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金型とは(種類・構造・材料・寿命・費用):プレス金型と射出成形金型のしくみ

金型とは、材料を押しつけたり流し込んだりして、同じ形の製品をくり返し作るための型です。

金型とは(種類・構造・材料・寿命・費用):プレス金型と射出成形金型のしくみ
8件解決できる課題
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36件出典

金型とは(種類・構造・材料・寿命・費用):プレス金型と射出成形金型のしくみ

型を開いた射出成形金型の断面のイラスト。左の固定側にカップ形の凹み(キャビティ)とスプルー、右の可動側にコアとエジェクタピンがあり、成形したカップがピンで押し出されている(AI で生成したイメージ)

コストダウン品質の安定信頼性・長寿命加工・成形プレス・板金樹脂成形金属摩耗自動車・モビリティ半導体・電子機器食品・飲料・包装

金型とは、材料を押しつけたり流し込んだりして、同じ形の製品をくり返し作るための型です。主に金属でできていて、日本金型工業会は金型の品質が製品の良し悪しを決めるので「製品の産みの親」ともいわれると説明しています。板を抜く・曲げるプレス金型、溶けた樹脂を流し込む射出成形金型、溶けたアルミを流し込むダイカスト金型など、加工のしかたごとに種類があり、どれも大量の製品を、同じ寸法で速く作るために使います。

この記事では、金型の意味と種類、プレス金型と射出成形金型の構造と各部の名前、設計のときに決めること(抜き勾配・クリアランス)、金型の材料と硬さ、寿命と傷み方、金型ができるまでの流れと費用の目安を、図と表で順に説明し、金型と金型の材料・部品・つくる機械を扱う6社を紹介します。

知りたいことから読む

目次

金型とは

金型とは:製品を同じ形でくり返し作る型

日本金型工業会は、金型を材料の塑性(変形しやすさ)や流動性(流れやすさ)を利用して成形加工し、製品を得るための型の総称と説明しています。辞書(デジタル大辞泉)では「金属製の鋳型。また、プラスチック成型・プレス加工に用いる金属製の型」とされ、日本国語大辞典は、プレス加工に使うものを「上下一対になった金属製の型」としています。ウィキペディアは、工業製品の部品を塑性加工や射出成形などで作るための型で、多くは金属製だが例外もあるとしています。

出典:金型って?|日本金型工業会、金型|コトバンク(デジタル大辞泉・日本国語大辞典ほか)、金型|ウィキペディア

オス型とメス型、固定側と可動側

金型はふつう、2つの型を合わせて使います。出っぱった側を雄型(コア)、へこんだ側を雌型(キャビティ)と呼び、射出成形機に取り付けるときは、キャビティ側を固定側、コア側を可動側にします(ウィキペディア「金型」)。プレス金型では、下型の受けをダイ、上型の工具をパンチと呼ぶ場合があります(モノト)。

出典:金型|ウィキペディア、金型とは?大量生産に欠かせない金型の種類・材質・用語|モノト

なぜ金型を使うのか

金型は作るのに費用と時間がかかりますが、一度できれば同じ形の部品を短い時間で、くり返し作れます。そのため、自動車・家電・スマートフォン・容器など、たくさん作る製品の部品の多くが金型で作られています(編集部の整理)。反対に、数が少ないときは金型の費用を部品の数で割ると高くなるので、切削加工や3Dプリンターで作る方法も選ばれます(編集部の補足)。アルミや亜鉛合金で作る簡易金型は、製作の費用が安い一方、耐久性が低く、作れる数が限られ、量産には転用できない、とモノトは説明しています。試作の方法の選び方は技術「試作」で説明しています。

出典:金型とは?大量生産に欠かせない金型の種類・材質・用語|モノト

金型の種類

金型の8つの種類(日本金型工業会の分類)

日本金型工業会は、金型を加工する材料と加工のしかたで8つに分けています。

種類何を作るか・加工のしかた(日本金型工業会)このサイトの関連ページ
プレス用金型金属の板を抜く・曲げる・絞る・圧縮する板金・プレス加工
鍛造用金型熱間・冷間で金属をたたいて形を作る鍛造
鋳造用金型シェルモールド・ロストワックス・重力鋳造・圧力鋳造など精密鋳造
ダイカスト用金型アルミ合金・亜鉛合金を型に流し込むダイカスト
プラスチック用金型射出・圧縮・移送・吹込・真空成形など射出成形
ガラス用金型押型・吹型—
ゴム用金型ゴム製品の成形合成ゴム
粉末冶金用金型金属の粉を押し固める粉末冶金・MIM

ウィキペディア「金型」は、開いた形で強い力をかけるダイ(プレス金型・鍛造型など)と、閉じた空間に材料を入れるモールド(射出成形型・ダイカスト型・ゴム型など)に分ける見方も紹介しています。

出典:金型って?|日本金型工業会、金型|ウィキペディア

プレス金型でする3つの基本の加工

プレス金型の加工は、板から形を切り抜く「抜き」、折り曲げる「曲げ」、平らな板を容器の形にする「絞り」が基本です(日本金型工業会の分類の「抜く・曲げる・絞る」)。1つの部品を作るのに、これらを何回か組み合わせます。

抜き・曲げ・絞りの3つのプレス加工を、パンチとダイと板の断面で左右に並べた図
図1 プレス金型でする3つの基本の加工
出典:モノト・MONOist のプレス加工の解説と日本金型工業会の分類をもとに AI(Claude)で作成

出典:金型って?|日本金型工業会、金型とは?大量生産に欠かせない金型の種類・材質・用語|モノト

プレス金型の方式:単発・順送・トランスファ

工程が多い部品は、金型の並べ方で作り方が変わります。モノトと MONOist の解説をもとに整理すると、次のとおりです。

方式しくみ向いている場面(編集部の整理)
単発型(単能型)1つの型で1つの加工をする数が少ない・工程が少ない部品
複合型2〜3工程(抜きと絞り、抜きと曲げなど)を1つの型にまとめる(モノト)工程を減らしたいとき
順送型1つの型に複数の工程(ステージ)を並べ、コイル材を1ピッチずつ送る。生産性がいちばん高い(モノト)小さな部品を速く大量に作るとき
トランスファ型単能型を並べて搬送・位置決めの機構を加え、型の間で部品を運ぶ。加工の高さを取れるので、順送型では難しい絞り加工ができる(モノト)深い絞りのある部品
タンデムプレス機を並べ、ロボットで部品を運ぶ(MONOist)自動車のボディなど大きな部品
帯板の上に、パイロット穴、外形の一部の抜き、穴あけ、曲げ、切り離しの5つの工程が左から右へ順に並んだ順送型の図
図2 順送型の工程の例
出典:モノト・MONOist の順送型の解説をもとに AI(Claude)で作成

出典:金型とは?大量生産に欠かせない金型の種類・材質・用語|モノト、金属板を切る・抜く・曲げる(プレス加工の方式)|MONOist

金型の構造と各部の名前

プレス金型の構造

プレス金型は、上型(パンチ側)と下型(ダイ側)を、ガイドポストで位置を合わせて組んだものです。モノトの用語の解説では、パンチに張り付いた製品を払い取るストリッパ、金型を固定する器具で上下をガイドポストでつなぐダイセット、絞りのしわを押さえるしわ押さえ、パイロットピンなどの部品があります(パイロットピンは順送型で帯板の位置を合わせるのに使います。編集部の補足)。

上型のパンチホルダにパンチがあり、ばねで支えたストリッパーが板を押さえ、下型のダイの穴へパンチが入って板を抜くプレス金型の断面図。左右にガイドポストとブッシュ
図3 プレス金型(抜き型)の構造
出典:モノトの金型の用語の解説(プレス金型の部品)をもとに AI(Claude)で作成

出典:金型とは?大量生産に欠かせない金型の種類・材質・用語|モノト

射出成形金型の構造

射出成形金型は、固定側(キャビティ)と可動側(コア)の間のすき間に、溶けた樹脂を押し込んで固める型です。プロテックの解説には、キャビティ(凹部)・コア(凸部)・型板・取り付け板・ガイドピン・スプルー・ランナー・ゲート・エジェクタピン・冷却回路・パーティングライン・抜き勾配といった用語が並んでいます。

部分役目(編集部の整理)
スプルー成形機のノズルから入った樹脂の、最初の通り道
ランナースプルーから、それぞれのキャビティへ樹脂を分ける通り道
ゲートキャビティの入口。細く絞ってあり、成形品から切り離す所
キャビティとコア合わせたすき間が成形品の形になる
冷却回路(冷却水の穴)型の温度を一定に保ち、樹脂を早く固める
エジェクタピン型が開いたあと、成形品を押し出す
パーティングライン(PL)固定側と可動側の合わせ目。成形品に線が残る
固定側と可動側を閉じた射出成形金型の断面図。スプルーから入った樹脂がランナーとゲートを通って2つのカップ形のすき間に入り、可動側のエジェクタピンと冷却水の穴が見える
図4 射出成形金型(2個取り)の構造
出典:プロテックの金型の解説とウィキペディア「金型」(射出成形金型の各部の名前)をもとに AI(Claude)で作成

出典:金型とは?種類・構造・製作の流れ|プロテック、金型|ウィキペディア

ランナーとゲート、ホットランナー

MONOist の解説では、スプルーブッシュの形は成形機のノズルの仕様で決まり、ノズル先端の R よりスプルー側をわずかに大きくします。ランナーの断面は流れの抵抗が小さく加工もしやすい円形が理想で、長さはできるだけ短くします。ランナーの樹脂は製品にならないので、ノズルの中のヒーターで樹脂を溶けたまま保つホットランナーを使うと材料のむだが減り、採用が増えています(ウィキペディア「射出成形」)。ゲートの位置と成形不良(ウェルドライン・ひけ・ショートショット)の関係は課題「射出成形の外観不良を減らしたい」で説明しています。

出典:ランナー&ゲート形状のいろいろ|MONOist、射出成形|ウィキペディア

金型を使う部品の設計で決めること

抜き勾配:1度以上が目安

成形品を型から抜くために、側面を少し傾けておくのが抜き勾配です。MONOist「成型部品設計のツボ」では、キャビティ側は1度以上、コア側は1度以上、ボス・リブは0.5度以上が目安とされ、肉厚は1.5〜3.5 mmが目安です。どちらも材料や大きさで変わると注記されています。表面に模様(シボ)を付けるときは、模様の深さに合わせて勾配を大きくします(編集部の補足)。

勾配のないカップ形の成形品と、側面を傾けた成形品をコアに付いた断面で比べ、右に抜き勾配の目安の表を置いた図
図5 抜き勾配の目安
出典:MONOist「成型部品設計のツボ」の抜き勾配の目安をもとに AI(Claude)で作成

出典:成型部品設計のツボ(抜き勾配・肉厚の目安)|MONOist

抜きのクリアランス:切り口を見て決める

抜き型では、ダイの穴をパンチより少し大きくし、そのすき間をクリアランスと呼びます。アマダの板金基礎講座では、クリアランスの適正値は板厚とせん断抵抗に比例し、適正かどうかは切断面を見て判断するとしています。切り口の形・バリの出方・板金の設計のしかたは技術「板金・プレス加工」で説明しています。

出典:板金基礎講座(クリアランス)|アマダ(イプロス)

金型に合わせた形にすると、型も部品も安くなる

アンダーカット(型を開く向きに抜けない引っかかり)があると、スライドなどの動く部品が金型に要り、型が高く・壊れやすくなります。肉厚をそろえる、角に丸みを付ける、型の開く向きに抜ける形にすると、型の費用が下がり、成形品のひけ・反りも減ります(編集部の整理)。加工しやすい形の考え方は課題「加工しやすい形状にしたい」で説明しています。

金型の材料と寿命

金型の材料と硬さ

金型の材料は工具鋼が標準で、ダイス鋼・高速度工具鋼が主流です。冷間鍛造のパンチなどには超硬合金も一部で使われ、ダイカスト型には熱間工具鋼が使われます(ウィキペディア「金型」)。プロテリアルの技術資料では、冷間プレスの抜き(小物・順送)は 58〜62 HRC、薄板の抜きは 55〜60 HRC、曲げ・絞りは 58〜62 HRC、冷間鍛造はパンチ(雄型)58〜63 HRC・ダイ(雌型)55〜60 HRC が標準の硬さです。熱い材料に触れる型は、アルミのダイカスト型で 41〜51 HRC、アルミの押出ダイスで 45〜49 HRC と低めです。

冷間プレスの抜き・曲げ・冷間鍛造が55〜63HRC、プラスチック金型のプリハードン鋼が30〜45HRC、アルミのダイカスト型が41〜51HRCなど、用途ごとの硬さの範囲を横棒で並べた図
図6 金型の用途ごとの標準の硬さ
出典:プロテリアルの冷間・熱間工具鋼の技術資料とプリハードン鋼の解説をもとに AI(Claude)で作成

出典:金型|ウィキペディア、冷間加工用工具鋼(技術情報)|プロテリアル、熱間加工用工具鋼(技術情報)|プロテリアル

プラスチック金型のプリハードン鋼

プリハードン鋼は、焼入れ・焼戻しを済ませた状態で出荷される鋼で、金型用は 30〜45 HRC 程度に調整されています。JIS の規格はなく、各社の名前で売られています。機械加工のあとに熱処理が要らないので、工程と納期を減らせます(プロテリアル)。

鋼種(プロテリアルの例)硬さ特徴(同社の説明)
HPM137〜41 HRC削りやすい汎用
HPM3829〜33 HRC13Cr 系のステンレスで、さびにくく鏡面にしやすい。焼入れ・焼戻しで 50〜55 HRC
NAK55・NAK8037〜43 HRC時効硬化型で熱処理で硬さを上げられない。NAK80 は耐摩耗性・ねばりが高く、細かい鏡面にできる(削りやすさは NAK55 より低い)

出典:プリハードン鋼とは|プロテリアル

金型の寿命:ショット数で考える

金型の寿命は、何回成形できるか(ショット数)で考えます。テクノラボの解説では、プラスチック成形の標準の型は一般に10万ショット(定期の手入れが前提)、焼入れした高耐久の型は世界の一般的な基準で30万ショットですが、日本の現場では最低100万ショットの保証を求められることが多いとされています。必要なショット数は、製品の生産数から先に決めておくと、型の材料と費用を選びやすくなります(編集部の整理)。

標準の型10万ショット、高耐久の型30万ショット、日本でよく求められる保証100万ショット、場合によって300万ショットを対数目盛の横棒で並べた図
図7 プラスチック金型の寿命の目安
出典:テクノラボのプラスチック成形の金型の解説(寿命の区分)をもとに AI(Claude)で作成

出典:プラスチック成形の金型(寿命で分ける種類)|テクノラボ

金型の傷み方と、長持ちさせる表面処理

使う回数が増えると、金型には摩耗・変形・破壊が起き、対策として無電解ニッケルめっき・PVD・CVD などの表面処理が使われます(ウィキペディア「金型」)。ダイカスト金型では、熱い溶湯と冷却のくり返しで表面に細かい割れ(ヒートチェック)が出ます。日原ほか(精密工学会誌、1989年)は、ダイカスト金型の表面の応力が、試験前は大きな圧縮だったのが、約100ショットまでに引張へ急に変わることを報告しています。同じグループの研究(1991年)は、CVD で被膜を付けた熱間金型鋼を比べ、アルミの溶湯の中で TiC と TiC-TiN の被膜が削られにくく、熱疲労では TiN と TiC-TiCN-TiN の割れの数が少なかったとしています。森ほか(鋳造工学、2017年)は、実際の金型の損傷を観察し、CAE を適用して金型の表面のヒートクラックを検討しています。

金型の刃先が丸くなる摩耗、刃先が欠けるチッピング、材料が型にくっつくかじり、表面に網目状の割れが出るヒートチェックの4つを並べた図
図8 金型の主な傷み方
出典:ウィキペディア「金型」と精密工学会誌・鋳造工学の論文の抄録(傷み方の分類は編集部の整理)をもとに AI(Claude)で作成

出典:金型|ウィキペディア、日原・藤原・向山・緒方:ダイカスト金型鋼に関する研究(第1報)金型と試料の残留応力測定(精密工学会誌 55巻10号、1989年)|J-STAGE、日原・藤原ほか:ダイカスト金型鋼に関する研究(第4報)CVD処理熱間金型鋼の熱疲労特性(精密工学会誌 57巻1号、1991年)|J-STAGE、森ほか:ダイカスト金型表面に発生するヒートクラックに対する CAE の適用(鋳造工学 89巻12号、2017年)|J-STAGE

寿命を延ばす具体的な方法(材料の選び直し・表面処理・再研削)は課題「金型・工具の寿命を延ばしたい」、かじりの対策は課題「ねじ・摺動部の焼付き・かじりを防ぎたい」、型の表面の結露は課題「機械・配管・金型の表面の結露を防ぎたい」で説明しています。

金型ができるまでと費用

金型ができるまでの流れ

CREX の解説では、金型づくりは次の7つの段階で進みます。

  1. 打ち合わせ・見積もり
  2. 金型設計
  3. CAM プログラミング
  4. 機械加工(切削・放電加工など)
  5. 仕上げ・組み立て
  6. トライアウト(試作)・調整
  7. 納品・量産

期間の目安は、設計1週間〜1か月、加工2週間〜2か月、調整1週間〜1か月で、簡単なもので1か月ほど、複雑・大型のもので3か月〜半年以上です(CREX)。金型の加工に使う放電加工は技術「放電加工」、切削は技術「切削加工」で説明しています。

出典:金型製作の流れと費用・期間|CREX

費用と期間の目安

CREX は、費用の相場の目安を、プレス金型で数万円(簡単な単発型)〜数千万円(大きな順送型)、プラスチック金型で数十万円〜数千万円、鍛造で数十万円〜数百万円以上、鋳造で数十万円〜数千万円などとしています。費用の内訳では加工費がいちばん大きいことが多いとしています。

プレス・プラスチック・鍛造・鋳造・ゴム・ガラスの金型の費用の目安の幅を、1万円から1億円までの対数目盛の横棒で並べた図
図9 金型の費用の目安
出典:CREX の金型製作の解説(費用の相場の目安)をもとに AI(Claude)で作成

出典:金型製作の流れと費用・期間|CREX

見積もりを頼む前に整理すること

金型の見積もりは、次のことが決まっていると早く正確になります(編集部の整理)。

  • 部品の図面か 3D データ(材料・寸法・公差・表面の仕上げ)
  • 生産数(月・年・製品の寿命までの合計)と、必要なショット数
  • 1回で何個作るか(取り数)、使う成形機・プレス機の大きさ
  • 製品の寸法で特に大事な所(合わせ面・はめあい)
  • 納期と、試作・トライの回数
  • 金型の持ち主・保管・手入れをどちらがするか

企業紹介(金型の技術)

金型の相談先は、作りたい部品の加工のしかたで変わります。

困りごと相談先の例
樹脂の部品を量産する金型がほしい射出成形金型のメーカー
金属の板の部品を速く大量に作りたいプレス金型・順送プレスのメーカー
アルミの複雑な部品を鋳物で作りたいダイカスト金型・鋳造型のメーカー
金型の寿命・割れ・鏡面が困る金型用の鋼のメーカー
パンチ・ガイドなどの部品を替えたい・そろえたい金型の標準部品のメーカー
成形のサイクルを冷却で短くしたい金属3Dプリンターで冷却水管を入れた金型をつくるメーカー

ここでは、金型と、金型の材料・部品・つくる機械を扱う6社を紹介します。得意な分野が重ならないように選びました。

会社射出成形
金型
プレス
金型
ダイカスト
金型
金型の
材料
金型の
部品
金属3D
プリンター
不二精機精密・多数個取りの射出成形金型(大阪市中央区)●
豊栄金属工業精密プレス金型と順送プレス(大阪府守口市)●
斎藤金型製作所鋳造型・アルミダイカスト型(三重県桑名市)●
大同特殊鋼金型用の工具鋼(名古屋市東区)●
パンチ工業プレス・プラスチック金型の部品(東京都品川区)●
松浦機械製作所金型をつくる金属3Dプリンター(福井県福井市)●

●は、各社の公式サイトで扱いを確認できたものです(空欄は、扱っていないという意味ではありません)。社名を押すと、その会社の紹介へ移ります。

不二精機株式会社|医療機器・食品容器の部品をつくる精密金型と多数個取り金型

不二精機とは

大阪市中央区瓦町に本社を置く会社です(同社の会社概要)。金型事業部で、プラスチック部品用の精密金型と、1つの金型で複数の成形品を作る多数個取り金型を扱っています。

白・赤・青・金色の樹脂のキャップやスパウトなど、容器のふた部品が並んだ写真
不二精機の金型事業部のページに載っている、樹脂のキャップ類の写真(出典:不二精機)

不二精機の得意技術

技術内容
精密金型プラスチック部品用の精密金型。品質を落とさず1個あたりの単価を30%下げた事例を同社は紹介
多数個取り金型1つの金型で複数の成形品を作る。2台で行っていた成形を1台でできるようになった、という顧客の声を同社は紹介

不二精機が解決できる課題

  • 樹脂の部品を、1個あたり安く大量に作りたい
  • 成形機の台数を減らしたい(取り数を増やす)
  • 医療機器・食品容器など、精度のいる樹脂部品の金型がほしい

公開されている実績・用途

  • 医療機器、自動車部品、食品容器、飲料用キャップ(同社の金型事業部のページ)

出典:会社概要|不二精機、金型事業部(精密金型・多数個取り金型)|不二精機、精密金型製作事例|不二精機

豊栄金属工業株式会社|精密プレス金型を自社でつくり、順送プレスで量産

豊栄金属工業とは

大阪府守口市菊水通に本社を置く会社です(同社の会社概要)。事業は、プレス用の精密金型の設計・製作と、金属部品のプレス加工です。

豊栄金属工業のプレス機のトン数ごとの台数(3トン10台、20トン11台、25トン1台、40トン3台、45トン4台、80トン1台)を横棒で並べ、金型をつくる設備を書き添えた図
図10 豊栄金属工業のプレス機と金型の設備
出典:豊栄金属工業の事業内容のページ(設備一覧)をもとに AI(Claude)で作成

豊栄金属工業の得意技術

技術内容
単発プレスと順送プレス順送プレスは、複雑な形を1回のプレスで加工できる、と同社は説明
金型をつくる設備ワイヤーカット放電加工機3台・細穴放電加工機1台・CAD/CAM 3台
短い納期350 W の YAG レーザー溶接機も持つ。緊急のときは最短1日で完成品を届ける、と同社は案内

豊栄金属工業が解決できる課題

  • 小さな金属の板の部品を、順送プレスで大量に作りたい
  • 金型の設計からプレス加工までまとめて頼みたい
  • 取引先の廃業などで、既存の金型の生産を移したい

公開されている実績・用途

  • AV 機器、モバイル・DSC 部品、PC 部品、航空機部品、リチウムイオン電池の端子・電極、ECU 用バスバー、各種ブラケット、EV 部品(同社の事業内容)
  • サプライヤーの廃業で生産の移管を求められたとき、既存の金型を少し改造して流用し、少ない設備投資で移した事例を同社は掲載

出典:会社概要|豊栄金属工業、事業内容(精密金型・順送プレス・設備)|豊栄金属工業

斎藤金型製作所|鋳造型・アルミダイカスト型を、3D 設計と三次元測定でつくる

斎藤金型製作所とは

三重県桑名市多度町に本社を置く会社です(同社の会社概要)。鋳造型とアルミダイカスト型の設計・製作をしていて、取引先に豊田自動織機・アイシン高丘・エフ・シー・シーを挙げています。

ダイカスト金型の三次元測定の結果を色分けで示した画面
斎藤金型製作所のトップページに載っている、金型の三次元測定の画面(出典:斎藤金型製作所)

斎藤金型製作所の得意技術

技術内容
設計PTC Creo で 2D から 3D の設計へ移行
加工CAM は CAM-TOOL と Autodesk FeatureCAM。マシニングセンターなどの設備は同社の主要設備のページに掲載
検査接触式・非接触式の三次元測定(設備は Mitutoyo・FARO・KEYENCE の機器)

斎藤金型製作所が解決できる課題

  • アルミの複雑な部品を、ダイカストで作る金型がほしい
  • 鋳造型を 3D データから設計してほしい
  • 金型の寸法を三次元測定で確かめてほしい

出典:会社概要|斎藤金型製作所、トップページ(設計・CAM・検査)|斎藤金型製作所、主要設備|斎藤金型製作所

大同特殊鋼株式会社|鍛造・ダイカスト・プラスチック用の金型の鋼

大同特殊鋼とは

名古屋市東区東桜に本社を置く特殊鋼のメーカーです(同社の会社概要)。工具鋼・金型材料のページでは、鍛造金型用の熱間工具鋼、ダイカスト用の熱間工具鋼、ホットスタンプ用鋼、冷間工具鋼、プラスチック金型用鋼に分けて製品を載せています。

大同特殊鋼の得意技術

技術内容
DHA-GIGA型締力 6000 t を超える超大型ダイカスト(ギガキャスト)の金型用。焼入れ性は SKD61 の約4倍で、金型の中心部の遅い冷却(0.5〜3.0 ℃/min)でも高いねばりが得られる、と同社は説明(同社の試験の代表値で保証値ではない)
プラスチック金型用鋼NAK80、高硬度・鏡面・耐食の S-STAR など
ほかの区分鍛造金型用・ダイカスト用の熱間工具鋼、冷間工具鋼、ホットスタンプ用鋼

大同特殊鋼が解決できる課題

  • 大きなダイカスト金型の割れ・寿命が困る
  • 鏡面・さびにくさのいるプラスチック金型の鋼を選びたい
  • 鍛造・プレスの金型の鋼を選び直したい

出典:会社概要|大同特殊鋼、工具鋼・金型材料|大同特殊鋼、DHA-GIGA(超大型ダイカスト金型用鋼)|大同特殊鋼

パンチ工業株式会社|パンチ・ダイ・ガイドなど、金型の標準部品

パンチ工業とは

東京都品川区南大井に本社を置く会社です。事業は、金型部品、自動化装置とその周辺部品、特注の機械部品の製造・販売です(同社の会社概要)。

パンチ工業の得意技術

技術内容
プレス金型部品カタログに取り扱いアイテムの一例として30項目。パンチ・ブロックパンチ・ボタンダイ・精密級のパンチとダイ・超硬パンチ・ガススプリング・ダイセット用のガイドポストとブシュ・カムユニットなど
プラスチック金型部品プラスチック金型用の部品のカタログも持つ

パンチ工業が解決できる課題

  • 金型のパンチ・ダイを、標準部品で早くそろえたい
  • ガイドポスト・ブシュなど、型の位置合わせの部品を選びたい
  • 超硬のパンチで寿命を延ばしたい

出典:会社概要|パンチ工業、プレス金型部品(カタログ)|パンチ工業、プラスチック金型部品(カタログ)|パンチ工業

株式会社松浦機械製作所|3次元の冷却水管を入れた金型をつくる金属3Dプリンター LUMEX

松浦機械製作所とは

福井県福井市東森田に本社工場を置く会社です(同社の会社概要)。金属の粉をレーザーで固めて積む造形と、切削を1台で組み合わせた金属3Dプリンター LUMEX を作っています。

松浦機械製作所のLUMEXで金型を作ったときの短縮の割合(射出成形のサイクル33%、金型製作の時間50%、設計53%、CAM処理90%、後加工83%)を横棒で並べた図
図11 松浦機械製作所 LUMEX の金型製作の例(設計・CAM・後加工の内訳は、深いリブの多い金型の例)
出典:松浦機械製作所の LUMEX の金型製作ソリューションのページをもとに AI(Claude)で作成

松浦機械製作所の得意技術

技術内容
3次元の冷却水管金型の中に冷却水管を自由に配置でき、射出成形のサイクルを33%短く、金型製作の時間を全体で50%減らせた、と同社は説明(LUMEX Avance-25、マツウラマルエージングⅡの例)
LUMEX Avance-25造形の大きさ W256×D256×H300 mm(ベースプレートの厚みを含む)、レーザー 500 W(1 kW はオプション)
LUMEX Avance-60W600×D600×H500 mm、1 kW のファイバーレーザー

松浦機械製作所が解決できる課題

  • 成形のサイクルを、金型の冷却で短くしたい
  • 冷却水管を穴あけでは通せない形の金型をつくりたい
  • 金型の設計・加工の時間を減らしたい

出典:会社概要|松浦機械製作所、LUMEX 金型製作ソリューション|松浦機械製作所、LUMEX Avance-25|松浦機械製作所、LUMEX Avance-60|松浦機械製作所

よくある質問

金型とは、わかりやすく言うと?
同じ形の製品をくり返し作るための、金属でできた型です。板を押しつけて抜く・曲げる型や、溶けた樹脂・金属を流し込む型があります(金型とは)。
金型にはどんな種類がありますか?
日本金型工業会は、プレス用・鍛造用・鋳造用・ダイカスト用・プラスチック用・ガラス用・ゴム用・粉末冶金用の8つに分けています(金型の8つの種類)。
順送型とは?
1つの金型に複数の工程を並べ、帯板を1ピッチずつ送って加工する型です。小さな部品を速く大量に作るのに向きます(プレス金型の方式)。
キャビティとコアの違いは?
キャビティはへこんだ側(雌型)、コアは出っぱった側(雄型)です。射出成形ではキャビティ側を固定側、コア側を可動側にします(オス型とメス型)。
抜き勾配は何度にすればよいですか?
MONOist の目安では、キャビティ側・コア側は1度以上、ボス・リブは0.5度以上です。材料と大きさで変わります(抜き勾配)。
金型の材料は何が多いですか?
工具鋼が標準で、ダイス鋼・高速度工具鋼が主流です。冷間鍛造のパンチなどには超硬合金も一部で、ダイカスト型には熱間工具鋼、プラスチック金型にはプリハードン鋼が使われます(金型の材料と硬さ)。
金型の寿命はどれくらいですか?
プラスチック金型では、標準の型で一般に10万ショット、高耐久の型で30万ショット。日本では最低100万ショットの保証を求められることが多い、とされています(金型の寿命)。
金型の費用と納期は?
CREX の目安では、プレス金型は数万円〜数千万円、プラスチック金型は数十万円〜数千万円。期間は簡単なもので1か月ほど、複雑・大型で3か月〜半年以上です(費用と期間の目安)。

回答は、このページの出典をもとに編集部がまとめたものです。

出典・確認日

※製品名・会社名は各社の商標または登録商標です。本ページでは数値と事実だけを要約し、各社の文章・図は転載していません。写真は各社の公式サイトの画像で、出典をキャプションに記載しています。

※アイキャッチ画像は、AI(ChatGPT)で生成したイメージです。実在の製品ではありません。図はAI(Claude)で作成した概念図です。

情報の確認日:2026年10月31日 本ページの内容は一般的な情報です。費用・期間・寿命・硬さは出典の目安で、実際の値は部品と条件で変わります。各社の製品・サービスは、その会社の公開情報をもとに紹介しています。

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