摩擦係数

板を傾けて物が滑り出す角度を見る台と、水平な板の上の物をばねばかりで引く様子のイメージ画像

摩擦係数(まさつけいすう)は、物と物がこすれ合うときの「滑りにくさ」を表す数値です。重い荷物を床の上で押すと動かしにくいのに、台車に載せると軽く動くのは、摩擦係数が大きく違うからです。機械の部品が動くところでは、摩擦がエネルギーのむだや発熱、すり減りのもとになる一方、ブレーキやねじ、物をつかむ手のように、摩擦があるからこそはたらく部品もあります。このページでは、摩擦係数の意味、計算のしかた、身の回りの値、油で潤滑したときの変わり方、ものづくりでの使われ方を、できるだけやさしく説明します。

目次

ひとことで言うと

摩擦係数とは

物を滑らせようとしたときにはたらく摩擦力が、物を面に押し付ける力の何倍かを表す数値です。

記号は μ(ミュー)で、μ = 摩擦力 F ÷ 押し付ける力 N(垂直な荷重)です。小さいほどよく滑り、大きいほど滑りにくい。力を力で割った比なので、単位はありません(編集部の解説)。

床の上の物を引くと、押し付ける力Nに比例した摩擦力Fが動きと逆向きにはたらき、その比が摩擦係数μ=F÷Nであることを示す図
図1 摩擦係数は、摩擦力を押し付ける力で割った値
出典:東京理科大学 野田研究室をもとに AI(Claude)で作成

東京理科大学の講義資料では、摩擦力 F は垂直荷重 W に比例し(F ∝ W)、その比例定数を摩擦係数 μ と定義して、μ = F ÷ Wと書いています。摩擦係数は、材料の組み合わせ、表面の状態、油があるかないか、温度や湿度などで変わります。同じ材料でも1つの値に決まるわけではない点が、ヤング率や熱伝導率のような「材料の物性値」と違うところです(編集部の解説)。

出典:摩擦(friction)講義資料|東京理科大学 野田研究室

身近な例:板を傾けて、物が滑り出す角度を見る

板の上に消しゴムや本を置き、板を少しずつ傾けていくと、ある角度でふっと滑り出します。滑りにくい物ほど、急な角度まで止まっています。この滑り出す角度 θ から、摩擦係数は μ = tan θ と計算できます。

斜面に置いた物に、斜面を滑り落ちようとする力と、それを止める摩擦力がはたらく図と、滑り出す角度θと摩擦係数μ=tanθの対応表
図2 滑り出す角度 θ から、μ = tan θ で摩擦係数が分かる
出典:東京理科大学 野田研究室をもとに AI(Claude)で作成

東京理科大学の講義資料では、傾けた面で測る方法について μ = F ÷ P = sin θ ÷ cos θ = tan θ と示しています。斜面の上の物にかかる重さは、斜面に沿って滑り落ちようとする分と、斜面に押し付ける分に分かれます。滑り出す瞬間には、滑り落ちようとする力と最大の摩擦力がちょうどつり合うので、その比が tan θ になります(つり合いの説明は編集部の解説)。たとえば 20°で滑り出せば μ は約 0.36、45°なら 1.0 です(計算は編集部)。

出典:摩擦(friction)講義資料|東京理科大学 野田研究室

式と性質:摩擦力 = 摩擦係数 × 押し付ける力

静止摩擦と動摩擦

引く力を少しずつ強くすると、止まっている間は摩擦力が引く力と同じだけ増え、最大静止摩擦力を超えると動き出し、その後はそれより小さい動摩擦力でほぼ一定になる模式図
図3 動き出すまでの静止摩擦と、滑っている間の動摩擦
出典:東京理科大学 野田研究室、クオルテックをもとに AI(Claude)で作成

止まっている物を少しずつ強く引くと、はじめは引く力と同じだけ摩擦力が増えて、物は動きません。ある大きさ(最大静止摩擦力)を超えると動き出し、滑っている間は動摩擦力がはたらきます。クオルテックの試験の説明では、静摩擦係数は「最大摩擦力と垂直抗力との比」、動摩擦係数は「動摩擦力と面に働く垂直抗力との比」としています。東京理科大学の講義資料が挙げる基本法則の1つが「静摩擦力は動摩擦力よりも大きい」で、重い物は動き出すときがいちばん重く感じられるのはこのためです(編集部の解説)。

ばねで引いた物が、止まる・急に滑るを小刻みにくり返すスティックスリップのイメージ
スティックスリップ:止まる・滑るを小刻みにくり返すイメージ(AI[ChatGPT]で生成)

静止摩擦と動摩擦の差が大きいと、止まる・滑るを小刻みにくり返す「スティックスリップ」が起きることがあります。東京理科大学の講義資料では、その原因として、摩擦係数の速度による変化、静止摩擦係数と動摩擦係数の差、試験装置の剛性などを挙げています。

出典:摩擦係数試験(ISO 8295 / JIS K 7125 他)|クオルテック、摩擦(friction)講義資料|東京理科大学 野田研究室

アモントン・クーロンの法則:見かけの面積によらない

東京理科大学の講義資料は、摩擦の基本法則(アモントン-クーロンの法則)を、①摩擦力は垂直荷重に比例する、②摩擦は見かけの接触面積には関係しない、③動摩擦力はすべり速度に関係しない、④静摩擦力は動摩擦力よりも大きい、の4つにまとめています。②のとおり、同じ重さなら、大きな面で置いても小さな面で置いても、摩擦力はほぼ同じです。

見た目には面全体で触れている物も、拡大すると表面の凹凸の出っ張りの先だけで触れていることを示す模式図
図4 面どうしは、ごく一部の出っ張りだけで触れている(真実接触面積)
出典:東京理科大学 野田研究室をもとに AI(Claude)で作成

見かけの面積によらない理由は、表面の凹凸にあります。どんなに平らに見える面も、拡大すると凹凸があり、実際に触れているのは出っ張りの先のごく一部(真実接触面積)です。講義資料では、摩擦力を F = A × s(A は真実接触面積、s は単位面積あたりのせん断強さ)と表し、接触が塑性接触(出っ張りがつぶれる接触)の場合は真実接触面積が荷重に比例する(A ∝ W)としています。重く押し付けるほど出っ張りがつぶれて触れる面積が増えるので、摩擦力が荷重に比例するというわけです。ただし、球を平面に押し付ける接触では A ∝ W の 2/3 乗とされています。このため、荷重に比例するという法則は近似です(編集部の解説)。

出典:摩擦(friction)講義資料|東京理科大学 野田研究室

計算してみよう:100kg の物を滑らせ続ける力

摩擦力 = 摩擦係数 × 押し付ける力 です。100kg の物を水平な面で滑らせ続けるのに要る力を、下の表の摩擦係数で計算しました。100kg の物が面を押す力は、100 × 9.8 = 980N です。

100kgの物を水平に滑らせ続けるのに要る力を、軟鋼どうし(μ0.4)、硬鋼と二硫化モリブデン(μ0.15)、境界潤滑のすべり(μ0.1〜0.3)、ボールの直動ガイド(μ0.002〜0.003)で比べた横棒グラフ
図5 100kg の物を水平に滑らせ続けるのに要る力
出典:ミスミ、ジュンツウネット21(潤滑通信社)、THKをもとに編集部が計算し、AI(Claude)で作成
面の組み合わせ・状態摩擦係数要る力
軟鋼どうし(ミスミの表)0.4約 392N(約 40kg 分の重さ)
硬鋼と二硫化モリブデン(ミスミの表)0.15約 147N
油膜が薄い境界潤滑のすべり(ジュンツウネット21)0.1〜0.3約 98〜294N
ボールの直動ガイド(THK)0.002〜0.003約 2.0〜2.9N
同じ荷物でも、床の上を滑らせるより、ボールが転がる直動ガイドに載せると軽く動くイメージ
すべりと転がり:ボールで転がすと軽く動くイメージ(AI[ChatGPT]で生成)

同じ 100kg でも、すべらせると約100〜400N、ボールで転がせば約2〜3Nと、30〜200倍の差になります(計算は編集部。表の摩擦係数を、滑っている間の目安として使った)。THK は、ボールなどが転がる直動ガイドの摩擦抵抗は、すべり案内の1/20〜1/40で、特に静摩擦は格段に小さく、動摩擦との差もほとんどないとしています。

出典:しゅう動案内と摩擦・磨耗(しゅう動案内の解説-その2)|ミスミ、ストライベック曲線|ジュンツウネット21(潤滑通信社)、LMガイドの摩擦係数は、どのくらいですか?|THK

身の回りの摩擦係数

軟鋼どうし、タイヤと乾いた舗装路・氷の路面、硬鋼と二硫化モリブデン、スキーと雪、境界潤滑、すべり軸受、流体潤滑、ボールの直動ガイド、深溝玉軸受の摩擦係数の目安を対数目盛で比べた図
図6 摩擦係数の目安(対数目盛。条件は出典ごとに異なる)
出典:ミスミ、土木研究センター、ジュンツウネット21(潤滑通信社)、ジェイテクト(Koyo)、THKをもとに AI(Claude)で作成
組み合わせ・状態摩擦係数メモ・出典
タイヤと舗装路面(乾燥時)1.0〜0.5湿潤時は 0.9〜0.3(土木研究センターの資料で示された一般的な値)
タイヤと積雪路面0.5〜0.2湿潤時の欄(同上)
タイヤと氷路面0.2〜0.1湿潤時の欄(同上)
軟鋼と軟鋼0.4ミスミ
硬鋼と二硫化モリブデン0.15ミスミ(二硫化モリブデンは固体潤滑剤。編集部の補足)
スキーと雪0.05ミスミ
境界潤滑(油膜が薄い)0.1〜0.3 程度ジュンツウネット21
水素を含む DLC 膜約 0.02/0.2 程度真空・乾燥した雰囲気/水分を含む雰囲気(表面科学、1991年)
すべり軸受(一般)0.01〜0.02 程度場合によっては 0.1〜0.2 にもなる(ジェイテクト)
流体潤滑(油膜で面が離れる)0.001〜0.01 程度ジュンツウネット21
直動ガイド(ボール/ローラー)0.002〜0.003/0.001〜0.002THK
深溝玉軸受0.0010〜0.0015通常の条件で安定した運転状態の目安(ジェイテクト)
スケートの刃と氷の接触点にできた薄い水が、潤滑剤の役目をするイメージ
スキー・スケート:とけた水が潤滑剤になるイメージ(AI[ChatGPT]で生成)

摩擦係数は、大きいもの(タイヤと乾いた路面)で 1 前後、小さいもの(転がり軸受)で 0.001 程度と、1,000倍ほどの幅があります。北海道大学の論文(1970年)は、スキーやスケートの摩擦係数は 0.1 以下で、木材や金属など一般の物質のあいだの摩擦係数は 0.2 以上はあると書いています。スキーやスケートがよく滑るのは、接触点で氷がとけた水が潤滑剤の役目をするためと古くから推定されてきた、と紹介しています。

表の値は、どれも測った条件つきの目安です。ミスミの表は乾燥か潤滑かの条件を書いていません。DLC の例のように、同じ材料でも雰囲気で10倍変わることがあります。設計で使うときは、使う部品のメーカーの値や、自分の条件に近い試験の値を確かめます(編集部の解説)。

なお、ジェイテクトの軸受の摩擦係数は、すべり軸受と比べやすいように軸受の内径を基準にして摩擦モーメントから求めた値です。転がりの摩擦を表す方法はほかにもあり、ミスミは「すべり摩擦と転がり摩擦の両者の摩擦係数は、同一に比較はできません」と注意しています。

出典:路面のすべり摩擦と路面管理水準及びすべり事故(土木技術資料 52-5、2010年)|土木研究センター、しゅう動案内と摩擦・磨耗(しゅう動案内の解説-その2)|ミスミ、ストライベック曲線|ジュンツウネット21(潤滑通信社)、日置辰視ほか「DLC(ダイヤモンドライクカーボン)皮膜の形成と固体潤滑特性」(表面科学 12巻4号、1991年)|J-STAGE、軸受の摩擦係数(参考)|ジェイテクト(Koyo)、LMガイドの摩擦係数は、どのくらいですか?|THK、対馬勝年・吉田順五「氷の摩擦融解」(低温科學 物理篇 27、1970年)|北海道大学

油で潤滑すると:ストライベック曲線

横軸を粘度×速度÷荷重、縦軸を摩擦係数にしたストライベック曲線の模式図。左から境界潤滑(0.1〜0.3程度)、混合潤滑、流体潤滑(0.001〜0.01程度)の3つの領域
図7 油で潤滑した面の摩擦の変わり方(ストライベック曲線)
出典:ジュンツウネット21(潤滑通信社)、東京理科大学 野田研究室をもとに AI(Claude)で作成

機械の動くところの多くは、油やグリースで潤滑して摩擦を下げています。ジュンツウネット21の解説では、横軸を「粘度 × 速度 ÷ 荷重」、縦軸を摩擦係数にしたグラフをストライベック曲線といい、面の状態を3つに分けています。油膜で面どうしが完全に離れる流体潤滑では、摩擦係数は 0.001〜0.01 程度、面どうしが直接触れる境界潤滑では 0.1〜0.3 程度です。その間が、荷重を油膜と表面の接触の両方で支える混合潤滑です。

東京理科大学の講義資料では、境界潤滑は摩擦面に潤滑剤が少しある状態で摩擦係数は高いまま、混合潤滑は潤滑剤が多くなって荷重の分担が増え摩擦係数が下がる、流体潤滑は固体の接触がなくなり摩擦係数は流体のせん断抵抗になる、と説明しています。曲線の横軸から分かるとおり、速度が遅い・荷重が大きい・粘度が低いと、左の境界潤滑に寄って摩擦が増えます(横軸からの読み方は編集部の解説)。ジュンツウネット21は、混合潤滑は始動時などの低速時に起こるとしています。動き出しや低速の往復動のところで摩擦や摩耗が問題になりやすいのはこのためです(編集部の解説)。課題ページ「摩擦損失を減らしたい」では、領域ごとの対策を解説しています。

出典:ストライベック曲線|ジュンツウネット21(潤滑通信社)、境界潤滑と混合潤滑 講義資料|東京理科大学 野田研究室

ものづくりでどう効くか

エネルギーのむだと発熱:摩擦を減らしたい所

板の上を滑らせたブロックの接触面が、摩擦で熱を持つイメージ
摩擦:動きが熱に変わるイメージ(AI[ChatGPT]で生成)

摩擦は、動きを熱に変えてしまうので、エネルギーのむだになります。Holmberg らの試算(2012年)では、乗用車では燃料のエネルギーの3分の1が、エンジン・変速機・タイヤ・ブレーキの摩擦に打ち勝つために使われるとしています。ブレーキの摩擦を除いた直接の摩擦損失は燃料のエネルギーの 28% です(英語の論文の要旨を編集部が訳した)。軸受を転がり軸受にする、潤滑を見直す、DLC などの膜を付けるといった方法は、すべてこの摩擦を減らすためのものです。

長く滑らせた面がすり減って浅いくぼみになり、摩耗粉が出ているイメージ
摩耗:こすれた面がすり減るイメージ(AI[ChatGPT]で生成)

摩擦が大きい所では、こすれた面がすり減り(摩耗)、熱で油が傷みます。課題ページ「摺動部がすり減る」や技術ページ「DLC・低摩擦コーティング」、製品ページ「軸受(ベアリング)」も参照してください。

出典:Holmberg, Andersson, Erdemir「Global energy consumption due to friction in passenger cars」(Tribology International、2012年)|VTT

ねじ:摩擦しだいで締める力が変わる

M10のボルトを24N·mで締めたとき、トルク係数0.14・0.20・0.26で軸力が約17,140N・12,000N・9,230Nと変わることを示す棒グラフと、座面とねじ山に摩擦がはたらくボルトの図
図8 同じトルクで締めても、摩擦しだいで軸力が変わる
出典:東日製作所をもとに AI(Claude)で作成

ねじは、締めたときの摩擦で、ゆるまずに留まっています(編集部の解説)。一方で、締めるときに回す力(締付けトルク)は、座面やねじ山の摩擦にも使われます。東日製作所のハンドブックでは、トルクと締める力(軸力)の関係を表すトルク係数 K と摩擦係数 μ の関係を K ≒ 1.3μ + 0.025 としています。マシン油などの一般の油では、トルク係数は 0.14〜0.26(平均 0.20)、摩擦係数は 0.10〜0.20 とばらつきます。

同じハンドブックの計算例では、M10 のボルトを 24N·m で締めたとき、トルク係数 0.14 なら軸力は約 17,140N、0.26 なら約 9,230N で、同じトルクでも軸力が倍近く変わってしまうとしています。そのため「締付けトルクの公差だけを小さくしてもトルク係数のバラツキを小さくしなければ無意味です」と書いています。分野ページ「機構・運動」でも、ねじの締付けを解説しています。

出典:東日トルクハンドブック Vol.8(2-3 トルク係数)|東日製作所

つかむ・止める:摩擦を使う所

2本の指で物をはさむグリッパーの図。落ちない条件は2×μF>mgで、余裕率4の場合、摩擦係数0.2なら物の重さの10倍、0.1なら20倍の把持力が要ることを示す
図9 はさんで持ち上げられるかは、摩擦係数で決まる
出典:SMCをもとに AI(Claude)で作成

ロボットの手(グリッパー)で物をはさんで持ち上げるときは、指と物の間の摩擦が物を支えます。SMC のエアグリッパーのカタログでは、指2本の場合、物が落ちない条件を 2 × μF > mg(F は把持力、μ は指と物の間の摩擦係数、mg は物の重さ)としています。運ぶときの衝撃に対して余裕率4を見込み、μ = 0.2 なら物の重さの10倍、μ = 0.1 なら20倍の把持力を推奨しています。滑りやすい物ほど強くはさむ必要があり、柔らかい物では、それがつぶれる原因にもなります。課題ページ「柔らかいものをつかみたい」も参照してください。

濡れた路面でタイヤの前に水が入り込み、路面に触れる面積が減るイメージ
濡れた路面:すべり摩擦が下がるイメージ(AI[ChatGPT]で生成)

道路も、摩擦が大きいほうがよい例です。土木研究センターの資料では、舗装路面のすべり摩擦係数は乾燥時 1.0〜0.5、湿潤時 0.9〜0.3、氷路面は 0.2〜0.1 で、路面が濡れるとすべり摩擦が低下すること、特に速度が高くなるとかなり小さくなると説明しています。

出典:エアグリッパ MHF2 カタログ(機種選定)|SMC、路面のすべり摩擦と路面管理水準及びすべり事故(土木技術資料 52-5、2010年)|土木研究センター

摩擦係数の測り方

摩擦係数の測り方として、板を傾けて滑り出す角度を読む傾斜法、おもりを載せた物を水平に引いて力を測る方法、回る円板にピンや球を押し当てるピン(ボール)オンディスク試験の3つを示した図
図10 摩擦係数の主な測り方
出典:東京理科大学 野田研究室、クオルテック、ジュンツウネット21(潤滑通信社)をもとに AI(Claude)で作成
  • 傾斜法:板を傾けて、物が滑り出す角度 θ を読み、μ = tan θ で求めます(東京理科大学の講義資料)。
  • 水平に引く方法:物を面の上で引き、引く力と押し付ける力から求めます。プラスチックのフィルムやシートでは JIS K 7125(プラスチック―フィルム及びシート―摩擦係数試験方法)があり、クオルテックの説明では、すべり片の質量による力は 1.96N で、動摩擦力は動き出してから 60mm までの平均の荷重とします。
  • ピンオンディスク・ボールオンディスク:台に固定した円板の表面でピンを回転摺動させて測る試験です(ジュンツウネット21)。荷重・速度・距離を決めて、摩擦係数の変わり方や摩耗を調べます。ほかにブロックオンリング式・四球式などがあります。

摩擦係数は、測る方法・荷重・速度・雰囲気で値が変わります。カタログの摩擦係数は、試験の条件とセットで読みます(編集部の解説)。

出典:摩擦(friction)講義資料|東京理科大学 野田研究室、JIS K 7125:1999 プラスチック―フィルム及びシート―摩擦係数試験方法|日本規格協会、摩擦係数試験(ISO 8295 / JIS K 7125 他)|クオルテック、摩擦摩耗試験の目的と方法|ジュンツウネット21(潤滑通信社)

出典

  1. 摩擦(friction)講義資料|東京理科大学 野田研究室
  2. 摩擦係数試験(ISO 8295 / JIS K 7125 他)|クオルテック
  3. しゅう動案内と摩擦・磨耗(しゅう動案内の解説-その2)|ミスミ
  4. ストライベック曲線|ジュンツウネット21(潤滑通信社)
  5. LMガイドの摩擦係数は、どのくらいですか?|THK
  6. 路面のすべり摩擦と路面管理水準及びすべり事故(土木技術資料 52-5、2010年)|土木研究センター
  7. 日置辰視ほか「DLC(ダイヤモンドライクカーボン)皮膜の形成と固体潤滑特性」(表面科学 12巻4号、1991年)|J-STAGE
  8. 軸受の摩擦係数(参考)|ジェイテクト(Koyo)
  9. 対馬勝年・吉田順五「氷の摩擦融解」(低温科學 物理篇 27、1970年)|北海道大学
  10. 境界潤滑と混合潤滑 講義資料|東京理科大学 野田研究室
  11. Holmberg, Andersson, Erdemir「Global energy consumption due to friction in passenger cars」(Tribology International、2012年)|VTT
  12. 東日トルクハンドブック Vol.8(2-3 トルク係数)|東日製作所
  13. エアグリッパ MHF2 カタログ(機種選定)|SMC
  14. JIS K 7125:1999 プラスチック―フィルム及びシート―摩擦係数試験方法|日本規格協会
  15. 摩擦摩耗試験の目的と方法|ジュンツウネット21(潤滑通信社)

※アイキャッチ画像は、AI(ChatGPT)で生成したイメージです。実在の製品ではありません。

情報の確認日:2026年10月2日

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