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ポンプ(種類と選び方:渦巻・ダイヤフラム・モーノ、NPSH・シール・省エネ)

ポンプは、液体に力を加えて、低い所から高い所へ、圧力の低い所から高い所へ送る機械です。

ポンプ(種類と選び方:渦巻・ダイヤフラム・モーノ、NPSH・シール・省エネ)
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ポンプ(種類と選び方:渦巻・ダイヤフラム・モーノ、NPSH・シール・省エネ)

左に台の上でモーターとカップリングでつながった横置きのポンプの側面、右に渦巻ポンプの正面断面があり、中心の吸込口、後ろへ反った6枚の羽根の羽根車、外へ行くほど広がる渦巻室を液が同じ向きに流れて右上の吐出口から上へ出るイラスト(AI で生成したイメージ)

コストダウン信頼性・長寿命安全・規制・環境対応高性能化熱・流体・真空流体制御流体流れと圧力損失ポンプ・ファン産業機械・ロボット化学・素材製造

ポンプは、液体に力を加えて、低い所から高い所へ、圧力の低い所から高い所へ送る機械です。工場の冷却水・薬液の注入・排水・ボイラーの給水など、液を動かす多くの場面でポンプが使われます。種類は多いものの、作動原理で羽根車で液に勢いを与える「ターボ形」、閉じ込めた液を押し出す「容積形」、それ以外の「特殊形」に分けると整理できます。選ぶときは、「液の性質」「流量」「全揚程」「吸込みの条件(NPSH)」を先に決め、方式・シール・材質を選ぶのが基本です。

このページでは、ポンプのしくみ、渦巻(遠心)・ダイヤフラム・一軸偏心ねじ(モーノ)などの種類と違い、性能曲線と運転点、液の性質と NPSH からの選び方、シールとシールレス、回転数制御の省エネ、キャビテーションなどのトラブルと事例、相談できる会社までをまとめました。キャビテーションの対策は課題「ポンプのキャビテーションを防ぎたい」、脈動とサージングは課題「ポンプ・ファン・圧縮機のサージング(脈動)を抑えたい」にもあります。

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症状から探す

症状考えられる原因対策を書いた所
「バリバリ」と音がする・揚程が下がるキャビテーション(吸込みの条件・液温)キャビテーション
始動しても液が出ないポンプ内・吸込み配管の空気空気抜き・呼び水
粘い液で流量が出ない粘度による性能の低下・方式の選び違い粘度・温度・スラリー
軸のまわりから漏れるシールの種類・フラッシングシールと漏れ(シールレス)
配管が振動する(往復ポンプ)脈動脈動(往復ポンプ)
電気代が高い弁で絞って流量を調整している省エネ:回転数制御で電気代を下げる

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目次

ポンプとは(基本)

ターボ形・容積形・特殊形

コトバンクに収められた日本大百科全書の説明では、ポンプは作動原理でターボ型・容積型・特殊型に分かれます。ターボ型は、回る羽根車の中を液が通り抜けるあいだに、羽根の力でエネルギーを与える機械で、流れの方向と回転軸の関係から遠心・斜流・軸流に分かれます。容積型は、液を一定量ずつ区切った空間に入れて送り出す形式で、往復式(ピストン・プランジャーなど)と回転式(歯車・ベーン・ねじなど)があり、油圧用に広く使われています。特殊型には、渦流(摩擦)ポンプ・ジェットポンプなどがあります。

ポンプをターボ形(遠心・斜流・軸流)、容積形(往復式のピストン・プランジャー・ダイヤフラム、回転式の歯車・ベーン・ねじ・一軸偏心ねじ・チューブ)、特殊形(渦流・ジェット・気泡など)に分けた分類図
図1 ポンプの分け方
出典:コトバンク(日本大百科全書)の「ポンプ」・モノタロウの解説をもとに AI(Claude)で作成

出典:ポンプ|コトバンク(日本大百科全書ほか)、定量ポンプとは|モノタロウ

渦巻ポンプ(遠心ポンプ)のしくみ

渦巻ポンプは、ターボ形の遠心ポンプの代表的な形式で、送水などに広く使われます。羽根車(インペラ)が回り、中心から入った液を外へ押し出して勢いを与え、渦巻室(ボリュート)で速度を圧力に変えて送り出します。羽根車が1つのものを単段、複数並べたものを多段といい、多段は高い揚程に使われます(モノタロウの解説)。

中心から液が入り、後ろへ反った6枚の羽根の羽根車が回り、通り道が少しずつ広がる渦巻室を通って上の吐出口から出る、渦巻ポンプの断面の模式図
図2 渦巻ポンプ(遠心ポンプ)のしくみ
出典:モノタロウの解説・コトバンクの「ポンプ」をもとに AI(Claude)で作成

出典:ポンプ|コトバンク(日本大百科全書ほか)、ポンプの特性を表す比速度|モノタロウ 遠心ポンプの基礎講座(外山幸雄)

容積形ポンプのしくみ

容積形は、閉じ込めた体積の分だけ液を送るので、回転数(往復の回数)で流量がほぼ決まり、決まった量を送る定量ポンプに向きます。モノタロウの解説では、プランジャーは高い圧力の移送向き、歯車は粘度の高い液の移送に使われることが少なくなく、ダイヤフラムはシールがなく薬液の注入に多い方式です。一軸偏心ねじポンプ(モーノポンプ)は、兵神装備によると、ローター(真円の断面の1条の雄ねじ)をステーター(長円の断面の2条の雌ねじ)に入れたすき間に「キャビティー」という閉じた空間ができ、ローターが回るとその空間が吐出し側へ進みます。

歯車ポンプ、ダイヤフラムポンプ、一軸偏心ねじポンプ、プランジャーポンプの4つの模式図
図3 容積形ポンプのしくみ
出典:モノタロウの解説・兵神装備のページをもとに AI(Claude)で作成

出典:定量ポンプとは|モノタロウ、なぜ困難を解決できるのか|兵神装備

構造と原理【モーノポンプ基本編1】(YouTube の動画)
動画 構造と原理【モーノポンプ基本編1】
出典:兵神装備株式会社 / HEISHIN Ltd.(YouTube)

揚程・流量・軸動力・効率

ポンプの能力は、吐出し量(流量 Q、m³/min など)と全揚程(H、液を持ち上げられる高さに換算した値、m)で表します。ポンプを回すのに要る軸動力は、モノタロウの基礎講座の式では S=0.1634×ρ×Q×H÷η(S:kW、ρ:密度 g/cm³、Q:m³/min、H:m、η:効率を%ではなく小数で。75%なら 0.75)です。効率は、水力損失・漏れ損失・円板摩擦損失・機械損失が少ないほど高くなり、損失の割合は比速度の影響を強く受け、比速度の小さい(流量が小さく揚程の高い)ポンプは、高い効率にするのが難しいとしています。

出典:ポンプ液の基本特性|モノタロウ 遠心ポンプの実践講座(外山幸雄)、ポンプの効率|モノタロウ 遠心ポンプの基礎講座(外山幸雄)

性能曲線と運転点

性能曲線は、横軸に吐出し量、縦軸に全揚程・効率・軸動力・NPSH3 などをとった図です。モノタロウの基礎講座は、配管の抵抗曲線(実揚程に、流量の2乗に比例して増える損失を足したもの)と性能曲線の交わる点が運転点で、吐出し弁の開き具合で抵抗曲線が変わると運転点が動くとしています。ポンプの流量は、ポンプだけでは決まらず、つないだ配管で決まるということです。

右下がりのポンプの性能曲線と、実揚程から右上がりの配管の抵抗曲線、その交点の運転点、山形の効率曲線を描いた模式図
図4 性能曲線と抵抗曲線、運転点
出典:モノタロウ 遠心ポンプの基礎講座「性能曲線と運転点の関係」をもとに AI(Claude)で作成

出典:ポンプの性能曲線の見方|モノタロウ 遠心ポンプの基礎講座(外山幸雄)、ポンプの性能曲線と運転点の関係|モノタロウ 遠心ポンプの基礎講座(外山幸雄)

比速度で形が決まる

比速度 Ns は、回転速度・吐出し量・全揚程から求める値で、小さいほど高揚程・少流量向き(渦巻ポンプ)、大きいほど大流量・低揚程向き(軸流ポンプ)です(コトバンク)。モノタロウの基礎講座の例では、同じ吐出し量・同じ回転数(2,950min⁻¹)の3つの羽根車で、直径 240mm・出口幅 7.5mm は Ns 123、直径 120mm・出口幅 15mm は Ns 347 になり、直径が小さく出口が広いほど大きくなります。Ns は単位を持った値なので、資料をまたいで比べるときは単位をそろえます。

出典:ポンプ|コトバンク(日本大百科全書ほか)、ポンプの特性を表す比速度|モノタロウ 遠心ポンプの基礎講座(外山幸雄)

主な種類と特徴

方式ごとの特徴の比較

方式ごとの得意なことを並べました。流量が配管で変わってもよい連続の送水はターボ形、量を正確に送る・粘い液・高い圧力は容積形、と大まかに分けて考えます。

方式しくみ特徴(出典の説明)向いている場面
渦巻(遠心)羽根車+渦巻室遠心ポンプの代表的な形式。多段で高揚程にも冷却水・給水・一般の移送
軸流・斜流羽根車が軸方向・斜めに押す比速度が大きく、大流量・低揚程向き排水・かんがい・大量の循環
プランジャー(往復)棒の往復高い圧力の移送向き高圧の注入・洗浄
ダイヤフラム(往復)膜の往復+2つの弁シールがなく漏れない。脈動が出る薬液の注入・定量
歯車(回転)かみ合う歯車粘度の高い液の移送に使われることが多い油・高粘度液
一軸偏心ねじ(回転)ローターとステーター脈動が少なく定量、粘い液・固形物もスラリー・食品・汚泥

出典の説明をもとに編集部がまとめた比較です。具体的な流量・圧力の範囲は、各社のカタログで確かめてください。

出典:ポンプ|コトバンク(日本大百科全書ほか)、定量ポンプとは|モノタロウ、NY・NYT型|モーノポンプ(兵神装備)、エアチャンバーについて|タクミナ

羽根車の形(クローズド・オープン・無閉塞)

遠心ポンプは、液に合わせて羽根車の形を変えます。モノタロウの実践講座では、清浄な液はクローズド形、スラリーなど摩耗成分を含む液はオープン形かセミオープン形、ひも・布など詰まりを起こす異物を含む液は無閉塞形です。同じ直径・出口幅なら、全揚程と効率はクローズド形、オープン形、無閉塞形の順に低くなります。動粘度が 150cSt を超えるような高粘性液では、オープン形の効率がクローズド形を上回ることがあるとしています。

クローズド形は羽根を主板と側板ではさみ、オープン・セミオープン形は側板がなく、無閉塞形は羽根が少なく通り道が広いことを、羽根車の上半分の断面で並べた模式図
図5 羽根車の形:クローズド・セミオープン・無閉塞(断面の模式図)
出典:モノタロウの遠心ポンプの実践講座をもとに AI(Claude)で作成

出典:ポンプの羽根車形式|モノタロウ 遠心ポンプの実践講座(外山幸雄)

ダイヤフラムポンプ

ダイヤフラムポンプは、ダイヤフラム(膜)と2つの弁でできていて、膜を往復させて容積を増減し、吸込みと吐出しをくり返します。モノタロウは、接液部に摺動部分(軸シール)がないのでシールの摩耗による液漏れがない、完全自吸式で空運転もできる、研磨要素を含む液も送れる、としています。往復で送るので脈動が出ます(脈動(往復ポンプ)の節)。

出典:ダイヤフラムポンプとは|モノタロウ

イワキ エアー駆動ダイヤフラムポンプ TC 作動原理 AODD pump Working Principle(YouTube の動画)
動画 イワキ エアー駆動ダイヤフラムポンプ TC 作動原理 AODD pump Working Principle
出典:IWAKI PUMPS(YouTube)

真空ポンプとの違い

名前は同じ「ポンプ」でも、真空ポンプは液を送る機械ではありません。アルバックは、真空ポンプを「密閉された空間から気体を排出し、大気圧よりも低い圧力状態(真空)を作り出す機械」と説明しています。真空装置のトラブルは、課題「真空装置の漏れ・到達圧力不足を解決したい」にあります。空気を縮めて送る機械はコンプレッサーです。

出典:真空ポンプ(低・中真空)|アルバック

ポンプの選び方

液と条件から候補をしぼる

選ぶときは、①液の性質(名前・濃度・温度・粘度・固形物)②流量 ③全揚程(高さの差+配管の損失)④吸込みの条件(NPSH)⑤漏れの許され方の順に決めると、方式・シール・材質がしぼれます。最後に、メーカーの性能曲線で、運転点が効率の高い所に来るかを確かめます。

液・条件よく使われる候補
きれいな水・大流量・連続運転渦巻ポンプ(遠心)
高い揚程・高い圧力多段の遠心ポンプ・プランジャーポンプ
決まった量を注入したい(薬液・定量)ダイヤフラム式などの定量ポンプ
粘度が高い・固形物を含む・液を傷めたくない一軸偏心ねじ・歯車などの容積形
漏らすと危険な薬液・液化ガスマグネット・キャンドのシールレス
汚水・ごみを含む液ノンクロッグ・水中ポンプ
液面より上から吸い上げる・NPSH が足りない自吸式・立形・設置位置の見直し

このページの出典をもとに編集部が整理した目安です。最後はメーカーの仕様と試験で確かめてください。

粘度・温度・スラリー

モノタロウの実践講座は、遠心ポンプで粘い液を送ると、締切点の全揚程は動粘度によらず同じだが、吐出し量が増えるほど、動粘度が大きいほど全揚程と効率が下がり、軸動力は必ず大きくなるとしています。水で試験した性能は、ISO/TR 17766 の方法で換算します。液温が上がると飽和蒸気圧が上がって NPSHA が小さくなり、キャビテーションのおそれが増えます。スラリーは摩耗に強い構造を選びます。粘い液や固形物を含む液は、一軸偏心ねじ・歯車などの容積形も候補になります。

出典:ポンプ液の基本特性|モノタロウ 遠心ポンプの実践講座(外山幸雄)

全揚程は、高さの差と配管の損失から

全揚程は、液面の高さの差(実揚程)に、配管・弁・継手の損失を足して見積もります。損失は流量の2乗で増えるので、配管を細くすると損失が大きくなり、大きなポンプと電力が要ります。配管の口径の決め方は、課題「配管のサイズ(口径)を流量から決めたい」にあります。

出典:ポンプの性能曲線と運転点の関係|モノタロウ 遠心ポンプの基礎講座(外山幸雄)

吸い込めるか(NPSHA と NPSH3)

ポンプが吸い込めるかどうかは、NPSH で確かめます。NPSHA(有効吸込みヘッド)は配管の条件で決まり、液面の圧力から、液の飽和蒸気圧・液面からの高さ・吸込み配管の損失を引いた値です。NPSH3 はポンプで決まる値で、理論式はなく、メーカーが吐出し量を一定にして吸込み圧力を下げ、全揚程が3%下がったときの NPSHAとして試験で求めます。

吸込みタンクの液面からポンプまでの高さhaと配管の損失hLを示し、NPSHAとNPSH3の定義と、余裕の目安NPSHA−NPSH3≧0.6mまたはNPSHA≧1.3×NPSH3を並べた図
図6 吸い込めるかを確かめる:NPSHA と NPSH3
出典:モノタロウ 遠心ポンプの基礎講座(2-6・5-5)をもとに AI(Claude)で作成

必要な条件は NPSHA>NPSH3 で、購入者はNPSHA−NPSH3≧0.6m、または NPSHA≧1.3×NPSH3と余裕を指示することが多いとしています。同じ講座の計算例では、常温の水・30m³/h・液面からの高さ 3m・損失 1.0m で NPSHA は 6.09m、NPSH3 が 2.5m なら余裕は 3.59m です。

出典:ポンプの吸込揚程と求め方|モノタロウ 遠心ポンプの基礎講座(外山幸雄)、ポンプのNPSHAとNPSH3|モノタロウ 遠心ポンプの基礎講座(外山幸雄)

選ぶ・仕様を書くときのチェックポイント

ポンプを選ぶとき、仕様書に書き漏らしやすい項目です(編集部が整理した項目です)。

  • 液:名前・濃度・温度・粘度・比重(粘度が高いと遠心ポンプの性能が下がる)
  • 液の中身:スラリー・異物・腐食性(羽根車の形・材質・方式)
  • 流量:常用と最大・最小(最小がミニマムフローを下回らないか)
  • 全揚程:実揚程と、配管・弁・継手の損失
  • 吸込み:NPSHA と NPSH3 の余裕(0.6m 以上か 1.3 倍以上が目安)
  • 漏れ:グランドパッキン・メカニカルシール(シングル・タンデム・ダブル)・シールレス
  • 制御:弁で絞るか、回転数で合わせるか(軸封のフラッシングも)
  • 保護:締切・空運転・キャビテーションを防ぐ保護装置

出典:ポンプ液の基本特性|モノタロウ 遠心ポンプの実践講座(外山幸雄)、ポンプの吸込揚程と求め方|モノタロウ 遠心ポンプの基礎講座(外山幸雄)、ポンプで使うシールの選定|モノタロウ 遠心ポンプの基礎講座(外山幸雄)、ポンプの減速運転|モノタロウ 遠心ポンプの実践講座(外山幸雄)、ポンプの保護装置|モノタロウ 遠心ポンプの基礎講座(外山幸雄)

シールと漏れ(シールレス)

グランドパッキンとメカニカルシール

回る軸がケーシングを貫く所は、シールで液を止めます。モノタロウの基礎講座は、グランドパッキンは冷却・潤滑のためにメカニカルシールよりはるかに多くの液を漏らしながら使うもので、価格は安い一方、漏れると危険な液にグランドパッキンを使ってはいけませんとしています。メカニカルシールは、国際的な設計規格 ISO 21049・API 682 で許容漏れ量を 5.6g/h と決めています。漏れが0だと摺動面が激しく摩耗するためです。

左はパッキンを押さえて詰め、少し漏らすグランドパッキン、中央は回転環と固定環の摺動面で封じるメカニカルシール、右は隔壁をはさんだ磁石で回し軸が外に出ないマグネットポンプの模式図
図7 軸のシールのしかた:グランドパッキン・メカニカルシール・シールレス(模式図)
出典:モノタロウの遠心ポンプの基礎講座・イワキをもとに AI(Claude)で作成

出典:ポンプのシールの漏れ量|モノタロウ 遠心ポンプの基礎講座(外山幸雄)、ポンプで使うシールの選定|モノタロウ 遠心ポンプの基礎講座(外山幸雄)

メカニカルシールは危険度で選ぶ

同じ講座の目安では、シングル形は常温の水など漏れても危険がないとき、タンデム形は液化ガスなど漏れるとかなり危険があるとき、ダブル形は有毒性のある液・液化ガスなど漏れると重大な危険があるときに使います。メーカーで違うので、最後はメーカーと決めます。

出典:ポンプで使うシールの選定|モノタロウ 遠心ポンプの基礎講座(外山幸雄)

シールレス(マグネットポンプ・キャンドモータポンプ)

軸シールそのものをなくしたのがシールレスのポンプです。イワキは、マグネットポンプは軸シールがない(シールレス)ので液洩れがありませんとしています。TEIKOKU は、キャンドモータポンプはポンプ部とモーター部が一体で、取り扱う液が外に漏れるおそれがないので、人体に有害な液・爆発や引火しやすい液・高価な液・腐食性のある液に向くとしています。

出典:マグネットポンプ(シールレスポンプ)|イワキ、基本型キャンドモータポンプ(F型)|TEIKOKU

省エネ:回転数制御で電気代を下げる

回転数を下げると、軸動力は3乗で減る

J-Net21 は、インバーターで回転数を変えると、理論上、流量は周波数に比例し、揚程は2乗に比例し、消費電力は3乗に比例するとしています。モノタロウの基礎講座の例では、2,940min⁻¹ のポンプを80%の 2,352min⁻¹ にすると、最高効率点の吐出し量は 2.2→1.76m³/min、全揚程は 82.0→52.5m になり、計算で換算した性能曲線は実用上問題にならないほど実際とよく合うとしています。

回転数を80パーセントにすると、吐出し量80パーセント、全揚程64パーセント、軸動力の理論値約51パーセントになることを示す横棒グラフ
図8 回転数を 80% にしたときの性能(相似則)
出典:モノタロウ 遠心ポンプの基礎講座「ポンプの回転速度の変化」をもとに AI(Claude)で作成

出典:実揚程の大きなポンプにインバータを取り付けても省エネ効果が少ないのはなぜ?|J-Net21(中小企業基盤整備機構)、ポンプの回転速度の変化|モノタロウ 遠心ポンプの基礎講座(外山幸雄)

弁で絞るより、回転数で合わせる

J-Net21 の試算(締切圧が運転点の1.4倍、実揚程が定格揚程の0.3倍の場合)では、流量を半分にするとき、吐出し弁で絞ると定格の65%の電力が要るが、回転数を下げると24%で済み、省エネ率は約63%です。一方、実揚程が大きいほど省エネの量は小さくなり、回転数制御が効くのは、実揚程が小さく流量の比が30〜80%程度の場合と見ています(同ページの試算)。

流量を半分にしたときの必要電力。吐出し弁で絞ると65パーセント、回転数を下げると24パーセントの横棒グラフ
図9 流量を半分にしたときの必要電力
出典:J-Net21 の省エネQ&A(Q1187)をもとに AI(Claude)で作成

出典:実揚程の大きなポンプにインバータを取り付けても省エネ効果が少ないのはなぜ?|J-Net21(中小企業基盤整備機構)

冷却水ポンプの試算

J-Net21 のもう一つの例では、食品工場の冷却水ポンプ(電動機 37kW)にインバーターを付けて流量を15%減らすと、年 267,800kWh が 173,100kWh になり、約94,700kWh・約208万円(22.0円/kWh)の削減と試算しています。60Hz から 50Hz に下げると回転速度は 0.83 倍、消費電力は 0.57 倍(0.83 の3乗)になる、という関係を使っています。

出典:ポンプや送風機の回転速度調整による省エネとは?(その2)|J-Net21(中小企業基盤整備機構)

減速するときの注意(軸封のフラッシング)

モノタロウの実践講座は、減速運転は弁で絞るより軸動力が下がる割合が大きく省エネ効果が高い一方、全揚程も下がるので、フラッシングの方式によっては、軸封に要る圧力と流量が確保できなくなるおそれがあるとしています。インバーター化するときは、シールのメーカーにも確かめます(編集部の補足)。インバーターのしくみは技術「インバーター」にあります。

出典:ポンプの減速運転|モノタロウ 遠心ポンプの実践講座(外山幸雄)

ここからは省エネ診断の事例です。1件目・2件目は省エネルギーセンターの診断の見積もりです。

弁で絞っていたろ過ポンプをインバータに(温水プール)

省エネルギーセンターの診断事例では、温水プールのろ過ポンプ(2台、計 9.7kW)が吐出バルブを絞って流量を調整していたため、インバータ化を提案し、省エネ効果は原油換算 10.2kL/年、削減額 859千円/年、投資 400千円で回収 0.5年と見積もっています(「弁で絞るより、回転数で合わせる」の節)。

出典:省エネ診断事例(温水プール)|省エネルギーセンター

回収の長い例もある(下水処理場)

同じく下水処理場の診断では、汚水ポンプのうち稼働時間の長いポンプ A(5.5kW×2台)へのインバータ導入は投資 550千円・削減 88千円/年で回収 6.3年、逆洗ポンプ・逆洗排水ポンプ・原水ポンプのインペラカット(羽根車の外径を小さくして流量を約20%減らす)は投資 600千円・削減 93千円/年で回収 6.5年と見積もっています。同じインバータ化でも、設備によっては回収に時間がかかる例です。

出典:省エネ診断事例(下水処理場)|省エネルギーセンター

トラブルと対策

よくあるトラブルと、まず見るところ

症状まず見るところ対策を書いた所
「バリバリ」音・振動、揚程が下がるNPSHA と吸込み条件キャビテーション
始動しても液が出ない・圧力が上がらない空気抜き・呼び水空気抜き・呼び水
吐出し弁を閉めたまま運転した液温の上昇締切運転
低流量で圧力・流量が周期的に揺れる運転点サージング
配管が振動する(往復ポンプ)エアチャンバー・無脈動化脈動(往復ポンプ)
軸のまわりから漏れるシールの種類と状態シールと漏れ

このページの出典をもとに編集部が整理したものです。

キャビテーション

酉島製作所は、キャビテーションを羽根車の入口で圧力が局部的に下がって気泡ができる現象とし、騒音・振動・発熱による軸受の損傷、全揚程の低下、羽根車の損傷(エロージョン)を起こすとしています。「バリバリ」という高い音(周波数 600〜25,000Hz)が目安で、応急の対策は、吐出しバルブを少し閉める、押し込みならタンクの水位を少し上げる、です。研究では、祖山らが比速度300の遠心ポンプを毎秒最大 40,500 コマで撮影し、低流量で、ポンプ入口付近の逆流域に生じる渦のキャビテーションが、羽根の前縁近くの激しい壊食を起こすことを報告しています。

左から液が入り、羽根車の羽根の入口側の表面付近に白い気泡ができ、その先の羽根の表面に損傷の点がある模式図
図10 キャビテーション:羽根車の入口で気泡ができる(模式図)
出典:酉島製作所のキャビテーションの説明をもとに AI(Claude)で作成

出典:キャビテーション発生によるトラブル|酉島製作所、祖山均ほか「高比速度遠心ポンプに生じる激しい壊食性キャビテーションの高速写真観察」日本機械学会論文集B編 61巻591号(1995)|J-STAGE

ポンプ不具合事例集 キャビテーション編(YouTube の動画)
動画 ポンプ不具合事例集 キャビテーション編
出典:(株)丸八ポンプ製作所(YouTube)

空気抜き・呼び水

モノタロウの基礎講座は、空気を抜かないで運転すると、ポンプ内部にかじりを起こしたり主軸を折損したりする重大な事故になるとしています。空気が残ったままだと軸動力が小さくなりますが、モーターの低電流を検知して止める方法は、ほとんどの場合役に立たないとしています。吸上げの場合は、大形は真空ポンプと満液検知器、小形は呼水漏斗とフート弁で液を満たします。

出典:横軸ポンプ始動前の空気抜き|モノタロウ 遠心ポンプの基礎講座(外山幸雄)

締切運転

吐出し弁を閉めたまま(吐出し量0)で運転しても軸動力はかかり、その分が熱になります。モノタロウの基礎講座は、軸動力の大きいポンプは液温が短時間で急上昇し、液化ガスを扱うポンプは飽和蒸気圧力が急上昇して、かじりやケーシングの割れによる液の流出などの大事故につながるとして、現地では締切運転を避けるよう求めています。運転できる最小の流量(ミニマムフロー)を確保するミニマムフローラインや、空転防止リレー・安全弁などの保護装置もあります。

出典:ポンプの締切運転|モノタロウ 遠心ポンプの基礎講座(外山幸雄)、ポンプの保護装置|モノタロウ 遠心ポンプの基礎講座(外山幸雄)

サージング

コトバンクの説明では、サージングは低流量域で運転すると管内の圧力・流量が周期的に変動する現象で、特性曲線の右上がりの部分で起こりやすいとされます。対策は、課題「ポンプ・ファン・圧縮機のサージング(脈動)を抑えたい」にあります。

出典:サージング|コトバンク

脈動(往復ポンプ)

タクミナは、ダイヤフラムなどの往復ポンプの脈動を抑える機器として、容器内の空気の圧縮性を使うエアチャンバー(脈動減衰器)を挙げています。一方、エアチャンバーには空気の補給や絞り弁の圧力調整などの日常の作業が要り、脈動の出ないポンプにすればそれが要らなくなるとしています(同社の説明)。

出典:エアチャンバーについて|タクミナ

水撃(ウォーターハンマー)

ポンプが急に止まったり、弁を急に閉めたりすると、配管の中の圧力が急に上がる水撃が起きることがあります。逆止弁とポンプの止まり方、水撃防止器などの対策は、課題「ウォーターハンマー(水撃)を防ぎたい」にあります。

次は、ポンプの修理中に起きた国の労働災害の事例です。

循環ポンプの修理中に高温の液が噴出(製紙工場)

厚生労働省の職場のあんぜんサイトには、製紙工場の連続蒸解設備で、黒液(高温高圧の強アルカリ溶液)を循環させるポンプを修理していたところ、ケーシング付近から黒液が大量に噴出し、作業者3名が亡くなった事例があります。対策には、修理の前に液の排出を確かめること、二重の閉鎖と閉止板を使うことなどが挙げられています。

出典:製紙工場内の連続蒸解設備の循環ポンプ修理作業において、黒液が噴出して3名が死亡|職場のあんぜんサイト(厚生労働省)

企業紹介(ポンプの技術)

大型・高圧の渦巻ポンプ、水中ポンプ、シールレスのマグネットポンプ、定量ポンプ、一軸偏心ねじポンプ、キャンドモータポンプまで、得意分野の違う会社を紹介します。掲載は各社の公開情報にもとづきます。各社のサイトの画像は使わず、公開されている情報をもとに図にしました。

相談する前に整理すること

ポンプのメーカー・販売店に相談するときは、次の点を整理しておくと話が早く進みます(編集部が整理した項目です)。

  • 使い道:何を、どこからどこへ送るか
  • 液:名前・濃度・温度(安全データシートがあれば用意)
  • 粘度・比重:固形物・スラリーの有無と大きさ
  • 流量:常用・最大・最小
  • 揚程・圧力:高さの差と配管の長さ・口径
  • 吸込み:液面の位置(押し込みか吸上げか)とタンクの圧力
  • 運転:連続か間欠か、流量を変えるか
  • 今の設備:機種・年数・困っている症状

困りごとごとの相談先

困りごと相談先の種類このページで紹介した会社
高温・高圧・大型のポンプが要る大型ポンプのメーカー酉島製作所
汚水・ごみを含む液を排水したい水中ポンプのメーカー鶴見製作所
薬液を漏らさず送りたいマグネットポンプのメーカーイワキ
薬液を脈動なく定量で送りたい定量ポンプのメーカータクミナ
粘い液・固形物を含む液を送りたい一軸偏心ねじポンプのメーカー兵神装備
有害な液・液化ガスを完全に漏らさず送りたいキャンドモータポンプのメーカーTEIKOKU

各社の公式サイトの情報をもとに編集部が整理したものです。各社の紹介は、この下にあります。

会社渦巻
(遠心)
多段・
高圧
水中シール
レス
定量・
ダイヤフラム
一軸偏心
ねじ
酉島製作所大型・高圧の渦巻・多段(大阪府高槻市)●●●
鶴見製作所水中ポンプ(大阪市鶴見区・東京都台東区)●●
イワキマグネットポンプ(東京都千代田区)●●
タクミナ定量ポンプ(大阪市中央区)●
兵神装備モーノポンプ(神戸市兵庫区)●
TEIKOKUキャンドモータポンプ(兵庫県たつの市)●●●

●は、各社の公式サイトで扱いを確認できたものです(空欄は、扱っていないという意味ではありません)。社名を押すと、その会社の紹介へ移ります。

株式会社酉島製作所|大型・高圧の渦巻ポンプと多段ポンプ

酉島製作所とは

大阪府高槻市に本社を置く会社です(同社の会社概要)。沿革では、1919年に大阪市西区(現此花区)の酉島町で創業し、1927年に農業用ポンプで全国一位に認定されたとしています。製品には、液化水素・液化アンモニアのポンプなど次世代エネルギー用のポンプもあります。

酉島製作所の両吸込渦巻CDKS・CDKY、多段MHB、1919年の創業の3枚のカードの図
図11 酉島製作所の大型・高圧ポンプ
出典:酉島製作所の公式サイトをもとに AI(Claude)で作成

酉島製作所の得意技術

技術内容
両吸込渦巻 CDKS/CDKY高温・高圧液用。吐出圧 〜9.0MPaG。化学工業・発電所・製紙工業などのプロセス用
多段 MHB二重バレルケーシングの高圧多段ディフューザポンプ。吐出圧 〜42MPaG。火力発電所のボイラ給水など
片吸込渦巻・斜流・軸流・水中モータポンプ用途ごとのシリーズを製品一覧にそろえている

酉島製作所が解決できる課題

  • 発電所のボイラ給水など、高温・高圧の液を送りたい
  • 大型の渦巻・斜流・軸流ポンプを用途に合わせて選びたい

出典:会社概要|酉島製作所、沿革|酉島製作所、ポンプ 製品一覧|酉島製作所

株式会社鶴見製作所|水中ポンプとノンクロッグ型のスマッシュポンプ

鶴見製作所とは

大阪市鶴見区に本店、東京都台東区に本社を置く会社です(同社の企業概要)。沿革では、1924年に辻本治三郎が鶴見商会機械部を創業し、1953年に最初の「水中ポンプ」を開発したとしています。

鶴見製作所の1953年の水中ポンプ、BN型、更新の事例の3枚のカードの図
図12 鶴見製作所の水中ポンプ
出典:鶴見製作所の公式サイトをもとに AI(Claude)で作成

鶴見製作所の得意技術

技術内容
水中ノンクロッグ型スマッシュポンプ BN 型吐出し口径 65〜100mm。異物を通れる大きさまで細かくしながら押し込むスマッシュ機構を持つと同社は説明(破砕を目的としたポンプではないと注記)
水中ポンプの用途別の分類汚物用・雑排水用・海水用・耐食用・清水用・耐圧防爆用など

BN 型のページでは、自治体・維持管理業者(416名)へのアンケートの結果として、詰まりの困りごとを紹介しています。

鶴見製作所が解決できる課題

  • 汚水・ごみを含む液のポンプが詰まり、引き上げて掃除する手間がかかる
  • マンホールポンプ場などの排水ポンプを更新したい

公開されている実績・用途

  • マンホールポンプ場で同じ出力の BN 型に更新し、年間の運転時間が半分、電気料金が年約7万円の削減(同社の事例)

出典:企業概要|鶴見製作所、沿革|鶴見製作所、水中ノンクロッグ型スマッシュポンプ BN型|鶴見製作所

株式会社イワキ|シールレスのマグネットポンプとケミカルポンプ

東京都千代田区に本社を置く会社です(同社の会社概要)。沿革では、1956年に創立し、1959年にケミカルポンプの製造・販売を始めたとしています。

イワキのマグネットポンプのシールレス、流量の範囲、1959年からのケミカルポンプの3枚のカードの図
図13 イワキのマグネットポンプ
出典:イワキの公式サイトをもとに AI(Claude)で作成

イワキの得意技術

技術内容
マグネットポンプ(シールレスポンプ)用途に応じて最大吐出量 70L/min〜5000L/min(同社の説明)
特長軸シールがないので液洩れがない。化学薬品にも耐える材料で、耐食性に優れると同社は説明
主要用途表面処理プロセス・水処理プロセスなど

イワキが解決できる課題

  • 腐食性の薬液を、漏らさずに送りたい
  • シール付きのポンプより、分解・組立を簡単にしたい

出典:会社概要|イワキ、沿革|イワキ、マグネットポンプ(シールレスポンプ)|イワキ

株式会社タクミナ|無脈動の定量ポンプ(スムーズフローポンプ)

タクミナとは

大阪市中央区に本社を置く会社です(同社の本社のページ)。歴史のページでは、1956年に兵庫県朝来郡生野町で前身の山彦産業を創業し、1965年に国産初の動力付き定量ポンプ「NフィーダーS型」を発売したとしています。

タクミナのスムーズフローポンプの無脈動・定量、液が漏れない、1965年のNフィーダーS型の3枚のカードの図
図14 タクミナのスムーズフローポンプ
出典:タクミナの公式サイトをもとに AI(Claude)で作成

タクミナの得意技術

技術内容
スムーズフローポンプ高精密等速度カムで複数のダイヤフラムの動きを制御し、無脈動・定量・高精度な送液を実現したと同社は説明
液が漏れない軸封部を持たない完全密閉構造
異物混入がない接液部に摺動する部品がないので、摩耗粉が液に混じる心配がないと同社は説明

タクミナが解決できる課題

  • 薬液を、脈動なく正確な量で注入・移送したい
  • スラリーや、空気に触れると困る液を安全に送りたい

公開されている実績・用途

  • 金属粉を含んだ98℃の塩酸の定量移送、200m 超の長距離配管での濃硫酸の移送(同社の関連事例)

出典:本社|タクミナ、タクミナの歴史|タクミナ、スムーズフローポンプ|タクミナ、エアチャンバーについて|タクミナ

兵神装備株式会社|一軸偏心ねじポンプ(モーノポンプ)

兵神装備とは

神戸市兵庫区に本社を置き、1968年1月に設立された会社です(同社の会社概要)。沿革では、フランスの R・モアノ博士が1930年代に発明した一軸偏心式のねじポンプに着目し、ドイツの NETZSCH 社との技術提携で「ヘイシン モーノポンプ」として製品化し、1969年に第1号機を船底のオイルスラッジを汲み出すポンプとして納入したとしています。

兵神装備のモーノポンプの一軸偏心ねじ、NY・NYT型、1969年の第1号機の3枚のカードの図
図15 兵神装備のモーノポンプ
出典:兵神装備の公式サイトをもとに AI(Claude)で作成

兵神装備の得意技術

技術内容
一軸偏心ねじポンプローターとステーターのすき間のキャビティーが進み、液を送る
NY・NYT 型吐出量 0.04〜69m³/h、吐出圧 最高 0.8MPa(同社の製品ページ)
5つの基本性能(同社)無脈動・定量移送、液を傷めずに移送、高い吸込能力、正逆運転、吐出量を自在に制御

兵神装備が解決できる課題

  • 粘度の高い液や固形物を含む液を、傷めずに送りたい
  • 接着剤・樹脂・スラリーを脈動なく定量で送りたい

公開されている実績・用途

  • 金型潤滑剤・離型剤・接着剤・シリコーン樹脂・エポキシ樹脂など(NY・NYT 型の移送例)

出典:会社概要|兵神装備、沿革|兵神装備、なぜ困難を解決できるのか|兵神装備、NY・NYT型|モーノポンプ(兵神装備)

株式会社TEIKOKU|完全無漏洩のキャンドモータポンプ

兵庫県たつの市に本社を置き、1939年9月12日に設立された会社です(同社の会社概要)。

TEIKOKUのキャンドモータポンプの完全無漏洩、基本型の範囲、液化ガス用R型の3枚のカードの図
図16 TEIKOKU のキャンドモータポンプ
出典:TEIKOKU の公式サイトをもとに AI(Claude)で作成

TEIKOKUの得意技術

技術内容
基本型(F 型)スラリーのない清澄な中低温の液を完全無漏洩で扱う。吐出量 Max 13m³/min、全揚程 Max 160m、モーター出力 Max 220kW
R 型液化ガス・低沸点液用。循環液を吸込タンクのベーパーゾーンへ戻す構造で、キャビテーションやベーパーロックのない運転ができると同社は説明
そのほか高温分離型(B 型)・自吸式(G 型)・スラリー用・多段型など(同社の製品一覧)

TEIKOKUが解決できる課題

  • 人体に有害な液、爆発や引火しやすい液を、外に漏らさず送りたい
  • 液化ガスなど気化しやすい液を、安定して送りたい

出典:会社概要|TEIKOKU、基本型キャンドモータポンプ(F型)|TEIKOKU、R型キャンドモータポンプ|TEIKOKU、キャンドモータポンプ 製品一覧|TEIKOKU

よくある質問

種類としくみ

ポンプとは何ですか?
液体に力を加えて、低い所から高い所へ、圧力の低い所から高い所へ送る機械です。作動原理で、羽根車で勢いを与えるターボ形、閉じ込めた液を押し出す容積形、それ以外の特殊形に分かれます(ポンプとは(基本))。
渦巻ポンプとは?
ターボ形の遠心ポンプの一つで、羽根車が液を外へ押し出して勢いを与え、渦巻室で速度を圧力に変えて送ります。送水などに広く使われます(渦巻ポンプ(遠心ポンプ)のしくみ)。
ダイヤフラムポンプのしくみは?
膜(ダイヤフラム)と2つの弁でできていて、膜の往復で容積を増減し、吸込みと吐出しをくり返します。軸シールがないので漏れず、薬液の注入に多く使われます。脈動が出ます(ダイヤフラムポンプ)。
真空ポンプとはどう違いますか?
真空ポンプは、密閉した空間から気体を出して大気圧より低い圧力をつくる機械で、液を送るポンプとは目的が違います(真空ポンプとの違い)。

選び方・省エネ・トラブル

どのポンプを選べばよいですか?
液の性質(温度・粘度・固形物・腐食性)、流量、全揚程、吸込みの条件(NPSH)、漏れの許され方を先に決めます。きれいな水の送水は渦巻、定量はダイヤフラム、粘い液はねじ・歯車などの容積形、危険な液はシールレスが候補です(ポンプの選び方)。
NPSH とは?
吸い込めるかを確かめる値で、NPSHA(配管の条件で決まる)が NPSH3(ポンプで決まる)より大きい必要があります。余裕の目安は 0.6m 以上か 1.3 倍以上です(吸い込めるか(NPSHA と NPSH3))。
電気代を下げるには?
弁で絞って流量を合わせているなら、回転数で合わせると大きく下がることがあります。理論上、軸動力は回転数の3乗で変わります。ただし実揚程が大きいと効果は小さくなります(省エネ:回転数制御で電気代を下げる)。
ポンプから「バリバリ」と音がするのは?
キャビテーションの疑いがあります。吸込みの条件(液面・配管・液温)を見直し、吐出し量・全揚程が下がっていないかを確かめます(キャビテーション)。

回答は、このページの出典をもとに編集部がまとめたものです。

さらに学術的に調べるときは、大橋秀雄「ポンプの形式選定の考え方」(ターボ機械 13巻8号、1985年)や、坂口順一「キャビテーションによるトラブルとNPSHについて」(ターボ機械 12巻5号、1984年)などの解説記事があります。

出典・確認日

※製品名・会社名は各社の商標または登録商標です。本ページでは数値と事実だけを要約し、各社の文章・図は転載していません。流量・揚程・圧力・効率の数値は各社の製品や資料の目安で、測り方と前提が違うため、資料をまたいで細かく比べないでください。

※アイキャッチ画像は、AI(ChatGPT)で生成したイメージです。実在の製品ではありません。図はAI(Claude)で作成した概念図です。

情報の確認日:2026年10月30日 本ページの内容は一般的な情報です。機種の選定・材質の判断は、メーカーの資料と試験で確かめてください。各社の製品・サービスは、その会社の公開情報にもとづきます。

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