電気回路とは(オームの法則・直列と並列・キルヒホッフの法則・図記号)

電池、スイッチ、点灯した電球を導線でひと回りつないだ回路を、上から見たイメージ画像

スイッチを入れるとランプがつくのは、電気の通り道がひと回りつながるからです。この通り道が電気回路(でんきかいろ)で、単に回路ともいいます。このページでは、電気回路とは何かを説明し、オームの法則、直列と並列、キルヒホッフの法則、電力と発熱、直流と交流、図記号、短絡までを、計算の例をまじえて順に見ていきます。

目次

電気回路とは:ひとことで言うと

電気回路

抵抗器やコンデンサ、コイルなどの部品をつないだ、電流の流れる道全体のことです。

流れる電流の大きさは、電圧と抵抗で決まります。この関係がオームの法則です。

電源・スイッチ・ランプを導線でつないだ回路図。スイッチを閉じると電流が流れ、開くと流れないことを比べた図
図1 閉じた回路と開いた回路(模式図)
出典:コトバンク「電気回路」をもとに AI(Claude)で作成

回路をつくるもの

いちばん簡単な回路は、電気を送り出す電源、電気を使う負荷(ランプやモーターなど)、それらをつなぐ導線でできています。途中にスイッチを入れると、道をつないだり切ったりできます。図1の左のように道がひと回りつながった閉じた状態では電流が流れ、右のように途中が切れた状態では流れません。電流の向きは、電源の+側から出て-側へ戻る向きと決められています。電子の動く向きとは逆です。

電気回路と電子回路の違い

ダイオードやトランジスタ、IC のような部品を含む回路は、電気回路と区別して電子回路と呼ぶことがあります。これらは増幅や整流などの動作をする部品(能動素子)で、電子回路は電気回路の一種です。

出典:電気回路|コトバンク、電流|Wikipedia、電子回路|Wikipedia

オームの法則:電圧・電流・抵抗の関係

12 V の電源と 4 Ω の抵抗の回路で電流が 3 A になる例と、抵抗 2 Ω・4 Ω の電圧と電流の関係のグラフ
図2 オームの法則の例と、電圧と電流の関係
出典:Wikipedia「オームの法則」をもとに AI(Claude)で作成

2点の間の電圧 V は、流れる電流 I に比例します。この比例の係数が電気抵抗 R で、V = R × I と書きます。これがオームの法則です。抵抗の大きさは、材料、形、温度で決まります。

量記号単位意味
電圧VV(ボルト)2点間の電位の差。電流を流そうとするはたらきの大きさ
電流IA(アンペア)1秒間に流れる電気の量
抵抗RΩ(オーム)電流の流れにくさ。1 V の電圧で 1 A が流れる抵抗が 1 Ω

計算してみる(数値は説明用の例)

電圧 12 V の電源に 4 Ω の抵抗をつなぐと、I = V ÷ R = 12 ÷ 4 = 3 A です。抵抗を半分の 2 Ω にすると、電流は2倍の 6 A になります。

出典:オームの法則|Wikipedia、抵抗器|Wikipedia

直列と並列:つなぎ方で変わる

12 V の電源に 2 Ω と 4 Ω の抵抗を直列につないだ回路と並列につないだ回路の、電流と電圧を比べた図
図3 直列と並列の電流と電圧(数値は編集部の計算例)
出典:Wikipedia「合成抵抗」、Wikibooks「電気回路理論/直列と並列」をもとに AI(Claude)で作成
直列並列
つなぎ方ひと続きにつなぐ枝分かれさせてつなぐ
電流どの部品にも同じ電流が流れる枝ごとに分かれ、合計が全体の電流になる
電圧部品ごとに分かれ、合計が全体の電圧になるどの枝にも同じ電圧がかかる
合成抵抗R = R₁ + R₂1/R = 1/R₁ + 1/R₂(2個なら R = R₁R₂ ÷(R₁+R₂))

合成抵抗は、複数の抵抗を1つの抵抗に置きかえたときの値です。直列にすると合成抵抗は大きくなり、並列にすると小さくなります。図の例では、2 Ω と 4 Ω を直列にすると 6 Ω、並列にすると約 1.33 Ω です。同じ 12 V の電源でも、全体の電流は 2 A と 9 A で大きく違います。

出典:合成抵抗|Wikipedia、電気回路理論/直列と並列|Wikibooks

キルヒホッフの法則:複雑な回路を解く決まり

分かれ道で 9 A が 6 A と 3 A に分かれる第1法則と、ひと回りで 12 V が 4 V と 8 V に分かれる第2法則の図
図4 キルヒホッフの第1法則と第2法則(数値は説明用の例)
出典:MONOist「電子工作“超”入門(4)」をもとに AI(Claude)で作成

直列と並列にまとめきれない回路を解くときに使うのが、次の2つの法則です。

法則内容図の例
第1法則(電流の法則)回路の接続点に入る電流の合計と、出る電流の合計は等しい9 A = 6 A + 3 A
第2法則(電圧の法則)閉じた道をひと回りしたときの電圧の合計は 0。電源の電圧は、抵抗での電圧の下がりの合計に等しい12 V = 4 V + 8 V

上で見た直列と並列の性質も、この2つの法則から導くことができます。

出典:電子工作“超”入門(4)|MONOist、電気回路理論/直列と並列|Wikibooks

電力と発熱:電気がする仕事

抵抗 4 Ω に 1 A、2 A、3 A を流したときの電力 4 W、16 W、36 W を比べた棒グラフ
図5 電流と電力の関係(編集部の計算例)
出典:Wikipedia「電力」をもとに AI(Claude)で作成
量式単位
電力(1秒あたりの電気の仕事)P = V × I(直流)= I² × R = V² ÷ RW(ワット)
電力量(電力を時間で積み重ねたもの)電力 × 時間Wh(ワット時)など
ジュール熱(抵抗で出る熱)Q = I² × R × t(t は秒)J(ジュール)

抵抗に電流を流すと熱が出ます。熱の量は電流の2乗に比例するので、同じ抵抗なら、電流が2倍になると発熱は4倍になります。この関係はジュールの法則と呼ばれます。

計算してみる(数値は説明用の例)

12 V、4 Ω、3 A の回路の電力は、P = 12 × 3 = 36 W です。1分(60秒)で出る熱は、Q = 3² × 4 × 60 = 2,160 J です。1時間使ったときの電力量は 36 Wh です。

出典:電力|Wikipedia、ジュールの法則|Wikipedia

直流と交流

電圧が一定の直流と、電圧の向きが周期的に入れ替わる交流の波形を比べたグラフ
図6 直流と交流の違い(模式図)
出典:Wikipedia「直流」、電気事業連合会 Enelog vol.40をもとに AI(Claude)で作成

流れる向きが時間で変わらないのが直流、周期的に変わるのが交流です。電池は直流で、家庭に送られる電気は交流が中心です。

日本の 50 Hz と 60 Hz

1秒間に波をくり返す回数を周波数といい、単位は Hz(ヘルツ)です。日本では東日本が 50 Hz、西日本が 60 Hzで、電圧は 100 V です。周波数が分かれたのは、発電機の輸入元が東日本はドイツ、西日本はアメリカと違っていたためです。静岡県の富士川付近を境に分かれていて、東西で電気を融通するための周波数変換の設備があります。

出典:直流|Wikipedia、Enelog vol.40|電気事業連合会、日本の電気|高エネルギー加速器研究機構(KEK)

回路図の図記号と、主な部品

電池、抵抗器、コンデンサ、コイル、スイッチ、ランプ、ヒューズ、接地の図記号を並べた図
図7 回路図でよく見る図記号の例(模式図)
出典:Wikipedia「電気用図記号」、Wikipedia「抵抗器」をもとに AI(Claude)で作成

回路のつながりを記号で表した図が回路図です。日本の図記号の規格は JIS C 0617 で、国際規格 IEC 60617(第2版)に基づいています。抵抗器の記号は、この規格では長方形です。以前の規格 JIS C 0301 ではギザギザの線で、古い記号も今なお多く使われています。記号の細かな形は、規格の本文で確かめます。

部品はたらき単位
抵抗器電流を流れにくくするΩ(オーム)
コンデンサ電荷をためたり放したりする。定常の直流は流れ続けないが、電圧が変わる交流では充放電の電流が流れるF(ファラド)。実用では μF・pF
コイル(インダクタ)電流がつくる磁場にエネルギーをためる。電流が変わると、その変化をさまたげる向きに起電力が生じるH(ヘンリー)

出典:電気用図記号|Wikipedia、抵抗器|Wikipedia、コンデンサ|Wikipedia、インダクタ|Wikipedia

短絡(ショート)と、回路を守るしくみ

ふつうの回路と、負荷の手前で線どうしが接触して短絡した回路を比べ、ヒューズの位置を示した図
図8 短絡とヒューズの位置(模式図)
出典:Panasonic「短絡」、Panasonic「過電流遮断器」をもとに AI(Claude)で作成

電源の+と-が、負荷を通らずに導線で直接つながった状態が短絡です。ショートともいいます。電流を制限する負荷を通らないため、大きな電流が流れ、低圧の回路でも数千 A になることがあります。部品の焼損や破裂、やけどのほか、熱で電線が燃えて火事につながるおそれもあります。絶縁の破れや、水・長くたまったほこりが原因で起きることもあります。

大きすぎる電流を止める部品が、ヒューズとブレーカー(配線用遮断器)です。

部品しくみ復帰
ヒューズ異常なときに溶けて切れ、回路を切る使い切り
ブレーカー(配線用遮断器)異常な電流で接点を切り離し、回路を切る原因を直してから戻す

どちらも、切れた原因を確かめ、異常な所を直してから元に戻します。

出典:短絡|Panasonic 用語解説、短絡|コトバンク、過電流遮断器|Panasonic 用語解説

出典

  1. 電気回路|コトバンク
  2. 電流|Wikipedia
  3. 電子回路|Wikipedia
  4. オームの法則|Wikipedia
  5. 抵抗器|Wikipedia
  6. 合成抵抗|Wikipedia
  7. 電気回路理論/直列と並列|Wikibooks
  8. 電子工作“超”入門(4)|MONOist
  9. 電力|Wikipedia
  10. ジュールの法則|Wikipedia
  11. 直流|Wikipedia
  12. Enelog vol.40|電気事業連合会
  13. 日本の電気|高エネルギー加速器研究機構(KEK)
  14. 電気用図記号|Wikipedia
  15. コンデンサ|Wikipedia
  16. インダクタ|Wikipedia
  17. 短絡|Panasonic 用語解説
  18. 短絡|コトバンク
  19. 過電流遮断器|Panasonic 用語解説

※図は、出典の説明をもとに編集部がまとめた模式図です。計算の例は編集部によるものです。

※アイキャッチ画像は、AI(ChatGPT)で生成したイメージです。実在の製品ではありません。

情報の確認日:2026年11月2日

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