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グリース・固体潤滑(潤滑剤の選び方)

グリースは、潤滑油(基油)に増ちょう剤を分散させて半固体にし、添加剤を加えたものです(NSK)。

グリース・固体潤滑(潤滑剤の選び方)
7件解決できる課題
5社紹介している企業
34点図と写真
32件出典

グリース・固体潤滑(潤滑剤の選び方)

玉軸受を切り開いて玉のまわりにグリースが入っている様子と、グリースの中の増ちょう剤の繊維が油の粒を抱えている拡大図、固体潤滑の被膜を付けた金属のブロックを描いたイラスト(AI で生成したイメージ)

信頼性・長寿命高性能化摩擦・摩耗摩擦と潤滑摩耗摺動材料機能性材料軸受(ベアリング)直動部品減速機・歯車産業機械・ロボット

グリースは、潤滑油(基油)に増ちょう剤を分散させて半固体にし、添加剤を加えたものです(NSK)。軸受・歯車・摺動部に塗るだけで長く潤滑でき、NSK は転がり軸受の80%にグリースが使われているとしています。固体潤滑は、二硫化モリブデン・グラファイト・PTFE などの固体で摩擦面に滑りやすい膜を作る方法で、油膜が切れやすい高温・高荷重・衝撃の条件や、真空の中で効くとされます(住鉱潤滑剤)。

出典:9.1 グリース潤滑(ベアリングのABC)|日本精工(NSK)、潤滑剤Q&A 潤滑全般(固体潤滑剤の特性)|住鉱潤滑剤

このページでは、グリースの組成としくみ、ちょう度・増ちょう剤・基油の選び方、固体潤滑剤と乾性被膜、使う場面ごとの選び方、入れすぎ・混合・樹脂への影響などのよくある失敗、カタログ値の見方をまとめ、得意分野の違う会社を紹介します。硬い膜で摩擦を下げるコーティングは技術「DLC・低摩擦コーティング」、フッ素樹脂の膜は技術「フッ素樹脂コーティング」で扱っています。

グリース・固体潤滑の企業(早見表)

企業一般
工業用
高温・
真空用
樹脂・
ゴム用
食品
機械用
固体潤滑
被膜
受託塗装
・試験
使用中の
分析
ニッペコ真空・食品・樹脂用など特殊グリースの専業(東京都)●●●●
協同油脂軸受用・機構部品用・特殊用のグリース(神奈川県)●●●●
MORESCO〜270℃の高温用潤滑油と耐熱グリース(兵庫県)●
川邑研究所固体潤滑塗料デフリックコートと精密塗装(東京都)●●●
ジャパン・アナリストグリース・潤滑油の分析で設備を診断(神奈川県)●

●は、各社の公式サイトで扱いや事例を確認できたものです(空欄は、扱っていないという意味ではありません)。社名を押すと、その会社の紹介へ移ります。

目次

この技術で解決できる課題

潤滑剤の選び直しが効くのは、摩擦が大きい、すぐ摩耗する・焼き付く、高温・低温・真空で潤滑が続かない、油を差せない、樹脂・ゴムの部品に悪さをするといった困りごとです。住鉱潤滑剤は、高温や高速運転での摩擦熱、衝撃荷重の下では、オイル・グリースの粘度低下や蒸発、油膜の破断で摺動面が凝着しやすくなるとし、固体潤滑剤で摩擦面のせん断力を下げると、低摩擦化と摩耗の低減による部品の寿命の延長が期待できるとしています。

摩擦が大きい、摩耗・焼付き、高温・低温・真空、油を差せない、樹脂・ゴム・食品という困りごとと、グリース・固体潤滑でできることの対応図
図1 困りごとと、グリース・固体潤滑でできること
出典:協同油脂・NSK・住鉱潤滑剤・ENEOSをもとに AI(Claude)で作成

出典:潤滑剤Q&A 潤滑全般(固体潤滑剤の特性)|住鉱潤滑剤、グリースの分類と特性(グリースの基礎)|協同油脂、食品機械用潤滑油の開発(ENEOS Technical Review 第56巻第3号)|ENEOS

課題この技術での解決課題ページ
摩擦損失を減らしたい粘度・基油を見直し、低摩擦のグリースや固体潤滑剤を使う潤滑油・グリースの見直し
摺動部がすり減る油膜を保ち、極圧剤・固体潤滑剤で凝着を防ぐ潤滑の見直し
軸受の寿命を延ばしたい温度に合うグリース、封入量と補給の間隔を見直す潤滑の見直し・自動給脂
ボールねじの寿命・剛性を見極めたいグリースの選定と補給、防じん潤滑と防塵
真空機器・宇宙機器のアウトガスを減らしたい低蒸気圧のフッ素系グリースや、低アウトガスの乾性被膜を選ぶ低アウトガスの材料
樹脂部品の割れを防ぎたい樹脂に合わない基油のグリースを避ける触れる薬品を見直す
コネクターの接触不良を防ぎたい接点に合う潤滑剤を選び、シリコーンの揮発を避ける接点潤滑剤

右の列は、関係する課題ページの対策の節へのリンクです。

仕組み:増ちょう剤の網目が油を抱え、少しずつ出して潤滑する

NSK は、グリースの組成を基油 約70〜95%、増ちょう剤 約5〜30%、添加剤 数%としています。基油が潤滑の役割を担い(一般には鉱油、高温・低温性能や長寿命が要るときは合成油)、増ちょう剤は基油を保持して半固体の性質を持たせ、添加剤(酸化防止剤・耐摩耗剤・極圧添加剤・さび止め剤など)が基油の働きを助けます。協同油脂は、JIS の定義として「原料基油に増ちょう剤を分散させて半固体または固体状にしたもの」を紹介し、増ちょう剤の繊維の構造を電子顕微鏡の写真で示しています。

基油約70〜95%・増ちょう剤約5〜30%・添加剤数%の割合を示す帯と、増ちょう剤の繊維の網目が油の粒を抱えている様子の模式図
図2 グリースの組成と、増ちょう剤の網目のイメージ
出典:日本精工(NSK)「9.1 グリース潤滑」・協同油脂「グリースとは」をもとに AI(Claude)で作成

出典:9.1 グリース潤滑(ベアリングのABC)|日本精工(NSK)、グリースとは(グリースの基礎)|協同油脂、グリースの分類と特性(グリースの基礎)|協同油脂

グリースは、油のように流れ出にくいので、油潤滑に比べて密封の構造を簡単にでき、交換の周期も長く、飛び散り・滴下が少ないとされます(NSK)。その一方で、油のように循環させて熱を運び出すことはできません(編集部)。

出典:9.1 グリース潤滑(ベアリングのABC)|日本精工(NSK)

潤滑の状態:境界・混合・流体

東京理科大学の講義資料は、潤滑の状態を、潤滑剤がない乾燥摩擦、潤滑剤は少しあるが荷重のほとんどを固体の接触が受ける境界潤滑、潤滑剤が増えて荷重の一部を受け持つ混合潤滑、面が潤滑剤で満たされて固体の接触がなくなる流体潤滑に分け、流体潤滑では摩擦係数は流体のせん断抵抗で決まるとしています。これらを表す模式図がストライベック線図です。

乾燥摩擦・境界潤滑・混合潤滑・流体潤滑の4つの状態の、2つの粗い面と潤滑剤の模式図と、摩擦係数が境界潤滑で高く混合潤滑で下がり流体潤滑で低くなるストライベック曲線の模式図
図3 潤滑の状態とストライベック曲線(模式図)
出典:東京理科大学 野口研究室「境界潤滑と混合潤滑」をもとに AI(Claude)で作成

出典:境界潤滑と混合潤滑(トライボロジーの講義資料)|東京理科大学 野口研究室

日本建設機械施工協会の資料は、油性剤・耐摩耗剤・極圧剤などの添加剤や固体潤滑剤が、摩擦面に膜を作って金属どうしの接触を抑え、摩耗・焼付きを防ぐとしています。油膜が薄くなる低速・高荷重・起動と停止の所で、これらが効いてきます(編集部)。摩擦係数そのものは、技術の基礎知識「摩擦係数」、基油の粘度は「粘度」で説明しています。

出典:5.2 グリース(建設機械用グリースの概要)|日本建設機械施工協会

種類と選び方:ちょう度・増ちょう剤・基油・固体潤滑剤

グリースは、硬さ(ちょう度)、増ちょう剤の種類、基油の種類、添加剤の組み合わせで性質が決まります。固体潤滑剤は、グリースに混ぜるほか、乾性被膜として単独でも使います。

ちょう度:硬さを表す番号

ちょう度はグリースの硬さを表す基本の物性値で、増ちょう剤の量で調整できます(協同油脂)。JIS では、混和ちょう度の範囲で 000号〜6号に分け、数値(ちょう度)が小さいほど硬く、番号は大きくなります。日本建設機械施工協会の資料は、グリース市場の約80%が2号、1号が20%弱といわれるとし、JIS K 2220 の用途別の分類として、集中給脂用グリースは 00〜2号、転がり軸受用グリースは 0〜3号を挙げています。

000号445〜475から6号85〜115までのちょう度番号と混和ちょう度の表、軟らかいから硬いへのイメージ、用途別の分類で集中給脂用が00〜2号、転がり軸受用が0〜3号であること
図4 ちょう度番号と混和ちょう度
出典:協同油脂「グリースのちょう度」・日本建設機械施工協会「5.2 グリース」をもとに AI(Claude)で作成

出典:グリースのちょう度(グリースの基礎)|協同油脂、5.2 グリース(建設機械用グリースの概要)|日本建設機械施工協会

増ちょう剤:耐熱・耐水・せん断に強いか

協同油脂は、増ちょう剤ごとの最高使用可能温度を、リチウム石けん 130℃、リチウム・アルミニウム・カルシウムのコンプレックス 150℃、ウレア系 180℃、有機化ベントナイト 200℃、PTFE 250℃などとしています。リチウム石けんグリースは「万能グリース」として最も広く使われ、ウレアグリースは耐熱性と耐水性に優れる非石けん系の代表で、製鉄の連続鋳造設備や自動車・電装部品に使われるとしています。有機化ベントナイトは「滴点のないグリース」と呼ばれる一方、200℃以上に長時間さらされると固化するとしています。

カルシウム石けん70℃、アルミニウム石けん80℃、ナトリウム石けん120℃、リチウム石けん130℃、コンプレックス150℃、ウレア180℃、有機化ベントナイト200℃、PTFE250℃の最高使用可能温度の棒グラフ
図5 増ちょう剤ごとの最高使用可能温度
出典:協同油脂「グリースの分類と特性」・日本建設機械施工協会「5.2 グリース」をもとに AI(Claude)で作成

出典:グリースの分類と特性(グリースの基礎)|協同油脂、5.2 グリース(建設機械用グリースの概要)|日本建設機械施工協会

同じ項目を載せた日本建設機械施工協会の資料では、PTFE を130℃、有機化ベントナイトとシリカゲルを150℃としていて、資料によって値が違います。最高使用可能温度は目安として見て、製品ごとの使用温度範囲を確かめます(編集部)。

増ちょう剤耐水性せん断安定性協同油脂の備考
カルシウム石けん(ステアレート系)△△構造安定剤として約1%の水分を含む
ナトリウム石けん×△水により乳化する
リチウム石けん(ヒドロキシステアレート系)○◎最も欠点が少なく、万能型
アルミニウムコンプレックス◎◎はっ水型、圧送性良好
脂肪族ジウレア◎◎万能・せん断軟化型、集中給脂用に適する
芳香族ジウレア☆☆ウレア系では最も安定、密封性に適する
PTFE☆☆最も安定、コスト高

☆非常に優れる、◎優れる、○良好、△普通、×劣る。協同油脂「グリースの分類と特性」の表から一部を抜き出したものです。

基油:温度と、触れる樹脂・ゴム

協同油脂は、鉱油系の基油が一般的で、合成油は鉱油系で対応できない低温性・耐熱性・低トルク・長寿命の条件で使うとしています。エステル系は潤滑性に優れ広い温度範囲で使えるがゴムを膨潤させることがある、合成炭化水素油は対ゴム・対樹脂性に優れるが天然ゴム・EPDM には適さない、ポリグリコール系は天然ゴム・EPDM にも使える、シリコーン系は熱・酸化安定性に優れるが鋼対鋼の境界潤滑性に劣る、フッ素系は耐熱・酸化安定性・耐薬品性に最も優れるが非常に高価、と説明しています。

鉱物油・ジエステル・ポリオールエステル・合成炭化水素油・ポリグリコール・フェニルエーテル・シリコーン・フッ素系の8種類の基油の、潤滑性・耐熱性・酸化安定性・低温性・対ゴム性・対樹脂性の評価記号の表
図6 基油の種類と特性
出典:協同油脂「グリースの分類と特性」をもとに AI(Claude)で作成

出典:グリースの分類と特性(グリースの基礎)|協同油脂

樹脂の部品の割れ(ソルベントクラック)は課題「樹脂部品の割れを防ぎたい」、ゴムの膨潤は技術「Oリング・ガスケット」も参照してください。

固体潤滑剤:二硫化モリブデン・グラファイト・PTFE

住鉱潤滑剤は、固体潤滑剤の特性を、二硫化モリブデン(摩擦係数0.04、耐荷重性784MPa、耐熱性350℃)、グラファイト(0.06、490MPa、550℃)、PTFE(0.04、196MPa、300℃)などと示し、二硫化モリブデンは高荷重下の摩擦・摩耗の低減に効き、真空中でも優れた潤滑性を発揮し、グラファイトは高温下での潤滑性に優れるとしています。潤滑通信社の解説は、二硫化モリブデンは Mo と S の結合が強く S と S の間の結合が弱いので S と S の間ですべりやすいこと、350℃から徐々に酸化することを挙げています。

二硫化モリブデン・グラファイト・PTFE・銅の摩擦係数・耐荷重性・耐熱性の表と、二硫化モリブデンの層がすべって摩擦を下げる模式図
図7 おもな固体潤滑剤の特性
出典:住鉱潤滑剤「潤滑剤Q&A 潤滑全般」・潤滑通信社「二硫化モリブデン」をもとに AI(Claude)で作成

出典:潤滑剤Q&A 潤滑全般(固体潤滑剤の特性)|住鉱潤滑剤、二硫化モリブデン(どのように使われているか)|ジュンツウネット21(潤滑通信社)

潤滑通信社は、二硫化モリブデンの最大の欠点は固体の粉末であることで、摩擦部分への吸着性・保持性は液体に劣るため、どのような形で付けるかが使うノウハウになるとしています。使い方として最も多いのはグリースへの添加で、ほかにオイルへの分散、ブレーキ材料などへの混入、乾性潤滑被膜(ドライフィルム)を挙げています。乾性被膜は固体潤滑剤を樹脂(バインダー)で摩擦面に保持した一種の機能性塗料だとしています。

グリースに添加、オイルに分散、材料に混ぜる、乾性被膜の4つの形と、それぞれの説明のカード
図8 固体潤滑剤を摩擦面に届ける形
出典:潤滑通信社「二硫化モリブデン(どのように使われているか)」をもとに AI(Claude)で作成

出典:二硫化モリブデン(どのように使われているか)|ジュンツウネット21(潤滑通信社)

選ぶ順番:条件 → 油の可否 → 基油 → 増ちょう剤 → ちょう度・添加剤 → 量

出典の内容を、選ぶ順番に並べると下の図のようになります。まず使う温度・速度・荷重・環境を決め、油を使えない所は固体潤滑にし、基油・増ちょう剤・ちょう度の順に絞り、最後に量と補給を決めます(編集部が整理)。

使う条件、油が使えるか、基油、増ちょう剤、ちょう度と添加剤、量と補給の6段階で潤滑剤を選ぶ流れ図
図9 潤滑剤の選び方(編集部が整理)
出典:このページの出典(協同油脂・NSK・住鉱潤滑剤・潤滑通信社・ENEOS)をもとに AI(Claude)で作成

出典:グリースの分類と特性(グリースの基礎)|協同油脂、9.1 グリース潤滑(ベアリングのABC)|日本精工(NSK)、潤滑剤Q&A 潤滑全般(固体潤滑剤の特性)|住鉱潤滑剤、二硫化モリブデン(どのように使われているか)|ジュンツウネット21(潤滑通信社)

使う場面ごとの選び方

使う場面よく使われる種類選ぶときのポイント
高温(炉・乾燥機・電装部品)ウレア・コンプレックス・PTFE の増ちょう剤、フェニルエーテル・フッ素系の基油最高使用温度と滴点、蒸発量。固体潤滑剤を多く含むものも
低温(寒冷地・冷凍設備)低温性の高い合成油の基油(ジエステル・合成炭化水素油など)低温の起動トルク。JIS の転がり軸受用2種は −40〜80℃
真空・半導体製造装置フッ素系(PFPE)のグリース、低アウトガスの乾性被膜真空の度合いとアウトガス
樹脂・ゴムの部品(家電・自動車の機構部品)合成炭化水素油など対樹脂・対ゴム性の基油相手の樹脂・ゴムで試験。エステルはゴムを膨潤させることがある
食品機械NSF H1 の登録品(合成油・流動パラフィンの基油)登録番号を確かめる。H1 は偶発的な接触を許すもの
高荷重・衝撃(建設機械・ギヤ)二硫化モリブデン入り・極圧剤入りのグリースJIS の用途別分類の高荷重用・集中給脂用3〜4種

種類とポイントの列は、協同油脂・日本建設機械施工協会・ENEOS・各社の公式サイトの記載をもとに編集部が整理したものです。

高温、低温、真空・半導体装置、樹脂・ゴムの部品、食品機械、高荷重・衝撃・揺動の6つの場面と、選ばれる潤滑剤をまとめたカード
図10 場面ごとに選ばれる潤滑剤
出典:協同油脂・日本建設機械施工協会・ENEOS・ニッペコ・川邑研究所をもとに AI(Claude)で作成

出典:グリースの分類と特性(グリースの基礎)|協同油脂、5.2 グリース(建設機械用グリースの概要)|日本建設機械施工協会、食品機械用潤滑油の開発(ENEOS Technical Review 第56巻第3号)|ENEOS、真空設備用グリース|ニッペコ、低摩擦塗料(環境別のデフリックコート)|川邑研究所

食品機械:NSF H1 の登録品を使う

ENEOS Technical Review は、日本国内には食品機械用潤滑油についての法令や厚生労働省の認可規格はなく、国際的に広く認知されている NSF の登録が普及しているとしています。NSF の区分のうち H1 は、食品に接触するべきではないが、偶発的な接触は許容されるもので、FDA が定める原材料だけを使って NSF に登録されなければならず、基油には通常の鉱油は使えず、合成油や流動パラフィン(ホワイトオイル)などに限られるとしています。

出典:食品機械用潤滑油の開発(ENEOS Technical Review 第56巻第3号)|ENEOS

真空の中:蒸気圧とアウトガスで選ぶ

ニッペコは、半導体製造装置向けのフッ素グリース「LOGENEST LAMBDA」シリーズ(基油 PFPE、増ちょう剤 PTFE)を、真空度によってグレードを用意していると説明し、半導体業界ではグリースが厳しい環境にさらされるため、長期安定性やアウトガスが課題になっているとしています。川邑研究所は、真空中では適切な固体潤滑材を選ぶ必要があり、超高真空ではアウトガスの発生も問題になるとしています。

ニッペコのページに載っている、低真空から超高真空までの真空の度合いの帯の上に、AEP-4・ZLVP・TKM の3つのグレードが使える範囲を示した位置づけの図
ニッペコの真空設備用フッ素グリースの位置づけ(真空の度合いごとのグレード)(出典:ニッペコ)

出典:真空設備用グリース|ニッペコ、低摩擦塗料(環境別のデフリックコート)|川邑研究所

アウトガスの対策は課題「真空機器・宇宙機器のアウトガスを減らしたい」で扱っています。

向いている条件と注意点

グリースが向いている条件

  • ポンプ・クーラーなどの潤滑の設備を置けない
  • 密封の構造を簡単にしたい
  • 交換・補給の手間を減らしたい(交換の周期が長い)
  • 油が飛び散る・垂れると困る

固体潤滑(乾性被膜)が向いている条件

  • 高温・極低温・真空で、油が蒸発・固化する
  • 油を差せない・油汚れを嫌う所
  • 高荷重・衝撃で油膜が切れやすい
  • かじり・焼付きを防ぎたい(ねじ・はめあい)

この一覧は、NSK・住鉱潤滑剤・東京理科大学の講義資料・川邑研究所の記載をもとに編集部が整理したものです。東京理科大学の講義資料は、固体潤滑剤の潤滑性能は潤滑油・グリースには及ばないので、積極的に使うものではないとしています。高温・高真空など、油やグリースが使えない所で使うものと考えます(編集部)。

出典:9.1 グリース潤滑(ベアリングのABC)|日本精工(NSK)、潤滑剤Q&A 潤滑全般(固体潤滑剤の特性)|住鉱潤滑剤、転がり軸受の基礎(4)(機械設計特論の講義資料)|東京理科大学 野口研究室、低摩擦塗料(環境別のデフリックコート)|川邑研究所

よくある失敗:入れすぎ・混合・温度・樹脂・接点

出典に出てくる注意を、症状ごとに並べました。協同油脂は使用上の注意として、異物の混入を避ける、推奨温度以上で使わない、空気の混入を避ける、異なるグリースとの混合を避けるの4つを挙げています。HORIBA のアプリケーションノートは、リレーやモーターなどの接点部品で、シリコーン素材から揮発したシロキサンが表面に付くと接点障害の原因になるとしています。

温度が上がる、油が流れ出る、混ぜて性能が落ちる、樹脂・ゴムが膨らむ、接点が不良、摩耗・焼付きの6つの症状と、主な原因・対策の表
図11 よくある失敗と、その原因(編集部が出典をもとに整理)
出典:協同油脂・NSK・東京理科大学・HORIBAをもとに AI(Claude)で作成

出典:使用上の注意(グリースの基礎)|協同油脂、9.1 グリース潤滑(ベアリングのABC)|日本精工(NSK)、転がり軸受の基礎(4)(機械設計特論の講義資料)|東京理科大学 野口研究室、シロキサンによる電気部品の接点障害の原因究明に貢献(アプリケーションノート)|HORIBA、グリースの分類と特性(グリースの基礎)|協同油脂

ちがうグリースを混ぜない

協同油脂は、増ちょう剤の違うグリースを混ぜたときの可否の表を示し、アルミニウム石けんとリチウム石けんの組み合わせは「著しくかけ離れた変化をする」(×)、カルシウム石けんとリチウム石けんなどは「かけ離れた変化をすることがある」(△)としています。補給するグリースを替えるときは、前のグリースを取り除いてから入れます(編集部)。

カルシウム石けん・アルミニウム石けん・リチウム石けん・ウレアの4種類を混ぜたときの可否を○△×で示した表
図12 ちがう増ちょう剤のグリースを混ぜたとき
出典:協同油脂「使用上の注意」をもとに AI(Claude)で作成

出典:使用上の注意(グリースの基礎)|協同油脂

カタログ値(グリースの性状)の見方

項目見方
ちょう度(混和ちょう度・ちょう度番号)硬さ。給脂のしかたと、部品からの漏れにくさで選ぶ
滴点加熱して孔から滴が落ちる温度。滴点以上の温度では使わない
使用温度範囲製品ごとの値を見る。増ちょう剤の種類の目安だけで決めない
基油の動粘度(40℃・100℃)油膜の厚さに関係する。高速は低め、高荷重・低速は高め(編集部)
離油度静かに置いたときの油の分かれやすさ。多すぎても少なすぎても良くない
蒸発量・酸化安定度高温・長期で使ったときの減りと劣化
四球試験(融着荷重・摩耗痕径)極圧性(焼き付く荷重)と耐摩耗性
混和安定度・水洗耐水度・銅板腐食せん断による軟化・硬化、水への強さ、銅への腐食性

見方の列は、潤滑通信社の試験の解説と、潤滑油協会の JCMAS P 040 の運用マニュアルをもとに編集部が整理したものです。

混和ちょう度・滴点・離油度・蒸発量・酸化安定度・混和安定度・四球試験の融着荷重と摩耗痕径・水洗耐水度の見方と、建設機械用グリースの規格JCMAS GKの2号の値の表
図13 グリースのカタログで見る項目と、規格の値の例
出典:潤滑油協会「JCMAS P 040 運用マニュアル」・潤滑通信社「グリースの性状や性能を試験する方法」をもとに AI(Claude)で作成

出典:グリースの性状や性能を試験する方法|ジュンツウネット21(潤滑通信社)、建設機械用グリース規格 JCMAS P 040 運用マニュアル(2012年、2014年改正)|潤滑油協会

潤滑通信社は、離油度について、油分離性が大きいと貯蔵安定性が悪く長期の使用にも不都合だが、適度の油分離性は潤滑効果を向上させるといわれるとしています。また、物理・化学的な試験だけではグリースの潤滑性能を十分に評価できないので、実際の軸受を使った性能試験が行われているとしています。

出典:グリースの性状や性能を試験する方法|ジュンツウネット21(潤滑通信社)

試験の条件をそろえて比べる

潤滑油協会の運用マニュアルでは、建設機械用グリース(JCMAS GK)の2号の規格を、混和ちょう度 265〜295、滴点 170℃以上、離油度(100℃、24h)5質量%以下、四球式の融着荷重 1,961N以上、摩耗痕径 0.7mm以下などとしています。同じ「離油度」でも、試験の温度と時間が違えば値は比べられません。カタログの数値は、試験の規格と条件を確かめてから比べます(編集部)。

出典:建設機械用グリース規格 JCMAS P 040 運用マニュアル(2012年、2014年改正)|潤滑油協会

組み込み・量産・保守の注意

  1. 封入量を決める入れすぎるとトルクと温度が上がる。回転の速さで量を変える
  2. 補給の間隔を決める温度と荷重で補正し、劣化する前に補給する
  3. 使用中のグリースを調べるちょう度・離油度・摩耗粒子の変化で状態を見る

この3点は、NSK・東京理科大学の講義資料・ジャパン・アナリストの記載をもとに編集部が整理したものです。

封入量:軸受の中は十分に、ハウジングは半分ほど

NSK は、まず軸受の内部に十分なグリースを詰め、次にハウジングの中の軸と軸受を除いた空間に、許容回転数の50%以下の回転なら 1/2〜2/3、50%以上なら 1/3〜1/2程度を入れるのが一般的な目安としています。東京理科大学の講義資料は、グリースが多すぎるとトルクの増大・トルク変動・温度上昇の原因になり、トルクや発熱を下げたい用途では 1/3 より少なくし、極低速や防じん・防水のためには空間の全部に詰めることもあるとしています。

ハウジングの断面の模式図で、軸受の内部に十分に詰め、ハウジングの空間に許容回転数の50%以下なら1/2〜2/3、50%以上なら1/3〜1/2を入れる目安の表
図14 グリースの封入量の目安
出典:日本精工(NSK)「9.1 グリース潤滑」・東京理科大学 野口研究室「転がり軸受の基礎(4)」をもとに AI(Claude)で作成

出典:9.1 グリース潤滑(ベアリングのABC)|日本精工(NSK)、転がり軸受の基礎(4)(機械設計特論の講義資料)|東京理科大学 野口研究室

補給の間隔:温度が上がるほど短くする

NSK は、高品質のグリースでも時間とともに性状が劣化するので適宜補給する必要があるとし、補給の間隔は軸受の温度が70℃を超える場合は、15℃上がるごとに半分にすること、荷重(P/C)によって補正する(P/C が0.06以下で1.5倍、0.16 で0.45倍など)ことを示しています。東京理科大学の講義資料は、軸受の中のグリースの寿命は回転速度と温度で決まり、温度が10℃上がると寿命は1/2 になるとしています。

軸受の温度が70℃を超えると15℃ごとに補給間隔が半分になるグラフと、荷重P/Cによる補正係数の表
図15 グリースの補給間隔の補正(NSK の目安)
出典:日本精工(NSK)「9.1 グリース潤滑」・東京理科大学 野口研究室「転がり軸受の基礎(4)」をもとに AI(Claude)で作成

出典:9.1 グリース潤滑(ベアリングのABC)|日本精工(NSK)、転がり軸受の基礎(4)(機械設計特論の講義資料)|東京理科大学 野口研究室

軸受の寿命については課題「軸受の寿命を延ばしたい」、製品「軸受(ベアリング)」も参照してください。

使用中のグリースを分析して、劣化を見る

ジャパン・アナリストは、グリースのちょう度について、酸化や機械的な作用により、ミセル構造の破壊・軟化・油分離・基油の蒸発などが起こり、ちょう度が変化するとし、その変化を把握することが品質管理や使用条件の判断に役立つとしています。滴点・離油度・銅板腐食などの項目も分析しています。東京理科大学の講義資料は、小径・ミニアチュアの玉軸受では、疲労によるはく離よりもグリースの劣化で寿命になること(音響寿命)が圧倒的に多いとしています。

出典:分析項目一覧|ジャパン・アナリスト、転がり軸受の基礎(4)(機械設計特論の講義資料)|東京理科大学 野口研究室

相談する前に整理すること

潤滑剤やコーティングを会社に相談するときは、次の点を整理しておくと話が早く進みます(編集部が整理した項目です)。

使う部品、動き、荷重、温度、まわりの環境、触れる材料、給脂のしかた、いまの困りごとの8項目のチェック表
図16 潤滑剤を相談する前に整理すること
出典:このページの出典をもとに AI(Claude)で作成
  • 使う部品(軸受・歯車・摺動部・ねじ・接点)と、相手の材料
  • 回転数・すべり速度、揺動か連続回転か
  • 荷重の大きさと、衝撃の有無
  • 使う温度の最高と最低
  • まわりの環境(真空・水・薬品・粉じん・クリーンルーム・食品)
  • 触れる樹脂・ゴムの種類と、近くの電気接点
  • 給脂のしかた(封入だけか、補給・集中給脂か)と、いま使っている潤滑剤の名前
  • いまの困りごと(摩耗・焼付き・異音・漏れ・寿命)と、壊れた部品・使用済みのグリース

企業紹介(グリース・固体潤滑の技術)

特殊グリースの専業、軸受・機構部品用の大手、高温用の潤滑油、固体潤滑の塗料と受託塗装、使用中のグリースの分析まで、得意分野の違う会社を紹介します。掲載は各社の公開情報にもとづきます。

企業一般
工業用
高温・
真空用
樹脂・
ゴム用
食品
機械用
固体潤滑
被膜
受託塗装
・試験
使用中の
分析
ニッペコ真空・食品・樹脂用など特殊グリースの専業(東京都)●●●●
協同油脂軸受用・機構部品用・特殊用のグリース(神奈川県)●●●●
MORESCO〜270℃の高温用潤滑油と耐熱グリース(兵庫県)●
川邑研究所固体潤滑塗料デフリックコートと精密塗装(東京都)●●●
ジャパン・アナリストグリース・潤滑油の分析で設備を診断(神奈川県)●

●は、各社の公式サイトで扱いや事例を確認できたものです(空欄は、扱っていないという意味ではありません)。社名を押すと、その会社の紹介へ移ります。

株式会社ニッペコ|真空・食品・樹脂用など、特殊グリースの専業メーカー

ニッペコとは

東京都中央区に本社を置く、各種グリースの製造販売の会社です(1933年設立)。千葉工場と岡山工場でグリースを作り、岡山工場では特殊用途の高級グリースを主に生産しているとしています。ドイツの FUCHS PETROLUB SE と業務・資本提携しています。

ニッペコの真空設備用・食品機械用・生分解性・家電精密用・耐熱機械用・耐荷重用のグリースの例と、基油・増ちょう剤・特徴の表
図17 ニッペコの用途別グリースの例
出典:ニッペコの製品ページ(真空設備用・産業機械用・家電・精密用)をもとに AI(Claude)で作成

ニッペコの得意技術

技術内容
真空設備用フッ素グリース LOGENEST LAMBDA(基油 PFPE、増ちょう剤 PTFE)。真空度によってグレードを用意。半導体・パネル・太陽光パネル・光学業界のベアリング・シール・直動部品
食品機械用・生分解性NSF H-1 を取得した Foodlub FF・ロゲネストラムダ FL。日本で最初にエコマークを取得した生分解性グリース ニッペコバイオ LC
樹脂用・耐熱用・耐荷重用対樹脂性のパーマルブ G(シリコーン基油)、耐熱性・耐離油性のロゲネストラムダ PSG(フッ素油)、二硫化モリブデン配合のダブレックスシリーズ

ニッペコが解決できる課題

  • 半導体製造装置の真空の中で、アウトガスの少ないグリースを選びたい
  • 食品機械に、NSF H-1 の登録品を使いたい
  • 樹脂・ゴムの部品に影響しないグリースを選びたい

公開されている実績・用途

  • LOGENEST LAMBDA は、業務用プリンターや一眼レフカメラから使われ始め、2000年頃から真空環境設備、2017年頃から半導体の製造装置関連でも使われているとしている(同社の記載)

出典:会社概要・沿革|ニッペコ、ネットワーク|ニッペコ、真空設備用グリース|ニッペコ、産業機械用グリース|ニッペコ、家電・精密用グリース|ニッペコ

協同油脂株式会社|軸受用・機構部品用・特殊用まで、用途別のグリース

協同油脂とは

神奈川県藤沢市に本社を置く、各種グリース・切削油・圧延油・防錆油などの製造販売の会社です(1936年創業、単体の従業員488人)。グリースの基礎知識(分類と特性・ちょう度・使用上の注意)も公開しています。

協同油脂の特殊用・機構部品用・転がり軸受用・食品機械用のグリースの例(モリレックスRN、フルトライボMS、スペースルブML、プラスガード、マルテンプGS-A、マルテンプLT、ベルルブ)と同社の説明の表
図18 協同油脂の用途別グリースの例
出典:協同油脂の製品ページ(特殊用・機構部品用・転がり軸受用・食品機械用)をもとに AI(Claude)で作成

協同油脂の得意技術

技術内容
特殊用(高温・高真空)最大500℃まで潤滑性を維持するモリレックス RN、250℃での流体潤滑を可能にするフルトライボ MS、シクロペンタン油の高真空用スペースルブ ML
機構部品用(樹脂)プラスチックへの影響が少ないプラスガード、特殊固体潤滑剤を含み樹脂摺動部にも使えるマルテンプ GS-A
転がり軸受用−50℃でも起動トルクが非常に小さいマルテンプ LT、ボールねじ・リニアガイドにも使えるマルテンプ LRL

協同油脂が解決できる課題

  • 樹脂ギヤ・樹脂の摺動部に使えるグリースを選びたい
  • 高温・高真空・低温で使える軸受用グリースを選びたい
  • 食品機械に NSF H1 の登録品を使いたい(ドイツ CARL BECHEM 社の製品を取り扱い)

出典:会社概要|協同油脂、特殊用グリース|協同油脂、機構部品用グリース|協同油脂、転がり軸受用グリース|協同油脂、食品機械用潤滑剤|協同油脂

株式会社MORESCO|〜270℃の高温用潤滑油と、耐熱・低アウトガスのグリース

神戸市中央区に本社を置く、特殊潤滑油・合成潤滑油・素材・ホットメルト接着剤などの会社です(1958年設立、連結の従業員797名)。

MORESCOの高温用潤滑油L-150とMOシリーズ、高温用グリースUM-1とGK-1の性状と用途の表
図19 MORESCO の高温用潤滑油・グリースの例
出典:MORESCO「高温用潤滑油・グリース」をもとに AI(Claude)で作成

MORESCOの得意技術

技術内容
高温用潤滑油モレスコハイルーブ L-150 などは〜270℃の高温領域で、トンネルオーブン・ヒートセッター・フィルムテンター用。MO シリーズは二硫化モリブデンを配合
高温用グリースUM-1(ウレア系増ちょう剤、滴点260℃以上、200℃以下用)、GK-1(滴点250℃以上、高温・高真空下で熱分解ガスが極めて少ない)
そのほか焼結軸受の含浸油(BS シリーズ)、高真空ポンプ油、耐放射線性潤滑剤

MORESCOが解決できる課題

  • 製パンオーブンや乾燥炉の駆動部を、高温で潤滑したい
  • 高温・高真空の装置の軸受で、熱分解ガスの少ないグリースを使いたい

公開されている実績・用途

  • 繊維機械・製紙機械の軸受、原子力・半導体装置関連(同社の記載の用途)

出典:会社概要|MORESCO、高温用潤滑油・グリース|MORESCO

株式会社川邑研究所|固体潤滑塗料デフリックコートと、数μm の精密塗装

川邑研究所とは

東京都目黒区に本社を置く、固体潤滑剤と特殊機能塗料の開発・製造・販売の会社です(1977年設立、創業は明治44年)。京浜工場・羽田工場があります。

川邑研究所のページに載っている、デフリックコートの缶とスプレー缶が並んだ写真
川邑研究所の固体潤滑塗料(デフリックコート)の製品(出典:川邑研究所)

川邑研究所の得意技術

技術内容
環境ごとの低摩擦塗料真空中の400系・600系(超高真空での潤滑)、〜800℃までのMC系・K-系、−270℃での実績がある系列、耐薬品の FH 系など
精密塗装固体潤滑被膜は数μm の厚みで塗装でき、複雑な形・多数のマスキング・円筒の内径部にも対応。航空宇宙・光学などの要求精度の高い製品も
試験・分析FALEX 試験機・SRV など。点・線・面接触、往復動、真空、高温での被膜の摺動試験と、SEM・FT-IR の分析

下の図は、同社の環境ごとの系列を整理したものです。

川邑研究所のデフリックコートの、摺動・油の中・真空中・高温・低温・特殊ガスの環境ごとの系列と説明の表
図20 川邑研究所のデフリックコートの系列
出典:川邑研究所「低摩擦塗料」「受託業務」をもとに AI(Claude)で作成

川邑研究所が解決できる課題

  • 油を差せない・真空や高温の所の摺動部を、固体潤滑の被膜で潤滑したい
  • 少量・高精度の部品に、固体潤滑被膜を受託で塗ってほしい
  • 被膜の摩擦・摩耗を、真空や高温の条件で試験したい

公開されている実績・用途

  • 自動車、産業機器、航空宇宙産業、光学機器、半導体、電化製品、OA 機器を中心に開発・製造(同社の記載)。初期試作は無料としている

出典:会社概要|川邑研究所、低摩擦塗料(環境別のデフリックコート)|川邑研究所、受託業務|川邑研究所

ジャパン・アナリスト株式会社|使用中のグリース・潤滑油を分析して、設備を診断

ジャパン・アナリストとは

神奈川県相模原市に本社を置く、オイル分析による設備診断と潤滑油の分析の会社です(1975年設立、株主はカヤバ)。日本初のオイル分析専門会社とし、年間4万件を超えるオイル分析を行っているとしています。

ジャパン・アナリストのグリースの分析項目(ちょう度・滴点・離油度・銅板腐食)と潤滑油の摩耗粒子・金属分の分析でわかることの表
図21 使用中のグリースを分析してわかること
出典:ジャパン・アナリスト「分析項目一覧」をもとに AI(Claude)で作成

ジャパン・アナリストの得意技術

技術内容
グリースの分析混和ちょう度(JIS K 2220)、滴点、離油度(100℃・130℃、24h)、銅板腐食
潤滑油の分析動粘度、酸価、フェログラフィー(摩耗粒子)、粒子計数、ICP などの金属分、四球試験(シェル4球)
技術者の教育ISO 18436-4 に準拠した機械状態監視診断技術者(トライボロジー)の訓練校

ジャパン・アナリストが解決できる課題

  • 使用中のグリースが劣化していないか、交換の時期を知りたい
  • 壊れた軸受・ギヤの原因を、潤滑剤の分析から調べたい

出典:企業情報|ジャパン・アナリスト、分析項目一覧|ジャパン・アナリスト、ジャパン・アナリスト株式会社

使われる製品・事例

NSK は、転がり軸受の80%に潤滑グリースが使われているとしています。日本建設機械施工協会の資料は、建設機械では二硫化モリブデン入りのグリースや、クレーンブーム用・耐熱型・生分解性のグリースが採用されているとしています。ニッペコは半導体・パネル業界の真空の中のベアリング・シール・直動部品、MORESCO はトンネルオーブン・フィルムテンター、協同油脂は自動車部品・電気部品の樹脂の潤滑箇所や鉄道車両の主電動機の軸受を、用途として挙げています。

出典:9.1 グリース潤滑(ベアリングのABC)|日本精工(NSK)、5.2 グリース(建設機械用グリースの概要)|日本建設機械施工協会、真空設備用グリース|ニッペコ、高温用潤滑油・グリース|MORESCO、機構部品用グリース|協同油脂、転がり軸受用グリース|協同油脂

出典・確認日

※アイキャッチ画像は、AI(ChatGPT)で生成したイメージです。実在の製品ではありません。図はAI(Claude)で作成した概念図です。

情報の確認日:2026年10月8日 本ページの内容は一般的な情報で、実際の摩擦・寿命・使える温度は、潤滑剤の銘柄・部品の形と材料・速度・荷重・温度・環境により異なります。製品を選ぶときは、各社の技術資料と試験で確かめてください。

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