靭性(シャルピー衝撃試験)

振り子を持ち上げたシャルピー衝撃試験機と、手前の台に置いた、曲がって繊維状に切れた試験片と平らにきらきら割れた試験片のイメージ(AI で生成)

靭性(じんせい)は、材料の「ねばり強さ」、つまり割れずに、どれだけエネルギーを吸収できるかを表す言葉です。ガラスのコップは床に落とすと割れますが、鉄のスプーンは曲がるだけで割れません。このページでは、靭性の意味、靭性を数字で比べるシャルピー衝撃試験のしくみと計算、温度で急に脆くなる「延性-脆性遷移」、割れた面の見方、靭性を下げるもの、ものづくりでの使い方を、できるだけやさしく説明します。

目次

ひとことで言うと

靭性とは

日本語版ウィキペディアは、靭性を、物質の脆性破壊に対する抵抗の程度、あるいはき裂による強度低下に対する抵抗の程度とし、材料の「粘り強さ」とも言い換えられるとしています。「靱」が常用漢字にないため「じん性」や「靭性」とも書きます。

同じページは、靭性が大きいとは、材料の強さ(引張強さや降伏点)と延性(伸び)がともに大きいことで、靭性の大小は応力ひずみ線図の曲線の面積に相当するとしています。

応力とひずみのグラフで、硬くて脆い材料は高い応力でほとんど伸びずに割れ、ねばり強い材料は降伏したあと長く伸びてから壊れ、柔らかくて弱い材料は低い応力で伸びることを比べ、線の下の面積が吸収したエネルギーであることを示した模式図
図1 靭性:線の下の面積が、壊れるまでに吸収するエネルギー
出典:ウィキペディア日本語版をもとに AI(Claude)で作成

強さがあっても伸びない材料は、急に割れる「脆性破壊」が問題になります。逆に、よく伸びても強さが小さい材料は、物を支える材料としては使いにくくなります(日本語版ウィキペディア)。靭性は「強さ」と「伸び」の両方がそろって、はじめて高くなる性質です。セラミックスは強いけれど伸びが小さい典型的な脆い材料で、金属、とくに鉄鋼は安いうえに強さと靭性を兼ね備えているので、構造用の材料として広く使われています(同)。

出典:靱性|ウィキペディア日本語版

シャルピー衝撃試験:振り子で一撃して折る

シャルピー衝撃試験機の模式図。振り子のハンマーを角度αまで持ち上げて振り下ろし、最下点の受け台に置いた試験片を折り、そのあと角度βまで振り上がる。振り上がりが低いほど吸収エネルギーが大きい
図2 シャルピー衝撃試験のしくみ
出典:新潟県工業技術総合研究所 技術トピックス、ウィキペディア日本語版をもとに AI(Claude)で作成

靭性を数字で比べるときによく使うのが、シャルピー衝撃試験です。新潟県工業技術総合研究所の解説は、ハンマーの付いた振り子を決められた高さに振り上げてから振り下ろし、最下点に置いた試験片を破断させ、振り上げた高さと、破断したあとに振り上がった高さの差から、破壊に要したエネルギー(吸収エネルギー)を求めるとしています。

同じ解説は、吸収エネルギーが大きい材料は靭性が高く(粘り強く)、小さい材料は靭性が低いとしています。日本語版ウィキペディアは、この試験はフランスの技術者ジョルジュ・シャルピーが考えたもので、原子炉の圧力容器に使う鋼の健全性の評価などにも使われるとしています。

吸収エネルギーの式

E = m × g × l × (cosβ − cosα) − L

m:ハンマーの質量(kg) g:重力加速度(9.81m/s²) l:回転の中心からハンマーの重心までの距離(m) α:持ち上げた角度 β:破断後に振り上がった角度 L:軸の摩擦や空気の抵抗で失われるエネルギー

日本語版ウィキペディアは、吸収エネルギーをこの式で表し、ふつうは L が E に比べて十分に小さいので L = 0 とするとしています。九州工業大学のリポジトリにある論文(機械の研究)は、シャルピー衝撃試験は1901年にフランスの G. Charpy が提案し、1940年代に溶接構造物の脆性破壊事故が目立ち始めたことで、試験方法が簡単なことから工業的に普及したとしています。試験機の大きさの例として、埼玉県産業技術総合センターの試験機は定格容量300J、新潟県工業技術総合研究所の試験機は最大容量100J です。

出典:衝撃試験について|新潟県工業技術総合研究所 技術トピックス、シャルピー衝撃試験|ウィキペディア日本語版、球状黒鉛鋳鉄における切欠き強度の新たな評価方法(2)|機械の研究 第70巻第6号(九州工業大学 学術機関リポジトリ)、衝撃試験(シャルピー式)|埼玉県産業技術総合センター

試験片と切欠き

長さ55mm、断面10mm角の試験片の中央に切欠きがあり、間隔40mmの受け台に置いて、切欠きの反対側をハンマーの刃で打つことを示した図と、深さ2mm・角度45度・底の丸み半径0.25mmのVノッチの拡大図
図3 標準の試験片(Vノッチ)と打つ位置
出典:ウィキペディア日本語版、ZwickRoellをもとに AI(Claude)で作成

日本語版ウィキペディアは、シャルピー衝撃試験には、長さ55mm の10mm 角の棒の中央に、深さ2mm の45度の V 字の溝(V ノッチ)を入れた試験片を使い、両端を保持して40mm の梁のように置き、切欠きの反対側からハンマーで衝撃を加えて破壊するとしています。金属のシャルピー衝撃試験の規格は、日本では JIS Z 2242、国際規格では ISO 148-1 です。ZwickRoell の ISO 148-1 の解説は、標準の試験片を55×10×10mm とし、室温以外で試験するときは、温度を整える槽から出して5秒以内に打つとしています。

切欠きを入れるのは、そこに力を集めて、割れの始まる場所をそろえるためです(編集部の解説)。新潟県工業技術総合研究所の解説は、切欠きの寸法(溝の幅・深さ・角度、底の丸みの半径)は試験結果に大きく影響するので規格で細かく決められていて、規格どおりでない試験片の結果を規格値と比べても意味がないと注意しています。

結果の表し方:J と J/cm²

今の金属のシャルピー衝撃試験では、吸収エネルギーを J(ジュール)のまま表します。日本語版ウィキペディアと ATOMICA(日本原子力研究開発機構の原子力百科事典)は、吸収エネルギーを切欠きの部分の断面積で割った値を「シャルピー衝撃値」(J/cm² など)と呼ぶとしています。古い資料や樹脂の資料では、断面積あたりの値で書かれていることがあるので、単位を見て比べます(編集部の解説)。

出典:シャルピー衝撃試験|ウィキペディア日本語版、Charpy impact test on metals ISO 148-1|ZwickRoell、衝撃試験について|新潟県工業技術総合研究所 技術トピックス、シャルピー衝撃試験|ATOMICA(日本原子力研究開発機構)

計算してみる:振り上がった角度から

ハンマーの質量20kg、重心までの距離0.8m、持ち上げた角度140度の例で、振り上がった角度が140度なら約0J、120度なら約42J、90度なら約120J、30度なら約256Jと計算した棒グラフと、ハンマーが持つエネルギー約277Jの線
図4 計算例:振り上がった角度と吸収エネルギー
出典:ウィキペディア日本語版をもとに編集部が計算し、AI(Claude)で作成

ハンマーの質量 m = 20kg、回転の中心から重心まで l = 0.8m、持ち上げた角度 α = 140°(真下から測った角度)の試験機で考えます(説明のための例で、実際の試験機の値ではありません)。m × g × l = 20 × 9.81 × 0.8 ≒ 157J です。ハンマーが持つエネルギーは 157 × (1 − cos140°) ≒ 157 × 1.766 ≒ 277J です(編集部の計算。摩擦などの損失は0)。

材料のようす(例)振り上がった角度 β吸収エネルギー E読み方(編集部)
試験片がないとき140°約0J持ち上げた高さまで戻る
脆い材料120°約42Jほとんど減らずに高く振り上がる
中くらい90°約120J真横まで振り上がる
ねばり強い材料30°約256Jほとんど振り上がらない

たとえば β = 90° なら、E = 157 × (cos90° − cos140°) = 157 × (0 + 0.766) ≒ 120J です(編集部の計算)。振り上がる角度が小さいほど、試験片がエネルギーを多く吸収した(ねばり強い)ことになります。ハンマーが持つエネルギーより大きなエネルギーを吸収する材料は、その試験機では折れないので、容量の大きい試験機を使います(編集部の解説)。

温度が下がると急に脆くなる:延性-脆性遷移

試験の温度と吸収エネルギーの関係の模式図。ふつうの鉄鋼は高温側の上の棚では延性破壊で吸収エネルギーが大きく、遷移温度を境に急に下がって低温側の下の棚では脆性破壊になる。アルミ・銅・オーステナイト系ステンレスは低温でも下がりにくい
図5 延性-脆性遷移(遷移曲線)
出典:ATOMICA(日本原子力研究開発機構)、Wikipedia(英語版)、機械の研究 第70巻第6号(九州工業大学 学術機関リポジトリ)をもとに AI(Claude)で作成

ATOMICA は、フェライト系の鋼(炭素鋼・低合金鋼)のシャルピー衝撃試験を高い温度から低い温度まで行うと、温度が下がるにつれて破壊のエネルギーが減る遷移現象があらわれ、遷移領域より高い温度では延性破壊、低い温度では脆性破壊するとしています。この境目を延性-脆性遷移温度といい、吸収エネルギーが41J(30ft・lb)や68J(50ft・lb)になる温度などで表すとしています。

英語版ウィキペディアは、結晶の形によって違いがあり、面心立方の金属は広い温度で延性を保ち、体心立方の金属は高い温度でしか延性を示さないとしています。面心立方の金属にはアルミ・銅・オーステナイト系ステンレス鋼が、体心立方の金属にはふつうの鉄鋼(フェライト系の鋼)があります(編集部の補足)。九州工業大学のリポジトリの論文も、鉄鋼材料などの体心立方の金属では、吸収エネルギーや破面の割合が温度の低下とともに遷移するとしています。

規格では「何℃で何J以上」と決める

鋼材の規格では、試験の温度と吸収エネルギーの下限をセットで決めます。東京都建設局の土木材料仕様書は、厚さ12mm を超える溶接構造用圧延鋼材(SM 材)の吸収エネルギー(V ノッチ、圧延方向、3本の平均)を次のように定めています。

鋼材の記号試験温度吸収エネルギー
SM400B・SM490B・SM490YB・SM520B0℃27J 以上
SM400C・SM490C・SM520C0℃47J 以上
SM570−5℃47J 以上

寒い所で使う鋼材には、もっと低い温度で値を保証したものがあります。神戸製鋼所の低温環境向けの鋼材(建築構造用圧延鋼材 SN400B,C-LT・SN490B,C-LT)は、−25℃で27J 以上のシャルピー吸収エネルギーを保証しています。同じ「27J 以上」でも、何℃での値かを必ず見ます(編集部の解説)。

リバティ船とタイタニック号

キール大学の教材は、第二次世界大戦中に溶接で短い期間に造られた米国の輸送船「リバティ船」について、1946年までに4,700隻が造られ、1953年までに1,250隻が脆性破壊を起こし、うち12隻は真っ二つに折れたとしています。原因は、鋼の延性-脆性遷移温度が比較的高く、冷たい北大西洋でその温度に達したことが主で、溶接の継ぎ目と重なったハッチ(艙口)の四角い角などからき裂が始まったとしています。日本語版ウィキペディアも、原因として鋼板の低温脆性、溶接の不備、応力集中を挙げています。

九州工業大学のリポジトリの論文は、このとき英国のロイド船級協会が、壊れた船から取った鋼材を壊れたときの温度で試験した結果から、シャルピー吸収エネルギー47J 以上が脆性破壊を防ぐ目安になると示し、その後の規格に受け継がれたとしています(ただし根拠が不明確な規定もあるとしています)。イリノイ大学の機械科学工学科のブログは、タイタニック号の残骸から取った鋼でシャルピー試験をすると、現代の鋼と違って平らな脆性破壊の面が出たと紹介しています。沈没の原因は一つではありませんが、低い温度での鋼の脆さが一因として語られています(編集部の解説)。

出典:遷移温度|ATOMICA(日本原子力研究開発機構)、Ductility|Wikipedia(英語版)、球状黒鉛鋳鉄における切欠き強度の新たな評価方法(2)|機械の研究 第70巻第6号(九州工業大学 学術機関リポジトリ)、土木材料仕様書(溶接構造用圧延鋼材)|東京都建設局、低温環境下でも優れた靭性を有する鋼材 SN400B,C-LT・SN490B,C-LT|神戸製鋼所、The Liberty Ships|キール大学 工学部(Iron, Steel and Swords)、リバティ船|ウィキペディア日本語版、Titanic material failure|イリノイ大学 機械科学工学科(MechSE)ブログ

割れた面(破面)を見ると、壊れ方がわかる

延性破壊では試験片が曲がりくびれて切れ、破面は細かいくぼみ(ディンプル)の並んだつやのない面になり、脆性破壊では形がほとんど変わらずに割れ、破面は平らで光を反射してきらきら光る面になることを比べた模式図
図6 延性破壊と脆性破壊の破面
出典:ATOMICA(日本原子力研究開発機構)、ウィキペディア日本語版、分析センターをもとに AI(Claude)で作成

ATOMICA は、延性破壊を、大きな塑性変形を起こし、最終的に切れるまでに著しい伸びや絞りを伴う破壊とし、大きく変形しながら切れるので、壊れる兆候が見つけやすい場合が多いとしています。これに対して、塑性変形をほとんど伴わずに切れる壊れ方が脆性破壊です。日本語版ウィキペディアは、脆性破壊の面はなめらかで平らで、延性破壊の面はディンプル(くぼみ)の模様で複雑だとしています。

分析センターの破壊調査の事例は、脆性破壊した金属部品の割れた面に、目で見てキラキラした銀白色の反射と、割れが進んだ向きに V の字が開くシェブロン模様が見られ、電子顕微鏡では脆性破壊に特徴的なへき開破面が見られたとしています。シャルピー衝撃試験でも、割れた面のうち延性破面と脆性破面の割合(破面率)を評価します(九州工業大学のリポジトリの論文)。壊れた部品の原因を調べるときも、まず破面を見ます(課題「壊れた原因を知りたい」)。

出典:延性破壊|ATOMICA(日本原子力研究開発機構)、脆性|ウィキペディア日本語版、金属部品の破壊調査事例(脆性破壊)|分析センター、球状黒鉛鋳鉄における切欠き強度の新たな評価方法(2)|機械の研究 第70巻第6号(九州工業大学 学術機関リポジトリ)

靭性を下げるもの

靭性を下げる6つのものとして、低い温度、切欠き・きず、速い力(衝撃)、粗い結晶粒、硬く・強くしすぎること、水素を並べた模式図
図7 靭性を下げる6つのもの
出典:ATOMICA(日本原子力研究開発機構)、新潟県工業技術総合研究所 技術トピックス、Wikipedia(英語版)、ウィキペディア日本語版をもとに AI(Claude)で作成
  • 低い温度:鉄鋼は遷移温度より低いと急に脆くなります(ATOMICA)。
  • 切欠き・きず:試験でも切欠きの形や寸法が結果を大きく左右します(新潟県工業技術総合研究所)。部品の角・溝・きずも、力を集めて割れの始まりになります(編集部の解説)。リバティ船でも、ハッチの角と溶接の継ぎ目からき裂が始まりました(キール大学の教材)。
  • 速い力:英語版ウィキペディアは、ひずみの速さが大きいほど遷移温度が上がるとしています(同ページでは出典が要るとされている記述)。
  • 粗い結晶粒:英語版ウィキペディアは、結晶粒が小さいほど遷移温度が下がるとし、フェライトの結晶粒を40µm から1.3µm まで細かくすると、遷移温度が絶対零度より低くなる(脆性破壊が起きなくなる)可能性を示した研究(ISIJ International)を紹介しています。
  • 硬く・強くしすぎる:日本語版ウィキペディアは、材料を高強度にすると、一般に靭性は下がる傾向にあるとしています。
  • 水素:日本語版ウィキペディアは、鋼に吸収された水素で延性や靭性が下がる現象を水素脆化といい、高強度の鋼で問題になるとしています(課題「金属の水素脆化(遅れ破壊)を防ぎたい」)。

出典:遷移温度|ATOMICA(日本原子力研究開発機構)、衝撃試験について|新潟県工業技術総合研究所 技術トピックス、The Liberty Ships|キール大学 工学部(Iron, Steel and Swords)、Ductility|Wikipedia(英語版)、靱性|ウィキペディア日本語版、水素脆化|ウィキペディア日本語版

ものづくりでどう効くか

焼戻しの温度を上げると硬さ・強さは下がり靭性は上がることを示した模式図と、硬さを重視するときは低温焼戻し、靭性を重視するときは高温焼戻しを選び、焼戻しの温度によってはかえって脆くなる焼戻し脆性があることの説明
図8 焼戻しの温度で、硬さと靭性のバランスを決める
出典:ウィキペディア日本語版をもとに AI(Claude)で作成

熱処理(焼入れ・焼戻し):日本語版ウィキペディアは、焼入れで得られた鋼の組織は硬いが脆く、焼戻しの目的の一つは粘り強さを与えることで、焼戻しの温度を変えて硬さと靭性のバランスを決めるとしています。靭性を重視するときは比較的高い温度で焼戻す「高温焼戻し」、硬さを重視するときは比較的低い温度の「低温焼戻し」を使い、焼戻しの温度によっては逆に脆くなる「焼戻し脆性」に注意が要るとしています(課題「熱処理で歪む・割れるを減らしたい」、技術「表面硬化」)。

寒い所で使う物:屋外の構造物、冷凍倉庫、寒い地域の設備などでは、使う温度で十分な吸収エネルギーが保証された材料を選びます(前の節の SM 材や神戸製鋼所の低温用の鋼材)。常温で問題がなくても、冬や冷凍の環境で急に割れることがあるのが遷移の怖さです(編集部の解説)。

溶接した構造物:リバティ船のように、溶接の継ぎ目にできたき裂と応力集中が重なると、脆性破壊が始まりやすくなります(キール大学の教材)。溶接部の割れは課題「溶接のブローホール・割れを減らしたい」、溶接の方法は技術「溶接」を参照してください。

強くて硬い部品:高強度のボルトやばねは、強くするほど靭性が下がり、水素脆化も起きやすくなります(日本語版ウィキペディア「靱性」「水素脆化」)。硬さの測り方は 基礎知識 「硬さ(ビッカース・ロックウェル)」を参照してください。

出典:焼戻し|ウィキペディア日本語版、低温環境下でも優れた靭性を有する鋼材 SN400B,C-LT・SN490B,C-LT|神戸製鋼所、The Liberty Ships|キール大学 工学部(Iron, Steel and Swords)、靱性|ウィキペディア日本語版、水素脆化|ウィキペディア日本語版

靭性を調べる、ほかの試験

シャルピー衝撃試験、アイゾット衝撃試験、破壊靭性試験、CTOD試験について、何をするか、結果の表し方、主な対象を整理した表
図9 靭性を調べる、いろいろな試験
出典:Wikipedia(英語版)、ウィキペディア日本語版、クオルテックをもとに AI(Claude)で作成
  • アイゾット衝撃試験:英語版ウィキペディアは、シャルピーが試験片を両端で支える(3点曲げ)のに対し、アイゾットは試験片の片方を固定した片持ちの形で打つとしています。プラスチックのシャルピー衝撃試験の規格は JIS K 7111-1(ISO 179-1)です(クオルテックの資料)。プラスチックのアイゾット衝撃試験の規格は JIS K 7110 です(編集部の補足)。
  • 破壊靭性試験:日本語版ウィキペディア「靱性」は、き裂や鋭い切欠きのある材料の靭性は、破壊力学の値である破壊靭性値(KIC・CODc・JIC)で評価し、衝撃試験の値と違って材料定数として扱えるとしています。シャルピーの吸収エネルギーは、主に材料の選定や品質管理で比べるために使う値です(同)。JFEテクノリサーチは、ASTM E399 に基づく動的破壊靭性(KIC)の試験を受託しています。
  • CTOD 試験:き裂の先がどれだけ開いてから割れるか(き裂開口変位)で靭性を表す方法で、上の CODc にあたります(編集部の解説)。

日本語版ウィキペディア「破壊靱性」は、同じ種類の金属では、一般に強度が高いほど破壊靭性は低くなる傾向があるとしています。

出典:Ductility|Wikipedia(英語版)、シャルピー衝撃試験(JIS K 7111-1)|クオルテック、靱性|ウィキペディア日本語版、破壊靱性|ウィキペディア日本語版、動的破壊靱性(KIC)試験|JFEテクノリサーチ

似ている言葉との違い

強さ(引張強さ)、硬さ、延性、剛性、靭性の5つについて、何を表すかと主な表し方を比べた表
図10 靭性と、似ている言葉の違い
出典:この記事の内容をもとに AI(Claude)で作成

強さはどれだけ大きな力に耐えるか(基礎知識 「応力とひずみ」)、硬さは表面がへこみにくいか(基礎知識 「硬さ」)、剛性は変形しにくいか(基礎知識 「剛性」)、延性は切れるまでにどれだけ伸びるかです。靭性は、強さと延性を合わせた「割れにくさ」です。硬いのに脆いもの(セラミックス)も、柔らかいのにねばり強いもの(銅など)もあります。「脆性(ぜいせい)」は靭性の反対で、ほとんど変形せずに割れる性質です(編集部の解説)。

出典

  1. 靱性|ウィキペディア日本語版
  2. 衝撃試験について|新潟県工業技術総合研究所 技術トピックス
  3. シャルピー衝撃試験|ウィキペディア日本語版
  4. 球状黒鉛鋳鉄における切欠き強度の新たな評価方法(2)|機械の研究 第70巻第6号(九州工業大学 学術機関リポジトリ)
  5. 衝撃試験(シャルピー式)|埼玉県産業技術総合センター
  6. Charpy impact test on metals ISO 148-1|ZwickRoell
  7. シャルピー衝撃試験|ATOMICA(日本原子力研究開発機構)
  8. 遷移温度|ATOMICA(日本原子力研究開発機構)
  9. Ductility|Wikipedia(英語版)
  10. 土木材料仕様書(溶接構造用圧延鋼材)|東京都建設局
  11. 低温環境下でも優れた靭性を有する鋼材 SN400B,C-LT・SN490B,C-LT|神戸製鋼所
  12. The Liberty Ships|キール大学 工学部(Iron, Steel and Swords)
  13. リバティ船|ウィキペディア日本語版
  14. Titanic material failure|イリノイ大学 機械科学工学科(MechSE)ブログ
  15. 延性破壊|ATOMICA(日本原子力研究開発機構)
  16. 脆性|ウィキペディア日本語版
  17. 金属部品の破壊調査事例(脆性破壊)|分析センター
  18. 水素脆化|ウィキペディア日本語版
  19. 焼戻し|ウィキペディア日本語版
  20. シャルピー衝撃試験(JIS K 7111-1)|クオルテック
  21. 破壊靱性|ウィキペディア日本語版
  22. 動的破壊靱性(KIC)試験|JFEテクノリサーチ

※アイキャッチ画像は、AI(ChatGPT)で生成したイメージです。実在の製品ではありません。

情報の確認日:2026年10月7日

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