の内容は規格の要約ページで確かめた範囲で、規格票そのものではありません(規格は改正されることがあります)。
※アイキャッチ画像は、AI(ChatGPT)で生成したイメージです。実在の製品ではありません。図はAI(Claude)で作成した概念図です。
情報の確認日:2026年10月30日 本ページの内容は一般的な情報です。構造物・架台の設計は、適用される基準と、メーカーの最新の寸法表・資料に従ってください。各社の製品・サービスは、その会社の公開情報をもとに紹介しています。

