セラミックベアリングは、玉(転動体)や内輪・外輪に、鋼のかわりに窒化ケイ素などのセラミックスを使った転がり軸受です。鋼の輪にセラミックの玉を組み合わせた「ハイブリッド軸受」と、輪も玉もセラミックの「フルセラミック(オールセラミック)軸受」があります。軽い・電気を通さない・錆びない・磁石につかないので、高速で回る主軸、インバーターで動かすモーターの電食対策、真空や薬液の中の装置などに使われます。
この記事では、しくみと種類、鋼の玉との違い、長所(電食・高速・耐食)と注意点、材料(窒化ケイ素・ジルコニア・アルミナ・炭化ケイ素)の選び方、研究、相談できる会社までをまとめます。
知りたいことから読む
- セラミックベアリングとは何か → 第1章
- モーターの電食を防ぎたい → 第2章 電食を防ぐ
- 主軸を速く回したい → 第2章 高速回転
- 鋼の軸受から置き換えて大丈夫か知りたい → 第3章 注意点
- 窒化ケイ素とジルコニアのどちらにするか → 第4章 材料の選び方
- 相談できる会社を探したい → 第6章 企業紹介
セラミックベアリングとは
玉や輪をセラミックスにした転がり軸受
ふつうの転がり軸受は、内輪・外輪・玉のすべてを軸受鋼でつくります。セラミックベアリングは、このうち玉だけ、または玉と輪の両方をセラミックスにしたものです。日本エスケイエフは、転動体がセラミックで軌道輪が軸受鋼の軸受を「ハイブリッド軸受」と呼んでいます。ジェイテクトの「セラミック軸受」は、玉と軌道輪の両方に窒化けい素を使い、保持器に含ませた二硫化モリブデンなどの固体潤滑剤で潤滑します。

出典:ジェイテクト・日本エスケイエフ・セラベアの製品説明をもとに AI(Claude)で作成
出典:日本エスケイエフ「ハイブリッド軸受」(イプロス掲載)、ジェイテクト「セラミック軸受」(EXSEV シリーズ)
3つの種類:ハイブリッド・フルセラミック・総玉形
| 種類 | つくり(出典の例) | 向いている所 |
|---|---|---|
| ハイブリッド軸受 | 内輪・外輪は軸受鋼またはステンレス、玉はジルコニアまたは窒化珪素(セラベア)。NSK は鋼の輪と黄銅の保持器にセラミックの玉 | 電食を防ぎたいモーター、高速の主軸(SKF・NSK の用途) |
| フルセラミック(オールセラミック)軸受 | 輪も玉もセラミック。ジェイテクトは窒化けい素、鹿島化学金属は輪がジルコニアで玉が窒化珪素、保持器は PTFE や PEEK など | 真空・腐食・薬液・非磁性の環境(ジェイテクト・鹿島化学金属) |
| 総玉形(保持器なし) | 保持器を入れず、玉を詰めて組む。ジェイテクトの総玉形セラミック軸受は全部品が窒化けい素 | 高温の炉の中の搬送など。セラベアと鹿島化学金属は高速・高回転には向かないとしている |
出典:セラベア「セラミックベアリング」、NSK「Hybrid Bearings with Ceramic Balls」、ジェイテクト「セラミック軸受」(EXSEV シリーズ)、ジェイテクト「総玉形セラミック軸受」、鹿島化学金属「セラミックベアリング」
鋼の玉との違い:軽く、変形しにくく、熱で伸びにくい
日本エスケイエフは、同社のセラミックボールをスチールボールと比べて、質量は約40%、弾性係数は約1.5倍、熱膨張は約29%としています(当社比)。弾性係数が高いので軸受の剛性が上がり、高速時に約25%高くなるとしています。

出典:日本エスケイエフ「ハイブリッド軸受」(セラミックボールとスチールボールの当社比)をもとに AI(Claude)で作成
窒化ケイ素のボール材料の代表値は、たとえば Niterra Materials(旧・東芝マテリアル)が次のように公開しています(参考値で保証値ではないと明記)。
| 項目 | TSN-03NH | TSN-23HA | TSN-33H |
|---|---|---|---|
| 密度(g/cm³) | 3.24 | 3.27 | 3.25 |
| 硬度 HV(196N) | 1,500 | 1,500 | 1,500 |
| 3点曲げ強度(MPa) | 1,000 | 900 | 850 |
| ヤング率(GPa) | 303 | 315 | 317 |
| 熱膨張係数(常温〜500℃、×10⁻⁶/K) | 2.8 | 2.9 | 2.8 |
| 体積固有抵抗(Ω·m) | >10¹² | >10¹² | >10¹² |
同社は、同じサイズならスチール球の半分以下の重さで、絶縁体のため電食に強く、酸やアルカリに強く、非磁性体のため強い磁場の中でも影響を受けにくいとしています。
出典:日本エスケイエフ「ハイブリッド軸受」(イプロス掲載)、Niterra Materials「機械部品用途 窒化ケイ素セラミックス」
セラミックベアリングの長所
電食を防ぐ(インバーター駆動のモーター)
インバーターで動かすモーターでは、軸受の中に電気が流れて傷む「電食」が起きます。ジェイテクトの発表を伝えた Car Watch の記事は、電食が進むと回転時の異音や軸受寿命の低下を招くとしています。玉が電気を通さないハイブリッド軸受にすると、軸受の中を電流が通る道がなくなります。

出典:Car Watch(ジェイテクトの発表)・Niterra Materials・NSK の説明をもとに AI(Claude)で作成
NSK は、セラミックボールのハイブリッド軸受を、高い電気絶縁が要る用途や高速の用途向けとし、電食を防ぎ寿命を延ばせるとしています。Niterra Materials は、電気自動車のモータの耐電食性が求められるベアリングボールにも窒化ケイ素が採用されているとしています。
ただし電食の対策はセラミックの玉だけではありません。同じ記事によると、セラミックボールや外輪への絶縁コーティングはコストが非常に高くなるという課題があり、軸受の外に付ける導電ブラシ・アースリングは取り付けスペースや組み付けの手間が課題でした。ジェイテクトは2022年に導電部材を内蔵した導電軸受(JUEB)を発表し、絶縁軸受と使い分けるとしています。
| 電食の対策(記事での整理) | 考え方 | 記事が挙げる課題・特長 |
|---|---|---|
| セラミックボールの軸受 | 玉で電流を止める | コストが非常に高くなる |
| 外輪に絶縁コーティングした軸受 | 輪で電流を止める | 同上(ジェイテクトは2020年に安価な絶縁コーティング軸受を開発) |
| 導電ブラシ・アースリング | 軸受の外に電流を逃がす | 取り付けスペース・組み付けの手間・コスト増 |
| 導電軸受(JUEB) | 軸受の中の導電部材で電流を逃がす | 耐電食性能は市販の導電ブラシと同等以上、導電ブラシ付き軸受より安価で小型 |
出典:Car Watch「ジェイテクト、電食を防ぐ導電軸受 JUEB を開発」2022年11月21日、NSK「Hybrid Bearings with Ceramic Balls」、Niterra Materials「機械部品用途 窒化ケイ素セラミックス」
高速回転:玉が軽いので遠心力が小さい
玉は軸受の中で公転するので、速く回るほど遠心力で外輪に押しつけられます。遠心力は玉の質量に比例するので、同じ大きさ・同じ回転なら、質量が約40%の玉は遠心力も約40%になります(編集部の計算)。日本エスケイエフは、質量の低減で遠心力の影響を軽減でき、低摩擦で不十分な油膜状態でも温度上昇を軽減するとしています。用途には工作機械用スピンドル・コンプレッサー・ポンプ・電動機・発電機・ギアボックスを挙げています。

出典:日本エスケイエフ(質量 約40%)・Niterra Materials の説明と、遠心力が質量に比例するという一般的な関係をもとに AI(Claude)で作成
錆びない・真空や薬液で使える・磁石につかない
ジェイテクトのセラミック軸受は、通常の軸受鋼を用いたベアリングが使用できない腐食環境、真空環境を想定し、半導体製造装置・液晶製造装置・半導体検査装置・合成繊維製造装置・製缶装置・超音波モータを用途に挙げています。総玉形のセラミック軸受は、焼成炉の中の搬送装置や炉内のファンに使うとしています。
鹿島化学金属は、同社のセラミックベアリングを基本的に無潤滑で、水中・薬液中・オイルバスの中でも使えるとし、半導体部品製造装置の真空処理中に回転させる機構に使われた例を挙げています。ただし、すべての薬液に対応するわけではなく、薬品に応じた材質の選定が要るとしています。
出典:ジェイテクト「セラミック軸受」(EXSEV シリーズ)、ジェイテクト「総玉形セラミック軸受」、鹿島化学金属「セラミックベアリング」
短所と注意点:鋼の軸受から置き換えるとき
荷重と回転速度の許容値は鋼より低いことがある
フルセラミックの軸受は、同じ大きさの鋼の軸受と同じ荷重・回転で使えるとは限りません。ジェイテクトは、セラミック軸受を潤滑性に乏しい液中で使う場合は、作用荷重を基本動定格荷重の10%以下にするよう求め、水中での剥離寿命は定格寿命の3%程度まで低下するとしています。寸法表の許容回転速度は、小さいもの(NC604 PN など)で 1,000 min⁻¹、NC6208 PN で 300 min⁻¹ です。
鹿島化学金属も、プラスチックより高負荷・高回転に耐えられる一方、許容条件は一般的な金属ベアリングより低いとしています。セラベアは、総ボール(保持器なし)の形は高速回転には適さず、炭化珪素は脆いため割れやすい弱点があるとしています。
一方、ハイブリッド軸受について NSK は、荷重容量は標準の鋼の軸受と同等としています。「セラミック」とひとくくりにせず、ハイブリッドかフルセラミックか、潤滑があるかで許容値を確かめることが大切です。
出典:ジェイテクト「セラミック軸受」(EXSEV シリーズ)、鹿島化学金属「セラミックベアリング」、セラベア「セラミックベアリング」、NSK「Hybrid Bearings with Ceramic Balls」
保持器・潤滑で使える温度が決まる
鹿島化学金属は、ジルコニア自体の最高使用温度は約1200℃でも、保持器が樹脂のため、ベアリング全体の耐熱温度は樹脂に依存するとしています。高い耐熱が要るときは保持器のないフルボール形状がありますが、ボール同士が接触するため超低速回転でしか使えないとしています。
値段と、熱膨張の違い
価格は鋼の軸受より高くなります。トライボロジストの論文(2018年)は、家電モータで電食などの電気的損傷が増えており、セラミック球は有効だが高価なため採用例が少ないとしています。
熱膨張の違いにも気をつけます。セラミックの玉は鋼の輪より熱で伸びにくいので、温度が上がると輪と玉のすきまが変わります。ジェイテクトは2016年に、玉に軸受鋼に近い熱膨張の新しいセラミック材料を使い、温度変化による外輪と玉のすきまの変化を小さくした、産業機械のモーター向けの玉軸受を発表しています(MONOist の記事)。

出典:日本エスケイエフ(熱膨張 約29%)・MONOist(ジェイテクトの発表)をもとに AI(Claude)で作成
出典:野口・堀田・美佐田・松山「軽荷重用途を目的としたジルコニアボールを組み込んだ小型玉軸受の性能評価」トライボロジスト 63巻1号 2018、MONOist「ジェイテクト、モーター用の新セラミック玉軸受」2016年5月10日、日本エスケイエフ「ハイブリッド軸受」(イプロス掲載)
材料の種類と選び方
窒化ケイ素・ジルコニア・アルミナ・炭化ケイ素

| 材料 | 出典にある特長 | ボールの寸法・硬さ(ツバキ・ナカシマ) |
|---|---|---|
| 窒化ケイ素(Si₃N₄) | ジルコニアより高速回転・高負荷・高温への耐久性が高い(セラベア)。スチール球の半分以下の重さ、絶縁・非磁性(Niterra Materials) | 0.5〜57.15 mm、Hv 1360〜1600、最高精度等級 G1 |
| ジルコニア(ZrO₂) | 耐熱・耐寒、耐高圧、耐食・耐酸アルカリ、絶縁(セラベア)。最高使用温度 約1200℃(鹿島化学金属) | 0.5〜22 mm、Hv 1100〜1400、G5 |
| アルミナ(Al₂O₃) | アルミナ99%の材料で、炭化珪素とほぼ同等の特性(セラベア) | 99.5% Al₂O₃:0.5〜35 mm、Hv 1400〜1800、G10 |
| 炭化ケイ素(SiC) | 耐食性が最も優れ、特に耐フッ化水素酸性に強い。脆いため割れやすい弱点(セラベア) | — |
トライボロジストの論文(2018年)は、セラミック球の研究は1980年頃から行われているが、実用化されているのは窒化ケイ素のみで、その理由は強度と耐久性が鋼球に匹敵するためとしています(論文の抄録)。同じ論文は、軽荷重の用途でジルコニアの玉を組み込んだ小型玉軸受を評価しています。
出典:セラベア「セラミックベアリング」、ツバキ・ナカシマ「精密セラミックボール」、Niterra Materials「機械部品用途 窒化ケイ素セラミックス」、鹿島化学金属「セラミックベアリング」、野口・堀田・美佐田・松山「軽荷重用途を目的としたジルコニアボールを組み込んだ小型玉軸受の性能評価」トライボロジスト 63巻1号 2018
使う場面ごとの選び方
| 使う場面 | よく使われる形(出典の例) | 選ぶときのポイント |
|---|---|---|
| インバーター駆動のモーター(電食) | 鋼の輪+窒化ケイ素の玉のハイブリッド(NSK・Niterra Materials) | 絶縁コーティング軸受・導電ブラシ・導電軸受と費用で比べる |
| 工作機械の主軸(高速) | ハイブリッドのアンギュラ玉軸受など(SKF の用途) | 玉の軽さと剛性。予圧・潤滑は主軸の仕様で決める |
| 半導体・液晶の装置(真空・クリーン) | 窒化けい素のフルセラミック+固体潤滑の保持器(ジェイテクト) | 許容荷重・許容回転速度が鋼より低い。寸法表で確かめる |
| 水中・薬液の中 | ジルコニアの輪+窒化珪素の玉(鹿島化学金属)、炭化珪素(セラベア) | 液中は荷重を下げる(ジェイテクトは基本動定格荷重の10%以下) |
| 炉の中など高温 | 総玉形のセラミック軸受(ジェイテクト) | 保持器なしは高速に向かない |
| 強い磁場の中 | 非磁性のセラミック軸受(Niterra Materials・ジェイテクト) | 輪・保持器・シールまで非磁性か確かめる(編集部の補足) |
出典:NSK「Hybrid Bearings with Ceramic Balls」、Niterra Materials「機械部品用途 窒化ケイ素セラミックス」、日本エスケイエフ「ハイブリッド軸受」(イプロス掲載)、ジェイテクト「セラミック軸受」(EXSEV シリーズ)、ジェイテクト「総玉形セラミック軸受」、鹿島化学金属「セラミックベアリング」、セラベア「セラミックベアリング」
研究:窒化ケイ素の玉の壊れ方
表面のき裂からはく離が始まる
鋼の軸受の寿命は、転がりの繰り返しで表面がはがれる「はく離」で決まります。大阪大学と光洋精工の研究(日本機械学会関西支部講演会、2002年)は、窒化けい素の転がり疲労で、ビッカース圧子で付けた表面き裂のうち大きなき裂は安定して進展し、はく離は大きな表面き裂から発生したこと、小さなき裂は初めに進んだあと止まったこと、はく離の原因は表面き裂から分かれた内部き裂だったことを報告しています(講演の要旨)。この結果は、玉の表面の傷が寿命に関わりうることを示しています(編集部の解釈)。

出典:元木ほか(2002)の講演の要旨をもとに AI(Claude)で作成
出典:元木ほか「窒化けい素の転がり疲労下における表面き裂とはく離の関係」日本機械学会関西支部講演会講演論文集 2002
軽い荷重ならジルコニアの玉も使える
トライボロジストの論文(2018年)は、ジルコニアの玉を組み込んだ小型玉軸受(608)を、基本動定格荷重の約20%の軽い荷重で試験し、軸受の性能は許容できるとしています(論文の抄録)。家電モータのように荷重の軽い用途で、電食対策の選択肢を広げる研究です。
出典:野口・堀田・美佐田・松山「軽荷重用途を目的としたジルコニアボールを組み込んだ小型玉軸受の性能評価」トライボロジスト 63巻1号 2018
企業紹介(セラミックベアリングの会社)
セラミックベアリングとセラミックボールの会社を、得意な分野が重ならないように選びました。●は各社の公式サイトで確認できた項目です。空欄は扱っていないという意味ではありません。
困りごとから相談先を探す
| 困りごと | 相談先の例 |
|---|---|
| 真空・腐食の環境で使える軸受がほしい | ジェイテクト・セラベア |
| モーターの電食を防ぎたい・主軸を高速にしたい | 日本精工(NSK) |
| 標準外の寸法・材質のセラミックボールがほしい | ツバキ・ナカシマ |
| 窒化ケイ素の玉の材料・素球がほしい | Niterra Materials |
| 水中・薬液で無潤滑の小さな軸受がほしい(国産) | 鹿島化学金属 |
株式会社ジェイテクト|窒化けい素のセラミック軸受(EXSEV シリーズ)
ジェイテクトとは
ジェイテクトは、愛知県刈谷市に本社がある会社です。軸受(Koyo ブランド)などをつくっています。特殊環境用の軸受を「EXSEV」シリーズとしてまとめています。
ジェイテクトの得意技術
| 技術 | 内容 |
|---|---|
| セラミック軸受(NC で始まる呼び番号) | 玉と軌道輪が窒化けい素。保持器の二硫化モリブデンなどの固体潤滑剤で潤滑。適応環境にクリーン・真空・腐食・高温・非磁性・絶縁など |
| 総玉形セラミック軸受 | 全部品が窒化けい素で保持器なし。焼成炉内搬送装置・炉内ファン |
ジェイテクトが解決できる課題
- 通常の軸受鋼の軸受が使えない腐食環境・真空環境で回したい
- 半導体・液晶の製造装置の中で、錆びず磁気を帯びない軸受がほしい
- 炉の中の高温で使える軸受がほしい
公開されている実績・用途
- 用途:半導体製造装置、液晶製造装置、半導体検査装置、合成繊維製造装置、製缶装置、超音波モータ(同社ページ)
出典:ジェイテクト「会社概要」、ジェイテクト「セラミック軸受」(EXSEV シリーズ)、ジェイテクト「総玉形セラミック軸受」
日本精工株式会社(NSK)|セラミックボールのハイブリッド軸受
日本精工とは
日本精工は、東京都品川区大崎に本社がある軸受の会社です。
日本精工の得意技術
| 技術 | 内容 |
|---|---|
| Hybrid Bearings with Ceramic Balls | 鋼の輪とセラミックの玉の組み合わせ、黄銅の削り出し保持器。内径は最大 180 mm |
| うたっている効果(同社の英語ページ) | 寿命の延長、電食の防止、高速運転、フォールスブリネリングの防止、摩擦の低減 |
日本精工が解決できる課題
- 高い電気絶縁が要るモーター・発電機の軸受の電食を防ぎたい
- 高速で回る軸受の焼付きを避けたい
公開されている実績・用途
- 対象の分野:工作機械、発電(同社ページ)
出典:日本精工「会社概要」、NSK「Hybrid Bearings with Ceramic Balls」
株式会社ツバキ・ナカシマ|精密セラミックボール
ツバキ・ナカシマとは
ツバキ・ナカシマは、大阪市中央区にグローバル本社、奈良県葛城市に本店がある会社です。ベアリングなどに使う精密ボールとローラーをつくっています。
ツバキ・ナカシマの得意技術
| 技術 | 内容 |
|---|---|
| 窒化ケイ素ボール | 0.5〜57.15 mm、Hv 1360〜1600、最高精度等級 G1 |
| アルミナ・ジルコニア・ガラスのボール | アルミナ 0.5〜35 mm(G10)、ジルコニア 0.5〜22 mm(G5)、ガラス 0.5〜8 mm |
ツバキ・ナカシマが解決できる課題
- 軸受や機器に入れるセラミックボールを、材質と精度を選んで調達したい
- スチールより軽いボールで高速回転させたい
公開されている実績・用途
- 使用例:高速回転するスピンドルモーター、ターボチャージャー、歯科用ドリル、定量ポンプ、発電機、半導体製造装置(同社ページ)
出典:ツバキ・ナカシマ「会社概要」、ツバキ・ナカシマ「精密セラミックボール」
株式会社Niterra Materials|窒化ケイ素のベアリングボール材料
Niterra Materialsとは
Niterra Materials(旧・東芝マテリアル)は、横浜市磯子区に本社がある会社です。窒化ケイ素セラミックスのベアリング用の材料をつくり、研磨前の素球を含む部品も製造・販売しています。
Niterra Materialsの得意技術
| 技術 | 内容 |
|---|---|
| 窒化ケイ素 TSN-03NH・TSN-23HA・TSN-33H | 密度 3.24〜3.27 g/cm³、硬度 HV 1,500、ヤング率 303〜317 GPa、熱膨張係数 2.8〜2.9×10⁻⁶/K(代表値・参考値) |
| 特長(同社の説明) | 同じサイズならスチール球の半分以下の重さ。絶縁体で電食に強い。酸・アルカリに強い。非磁性 |
Niterra Materialsが解決できる課題
- 電気自動車のモータの軸受を電食から守りたい
- 風力発電機など大きな軸受にセラミックの玉を使いたい
公開されている実績・用途
- 用途例:風力発電機の軸受、工作機械、航空機エンジン、医療用ドリル・医療機器、電気自動車やハイブリッド車のモータ、ターボポンプ(同社ページ)
- 1995年から打ち上げられたスペースシャトルのターボポンプ用ベアリングに採用(同社ページ)
出典:Niterra Materials「会社概要」、Niterra Materials「機械部品用途 窒化ケイ素セラミックス」
株式会社セラベア|材料と形の種類が多いセラミックベアリング
セラベアとは
セラベアは、大阪市中央区に本社がある会社です。ベアリングを中心とした軸受製品を扱っています。
セラベアの得意技術
| 技術 | 内容 |
|---|---|
| オールセラミックベアリング | ジルコニア・炭化珪素・99%アルミナ・窒化珪素 |
| 総ボール・フルセラミック(セラミック保持器)・ハイブリッド | ハイブリッドは内外輪がステンレスか軸受鋼、球がジルコニアか窒化珪素。滑り軸受もオーダーメイドで製造 |
セラベアが解決できる課題
- 強い酸・アルカリ・フッ化水素酸の中で回したい
- 炉の中の搬送など高温で使いたい(同社は800〜1500°Cの耐熱性を挙げる)
- 材料を比べて選びたい
公開されている実績・用途
- 挙げている用途:半導体設備、洗浄装置、熱処理炉内搬送設備、焼鈍炉内ガイドロールなど(同社ページ)
出典:セラベア「会社概要」、セラベア「セラミックベアリング」
鹿島化学金属株式会社|国産のジルコニアセラミックベアリング
鹿島化学金属とは
鹿島化学金属は、大阪市西淀川区に本社がある会社です。樹脂のベアリング・ギヤーなどをつくり、セラミックベアリングは成型から焼成まで自社で行う国産品と、海外の OEM 品を扱っています。

鹿島化学金属の得意技術
| 技術 | 内容 |
|---|---|
| セラミックベアリング(国産) | 軌道輪がジルコニア、ボールが窒化珪素、保持器は充填材入り PTFE や PEEK など。688(外径16・内径8)〜6205(外径52・内径25) |
| 特長(同社の説明) | 基本的に潤滑が不要、錆びず耐薬品性がある、非磁性、熱や給水による寸法変化が少ない。国産品は SDS・RoHS などの証明書を発行できる |
鹿島化学金属が解決できる課題
- プラスチックのベアリングでは荷重・回転数が足りない
- 水中・薬液中で無潤滑の軸受を使いたい
公開されている実績・用途
- 半導体部品製造装置の、真空処理中に回転させる機構に使われた例(同社ページ)
出典:鹿島化学金属「会社概要」、鹿島化学金属「セラミックベアリング」
よくある質問
- セラミックベアリングとは何ですか?
- 玉(転動体)や内輪・外輪に、鋼のかわりに窒化ケイ素などのセラミックスを使った転がり軸受です。
- ハイブリッド軸受とフルセラミック軸受の違いは?
- ハイブリッド軸受は鋼の輪にセラミックの玉を組み合わせたもの、フルセラミック軸受は輪も玉もセラミックのものです。
- セラミックの玉は鋼の玉よりどれくらい軽いですか?
- 日本エスケイエフは質量約40%(当社比)、Niterra Materials は同じサイズならスチール球の半分以下の重さとしています。
- なぜ電食を防げるのですか?
- 窒化ケイ素などのセラミックスは電気を通さないので、玉を通って軸受の中を電流が流れなくなるためです。
- 鋼の軸受とそのまま置き換えられますか?
- 形がハイブリッドなら NSK は荷重容量が鋼と同等としていますが、フルセラミックや液中・無潤滑で使う軸受は、許容荷重・許容回転速度が鋼より低いことがあります。メーカーの寸法表で確かめてください。
- 窒化ケイ素とジルコニアはどう選びますか?
- セラベアは、窒化珪素はジルコニアより高速回転・高負荷・高温への耐久性が高いとしています。ジルコニアは耐食・耐薬品を重視する軸受に使われます。
- 欠点は何ですか?
- 値段が高いこと、フルセラミックでは荷重・回転の許容値が低いことがあること、保持器や潤滑で使える温度が決まることなどです。炭化珪素は脆く割れやすいとされます。
回答は、このページの出典をもとに編集部がまとめたものです。
関連する技術・ページ
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- ファインセラミックス(アルミナ・窒化ケイ素・ジルコニア)
- グリース・固体潤滑(潤滑剤の選び方)
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- 製品:軸受(ベアリング)
- 製品:モーター
- 軸受の寿命を延ばしたい
- ベアリングを交換したい
- 機械の異音の原因を突き止めたい
- 真空機器・宇宙機器のアウトガスを減らしたい
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- 基礎知識:線膨張係数(熱膨張)
出典・確認日
- 日本エスケイエフ「ハイブリッド軸受」(イプロス掲載)
- ジェイテクト「セラミック軸受」(EXSEV シリーズ)
- セラベア「セラミックベアリング」
- NSK「Hybrid Bearings with Ceramic Balls」
- ジェイテクト「総玉形セラミック軸受」
- 鹿島化学金属「セラミックベアリング」
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- Car Watch「ジェイテクト、電食を防ぐ導電軸受 JUEB を開発」2022年11月21日
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- ツバキ・ナカシマ「精密セラミックボール」
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- 鹿島化学金属「会社概要」
※製品名・会社名は各社の商標または登録商標です。図と文章は、各社の資料と論文の要旨の数値と事実を要約して編集部が作成しました。写真は各社のサイトから出典を付けて掲載しています。
※アイキャッチ画像は、AI(ChatGPT)で生成したイメージです。実在の製品ではありません。図はAI(Claude)で作成した概念図です。
情報の確認日:2026年11月7日 本ページの内容は一般的な情報です。数値は出典の例で、実際の選定は最新のメーカーの資料で確かめてください。

