光学設計は、レンズ・鏡・導光板などの形と材料を決めて、光を思いどおりの所へ、思いどおりの形で届ける設計です。カメラやセンサーの「像を結ぶ」光学系と、照明やバックライトの「光を配る」光学系があります。製品に光学部品を組み込む設計者にとっては、レンズ単体の性能だけでなく、温度・組立のずれ・筐体の反射・カバーの汚れや曇りまで含めて、製品の中で狙いの性能が出るかが問題になります。
この記事では、光学の専門家ではない機械・電気の設計者に向けて、基本の量から、収差と MTF、ガラスとプラスチックの選び方、公差と図面、迷光・ゴースト、照明とセンサー、光の安全、トラブルと事故の事例までを、図と表で順に説明します。
知りたいことから読む
- 光学設計とは何をするのか、どう進めるか → 光学設計の基本
- 周りがぼける・色がにじむ → 収差と MTF
- ガラスかプラスチックか迷う → 材料の選び方
- 片側だけぼける・図面に何を書くか → 公差と組立
- 光の輪や点(ゴースト)が写る → 迷光・ゴーストと反射防止
- 照明にむらがある・四隅が暗い → 照明とセンサーの光学
- レーザーや LED の光の安全 → 光の安全の規格
- 頼み先・相談先を知りたい → 企業紹介
症状から探す
| 症状 | 考えられる原因 | 対策を書いた所 |
|---|---|---|
| 画面の中心はくっきり、周りがぼける・色がにじむ | 収差(像面湾曲・倍率色収差など) | 収差とは:理想の像からのずれ |
| 画面の片側だけがぼける(片ボケ) | レンズやセンサーの傾き・偏心 | 傾きと偏心で、片側だけぼける |
| 暑い所・寒い所でピントがずれる | プラスチックの屈折率と筐体の膨張 | 温度で屈折率とピントが変わる |
| 明るい光源のそばに、光の輪や点が写る | レンズ面・部品の反射によるゴースト | ゴーストの原因:面どうし・有効な範囲の外・鏡筒の反射 |
| 画面の四隅が暗い | 周辺光量の低下・センサーとの入射角の不一致 | センサー側:周辺光量と光の入射角 |
| 照明の明るさにむらがある | 配光・導光板のドット配置 | 導光板:ドットの大きさで明るさをそろえる |
| 寒い朝にカメラが曇る | 内部の空気の湿気の結露 | 曇り・結露の対策:車載カメラの研究 |
このページの出典をもとに編集部が整理したものです。リンクを押すと、対策を書いた所へ移ります。
光学設計の基本
像を結ぶ光学系と、光を配る光学系
光学設計には大きく2つあります。カメラ・顕微鏡・センサーのように、物の点を像の点に移す「結像」の光学系と、照明・バックライト・導光のように、光をむらなく、または狙った形に配る「非結像(照明)」の光学系です。光学設計ソフトの Ansys OpticStudio は、結像系の設計・最適化に使うシーケンシャルモードと、照明・散乱・迷光の解析に使う非シーケンシャルモードを分けて持っています。

出典:Ansys の OpticStudio の説明・精密工学会誌(増村、2013年)をもとに AI(Claude)で作成
画像で検査する装置では、両方がかかわります。増村(シーシーエス)の解説(精密工学会誌、2013年)は、ビジョンシステムを照明系・結像系・撮像系・処理系・通信系の5つに分け、照明はただ明るくするのではなく、見たい特徴を浮かび上がらせるのが役割だと説明しています。
出典:Ansys Zemax OpticStudio|Ansys、マシンビジョン・画像処理システムにおける新しい照明技術(増村茂樹、精密工学会誌 Vol.79 No.11、2013年)|J-STAGE
設計の流れ:仕様から公差まで
結像の光学設計ソフト CODE V(Keysight)は、結像光学系のモデル化・解析・最適化・公差解析を1つの環境で行うソフトだと説明しています。設計は、仕様(何を・どれだけの範囲で・どれだけ細かく写すか)を決め、初めの形を作り、ソフトで形を少しずつ変えて性能を上げる(最適化)、作るときのばらつきを入れて性能が保てるかを確かめる(公差解析)、という順で進みます(編集部の整理)。
- ① 仕様を決める:画角・距離・細かさ・明るさ
- ② 初めの形を作る:レンズの枚数・材料・大まかな形
- ③ 最適化する:メリット関数を使い、形を少しずつ変えて性能を上げる
- ④ 公差解析をする:作るときのばらつきを入れても、性能が保てるかを確かめる
- ⑤ 試作・評価:MTF・迷光・温度で確かめる。足りなければ③に戻る
OpticStudio は、最適化を「メリット関数」(目標からのずれをまとめた数)で行い、公差はモンテカルロ法(ばらつきを乱数で入れて何度も計算する)と感度の計算で評価するとしています。製品の設計者が出す仕様が、そのまま最適化の目標と公差の幅になるので、仕様の決め方が設計の出来を左右します(編集部の整理)。
出典:CODE V Optical Design Software|Keysight、Ansys Zemax OpticStudio|Ansys
主な光学設計ソフト
光学設計は、ソフトで光線追跡・最適化・公差解析を行うのがふつうです。主なソフトの役割は次のとおりです(各社のページの説明)。
| ソフト | 会社 | 主な役割(各社の説明) |
|---|---|---|
| CODE V | Keysight | 結像光学系のモデル化・解析・最適化・公差解析。温度・圧力・取り付け条件を入れた解析も |
| LightTools | Keysight | 照明系の設計・解析・最適化。LED・ディスプレイ・LiDAR・車載照明など。迷光・ゴーストの解析も |
| OpticStudio | Ansys | 結像系(シーケンシャル)と照明・散乱・迷光(ノンシーケンシャル)の両方。モンテカルロ法などの公差解析 |
ソフトの名前・販売元は変わることがあります(CODE V と LightTools は、以前の Synopsys のページから Keysight のページへ移っています)。導入するときは、各社の最新の案内で確かめてください。
出典:CODE V Optical Design Software|Keysight、LightTools Illumination Design Software|Keysight、Ansys Zemax OpticStudio|Ansys
ソフトを選ぶときに見ること
MONOist の記事(2010年)は、照明光学設計ソフトを比べるときの観点として、操作性(試用で確かめる)、日本語化とサポート、計算の速さ(並列計算)、長時間の繰り返し計算でもソフトが安定して動くこと、最適化の収束のしやすさを挙げています。モンテカルロ法の結果には統計的な誤差が含まれ、本当に改善したのか誤差なのか分からなくなるため、誤差の影響が大きくなったら自動で最適化を止める仕組みが必要だ、とも書いています。
出典:LED照明の光学設計:LED照明設計の基礎(5)(2010年5月24日)|MONOist
知っておきたい基本の量:焦点距離・F値・NA
レンズの基本の量は、焦点距離(f)、F値(焦点距離÷入射瞳の直径。小さいほど明るい)、開口数 NA(どれだけ広い角度の光を取り込むか)です。NA が大きい(F値が小さい)ほど明るく、細かいものまで写せますが、ニコンの解説によると、球面収差は NA の3乗、コマ収差は NA の2乗に比例して大きくなります。明るさと像のよさは、引き換えになりやすいということです。

出典:応用物理学会『光学』の光学工房(2013年)・ニコンの解説をもとに AI(Claude)で作成
どれくらいの産業か
光産業技術振興協会の調査(2026年3月12日発表)によると、2024年度の光産業の全出荷額(実績)は 12兆4,744億円、国内生産額(実績)は 5兆9,556億円でした。デジタルカメラ・車載カメラ・イメージセンサなどを含む「入出力分野」の全出荷額は 4兆6,616億円(前年度比 +4.2%)で、スマートフォンと車載カメラ向けのイメージセンサの大幅な増加などで増えたとしています。

出典:光産業技術振興協会の発表(2026年3月12日)をもとに AI(Claude)で作成
出典:2025年度 光産業全出荷額、国内生産額調査結果について(2026年3月12日)|光産業技術振興協会
収差と、像のよさの測り方
収差とは:理想の像からのずれ
ニコンの解説は、収差を理想的な結像からのずれと定義しています。1つの波長の光でも起きる5つの収差(球面収差・コマ収差・非点収差・像面湾曲・歪曲収差)と、色で起きる2つの収差(軸上色収差・倍率色収差)があります。

出典:ニコンの「収差とは」をもとに AI(Claude)で作成
| 収差 | 像の崩れ方 | 大きくなる条件(ニコンの解説) |
|---|---|---|
| 球面収差 | 中心でもぼける | NA の3乗に比例。視野によらない |
| コマ収差 | 周辺の点が尾を引く | NA の2乗と視野の広さに比例 |
| 非点収差・像面湾曲 | 周辺で縦と横のピントが合わない・像の面が曲がる | NA と、視野の広さの2乗に比例 |
| 歪曲収差 | ぼけないが、四角が樽形・糸巻き形にゆがむ | NA に関係なく、視野の広さの3乗に比例 |
| 軸上色収差 | 色ごとにピントの位置が違い、にじむ | NA に比例 |
| 倍率色収差 | 色ごとに倍率が違い、周辺で色がずれる | 視野の広さに比例 |
視野を広く・レンズを明るくするほど、収差を抑えるためにレンズの枚数や非球面が増えるのが一般的です(編集部の整理)。画角と明るさの仕様を必要以上に欲張らないことが、コストを下げる近道になります。
色のにじみとアッベ数
材料の屈折率は、光の色(波長)で少しずつ違います。この違いの小ささを表すのがアッベ数です。アッベ数が大きいほど色による屈折率の違いが小さく、色収差が出にくい材料です。アリゾナ大学の講義資料によると、光学ガラスのアッベ数はおよそ 25〜65 で、N-BK7 は 64.2、高分散の N-SF6 は 25.4 です。

出典:アリゾナ大学の講義資料・東ソーの技術報告をもとに AI(Claude)で作成
東ソーの技術報告(2001年)は、ポリカーボネート(PC)について、アッベ数が 29 と低く、波長による屈折率の違いが大きいので色収差が出ることを欠点に挙げています。色収差は、アッベ数の大きい材料と小さい材料のレンズを組み合わせて打ち消すのが基本です(編集部の整理)。
出典:OPTI-502 Materials(J. E. Greivenkamp、2019年)|アリゾナ大学 光科学部、SCHOTT N-BK7(光学ガラスのデータ)|SCHOTT、透明耐熱樹脂 オレフィン・マレイミド共重合体の特性(東ソー研究・技術報告 第45巻、2001年)|東ソー
MTF:細かい縞をどれだけ再現できるか
応用物理学会『光学』の解説(藤代、2013年)によると、解像力は「本/mm」や「lp/mm(1mm に白黒の線の組が何組あるか)」で表しますが、人によって判断がばらつくため、レンズの性能の指標として、各空間周波数の縞のコントラストをどれだけ再現できるかを表す MTFが使われるようになりました。一眼レフの交換レンズでは、10本/mm(低い周波数)と 30本/mm(高い周波数)の MTF が公開されていることが多い、としています。

出典:応用物理学会『光学』の光学工房(2013年)をもとに AI(Claude)で作成
同じ解説は、デジタルカメラでは撮像素子の画素ピッチで決まるナイキスト周波数を超える細かさは、特殊な処理をしない限り再現できないとしています。画素ピッチ p のとき、ナイキスト周波数は 1/(2p) で、例えば画素ピッチ 3μm なら約 167 lp/mm です(編集部の計算)。レンズの MTF は、使う撮像素子のナイキスト周波数あたりで見ると、レンズとセンサーの釣り合いを判断しやすくなります。
出典:光学工房:カメラレンズの性能と評価(藤代一朗、『光学』42巻12号、2013年)|応用物理学会 光学会
MTF の測り方
藤代の解説(2013年)は、MTF の測り方として、白黒の縞のチャートを写してコントラストを測る方法と、スリットの像の広がり(線の広がり関数)をフーリエ変換する方法を紹介しています。量産の検査では、レンズの像の側からチャートを投影する「逆投影」の方式が主流だとしています。仕様書に MTF を書くときは、どの空間周波数で・画面のどの位置で・どの波長で測るかをそろえて決めます(編集部の整理)。
出典:光学工房:カメラレンズの性能と評価(藤代一朗、『光学』42巻12号、2013年)|応用物理学会 光学会
材料の選び方:ガラスとプラスチック
ガラスとプラスチックの比較
レンズの材料は、光学ガラスと光学用のプラスチック(PMMA=アクリル、PC=ポリカーボネート、COP・COC=シクロオレフィン系など)に分かれます。プラスチックは軽く、成形で非球面や取り付けの形まで一体で作れる一方、温度・吸水・成形のひずみに弱いので、製品の使う環境で選びます(編集部の整理)。

出典:アリゾナ大学の講義資料・東ソーの技術報告・日本ゼオンの物性値・G&H の解説をもとに AI(Claude)で作成
| 材料 | 屈折率 nd | アッベ数 | 線膨張係数 | 吸水率 | 出典 |
|---|---|---|---|---|---|
| N-BK7(光学ガラス) | 1.5168 | 64.2 | 7.1×10-6/℃ | — | アリゾナ大学の講義資料・SCHOTT |
| PMMA(アクリル) | 1.49 | 53 | 7.7×10-5/℃ | 0.3% | 東ソーの技術報告・G&H |
| PC(ポリカーボネート) | 1.58 | 29 | 6.7×10-5/℃ | 0.2% | 東ソーの技術報告・G&H |
| ZEONEX K26R(COP) | 1.535 | — | 6×10-5/℃ | 0.01%未満 | 日本ゼオンの物性値(代表値) |
数値は各出典の代表値で、測り方やグレードで変わります。プラスチックは同じ名前でも個体差が大きい(アリゾナ大学の講義資料)ので、使うグレードのデータシートで確かめてください。
出典:OPTI-502 Materials(J. E. Greivenkamp、2019年)|アリゾナ大学 光科学部、SCHOTT N-BK7(光学ガラスのデータ)|SCHOTT、透明耐熱樹脂 オレフィン・マレイミド共重合体の特性(東ソー研究・技術報告 第45巻、2001年)|東ソー、Materials for Polymer Optics|G&H、ZEONEX・ZEONOR 光学グレードの物性値(2026年2月)|日本ゼオン
温度で屈折率とピントが変わる
NEW GLASS の解説(パナソニックの田中、2008年)は、プラスチックレンズで最も注意すべき物性は屈折率の温度依存性だとし、プラスチックは約 1×10-4/K 程度で、ガラスは通常それより2桁ほど小さいと説明しています。屈折率が変わると焦点距離が変わります。光ディスクの例では、NA 0.45 の CD ではほとんど影響がないが、NA 0.85 の Blu-ray では大きな残りの収差になるとしています。

出典:NEW GLASS(2008年)の解説をもとに AI(Claude)で作成
さらに、プラスチックはガラスより線膨張係数が約1桁大きく(上の表)、鏡筒や筐体も膨張します。温度が変わってもピントが保たれるように、材料の組み合わせや鏡筒の構造で打ち消す設計を「アサーマル設計」と呼びます(編集部の整理)。車載や屋外で使う製品では、使う温度の範囲を最初の仕様に入れます。
出典:ガラス成形による反射防止構造の作製(田中康弘、NEW GLASS Vol.23 No.4、2008年)|ニューガラスフォーラム
成形のひずみと複屈折
東ソーの技術報告は、複屈折(方向によって屈折率が違う性質)を光弾性係数で表し、光弾性係数の大きな材料は、成形の際に光学ひずみが出やすいと説明しています。表の光弾性定数は PC が 100×10-12/Pa、PMMA が 6×10-12/Pa です。偏光を使うセンサーや、レーザーを通す光学系では特に効きます(編集部の整理)。
吸水も見落とされがちです。G&H の解説は、吸水率を COP(Zeonex)で 0.01%未満、PC で 0.2%、PMMA で 0.3%としています。水を吸うと形と屈折率が変わるので、湿度の高い所で使うなら吸水の小さい材料を選ぶのが基本です(編集部の整理)。
出典:透明耐熱樹脂 オレフィン・マレイミド共重合体の特性(東ソー研究・技術報告 第45巻、2001年)|東ソー、Materials for Polymer Optics|G&H
公差と組立:設計どおりの性能を量産で出す
傾きと偏心で、片側だけぼける
レンズや撮像素子がわずかに傾いたり、中心がずれたり(偏心)すると、画面の片側だけがぼける「片ボケ」や像のゆがみが出ます。埼玉県の支援事業の成果(アキム、平成25年度)は、CMOS センサーとオートフォーカスのレンズを、X・Y・Z・θ に加えて2方向の傾き(チルト)も合わせる6軸の調整台で位置を合わせ、UV 接着剤で固定する装置の開発を紹介し、撮像素子の傾きによる片ボケやゆがみを解消するねらいだとしています。

出典:埼玉県の次世代産業参入支援事業の成果(アキム)をもとに AI(Claude)で作成
組立で調整するか、部品の精度で保証するかは、公差解析で「どの部品のどのずれが、どれだけ性能を落とすか(感度)」を出してから決めるのが基本です(編集部の整理)。感度の高い所だけ精度を上げるか、調整の工程を入れます。
出典:平成25年度 次世代産業参入支援事業の成果(アキム:6軸アライメント装置)|埼玉県
光学部品の図面の書き方:JIS B 0090 と ISO 10110
光学部品の図面には、ふつうの機械図面にない指示(面の形の精度・偏心・材料の泡や脈理・表面のきず など)が要ります。日本では JIS B 0090 シリーズ「光学素子及び光学システム用の製図手法」があり、例えば第6部(2021年)は偏心公差を扱い、ISO 10110-6:2015 に対応しています。
| 図面で指示すること | 内容 |
|---|---|
| 面の形の精度 | ニュートン縞の本数など |
| 偏心公差 | JIS B 0090 の第6部(2021年、ISO 10110-6 に対応) |
| 表面のきず・泡 | 材料と表面の欠陥 |
| 反射防止膜 | 使う波長の範囲と反射率 |
面の形の精度は、干渉計で見るニュートン縞の本数などで表します。富士フイルムの干渉計の説明では、測定の感度を λ/2(約 0.3μm/縞)としています。縞1本が、光の波長の半分の高さの差にあたります(編集部の整理)。
出典:JIS B 0090-6:2021 光学素子及び光学システム用の製図手法 第6部:偏心公差(プレビュー)|日本規格協会、フジノン干渉計 F601(ニュートン縞の検査)|富士フイルム
迷光・ゴーストと反射防止
面ごとに約4%が反射する
Edmund Optics の解説は、コートしていないガラスでは、境目の面ごとに約4%の光が反射し、両面で透過率は約92%になるとしています。屈折率 n のガラスに垂直に入るとき、反射率は ((n−1)/(n+1))² で、n=1.5 なら 4%になります(編集部の計算)。面が10面あれば、反射だけで透過は 0.96 の10乗 ≒ 66%まで下がります(編集部の計算)。

出典:Edmund Optics の解説(Laser Focus World)をもとに AI(Claude)で作成
反射防止膜(AR コート)で反射を減らせます。同じ解説によると、MgF2 の単層膜は N-BK7 の上で 400〜700nm の平均反射率 1.75%以下、多層の広帯域 AR では 0.5%未満や 0.4%以下の仕様もあります。使う波長の範囲を決めて、その範囲に合った膜を指定するのが基本です(編集部の整理)。
出典:In-depth look at anti-reflection coatings(Edmund Optics)|Laser Focus World
ゴーストの原因:面どうし・有効な範囲の外・鏡筒の反射
コニカミノルタの技術報告(2010年)は、ゴーストを「正規の光路以外の光路を経て撮像面に到達する光束」とし、原因をレンズの有効な範囲の中の面どうしの反射、有効な範囲の外での反射、鏡筒などメカ部品での反射の3つに分けています。なかでも面どうしの反射が多くの光学系で起き、重要だとしています。

出典:コニカミノルタのテクニカルレポート(2010年)をもとに AI(Claude)で作成
対策は2つで、①反射する面のコートを変えて反射率を下げる、②曲率などを変えて、ゴーストの光の通り道を変えるです。同社は、コートの特性を入れて波長ごとのゴーストの強さと色まで計算するツールを作り、試作の前にゴーストを見つけられるようにしました。試作で初めてゴーストが分かると、原因の解析と対策に大きな工数がかかるとしています。
製品の設計者にとっては、レンズの外の部品(鏡筒の内面、筐体、カバーガラス、基板の白い部品)も反射のもとになる点が大事です。内面の黒色処理や絞り、遮光の形状を、光学設計と一緒に決めます(編集部の整理)。
出典:高精度ゴーストシミュレーションツールの開発(コニカミノルタ テクニカルレポート Vol.7、2010年)|コニカミノルタ
照明とセンサーの光学
照明の光学設計とシミュレーション
MONOist の記事(2010年)によると、照明光学設計ソフトでは LED・レンズ・反射面をモデル化し、モンテカルロ法による光線追跡で配光を計算します。記事の例では、LED だけだと中心付近の照度が高く偏っていましたが、最適化したレンズを組み合わせると照射領域の照度がほぼ均一になり、照射領域に入る光の割合も約68%から約83%に上がったとしています。

出典:MONOist の記事(2010年)をもとに AI(Claude)で作成
コニカミノルタの技術報告(2012年)は、LED 照明用のプラスチックレンズで、成形後の収縮変形で配光が変わることを最大の課題とし、樹脂の流動解析で変形を予測して金型の補正に戻す方法をとりました(LED 照明用のプラスチックレンズ:成形の変形を金型で先に補正(事例))。照明のレンズは、光学設計と成形を一緒に考える必要があります。
出典:LED照明の光学設計:LED照明設計の基礎(5)(2010年5月24日)|MONOist、LED照明用プラスチックレンズの成形流動シミュレーション(コニカミノルタ テクニカルレポート Vol.9、2012年)|コニカミノルタ
導光板:ドットの大きさで明るさをそろえる
日本大学の研究(飲料の自動販売機の照明の LED 化)は、導光板のしくみを次のように説明しています。LED の光は導光板の側面から入り、アクリルの中を全反射で進みます。反射ドットに当たった光は全反射の角より小さい角度になって表面から出ます。光源の近くはドットを小さく、遠いほど大きくして、全体を均一に光らせるとしています。

出典:日本大学生産工学部の講演資料をもとに AI(Claude)で作成
同じ研究は、拡散板の真下に LED を並べる直下型では、光源のある所とない所で輝度のむらが出るとしています。むらの対策は、課題ページ「照明・バックライトの明るさのむらをなくしたい」で詳しく扱っています。
出典:飲料販売機用照明の LED 化に関する研究(須田・内田・大谷)|日本大学生産工学部 学術講演会
図形を投影する照明の設計の指針
静岡県工業技術研究所の研究報告(2024年)は、細かいプリズムを並べたシート(マイクロプリズムアレイ)で図形を壁に映す照明を、光学シミュレーションで調べました。200mm の正方形を 1,000mm 離れた壁に映す条件で、投影像の明るさのむらと輪郭のぼけについて、プリズムの数を多くする、光源までの距離を長くする、プリズムの傾きを 30°以下にするという設計の指針を得ています。

出典:静岡県工業技術研究所の研究報告(2024年)をもとに AI(Claude)で作成
出典:マイクロプリズムアレイによる図形投影照明の設計(研究報告 第17号、2024年)|静岡県工業技術研究所
マシンビジョンの照明とレンズ
外観検査などのマシンビジョンでは、照明で欠陥を浮かび上がらせ、レンズで写し、カメラで捉えるの3つがそろって初めて検査ができます。増村の解説は、照明を明るさのためでなく、特徴の情報を取り出すためのものと位置づけています。照明の当て方の選び方は、課題ページ「外観検査を自動化したい」で扱っています。
出典:マシンビジョン・画像処理システムにおける新しい照明技術(増村茂樹、精密工学会誌 Vol.79 No.11、2013年)|J-STAGE
センサー側:周辺光量と光の入射角
撮像素子は、斜めから入る光を受けにくい性質があり、レンズから出る光の角度(主光線の入射角=CRA)が撮像素子に合わないと、画面の周りが暗くなります(編集部の整理)。富士フイルムの産業用レンズ(CF-ZA-1S シリーズ)は、レンズ単体の周辺光量比 90%以上(1.1型、F4.0)、CRA は 1.2型の撮像素子に対応して 5°以下としています。

出典:富士フイルムの産業用レンズのページをもとに AI(Claude)で作成
レンズを選ぶときは、撮像素子のサイズ(型)・画素ピッチ・許される CRA を、レンズメーカーに一緒に伝えると、組み合わせの失敗を減らせます(編集部の整理)。
出典:産業用レンズ CF-ZA-1S シリーズ|富士フイルム
光の安全:レーザーと LED
レーザーを使う製品には、JIS C 6802(レーザ製品の安全基準、IEC 60825-1 に対応)があります。日本規格協会のプレビューによると、180nm〜1mm の波長のレーザー放射を出す製品が対象で、クラス分けの原則を定めています。ほかの会社の製品の一部として売るレーザー製品は、この規格の対象外と書かれているので、部品として組み込む側が最終製品でクラス分けを確かめる必要があります。
| 対象 | 規格 | おもな中身 |
|---|---|---|
| レーザー製品 | JIS C 6802(IEC 60825-1 に対応) | 180nm〜1mm の波長のレーザー放射。クラス分けの原則を定める。ほかの会社の製品の一部として売るレーザー製品は対象外で、最終製品で確かめる |
| ランプ・LED | IEC 62471(光生物学的安全) | 200〜3,000nm を評価し、免除・リスクグループ1(低)・2(中)・3(高)の4段階に分ける |
ランプや LED には、光生物学的安全の国際規格 IEC 62471 があり、Nemko の解説によると、免除・リスクグループ1(低)・2(中)・3(高)の4段階に分け、200〜3,000nm の波長を評価します。白色 LED の青い光(450〜480nm)が目に損傷を与えるリスクにも触れています。
出典:JIS C 6802:2014 レーザ製品の安全基準(プレビュー)|日本規格協会、光生物学的安全性(IEC 62471)|Nemko
トラブルと対策、事故の事例
よくあるトラブルと対策
製品に光学部品を組み込むときに起きやすいトラブルと、しくみ・対策をまとめました。
| トラブル | しくみ | 対策 | 出典 |
|---|---|---|---|
| 温度でピントがずれる | プラスチックの屈折率が温度で変わる(約 1×10-4/K)。鏡筒も膨張する | ガラスとの組み合わせ、使う温度の範囲を仕様に入れたアサーマル設計(温度で屈折率とピントが変わる) | NEW GLASS |
| 片ボケ | レンズや撮像素子の傾き・偏心 | 公差解析で感度を出し、傾きまで合わせる調整(傾きと偏心で、片側だけぼける) | 埼玉県(アキム) |
| ゴースト・フレア | 面どうしの反射・有効な範囲の外・メカ部品の反射 | コートで反射を下げる、光の通り道を変える、内面を黒くする(ゴーストの原因:面どうし・有効な範囲の外・鏡筒の反射) | コニカミノルタ |
| 四隅が暗い | 周辺光量の低下、レンズと撮像素子の入射角(CRA)の不一致 | 撮像素子のサイズと CRA に合ったレンズを選ぶ(センサー側:周辺光量と光の入射角) | 富士フイルム |
| 照明のむら | 光源の配置、導光板のドットの配置 | シミュレーションでドットやレンズの形を最適化(導光板:ドットの大きさで明るさをそろえる) | 日本大学・MONOist |
| 曇り・結露 | 内部の空洞に湿気が溜まり、冷えたレンズの内面で結露 | 空洞を減らす、レンズを厚くするなど形と構造の見直し(曇り・結露の対策:車載カメラの研究) | Sensors の論文 |
| 成形で配光が変わる | プラスチックレンズの成形後の収縮変形 | 流動解析で変形を予測して金型を補正(LED 照明用のプラスチックレンズ:成形の変形を金型で先に補正(事例)) | コニカミノルタ |
このページの出典をもとに編集部が整理したものです。
曇り・結露の対策:車載カメラの研究
Zhang らの論文(Sensors、2025年)は、車載カメラのモジュールで、防水のシールで外の湿気は止めても、内部の空洞に湿気が移って溜まり、急な環境の変化で結露することを扱いました。シミュレーションでは、最も外側のレンズ(第1レンズ)の内面の頂点付近が最も低い温度(4.3℃)になりました。

出典:Sensors の論文(Zhang ほか、2025年)をもとに AI(Claude)で作成
対策として、第1レンズの中心厚を 0.9mm から 1.6mm に、内面の曲率半径を 2.85mm から 3mm に変え、内部の空洞の容積を合計で約 72.6mm³ 減らしました。結露が始まる温度差は約 42℃(83 lp/mm の MTF が 0.5 を下回る点)から約 60℃に上がりました(論文の要旨では「60℃以上」)。光学の形と構造(空洞)を一緒に変えると、曇りにくくできるという例です。
光学部品を組み込むときに確かめること
光学部品を製品に組み込むときに確かめたいことを、編集部が整理しました。
- 仕様:写す範囲(画角)・距離・細かさ(lp/mm)・明るさ(F値)を、必要な分だけ決めた
- 材料:ガラスかプラスチックかを、温度・吸水・複屈折・重さ・コストで比べた
- 温度と湿度:使う温度の範囲でピントと性能が保てるか、結露しないかを確かめた
- 組立と公差:公差解析で感度の高い部品を洗い出し、精度か調整かを決めた
- 迷光:筐体・鏡筒・カバーガラス・基板の反射を含めてゴーストを確かめた
- センサーとの組み合わせ:撮像素子のサイズ・画素ピッチ・CRA に合ったレンズを選んだ
- 光の安全:レーザーは JIS C 6802、LED・ランプは IEC 62471 で確かめた
- 評価:MTF などを、どの周波数・位置・波長で測るか決めた
出典:光学工房:カメラレンズの性能と評価(藤代一朗、『光学』42巻12号、2013年)|応用物理学会 光学会、ガラス成形による反射防止構造の作製(田中康弘、NEW GLASS Vol.23 No.4、2008年)|ニューガラスフォーラム、高精度ゴーストシミュレーションツールの開発(コニカミノルタ テクニカルレポート Vol.7、2010年)|コニカミノルタ、産業用レンズ CF-ZA-1S シリーズ|富士フイルム、JIS C 6802:2014 レーザ製品の安全基準(プレビュー)|日本規格協会、光生物学的安全性(IEC 62471)|Nemko
レンズや鏡が日光を集めて起きる火災、カメラのレンズのコーティングのリコール、レーザーポインターの事故、プラスチックレンズの成形の改善の例です。
収れん火災:レンズや鏡が日光を集めて燃える(事例)
東京消防庁の報道発表(平成31年3月7日)によると、平成21〜30年の10年間に起きた収れんの火災は 61件で、発火源は凸レンズ 31件、凹面鏡 22件、反射板 8件でした。三面鏡に付いた拡大用の凹面鏡に日光が差し込み、反射した光がソファの位置で焦点を結んだ例もあり、後日の実験で同じ位置から煙が出ることを確かめています。消費者庁(令和2年11月26日)も、事故情報データバンクに収れん火災の事故情報が 20件あったとし、鏡・ガラス玉・吸盤・車のホイールなどを挙げています。光を集める形の部品は、製品として使われていないときに日光が当たる場面まで考える必要があります(編集部の整理)。
出典:メイク用ミラーの取扱いに注意を!!(報道発表資料、平成31年3月7日)|東京消防庁、鏡やガラス玉で起こる「収れん火災」に注意!(消費者庁 News Release、令和2年11月26日。大津市のサイトに掲載)|消費者庁
車のサイドカメラ:レンズのコーティングが酸で傷み、白く濁る(事例)
国土交通省のリコール届出(届出番号3993、平成29年2月16日、マツダ)によると、車の直前・直左を映すサイドカメラで、レンズ表面のコーティングが不適切なため、洗浄剤や雨水などに含まれる酸でコーティングが浸食され、続けて使うとレンズも浸食されて白く濁り、映像が鮮明に映らなくなるおそれがありました。不具合は 277件、事故はなく、白く濁ったものは対策品のサイドカメラに交換しました。外に出る光学部品のコーティングは、使われる環境の薬品・水への強さまで確かめる必要があります。
出典:リコール届出一覧表(届出番号3993、平成29年2月16日、マツダ)|国土交通省
レーザーポインター:網膜の損傷で規制へ(事例)
経済産業省と NITE のリーフレット(平成21年7月)によると、携帯用のレーザー応用装置は、過去にレーザー光線が目に入って網膜が損傷し、視力が低下する事故が起きたため、消費生活用製品安全法で規制されています。基準に合った製品には PSC マークが付き、PSC マークのない製品は基準を超えるレーザー光が出る可能性があるとしています。レーザーを使う製品の設計では、出力と光学系で決まる安全のクラスを最初に確かめます(光の安全:レーザーと LED)。
出典:そのレーザーポインターは安全ですか?(リーフレット、平成21年7月)|経済産業省・NITE
LED 照明用のプラスチックレンズ:成形の変形を金型で先に補正(事例)
コニカミノルタの技術報告(2012年)によると、複雑な形の LED 照明用レンズで、外観の不良(ジェッティング)と、成形後の収縮変形による配光の変化が起きました。外観の不良は射出速度の最適化で解決し、変形は樹脂の流動解析で予測して金型の補正に戻したうえで試作し、配光の比較で補正量が妥当だと確かめました。これまでの試行錯誤に比べて、試作の期間と費用を減らせたとしています。
出典:LED照明用プラスチックレンズの成形流動シミュレーション(コニカミノルタ テクニカルレポート Vol.9、2012年)|コニカミノルタ
事例の1件目と3件目は国・公的機関の注意喚起、2件目は国のリコール届出、4件目は企業の技術報告です(編集部の整理)。
企業紹介(光学設計の技術)
光学部品のメーカー、産業用レンズの OEM、プラスチック・微細光学、光学設計の受託、LED 用レンズの設計代行まで、得意分野の違う会社を紹介します。掲載は各社の公開情報にもとづきます。各社のサイトの画像は使わず、公開されている情報をもとに図にしました。
社内でやるか、外に頼むか
光学設計を社内で持つか、外に頼むかは、製品の中で光学がどれだけ差を生むか、設計の変更がどれだけ頻繁にあるかで決めます(編集部の整理)。標準品のレンズや照明で足りるなら、メーカーのカタログと技術相談で済むことが多く、専用のレンズや導光体が要るなら、光学設計の受託や、設計から成形まで一貫して受ける部品メーカーに相談します(困りごとごとの相談先)。
Edmund Optics は、自社のレンズの設計データを、設計ソフトに読み込める形(Zemax の BlackBox や CODE V の HLM ファイル)で提供しています。市販のレンズのデータを製品の光学系の計算に入れて、組み合わせを先に確かめることもできます。
相談する前に整理すること
光学設計や光学部品を相談するときは、次の点を整理しておくと話が早く進みます(編集部が整理した項目です)。
- 何を写すか・照らすか(対象の大きさ・材質・見たい特徴)
- 写す範囲と距離(画角・作動距離・照らす面の大きさ)
- 細かさと明るさ(lp/mm・F値・照度の目標)
- 使う光の波長(可視・近赤外・レーザーの波長)
- 撮像素子や光源の型番(サイズ・画素ピッチ・CRA・配光)
- 使う温度・湿度と、屋外・車載かどうか
- 大きさ・重さ・コストの上限
- 数量と時期(試作だけか、量産か)
困りごとごとの相談先
| 困りごと | 相談先の種類 | このページで紹介した会社 |
|---|---|---|
| レンズ・ミラー・フィルターを、標準品から選びたい・少し変えたい | 光学部品のメーカー | シグマ光機・エドモンド・オプティクス・ジャパン |
| 検査や監視のカメラに合うレンズを、OEM で調達したい | 産業用レンズのメーカー | タムロン・エドモンド・オプティクス・ジャパン |
| 小さく複雑なプラスチックの光学部品を、設計から量産まで頼みたい | プラスチック・微細光学のメーカー | ナルックス |
| 光学モジュールの設計から試作・評価まで頼みたい | 光学設計の受託 | ブルーオプテック・エーエルティー |
| LED の配光が合わないので、専用のレンズや導光体がほしい | LED 用レンズの設計代行 | レイトロン・ナルックス |
各社の公式サイトの情報をもとに編集部が整理したものです。会社の紹介は、この下にあります。
| 企業 | 光学設計 の受託 | レンズ・ 光学部品 | プラスチック ・微細光学 | OEM・ レンズユニット | 照明・ LED 光学 |
|---|---|---|---|---|---|
| シグマ光機光学部品・光学システム(埼玉県) | ● | ||||
| エドモンド・オプティクス・ジャパン光学部品の標準品・特注品(東京都) | ● | ● | |||
| ナルックスプラスチック・微細光学素子(大阪府) | ● | ● | ● | ● | |
| タムロン産業用レンズ・OEM(埼玉県) | ● | ● | |||
| ブルーオプテック光学設計・試作の受託(京都府) | ● | ||||
| エーエルティー光学シミュレーションの受託(東京都) | ● | ● | |||
| レイトロンLED 用樹脂レンズの設計代行(京都府) | ● | ● | ● |
●は、各社の公式サイトで扱いを確認できたものです(空欄は、扱っていないという意味ではありません)。社名を押すと、その会社の紹介へ移ります。
シグマ光機株式会社|レンズ・ミラーなどの光学素子から光学システムまで
シグマ光機とは
埼玉県日高市に本社・日高工場、東京都墨田区に東京本社を置く会社です(1977年4月設立、従業員 386名、2026年5月31日現在)。

出典:シグマ光機の公式サイトをもとに AI(Claude)で作成
シグマ光機の得意技術
| 技術 | 内容 |
|---|---|
| 光学素子・薄膜 | レンズ・ミラー・フィルターなどの光学素子と薄膜(同社サイト) |
| 光学の基本機器 | ステージ・ホルダー・ベースなど、光学系を組むための機器(同社サイト) |
| 光学システム・特注 | 位置決め・計測の応用製品、レーザー関連のシステム、受託による特注製品の製作(同社サイト) |
シグマ光機が解決できる課題
- 試作や評価の光学系を組むための部品を、まとめてそろえたい
- 標準品で合わない光学ユニットを特注したい
公開されている実績・用途
- 2020年に打ち上げられた NASA の火星探査機に同社の光学部品が搭載された(同社のトップページ)
出典:会社概要|シグマ光機、OptoSigma(光学部品・製品のサイト)|シグマ光機、シグマ光機 トップページ
エドモンド・オプティクス・ジャパン株式会社|標準品の光学部品と、特注・量産、設計データの提供
エドモンド・オプティクス・ジャパンとは
Edmund Optics の世界の拠点の1つで、東京都文京区にオフィス、秋田県湯沢市に工場があります(同社サイト)。

出典:エドモンド・オプティクス・ジャパンの公式サイトをもとに AI(Claude)で作成
エドモンド・オプティクス・ジャパンの得意技術
| 技術 | 内容 |
|---|---|
| 標準品の光学部品 | 球面・非球面レンズ、ミラー、プリズム、光学フィルター、レーザー用の光学部品、イメージングレンズ(同社サイト) |
| 特注・量産 | 試作から量産まで、特注の光学部品・イメージング部品に対応(同社サイト) |
| 設計データ | 自社のレンズのデータを Zemax の BlackBox や CODE V の HLM ファイルで提供(同社サイト) |
エドモンド・オプティクス・ジャパンが解決できる課題
- 標準品のレンズで試作し、量産で特注に切り替えたい
- 設計ソフトで市販のレンズを入れた計算をしたい
出典:会社情報|エドモンド・オプティクス・ジャパン、特注・量産の対応|エドモンド・オプティクス・ジャパン
ナルックス株式会社|マイクロレンズアレイ・回折光学素子など、小さく精密な光学素子
ナルックスとは
大阪府三島郡島本町に本社を置く会社です(1948年7月設立、従業員 単体281名・グループ432名、2026年3月現在)。

出典:ナルックスの公式サイトをもとに AI(Claude)で作成
ナルックスの得意技術
| 技術 | 内容 |
|---|---|
| 光学素子 | マイクロレンズアレイ、ガラス光学素子、回折光学素子(DOE)、自由曲面光学素子、導光板・導光棒、レンズユニット・光学モジュール(同社サイト) |
| 光学設計 | 撮像系・照明系・走査光学系の設計と提案。幾何光学と回折の両方に対応し、光学設計だけの依頼にも対応(同社サイト) |
| 微細加工・量産 | 超精密加工・表面の微細加工(反射防止構造)、電子線描画。設計から金型・量産まで社内で一貫(同社サイト) |
ナルックスが解決できる課題
- 小さく複雑なプラスチックの光学部品を、設計から量産まで一社に頼みたい
- 成形で起きる不具合を、設計の初めの段階から見込んでおきたい
公開されている実績・用途
- すばる望遠鏡(ハワイ・マウナケア)に同社のマイクロレンズアレイが使われている(同社サイト)
出典:会社概要|ナルックス、初めての方へ|ナルックス、製品情報|ナルックス
株式会社タムロン|監視・FA・車載・医療のレンズと、OEM・カスタマイズ
タムロンとは
埼玉県さいたま市見沼区に本社を置く会社です(1952年10月27日設立、従業員 単体950名・連結4,977名、2025年12月末)。

出典:タムロンの公式サイトをもとに AI(Claude)で作成
タムロンの得意技術
| 技術 | 内容 |
|---|---|
| 産業用レンズ | 監視カメラ用、FA・マシンビジョン用、車載用、医療用のレンズ(同社サイト) |
| カメラモジュール | レンズと組み合わせたカメラモジュール(同社サイト) |
| OEM・カスタマイズ | カメラ用レンズの OEM、監視用レンズ、精密金型・精密プラスチック成形品(同社サイト) |
タムロンが解決できる課題
- 自社の製品に載せるレンズを、OEM・カスタマイズで調達したい
- 検査・監視・車載のカメラに合うレンズを選びたい
ブルーオプテック株式会社|光学設計とメカ設計、試作・評価まで少人数で受ける
ブルーオプテックとは
京都府相楽郡精華町(けいはんなオープンイノベーションセンター)に所在する会社です(2016年11月16日設立、従業員4名)。

出典:ブルーオプテックの公式サイトをもとに AI(Claude)で作成
ブルーオプテックの得意技術
| 技術 | 内容 |
|---|---|
| 光学・メカ設計 | 企画、機構設計・3D 設計、光学シミュレーション、レンズ設計(同社サイト) |
| 試作・評価 | モジュールの試作、振動・環境・光の評価、設備の立ち上げ(同社サイト) |
| 量産・コンサル | 材料の選定や金型への対応などの量産化設計、設備設計、光技術・量産の支援(同社サイト) |
ブルーオプテックが解決できる課題
- 光学モジュールを、光学とメカの両方で設計してほしい
- 試作から評価・量産の立ち上げまで相談したい
出典:会社概要|ブルーオプテック、サービス|ブルーオプテック
エーエルティー株式会社|照明・受光・走査の光学系を、シミュレーションで設計
エーエルティーとは
東京都練馬区に本社を置く会社です。1992年にレーザー製品の事業を始め、2001年12月にエーエルティー株式会社に改組しました(同社サイト)。

出典:エーエルティーの公式サイトをもとに AI(Claude)で作成
エーエルティーの得意技術
| 技術 | 内容 |
|---|---|
| 照明・集光の光学系 | レーザー・SLD・VCSEL・LED の集光・照明の光学系の設計とシミュレーション(同社サイト) |
| 受光・走査の光学系 | PD・APD・PMT・MPPC などの受光の光学系、ガルバノ・ポリゴン・光 MEMS の走査の光学系(同社サイト) |
| ソフトと構造設計 | Zemax と SolidWorks を使い、結果をもとに3次元の構造設計にも対応(同社サイト) |
エーエルティーが解決できる課題
- LED やレーザーの照明・受光の光学系を、シミュレーションで最適化したい
- 光学の計算から構造の設計までつなげたい
公開されている実績・用途
- レーザーの偏光・回折、LED 照明の最適化、太陽光の効率化の光学シミュレーション(同社のシミュレーション受託のページ)
出典:企業情報|エーエルティー、光学シミュレーション・設計の受託|エーエルティー
レイトロン株式会社|LED の配光に合わせた樹脂レンズ・導光体の設計代行
レイトロンとは
京都府宇治市に本社を置く会社です。2003年4月に日本の法人を設立し、韓国・中国にも拠点があります(同社サイト)。

出典:レイトロンの公式サイトをもとに AI(Claude)で作成
レイトロンの得意技術
| 技術 | 内容 |
|---|---|
| 樹脂レンズの設計代行 | 球面・非球面・複合の樹脂レンズの光学設計(同社サイト) |
| LED の光分布の設計 | LED 照明向けの光の分布の設計、光学成形品の切削サンプルの提供。樹脂レンズの金型の設計は標準では行わず、希望する場合は相談(同社サイト) |
レイトロンが解決できる課題
- 市販の LED では配光が合わない
- LED を使うための専用のレンズや導光体がほしい
公開されている実績・用途
- LED 照明機器のカスタム光源ユニットの専用レンズ、電子機器・電飾用のアクリル樹脂の導光体の光学設計(同社のサービス事例)
よくある質問
しくみと性能
- 光学設計とは、何をする設計ですか?
- レンズ・鏡・導光板などの形と材料を決めて、光を狙いどおりに届ける設計です。像を結ぶ光学系(カメラ・センサー)と、光を配る光学系(照明・バックライト)があります(像を結ぶ光学系と、光を配る光学系)。
- F値と NA は何が違いますか?
- どちらも明るさ(光を取り込む広さ)を表す量です。F値は焦点距離÷入射瞳の直径で、小さいほど明るく、NA は大きいほど明るくなります(知っておきたい基本の量:焦点距離・F値・NA)。
- MTF は何を見ればよいですか?
- 使う撮像素子のナイキスト周波数(画素ピッチ p のとき 1/(2p))あたりで、画面の中心と周辺の値を見ます。測る周波数・位置・波長をそろえて比べます(MTF:細かい縞をどれだけ再現できるか)。
- ゴーストとフレアの対策は?
- レンズ面の反射防止膜、光の通り道を変える設計、鏡筒や筐体の内面の黒色処理・絞りで対策します(ゴーストの原因:面どうし・有効な範囲の外・鏡筒の反射)。
材料と安全
- ガラスとプラスチック、どちらのレンズがよいですか?
- プラスチックは軽く、非球面や取り付けの形を一体で作れますが、温度で屈折率が変わりやすく、吸水や成形のひずみに注意が要ります。使う温度・湿度と精度で選びます(ガラスとプラスチックの比較)。
- 温度でピントがずれるのはなぜですか?
- プラスチックの屈折率が温度で変わり、鏡筒も膨張するからです。材料の組み合わせなどで打ち消すアサーマル設計で抑えます(温度で屈折率とピントが変わる)。
- レーザーを使う製品の安全は、どの規格を見ますか?
- JIS C 6802(IEC 60825-1)です。部品として組み込むレーザーは規格の対象外とされているので、最終製品でクラス分けを確かめます。LED やランプは IEC 62471 です(光の安全:レーザーと LED)。
ソフトと依頼
- 光学設計ソフトは何がありますか?
- 結像系の CODE V、照明系の LightTools(いずれも Keysight)、両方を扱う OpticStudio(Ansys)などがあります(主な光学設計ソフト)。
- 光学設計を外に頼むときは、何を伝えればよいですか?
- 写す・照らす対象、範囲と距離、細かさと明るさ、波長、撮像素子や光源の型番、使う温度・湿度、大きさ・コスト、数量と時期です(相談する前に整理すること)。
回答は、このページの出典をもとに編集部がまとめたものです。
関連する技術・ページ
関係する課題ページ
| 課題 | このページでの解決 | 課題ページ |
|---|---|---|
| 照明・バックライトの明るさのむらをなくしたい | 導光板と照明のシミュレーション(導光板:ドットの大きさで明るさをそろえる) | 導光板の設計 |
| 反射を抑えたい・光を制御したい | 面の反射と反射防止膜(面ごとに約4%が反射する) | 反射防止膜 |
| 外観検査を自動化したい | マシンビジョンの照明とレンズ(マシンビジョンの照明とレンズ) | 照明の選び方 |
| 加熱中の部品の温度を非接触で正しく測りたい | 受光の光学系とセンサー(センサー側:周辺光量と光の入射角) | 波長の選び方 |
| LED を長寿命にしたい | LED と光学部品の熱(照明の光学設計とシミュレーション) | 熱の対策 |
| 撥水・防汚・防曇を持たせたい | カバーの曇りと結露(曇り・結露の対策:車載カメラの研究) | 防曇 |
右の列は、関係する課題ページの対策の節へのリンクです。
関連する技術・課題
- 画像認識AI
- 三次元測定機・形状測定
- レーザー加工
- PVD・CVD
- 放射率(基礎知識)
- 照明・バックライトの明るさのむらをなくしたい
- 反射を抑えたい・光を制御したい
- 外観検査を自動化したい
- 加熱中の部品の温度を非接触で正しく測りたい
- LED を長寿命にしたい
- 撥水・防汚・防曇を持たせたい
- 光学設計(技術カテゴリー)
- 光(分野)
- 光学部品(製品)
出典・確認日
- Ansys Zemax OpticStudio|Ansys
- マシンビジョン・画像処理システムにおける新しい照明技術(増村茂樹、精密工学会誌 Vol.79 No.11、2013年)|J-STAGE
- CODE V Optical Design Software|Keysight
- LightTools Illumination Design Software|Keysight
- LED照明の光学設計:LED照明設計の基礎(5)(2010年5月24日)|MONOist
- 収差とは|ニコン 顕微鏡の基礎知識
- 2025年度 光産業全出荷額、国内生産額調査結果について(2026年3月12日)|光産業技術振興協会
- OPTI-502 Materials(J. E. Greivenkamp、2019年)|アリゾナ大学 光科学部
- SCHOTT N-BK7(光学ガラスのデータ)|SCHOTT
- 透明耐熱樹脂 オレフィン・マレイミド共重合体の特性(東ソー研究・技術報告 第45巻、2001年)|東ソー
- 光学工房:カメラレンズの性能と評価(藤代一朗、『光学』42巻12号、2013年)|応用物理学会 光学会
- Materials for Polymer Optics|G&H
- ZEONEX・ZEONOR 光学グレードの物性値(2026年2月)|日本ゼオン
- ガラス成形による反射防止構造の作製(田中康弘、NEW GLASS Vol.23 No.4、2008年)|ニューガラスフォーラム
- 平成25年度 次世代産業参入支援事業の成果(アキム:6軸アライメント装置)|埼玉県
- JIS B 0090-6:2021 光学素子及び光学システム用の製図手法 第6部:偏心公差(プレビュー)|日本規格協会
- フジノン干渉計 F601(ニュートン縞の検査)|富士フイルム
- In-depth look at anti-reflection coatings(Edmund Optics)|Laser Focus World
- 高精度ゴーストシミュレーションツールの開発(コニカミノルタ テクニカルレポート Vol.7、2010年)|コニカミノルタ
- LED照明用プラスチックレンズの成形流動シミュレーション(コニカミノルタ テクニカルレポート Vol.9、2012年)|コニカミノルタ
- 飲料販売機用照明の LED 化に関する研究(須田・内田・大谷)|日本大学生産工学部 学術講演会
- マイクロプリズムアレイによる図形投影照明の設計(研究報告 第17号、2024年)|静岡県工業技術研究所
- 産業用レンズ CF-ZA-1S シリーズ|富士フイルム
- JIS C 6802:2014 レーザ製品の安全基準(プレビュー)|日本規格協会
- 光生物学的安全性(IEC 62471)|Nemko
- Optical–Structural Optimization for Condensation Suppression in Automotive Camera Modules(Zhang ほか、Sensors 25(21) 6515、2025年)|PMC
- メイク用ミラーの取扱いに注意を!!(報道発表資料、平成31年3月7日)|東京消防庁
- 鏡やガラス玉で起こる「収れん火災」に注意!(消費者庁 News Release、令和2年11月26日。大津市のサイトに掲載)|消費者庁
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- 特注・量産の対応|エドモンド・オプティクス・ジャパン
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- カスタマイズ・OEM|タムロン
- 会社概要|ブルーオプテック
- サービス|ブルーオプテック
- 企業情報|エーエルティー
- 光学シミュレーション・設計の受託|エーエルティー
- 会社概要|レイトロン
- 光学設計代行|レイトロン
※製品名・会社名は各社の商標または登録商標です。本ページでは数値と事実だけを要約し、各社の文章・図は転載していません。
※アイキャッチ画像は、AI(ChatGPT)で生成したイメージです。実在の製品ではありません。図はAI(Claude)で作成した概念図です。
情報の確認日:2026年10月22日 本ページの内容は一般的な情報です。光の安全の判断は、規格の原文・法令で行ってください。各社の技術・実績は、その会社の公開情報にもとづきます。

