コネクターの接触抵抗が、使ううちに上がっていく。振動のある場所で、一瞬だけ導通が切れる。抜き差しをくり返すうちに接触が悪くなる。戻ってきた品を調べても再現しない。こうした接触不良の多くは、接点のこすれ合いによる摩耗と酸化(フレッティングコロージョン)、接点表面の腐食や皮膜、嵌合や保持の不具合が原因です。
接触不良は、起きている場所と環境によって効く対策が変わります。まずは次のマトリクスで、自分の課題に近いものと、使える技術を確かめてください。
課題と解決技術のマトリクス
| 課題(症状) | めっき・接点材料の選定 | 接点潤滑剤・封孔処理 | 嵌合・保持の構造 | 腐食環境の遮断 | 試験・解析 |
|---|---|---|---|---|---|
| A振動する場所で接触抵抗が上がる・瞬断する | ○ | ◎ | ○ | ○ | |
| B使ううちに接触抵抗がじわじわ上がる・接点が変色する | ◎ | ○ | ○ | ○ | |
| C抜き差しをくり返すと接触が悪くなる・挿入が重い | ◎ | ○ | ○ | ||
| D基板対基板コネクタで、位置ずれやはんだの割れから導通不良になる | ◎ | ○ | |||
| E原因がつかめない・再現しない | ◎ |
◎ 第一候補○ 有効△ 条件によって有効
※記号は一般的な傾向に基づく目安です。実際の効果は、めっきの種類と厚さ、接触荷重、電流・電圧の大きさ、振動や温度・湿度などの使用環境によって異なります。
記号の理由と出典(14件)
マトリクスの記号ごとに、理由と出典をまとめました。出典が「編集部の解説」のものは、この記事の本文の説明をもとにした編集部の評価です。症状の記号を押すと、その症状の説明へ移ります。
| 症状 | 技術 | 記号 | 理由 | 出典 |
|---|---|---|---|---|
| A | めっき・接点材料の選定 | ○ | 耐酸化性の高い表面処理にすれば摩耗粉の酸化による抵抗上昇を抑えられるため有効 | 編集部の解説 |
| A | 接点潤滑剤・封孔処理 | ◎ | 潤滑剤で摩耗と摩耗粉の発生を抑えられ、フレッティングに直接効くため第一候補 | テトラ |
| A | 嵌合・保持の構造 | ○ | 接点がこすれ合わないようにすることが基本のため、接圧確保と固定の見直しが有効 | 編集部の解説 |
| A | 試験・解析 | ○ | 微摺動を加えて通電特性の劣化を評価でき、対策の確認に有効 | JFEテクノリサーチ |
| B | めっき・接点材料の選定 | ◎ | 使う電流・電圧と環境に合うめっきを選ぶことが、皮膜や腐食による抵抗上昇への第一候補 | メッキ.com(旭鍍金工業) |
| B | 接点潤滑剤・封孔処理 | ○ | 封孔処理でピンホールをふさぎ、下地の腐食を防げるため有効 | テトラ |
| B | 腐食環境の遮断 | ○ | 防水・密閉型にすれば硫化水素や湿気などから接点を遮断できるため有効 | 編集部の解説 |
| B | 試験・解析 | ○ | 腐食性ガスの試験で変色や腐食を再現して確かめられるため有効 | 山崎精機研究所 |
| C | めっき・接点材料の選定 | ◎ | 低摩擦のめっきで挿入力を下げ、めっきの摩耗を抑えられるため第一候補 | 三菱マテリアル |
| C | 接点潤滑剤・封孔処理 | ○ | 潤滑・封孔処理で嵌合をなめらかにし、抜き差しによる摩耗を減らせるため有効 | テトラ |
| C | 試験・解析 | ○ | 挿抜の耐久試験のあとに接触抵抗と挿入力を確かめられるため有効 | 編集部の解説 |
| D | 嵌合・保持の構造 | ◎ | 可動ばね部のフローティング構造で位置ずれを吸収し、はんだ付け部への力を減らせるため第一候補 | イリソ電子工業 |
| D | 試験・解析 | ○ | 断面観察ではんだのクラックの有無を確かめられるため有効 | 編集部の解説 |
| E | 試験・解析 | ◎ | 接触抵抗を連続して測り摩耗粉も分析できるため、再現しない症状の第一候補 | JFEテクノリサーチ |
課題の診断と解決策
振動する場所で接触抵抗が上がる・瞬断する
車載機器や産業機械など、振動や温度変化のある場所で使うコネクターで、接触抵抗が上がったり、一瞬だけ導通が切れたりする。

- 起きている現象
- 嵌合した端子どうしは固定されているように見えても、振動や温度変化による伸び縮みの差で、接点が数µm〜数十µmの範囲で往復します。これを微摺動と呼びます。こすれ合うたびにめっきが摩耗し、出た摩耗粉が酸化して接点の間にたまり、接触抵抗が上がります。この現象をフレッティングコロージョン(微摺動摩耗)と呼びます。
- 解決に使える技術
- 接点潤滑剤・封孔処理接点に潤滑剤を塗り、摩耗と摩耗粉の発生を抑える
- めっき・接点材料の選定酸化しにくい金めっきなど、耐酸化性の高い表面処理を選ぶ
- 嵌合・保持の構造接触荷重(接圧)を確保し、端子やケーブルの固定を見直して、接点が動きにくくする
フレッティングコロージョンは、接圧の低い接点や、スズなどの卑金属の接点で起きやすいとされます。薄い金めっきの接点でも起きた事例があります。再現しにくく、原因を特定しにくい点にも注意が必要です。
使ううちに接触抵抗がじわじわ上がる・接点が変色する
出荷時は問題なかったのに、使ううちに接触抵抗が上がる。接点が黒や白に変色している。温泉地や工場、海沿いなど、特定の場所で使う製品に不具合が多い。

- 起きている現象
- 接触抵抗は、接点の小さな接触点に電流が集中することで生じる集中抵抗と、接点の表面にできた酸化膜や硫化膜などによる皮膜抵抗の和です。皮膜は数nm〜数十nmの厚さでも高い抵抗を示すことがあります。銀は硫化水素などで硫化し、塩素を含む環境では塩化します。薄い金めっきでは、ピンホール(小さな穴)から下地が腐食することがあります。
- 解決に使える技術
- めっき・接点材料の選定使う環境と電流・電圧に合わせてめっきの種類と厚さを選ぶ。金とスズなど異なるめっきどうしを組み合わせない
- 接点潤滑剤・封孔処理金めっきのピンホールを封孔処理でふさぎ、下地の腐食を防ぐ
- 腐食環境の遮断コネクターを防水・密閉型にする。周りのシリコーン材料など、接点を汚すガスの発生源を減らす
微小な電流・電圧の回路では、接点の皮膜が破れにくく、接触不良が表に出やすくなります。リレーなどの接点では、印加する電圧や電流を上げて皮膜を破る方法もあります。
抜き差しをくり返すと接触が悪くなる・挿入が重い
保守や検査のたびに抜き差しするコネクターで、だんだん接触が悪くなる。多極のコネクターで挿入が重く、組立作業がつらい。

- 起きている現象
- 抜き差しのたびに接点どうしがこすれ、めっきがすり減ります。めっきが摩耗して母材が露出すると、酸化や腐食が進み、接触抵抗が上がります。コネクターの端子に一般的に使われるリフロースズめっきは、表面のスズ層が軟らかいため、端子を挿入するときの摩擦抵抗が大きくなります。多極になるほど挿入力も増えます。
- 解決に使える技術
- めっき・接点材料の選定摩擦を下げる低挿入力めっきを使う。抜き差しの多い接点には、摩耗しても接触が安定する金めっきを使う
- 接点潤滑剤・封孔処理潤滑剤で嵌合をなめらかにし、めっきの摩耗を減らす
- 試験・解析挿抜耐久試験のあとの接触抵抗と、挿入力・離脱力を確かめる
挿入力を下げるために表面の純スズを減らすと、電気的な接続の信頼性が下がるという欠点が指摘されています。挿入力と接触の安定性の両方を確かめて選びます。
基板対基板コネクタで、位置ずれやはんだの割れから導通不良になる
2枚の基板をコネクターでつなぐと、嵌合しにくい、または使ううちに導通が不安定になる。調べると、コネクターのはんだ付け部にクラックが入っている。

- 起きている現象
- 基板対基板コネクタの多くは、可動部を持たない固定型です。基板の取り付け位置がずれると、コネクターに無理な力がかかったまま嵌合され、はんだ付け部にストレスがかかり続けます。温度変化や振動が重なると、はんだにクラックが入り、接触不良になります。
フローティングコネクタは、製品ごとに可動できる方向と量(X・Y方向の可動量、Z方向の有効嵌合長)が決まっています。基板の位置ずれの見込み量と比べて選びます。
原因がつかめない・再現しない
市場で接触不良が起きたが、戻ってきた品を測ると正常。振動や温度の条件がそろったときだけ起きているようで、原因がつかめない。

- 起きている現象
- フレッティングコロージョンや瞬断は、振動や温度変化の条件がそろったときにだけ起きることが多く、再現性が低いため原因を特定しにくい現象です。接触抵抗を測る時点では接点が落ち着いていて、正常に見えることもあります。
- 解決に使える技術
- 試験・解析振動や温湿度を与えながら接触抵抗を連続して測り、変化をとらえる。摩耗痕や摩耗粉を観察・分析して原因を確かめる
- めっき・接点材料の選定解析結果から、めっきの種類・厚さや接触荷重を見直す
接触抵抗の測定は、測定用の電流や電圧が大きいと接点の皮膜が破れてしまい、実際の状態を正しく測れないことがあります。規格に沿った低い電流・電圧での測定方法を選びます。
なぜコネクターの接触不良が起きるのか

コネクターの接点は、表面どうしが全面で触れ合っているように見えますが、実際に電流が流れているのは、表面の小さな凸部が触れ合った接触点だけです。電流がこの小さな接触点に集中して流れるために生じる抵抗を集中抵抗と呼びます。接触点の面積は、接触荷重と材料の硬さで決まり、接触荷重が大きいほど接触点が広がって、集中抵抗は下がります。端子のばねが生む接触荷重は、接触抵抗を左右する重要な設計値です。

もう1つが、接点の表面にできた酸化膜・硫化膜・有機物の汚れなどによる皮膜抵抗です。皮膜は数nm〜数十nmの厚さでも高い抵抗を示すことがあります。接触抵抗は、この集中抵抗と皮膜抵抗の和です。接触荷重が下がったり、皮膜が厚くなったりすると、接触抵抗が上がり、接触不良になります。

AI(Claude)で作成
微摺動でめっきが削れて酸化する(フレッティングコロージョン)
自動車に載るコネクターは、走行によるランダムな振動と、近くの部品から伝わる周期的な振動にさらされています。嵌合した端子どうしは固定されているように見えても、振動や、温度変化による伸び縮みの差で、接点が数µm〜数十µmの範囲で往復します。こすれ合うたびにめっきが削れ、摩耗粉が酸化して接点の間にたまり、接触抵抗が上がります。振動中に一瞬だけ導通が切れる瞬断が起きることもあります。
フレッティングコロージョンは、振動の多い場所、接圧の低い接点、スズなどの酸化しやすい金属の接点で起きやすくなります。めっきが摩耗して母材が露出すると、酸化と腐食がさらに進みます。

AI(Claude)で作成
腐食・変色・汚れ
接点の表面は、周りの空気の影響を受けます。銀は硫化水素などのガスで硫化し、塩素を含む環境や海沿いでは塩化銀ができます。小さな電流でたまにしか開閉しないリレーの接点などでは、これが接触不良の原因になります。薄い金めっきにはピンホールができやすく、そこから下地や素材が腐食することがあります。
金めっきとスズめっきのように、異なるめっきの端子どうしを組み合わせると、金属の電位の差によって腐食が進み、接点の性能が下がります。また、スイッチなどの接点では、周りのシリコーン材料から出る低分子シロキサンが、開閉時の放電で絶縁物のシリカに変わって接点にたまり、接点障害を起こすことがあります。
原因の切り分け方
まず、コネクターが最後まで差し込まれているか(半嵌合になっていないか)、ロックがかかっているか、端子と電線の圧着に不良がないかを確かめます。施工や組立に原因がある接触不良も少なくありません。

組立に問題がなければ、接点を顕微鏡で観察し、摩耗痕、変色、酸化物や摩耗粉の有無を確かめます。摩耗痕と黒い酸化物があればフレッティングコロージョンを、変色や腐食生成物があれば周りのガスや湿気を疑います。摩耗粉や腐食生成物は、SEM-EDX(走査電子顕微鏡とエネルギー分散型X線分析)で成分を調べると、原因を絞り込めます。
出典:接触抵抗のメカニズム|集中抵抗と皮膜抵抗の寄与と低減設計|フォスター、フレッティングコロージョンとは?コネクタの接触不良原因を解説|フォスター、コネクタ信頼性評価 車載用コネクタの通電微摺動摩耗試験|JFEテクノリサーチ、フレッティングコロージョンの原因と対策|テトラ、リレーの硫化、塩化による接触不良|オムロン、コネクター めっき種類の選定ポイント|メッキ.com(旭鍍金工業)、スイッチ接点部表面における低分子シロキサン付着の評価|カネカテクノリサーチ、コネクタ・端子の接触不良|フルタカ電気
解決技術の詳細
コネクターの接触不良を防ぐ方法は、大きく分けて、①接点の材料とめっきを選ぶ、②接点を潤滑剤や封孔処理で守る、③接点が動かない・無理な力がかからない構造にする、④腐食の原因になる環境から遮断する、⑤試験と解析で確かめる、の5つです。起きている場所と原因に合わせて組み合わせます。

AI(Claude)で作成
めっき・接点材料を選ぶ
コネクターのめっきは、使う電流・電圧と環境で選びます。一般に、低電圧・低電流の回路では信頼性の高い金めっき、それ以外ではコストの有利なスズめっきが使われます。金めっきを使うときは、厚さも確かめます。薄いとピンホールから下地が腐食しやすくなるためです。
嵌合する相手の端子と、めっきの種類をそろえることも大切です。金めっきとスズめっきの端子を組み合わせると、電位の差によって腐食が進むため、避ける必要があります。
スズめっきの端子では、挿入力を下げるために、軟らかいスズの表面に硬い銅スズ合金を出した低挿入力めっきがあります。ただし、表面の純スズが少ないと、電気的な接続の信頼性が下がることがあります。両方のバランスをとっためっきも開発されています。
接点潤滑剤・封孔処理で接点を守る
接点潤滑剤(接点不良改善剤)は、接触する2つの面を潤滑状態にして、こすれ合いによる摩耗を減らします。摩耗粉が出にくくなることで、接触抵抗が上がるのを防ぎます。接点を覆って、水分や酸素から守る働きもあります。
薄い金めっきの接点には、ピンホールをふさいで下地の腐食を防ぐ封孔処理剤が使われます。めっきラインで端子に処理する方法と、組み立てたあとに接点に直接塗る方法があります。
注意点もあります。微小な信号を扱う回路や接圧の低いコネクターでは、塗りすぎると接触抵抗が上がるおそれがあります。厚く塗ると、ほこりや異物を巻き込みやすくなります。接点と用途に合った製品を選び、薄く均一に塗ります。
嵌合・保持の構造を見直す
フレッティングコロージョンを防ぐには、接点がこすれ合わないようにすることが基本です。端子の接触荷重(接圧)を確保し、コネクター本体やケーブルを固定して、振動で端子が動かないようにします。半嵌合を防ぐため、ロックがかかったことを確かめられる構造にすることも有効です。
基板どうしをつなぐコネクターでは、基板の位置ずれや振動がはんだ付け部に伝わらないようにします。端子に可動ばね部を設けたフローティングコネクタは、嵌合のずれを吸収して、はんだ付け部のストレスを減らし、はんだクラックによる接触不良を防ぎます。
腐食の原因になる環境から遮断する
硫化水素や塩素、湿気のある場所で使う製品では、防水・密閉型のコネクターを使い、接点を外気から遮断します。リレーについては、オムロンが硫化や塩化による接触不良の対策として、プラスチック・シール形リレーの使用を挙げています。
周りの部材が接点を汚すこともあります。接点の近くにシリコーン系の材料を使うときは、低分子シロキサンの少ない材料を選ぶ、接点から離す、といった配慮をします。
試験と解析で確かめる
接触抵抗は、嵌合したコンタクト間の抵抗を、四端子法で測ります。JIS C 5402-2-1(IEC 60512-2-1)は、接点の皮膜を壊さないよう、低い電圧で測るミリボルトレベル法を定めています。
フレッティングコロージョンは、嵌合したコネクターに微摺動を与えながら接触抵抗を連続して測る、微摺動摩耗試験で評価します。腐食については、硫化水素(JIS C 60068-2-43)や混合ガス(JIS C 60068-2-60)の雰囲気にさらすガス腐食試験で評価し、試験後の接触抵抗を確かめます。自動車用のワイヤハーネスコネクタには、試験方法と性能要件をまとめた JASO D616 があります。
出典:コネクター めっき種類の選定ポイント|メッキ.com(旭鍍金工業)、低摩擦性の自動車コネクター端子用めっき「PICめっき®」を開発|三菱マテリアル、フレッティングコロージョンの原因と対策|テトラ、接点グリスはどこに塗る?|エムアンドエム、フローティングコネクタ|イリソ電子工業、リレーの硫化、塩化による接触不良|オムロン、コネクタ信頼性評価 車載用コネクタの通電微摺動摩耗試験|JFEテクノリサーチ
コネクターの接触不良を防ぐ技術を持つ企業
各企業が解決できる課題と技術の内容を、企業が公開している情報をもとに紹介します。
| 企業 | 解決できる課題 | 種類 | 何ができるか | 合う症状 |
|---|---|---|---|---|
| テトラ | 潤滑剤・防錆剤メーカー | 接点不良改善剤でフレッティングコロージョンによる接触抵抗の上昇を防ぐ。金めっき封孔処理剤・銀変色防止剤も手がける。 | A 振動する場所で接触抵抗が上がる・瞬断する B 使ううちに接触抵抗がじわじわ上がる・接点が変色する C 抜き差しをくり返すと接触が悪くなる・挿入が重い | |
| 三菱マテリアル | 材料メーカー(端子用めっき) | 低摩擦性の端子用めっき「PICめっき」で、スズめっきの接続信頼性を保ちながらコネクターの挿入力を下げる。 | C 抜き差しをくり返すと接触が悪くなる・挿入が重い | |
| イリソ電子工業 | コネクターメーカー | 端子に可動ばね部を持つフローティングコネクタで、基板の位置ずれを吸収してはんだクラックを防ぐ。 | D 基板対基板コネクタで、位置ずれやはんだの割れから導通不良になる | |
| JFEテクノリサーチ | 受託試験・分析 | 車載用コネクタの通電微摺動摩耗試験で、接触抵抗の変動をとらえ、摩耗粉や摩耗痕を分析する。 | A 振動する場所で接触抵抗が上がる・瞬断する E 原因がつかめない・再現しない | |
| 山崎精機研究所 | 試験装置メーカー | 電気接点シミュレータで接点の皮膜やめっきの欠陥を調べ、ガス腐食試験装置で腐食性ガスによる腐食を再現する。依頼試験も受ける。 | B 使ううちに接触抵抗がじわじわ上がる・接点が変色する E 原因がつかめない・再現しない |
株式会社テトラ|フレッティングコロージョンを防ぐ接点不良改善剤
テトラとは
テトラは、愛知県春日井市に本社を置く、防錆剤・潤滑剤・離型剤のメーカーです。コネクター・スイッチ用として、接点不良改善剤、金めっき封孔処理剤、銀変色防止剤などを手がけています。

テトラの得意技術
| 技術 | 内容 |
|---|---|
| 接点不良改善剤 C-9300シリーズ | コネクターのフレッティングコロージョンを防ぎ、接触抵抗を低く安定に保つ。接点に筆や綿棒で直接塗るタイプ、エアゾール、めっきラインで浸漬処理するタイプがある |
| 金めっき封孔処理剤 | 薄膜金めっきコネクタの腐食を防ぎ、嵌合をなめらかにする。「金めっきコネクタの抜き差しを1万回以上もたせたい」用途向けの製品もある。水系と油性がある |
| 銀変色防止剤 | 銀の変色を防ぐ |
テトラが解決できる課題
- 振動のある場所のコネクターで、フレッティングコロージョンによる接触抵抗の上昇を防ぎたい
- 薄い金めっきのコネクターで、ピンホールからの腐食を防ぎたい
- 銀めっきの接点の変色を防ぎたい
出典:テトラC-9300シリーズ|テトラ、油性金めっき封孔処理剤|テトラ、フレッティングコロージョンの原因と対策|テトラ
三菱マテリアル株式会社|挿入力を下げて接続信頼性を保つ端子用めっき「PICめっき」
三菱マテリアルとは
三菱マテリアルは、銅加工品や電子材料などを手がけるメーカーです。自動車のコネクター端子向けに、銅合金の条材と、低摩擦性のめっき「PICめっき®」を展開しています。

出典:三菱マテリアルの公開情報をもとに AI(Claude)で作成
三菱マテリアルの得意技術
| 技術 | 内容 |
|---|---|
| PICめっき® | 銅合金層と錫めっき層の界面にできる銅錫合金の形を制御し、純錫より硬い銅錫合金を柱状にして、錫めっきの表面に数µm間隔で出す。めっき表面の動摩擦係数は従来比の約70% |
| 接続信頼性の確保 | 柱状の銅錫合金のすき間に純錫を多く残すことで、低摩擦性の錫めっきでは十分でなかった電気的な接続信頼性を確保する |
| 先めっきと後めっき | めっきした条材(先めっき)に加え、2025年にはプレス加工後の端子に処理する「後めっき」の体制を構築。ピン端子とソケット端子の両方に使うと、摩擦の低減効果がさらに大きくなる |
三菱マテリアルが解決できる課題
- 多極化したコネクターの挿入力を下げて、組立作業を楽にしたい
- 挿入力を下げても、スズめっきの電気的な接続信頼性は落としたくない
出典:低摩擦性の自動車コネクター端子用めっき「PICめっき®」を開発|三菱マテリアル、自動車コネクタ端子用PICめっき®の「後めっき」処理体制を構築|三菱マテリアル
イリソ電子工業株式会社|位置ずれを吸収してはんだクラックを防ぐフローティングコネクタ
イリソ電子工業とは
イリソ電子工業は、基板対基板コネクタなどを手がけるコネクターメーカーです。端子に可動ばね部を持つ「フローティングコネクタ」を多く展開しています。

出典:イリソ電子工業の公開情報をもとに AI(Claude)で作成
イリソ電子工業の得意技術
| 技術 | 内容 |
|---|---|
| フローティング構造 | 端子に可動ばね部を設けて、列間とピッチ方向(X・Y方向)に動けるようにする。基板の搭載位置がずれていても、誤差を吸収して正常に嵌合できる |
| はんだ付け部のストレス軽減 | 嵌合後のずれを吸収し、はんだ接合部へのストレスを減らして、はんだクラックによる接触不良を防ぐ |
| 製品の例 | 9851シリーズ(1.0mmピッチ)はX・Y方向に0.5mm可動、Z方向の有効嵌合長0.4mm。10122シリーズはX方向1.0mm・Y方向0.5mm可動で、30Aの大電流に対応 |
高速伝送用の一部のシリーズには、異物を確実に除去する2点接点のコンタクトが採用されています。
イリソ電子工業が解決できる課題
- 2枚の基板をつなぐコネクターで、位置ずれによるはんだクラックを防ぎたい
- 1枚の基板に複数のコネクターを使いたい
- ロボットで組み立てるときの嵌合のずれを吸収したい
JFEテクノリサーチ株式会社|車載用コネクタの通電微摺動摩耗試験
JFEテクノリサーチとは
JFEテクノリサーチは、JFEグループの分析・評価・試験の受託企業です。材料評価から電子部品の評価、不具合調査まで、幅広い試験と解析を手がけています。

出典:JFEテクノリサーチの公開情報をもとに AI(Claude)で作成
JFEテクノリサーチの得意技術
| 技術 | 内容 |
|---|---|
| 通電微摺動摩耗試験 | 恒温恒湿の環境で、嵌合したコネクターに微摺動を加え、通電特性の劣化を評価する。摺動は正弦波・矩形波、変位±60µm(1〜100Hz)などの条件に対応 |
| 接触抵抗のリアルタイム計測 | 多ピン同時計測の接触抵抗計測装置で、フレッティング摩耗による接触抵抗の変動をリアルタイムに検出する。温度−50〜200℃、湿度20〜95%RH(30〜85℃)で試験できる |
| 原因の解明とJASO D616 | 試験で出た摩耗粉や摩耗痕の形態観察・成分分析で、発生の仕組みの解明を支援する。JASO D616(ワイヤハーネスコネクタ試験方法)の評価項目にも対応 |
JFEテクノリサーチが解決できる課題
- 車載コネクターのフレッティング摩耗への耐性を、実際に近い条件で評価したい
- 接触抵抗がいつ、どれだけ変動するかをとらえたい
- 摩耗粉や摩耗痕を分析して、原因を突き止めたい
出典:コネクタ信頼性評価 車載用コネクタの通電微摺動摩耗試験|JFEテクノリサーチ
株式会社山崎精機研究所|接点の皮膜を調べる電気接点シミュレータとガス腐食試験装置
山崎精機研究所とは
山崎精機研究所は、電気接点シミュレータや定流量フロー形ガス腐食試験装置など、電気接点の評価装置と腐食試験装置をつくる会社です。依頼試験も受けています。

出典:山崎精機研究所の公開情報をもとに AI(Claude)で作成
山崎精機研究所の得意技術
| 技術 | 内容 |
|---|---|
| 電気接点シミュレータ | 接触部にできた皮膜の破壊特性と分布特性を調べ、接触不良の原因を推測する装置。酸化膜や腐食生成物の検出、めっきのピンホールやクラックなどの欠陥分布の測定、接点部品や表面処理の品質管理に使える |
| 定流量フロー形ガス腐食試験装置 | 電気接点や接続端子に特有の腐食障害を、比較的短時間で実際に近い形で再現する。硫化水素(H2S)や亜硫酸ガス(SO2)などの腐食性ガスによる試験を、単一でも混合でも行える。GH-180、GLP-91、G-100 の機種がある |
| 発露形腐食顕微鏡 | 腐食試験の槽内の雰囲気を顕微鏡下の試験セルに再現し、小さな結露の発生や、変色・腐食が進む様子を観察・記録する |
山崎精機研究所が解決できる課題
- 接点の表面にどんな皮膜ができているか、どこにめっきの欠陥があるかを調べたい
- 硫化水素などの腐食性ガスによる接点の腐食を、社内で再現して比べたい
出典:電気接点シミュレータ|山崎精機研究所、腐食試験装置|山崎精機研究所
選ぶ前に確かめる条件
企業に相談したり、対策を選んだりする前に、次の条件を整理しておくと、対策選びが早くなります。
- 症状(接触抵抗の上昇、瞬断、断線など)と、いつ・どの条件で起きるか。不具合品の接点の写真
- コネクターの型番、端子のめっきの種類と厚さ、嵌合する相手側のめっき
- 流す電流・電圧(微小信号か、電源か)
- 振動(周波数・大きさ)と、温度・湿度の範囲
- 周りの空気(硫化水素、塩分、シリコーン材料の有無など)
- 抜き差しの回数と、求める挿入力
- 半嵌合・ロック・圧着など、組立や施工に問題がないか
- 設計を変えられるか(コネクターの変更、潤滑剤の追加、固定の追加など)
関連する課題
この課題に関係する分野・技術・製品のページ
※アイキャッチ画像は、AI(ChatGPT)で生成したイメージです。実在の製品ではありません。
情報の確認日:2026年9月29日





