ホーム › 技術紹介 › ろ過・フィルター(種類と選び方・ろ過精度の読み方・清浄度の規格)

TECHNOLOGY / 技術紹介

ろ過・フィルター(種類と選び方・ろ過精度の読み方・清浄度の規格)

ろ過は、液体や気体を、孔のあいたろ材に通して、溶けていない粒子を分ける操作です。

ろ過・フィルター(種類と選び方・ろ過精度の読み方・清浄度の規格)
8件解決できる課題
7社紹介している企業
34点図と写真
39件出典

ろ過・フィルター(種類と選び方・ろ過精度の読み方・清浄度の規格)

床に立つステンレスのフィルターハウジングの断面で、左の入口から入った茶色の粒子を含む液がプリーツのカートリッジの外側から内側へ流れ、中心から下の出口へきれいな液が出ていく様子と、横に置かれた汚れたカートリッジと新しいカートリッジを描いたイラスト(AI で生成したイメージ)

品質の安定信頼性・長寿命コストダウン安全・規制・環境対応熱・流体・真空分離・ろ過混合・分離洗浄・コンタミ流れと圧力損失半導体・電子機器産業機械・ロボット自動車・モビリティ食品・飲料・包装

ろ過は、液体や気体を、孔のあいたろ材に通して、溶けていない粒子を分ける操作です。作動油・クーラント・圧縮空気・クリーンルームの空気・薬液と、使う場所は工場のあらゆる所にあります。いっぽうで、同じ「10 µm」のフィルターでも、公称か絶対か、どの条件で測ったかで、下流に抜ける粒子の量が大きく違うのが、選ぶときの落とし穴です。

出典:濾過とは?ろ過の仕組み・種類・選定のポイント(コラム)|ニチダイフィルタ株式会社

この記事では、表面ろ過・深層ろ過などのしくみから、種類と選び方、ろ過精度と規格(β 比・清浄度コード・HEPA・圧縮空気の等級)の読み方、用途別の使い方、トラブルとリコールの事例までを、図と表で順に説明します。

知りたいことから読む

症状から探す

症状考えられる原因対策を書いた所
フィルターを付けたのに粒子が抜ける公称と絶対の取り違い、シール不良、ろ材の破損公称と絶対:同じ「10 µm」でも違う
差圧がすぐ上がる・交換が早い粒子の量が多い、前段の粗取り不足、ろ過面積不足差圧と目詰まり、交換の目安
流量が出ない目詰まり、粘度・温度の変化トラブルと対策、リコールの事例
油圧機器の摩耗・弁の作動不良作動油の清浄度が要求に届いていない作動油の清浄度コード:ISO 4406
クーラントが早く傷む・加工不良が出るスラッジの回収方法切削・研削のクーラント
圧縮空気に水・油が混じるドライヤーとフィルターの段の組み方圧縮空気の品質等級:ISO 8573-1
クリーンルームの粒子数が下がらないフィルターの等級、ほかの発生源エアフィルター:HEPA・ULPA と換気用の等級

このページの出典をもとに編集部が整理したものです。リンクを押すと、対策を書いた所へ移ります。

目次

ろ過の基本

表面ろ過と深層ろ過

ニチダイフィルタのコラムは、ろ過を、ろ材の表面で粒子を捕まえる表面ろ過と、ろ材の厚みの中で捕まえる深層ろ過に分けています。表面ろ過は、捕まえた粒子を回収しやすく、逆洗しやすく、ろ過精度が安定しやすい。深層ろ過は、ためられる粒子の量が多く長持ちしやすい一方、洗って再生するのは難しい、と整理しています。

左にろ材の表面で粒子を止める表面ろ過、右にろ材の厚みの中に粒子が散らばって捕まる深層ろ過を描いた比較図
図1 表面ろ過と深層ろ過
出典:ニチダイフィルタのコラムをもとに AI(Claude)で作成

出典:濾過とは?ろ過の仕組み・種類・選定のポイント(コラム)|ニチダイフィルタ株式会社

清澄ろ過とケークろ過

同志社大学の博士論文(2018年)は、粒子の濃さでろ過の起こり方が変わると説明しています。粒子の濃さが 0.1 vol% 以下の希薄な液では、粒子の層(ケーク)がほとんどできない清澄ろ過(ろ材ろ過・閉塞ろ過)になり、1 vol% 以上になるとろ材の上にケークができ、できたあとはケークがろ材の役目をするケークろ過になる。また、1 µm 以上の粒子を対象にするのが一般ろ過、0.02〜10 µm 程度を対象にするのが精密ろ過で、圧力のかけ方では定圧ろ過・定速ろ過などに分かれる、としています。

左に希薄な液で粒子がろ材の孔をふさぐ清澄ろ過、右にろ材の上に粒子の層ができるケークろ過を描いた比較図
図2 清澄ろ過とケークろ過
出典:同志社大学の博士論文(2018年)をもとに AI(Claude)で作成

出典:繁田友一「微粒子スラリーのろ過設計に関する研究」(同志社大学 博士論文、2018年)

Ruth のろ過理論とケーク比抵抗

同志社大学の博士論文(2018年)は、ろ過の設計でよく使う理論として Ruth のろ過理論を紹介しています。ろ過の抵抗は「ろ材の抵抗」と「ケークの抵抗」の和で、定圧ろ過ではケークの抵抗の増え方が、ろ過面積あたりのケークの固体の質量に比例する。その比例定数が平均ケーク比抵抗で、Ruth プロットから求められ、Kozeny-Carman 式と組み合わせると理論式も導けます。ケークが圧縮される場合を扱う Tiller らの研究にもつながっています。

出典:繁田友一「微粒子スラリーのろ過設計に関する研究」(同志社大学 博士論文、2018年)

空気のろ過は「ふるい」ではない

金沢大学の大谷吉生氏の資料(環境省の検討会)は、「フィルタの孔より大きな粒子は捕まり、小さな粒子は通る」というのは、粒子がろ材に付かない液ろ過の場合の話で、空気のろ過では、粒子が繊維にぶつかると付着して捕まる(内部ろ過)と説明しています。粒子を捕まえる力は、慣性・さえぎり・重力・ブラウン拡散・静電気力などで、どれが効くかは粒径・気流の速さ・繊維の太さで変わるとしています。同氏はホソカワミクロンの技術誌で、繊維を細くすると捕集効率は上がるが圧力損失も高くなる、と書いています。

繊維の断面の円に向かって、大きい粒子がまっすぐぶつかる慣性衝突、流れに乗った粒子が表面をかすめるさえぎり、小さい粒子がふらふら動いてぶつかる拡散の3つの経路を描いた図
図3 繊維が粒子を捕まえるしくみ
出典:金沢大学の大谷吉生氏の資料(環境省)・ホソカワミクロンの技術誌をもとに AI(Claude)で作成

出典:大谷吉生(金沢大学)「粒子のろ過のメカニズムについて」(環境省の検討会の資料)、大谷吉生「エアフィルタの現状と新たな応用」(粉砕 No.59)|ホソカワミクロン

繊維1本の捕集効率

エアフィルターの性能は、繊維1本がどれだけ粒子を捕まえるか(単一繊維捕集効率)から考えます。大谷氏の資料は、単一繊維捕集効率 η を「捕まえた粒子の領域 ÷ 流れの方向から見た繊維の投影面積」とし、η は衝突効率と付着効率の積で、付着効率は 1 µm の粒子でろ過速度が約 1.4 m/s 以下ならほぼ1だとしています。エアフィルターの初期性能の理論は、1970年代に Fuchs らのグループの研究でまとめられた、と同氏は書いています。

出典:大谷吉生(金沢大学)「粒子のろ過のメカニズムについて」(環境省の検討会の資料)、大谷吉生「エアフィルタの現状と新たな応用」(粉砕 No.59)|ホソカワミクロン

差圧と目詰まり、交換の目安

ろ過は、フィルターの入口と出口の圧力の差(差圧)で流体が押し出されて進みます。ニチダイフィルタのコラムは、差圧を必要以上に上げると、フィルターの破損・ろ材の変形・粒子の押し込み・目詰まりの促進が起きるので、「初期差圧」と「洗浄・交換の目安となる差圧」を先に決めて管理するよう勧めています。Danfoss の資料は、ごみがたまると差圧はほぼ直線で上がったあと急に上がり、この区間に入ったら交換の時期だとしています。流量が変わると差圧も変わる点にも注意が要ります。

使った時間とともに差圧がほぼ直線で上がったあと急に上がる線と、初期差圧と交換の目安の差圧の横線を描いた考え方の図
図4 差圧の上がり方と、交換の目安
出典:Danfoss「作動油清浄度ガイドライン」・ニチダイフィルタのコラムをもとに AI(Claude)で作成

出典:濾過とは?ろ過の仕組み・種類・選定のポイント(コラム)|ニチダイフィルタ株式会社、作動油清浄度ガイドライン(日本語版)|Danfoss

目詰まりのモデル:完全・標準・中間閉塞

日本ポールの技術資料(Pall News)は、フィルターの寿命は、流量の低下か差圧の上昇が使う人の決めた限界を超えた時点で判断されるとし、Hermans–Bredée の閉塞ろ過モデル(完全閉塞・標準閉塞・中間閉塞)とケーキろ過のモデルで目詰まりの進み方を表す方法を紹介しています。ろ材を円管の束とみなし Hagen–Poiseuille の式から出発するもので、使った実績のない液での寿命の見積もりに使える可能性がある、としています。

出典:フィルター閉塞モデル(Pall News vol.117、2013年)|日本ポール

種類と選び方

何を通すかで分ける:液体・油・空気・圧縮空気

フィルターは、何を通すか(液体・油・空気・圧縮空気)で分けると見通しがよくなります。そのうえで、ろ材の形(カートリッジ・バッグ・メンブレン・金網)や、フィルター以外で固形分を分ける装置(フィルタープレス・遠心分離機・サイクロン・マグネットセパレーター)を組み合わせます(編集部の整理)。

何を通すか主なフィルター・装置
液体(水・薬液)カートリッジ(デプス・プリーツ・糸巻き)、バッグ、メンブレン、ストレーナー、焼結金属
油(作動油・クーラント)油圧のライン・リターン・サクションフィルター、マグネット・サイクロン・ペーパー・ろ過コンベヤ
空気(空調・クリーンルーム)粗じん・中性能(JIS B 9908・ISO 16890)、HEPA・ULPA
圧縮空気ドレン・水分の除去、油・粒子のフィルター。エアドライヤーと組む(ISO 8573-1 の等級)

このほか、固形分を分ける装置(フィルタープレス・遠心分離機・液体サイクロン・マグネットセパレーター・油水分離器)と、膜(MF・UF・NF・RO)があります。溶けているものを分けるのは、膜や吸着の役目です(編集部の整理)。

種類形と特徴向いている場面確かめること
デプスカートリッジ(糸巻き・不織布)厚みの中で捕まえる。ためられる量が多い粒子の多い液の前段、薬液の粗取り公称か絶対か、溶出
プリーツカートリッジろ材を折って面積を広げる精密ろ過、流量の多い液差圧と流量、ハウジングとの合わせ
メンブレン孔の大きさがそろった膜(MF など)半導体・医薬の薬液、純水の最後完全性試験、前段での保護
バッグフィルター袋の中で粒子を受ける粒子の多い液の粗取り交換の手間、廃棄物
金網・焼結金属・ストレーナー表面で止める。洗って再使用しやすい高温・高差圧、逆洗する工程、ポンプの保護目の大きさ、逆洗の条件
エアフィルター(中性能・HEPA・ULPA)繊維で粒子を捕まえる空調・クリーンルーム等級、圧力損失(電気代)

ろ材の分け方はニチダイフィルタのコラムなどをもとに編集部が整理したものです。製品ごとの数値は各社に確かめてください。

出典:濾過とは?ろ過の仕組み・種類・選定のポイント(コラム)|ニチダイフィルタ株式会社

膜ろ過:MF・UF・NF・RO

名古屋大学の博士論文(2006年)の表は、膜による分離を精密濾過(MF、0.01〜1 µm)・限外濾過(UF、分子量 1,000〜300,000)・ナノ濾過(NF、2 nm 程度より小さい粒子)・逆浸透(RO、無機塩類・ショ糖)に分けています。操作圧力の目安(×10⁵ Pa)は、濾過と MF が減圧〜2、UF と NF が減圧〜10、RO が 10〜100 です。同じ論文は、MF は孔の大きさを測れて分ける相手が粒子なのに対し、UF は孔径をはっきり測れず、性能を分画分子量で表し、分けているのは粒子でなく分子だと説明しています。

粒子の大きさの対数目盛の上に、RO、NF、UF、MF、ふつうのろ過の範囲を帯で並べた図
図5 膜ろ過の分類(目安)
出典:名古屋大学の博士論文(2006年)の膜分離の分類の表をもとに AI(Claude)で作成

出典:古田雅也「サブミクロン粒子からなる希薄懸濁液の精密濾過に関する研究」(名古屋大学 博士論文、2006年)

水を流して、膜の孔の大きさを推算する

名古屋大学の博士論文(2006年)は、セラミック膜に純水を流す試験の結果を Darcy の法則で評価し、純水の透過率から求めた相当直径が、水銀ポロシメーターで測った平均細孔径と精度よく一致したと報告しています。簡単な試験で膜の孔の大きさを見積もれることを示した研究です。

出典:古田雅也「サブミクロン粒子からなる希薄懸濁液の精密濾過に関する研究」(名古屋大学 博士論文、2006年)

固液分離の装置:フィルターだけで取らない

粒子の量が多いときは、フィルターの前に装置で固形分を分けます。たとえば三菱化工機のフィルタープレス(シュナイダーフィルター)は、水平のろ板を重ねた加圧ろ過機で、ろ布・ろ紙の上にできる均一なケーキ層やろ過助剤のプレコート層で精密ろ過を行い、ろ過精度は 0.2〜30 µm(ろ紙・ろ材による)としています。切削・研削のクーラントでは、マグネットセパレーター・サイクロンセパレーター・ペーパーフィルター・ろ過コンベアなどの装置が使われます(サノテックの製品の案内の例)。

装置しくみ・使いどころ
フィルタープレスろ板を重ねて加圧し、ろ布・ろ紙の上にできるケーキで精密にろ過する
遠心分離機遠心力で固形分を分ける。ろ過と組む形もある(遠心ろ過機)。結晶の回収など
液体サイクロン旋回流の遠心力で重い粒子を分ける。マグネットの後の二次ろ過に使う例も
マグネットセパレーター磁石で鉄系のスラッジを集める。研削・切削のクーラントで使う

粗い粒子や大量の固形分は前段の装置で取り、最後の仕上げをフィルターで取ると、フィルターが長持ちします(編集部の整理)。

出典:三菱シュナイダーフィルター(加圧ろ過機)|三菱化工機、クーラント装置(マグネットセパレータ・サイクロンセパレーター・ペーパーフィルタ・ろ過コンベア)のご案内|サノテック(イプロス)

選ぶ順番

ニチダイフィルタのコラムは、選ぶときに確かめる5項目として、何を除去したいか(異物か、回収したい固形分か)・粒子の性質(粒径・形・凝集・付着)・流体の条件(粘度・温度・圧力・流量)・洗浄の方法(使い捨てか再生か)・許容差圧を挙げています。この順に決めると、種類と大きさが絞れます。

出典:濾過とは?ろ過の仕組み・種類・選定のポイント(コラム)|ニチダイフィルタ株式会社

ろ過を設計するときに確かめること

フィルターやろ過の工程を設計するとき、決めておきたい点です(このページの出典をもとに編集部が整理した項目です)。

  • 目的:異物を取るのか、固形分を回収するのかを決めた
  • 粒子:大きさ・形・量・凝集や付着のしやすさを調べた
  • 流体:粘度・温度・圧力・流量、薬品への耐性を確かめた
  • 精度:公称か絶対か、β はどの粒径・どの差圧の値かをそろえた
  • 段:前段で粗取りし、最後で精密に取る組み合わせにした
  • 差圧:初期差圧と、交換・洗浄の差圧の管理値を決めた
  • 交換・再生:使い捨てか、逆洗・洗浄で再生するかを決め、廃棄物を見積もった
  • 確認:清浄度(ISO 4406 など)や粒子数を測る方法と頻度を決めた

ろ過精度と規格の読み方

公称と絶対:同じ「10 µm」でも違う

ニチダイフィルタのコラムによると、絶対ろ過精度は「規定の試験条件で、その粒径以上の粒子をほぼすべて(例:99.9%以上)捕捉できる粒径」、公称ろ過精度は「その粒径の粒子を一定の割合(例:70〜90%程度)捕捉できる粒径」です。同じ「絶対」表示でも、捕集効率の基準(99.9%か 99.98%か など)はメーカーにより違うので、カタログの数値を比べるときは、公称か絶対かと試験の条件をそろえます。

左に公称10µmと絶対10µmの捕まえる割合の違いを帯で比べ、右にβ比と効率の対応表を並べた図
図6 ろ過精度の読み方:公称・絶対と β 比
出典:ニチダイフィルタのコラム・Danfoss「作動油清浄度ガイドライン」をもとに AI(Claude)で作成

出典:濾過とは?ろ過の仕組み・種類・選定のポイント(コラム)|ニチダイフィルタ株式会社

β(ベータ)比:ISO 16889 のマルチパス試験

油圧のフィルターでは、ろ過の性能を β 比で表します。Danfoss の資料によると、β 比は ISO 16889(旧 ISO 4572)のマルチパス試験で定義され、フィルターの上流にある x µm を超える粒子の数を、下流の数で割った値です。β=2 は効率 50%、β=75 は 98.67%にあたり、β35=75 はろ過の細かさ 35 µm に相当するとしています。β を示すときは、その差圧も一緒に示す必要があるが、カタログに書かれていないことがある、と注意しています。

出典:作動油清浄度ガイドライン(日本語版)|Danfoss

作動油の清浄度コード:ISO 4406

作動油の汚れは、ISO 4406 の清浄度コードで表します。Danfoss の資料によると、ISO 4406:1999 では4 µm(c)・6 µm(c)・14 µm(c) を超える粒子の、油 1 mL あたりの数を、3つのコードで「22/18/13」のように表し、コードが1段変わると粒子数は倍・半分になる。旧版(1987年)は 5 µm と 15 µm の2つの数字でした。同社は、自社のピストンポンプ・モーターに 22/18/13、カートリッジ弁・電気油圧弁に 18/16/13 を求め、作動油の交換・補充のときは最低 23/21/15 を満たすよう求めています。

清浄度コード22/18/13の3つの数字が4µm、6µm、14µmを超える粒子の数を表すことを矢印で示し、右にコード13から19の1mLあたりの粒子数の表を並べた図
図7 作動油の清浄度コード(ISO 4406)の読み方
出典:Danfoss「作動油清浄度ガイドライン」をもとに AI(Claude)で作成

出典:作動油清浄度ガイドライン(日本語版)|Danfoss

エアフィルター:HEPA・ULPA と換気用の等級

日本無機の説明によると、HEPA フィルタは定格流量で粒径 0.3 µm の粒子に対して 99.97%以上の捕集率をもち、かつ初期圧力損失が 245 Pa 以下、ULPA フィルタは 0.15 µm の粒子に対して 99.9995%以上(初期圧力損失 245 Pa 以下)のエアフィルタです。換気用のエアフィルタは JIS B 9908-1:2019 で、ISO 16890 を基に、0.3 µm から 1・2.5・10 µm までの粒子の捕集率(J-ePM1・J-ePM2.5・J-ePM10)で分類します。高性能フィルターの国際規格 ISO 29463 の第5部は、最も抜けやすい粒径(MPPS)での効率を求める試験方法を定めています。

表し方中身
HEPA定格流量で 0.3 µm の粒子に対して捕集率 99.97%以上、かつ初期圧力損失 245 Pa 以下
ULPA定格流量で 0.15 µm の粒子に対して捕集率 99.9995%以上、かつ初期圧力損失 245 Pa 以下
換気用(JIS B 9908-1)ISO 16890 を基に 2019年制定。J-ePM1(0.3〜1 µm)・J-ePM2.5(0.3〜2.5 µm)・J-ePM10(0.3〜10 µm)の捕集率

出典:よくあるご質問(HEPA フィルタ・ULPA フィルタとは)|日本無機株式会社、JIS B 9908-1:2019 換気用エアフィルタユニット・換気用電気集じん器の性能試験方法-第1部(規格のプレビュー)|日本規格協会、ISO 29463-5:2022 の概要(STATNANO の規格データベース)

圧縮空気の品質等級:ISO 8573-1

圧縮空気の品質は、ISO 8573-1 で粒子・水分・油の3つの等級を「粒子:水分:油」の順に並べて表します。2010年版の表では、たとえば水分の等級1は圧力露点 −70 ℃ 以下、等級4は +3 ℃ 以下、油の等級1は 0.01 mg/m³ 以下です(MAC Valves の資料の表)。使う場所に要る等級を決めて、ドライヤーとフィルターの段を組みます。段の組み方は課題ページ「圧縮空気の水分・油を取り除きたい」で詳しく扱っています。

ISO 8573-1:2010の等級1から6の、1〜5µmの粒子数、圧力露点、油の濃度の上限の表
図8 圧縮空気の品質等級(ISO 8573-1:2010)の主な値
出典:MAC Valves の資料(ISO 8573-1:2010 の表)をもとに AI(Claude)で作成

出典:Compressed Air Quality Recommendations: ISO Standard 8573-1:2010|MAC Valves

用途別のろ過

用途ごとの考え方

用途ごとに、まず決めることと、よく使うものをまとめました。

用途まず決めること・よく使うもの
油圧の作動油・潤滑油要る清浄度コード → フィルターの β と位置
切削・研削のクーラントマグネット・サイクロン・ペーパー・ろ過コンベヤ
圧縮空気ISO 8573-1 の等級 → ドライヤーとフィルターの段
クリーンルーム・空調HEPA・ULPA と圧力損失、ほかの粒子の発生源
半導体・医薬の薬液メンブレン・カートリッジ、溶出・完全性試験
排水・洗浄液の油油水分離器・フィルタープレスで回収・再利用

このページの出典と各社の説明をもとに編集部が整理した目安です。

油圧の作動油・潤滑油

タンクからポンプ、弁、シリンダーを通ってタンクへ戻る油圧回路に、タンクの中のサクションフィルター、ポンプの後のライン(圧力)フィルター、戻りのリターンフィルターの位置を示した模式図
図9 油圧回路のどこにフィルターを置くか
出典:Danfoss の資料・ニチダイフィルタのコラムをもとに AI(Claude)で作成

Danfoss の資料は、油圧システムでは一連の摺動面が 10 µm 程度のすき間で動くので、ごみは大敵だとしています。ヤマシンフィルタは「一般に、建設機械の故障の7割は、こうした異物が原因といわれます」と紹介し、大生工業は「油圧機器トラブルの7割近くが油の汚れに起因します」と、それぞれの製品ページで説明しています。ただし Danfoss は、油圧機器の寿命を作動油の清浄度の関数として予測することは、いまはできないとも書いています。要る清浄度コードを機器のメーカーに確かめ、フィルターの β と置き場所(サクション・リターンなど)を決めます。

出典:作動油清浄度ガイドライン(日本語版)|Danfoss、建機用フィルタ(油圧用)|ヤマシンフィルタ、オイルフィルタ|大生工業

清浄度と寿命の関係は、式では決まらない

Danfoss の資料は、油圧機器の寿命を作動油の清浄度の関数として予測することは現在は不可能で、ころがり軸受でさえ限界が分かっていないとしています。そのうえで、システムが清浄であるほど長い寿命を期待でき、求められる清浄度を保てば満足できる寿命が得られる、としています。

出典:作動油清浄度ガイドライン(日本語版)|Danfoss

切削・研削のクーラント

クーラントのスラッジを取るには、マグネットセパレーター・サイクロンセパレーター・ペーパーフィルター・ろ過コンベアなどを使います(サノテックの製品の案内の例)。ブンリは、フィルターコンベヤ BAL について「濾過精度 20 µm 90%以上」(同社の実験による値)とし、カートリッジやペーパーフィルターなどの消耗品がないので産業廃棄物が出ないと説明しています。サノテックは、マグネット式のスラッジ回収装置の導入事例で「切削液の寿命が2倍に延び、不良率も 20%削減」と紹介しています(同社の宣伝資料で、条件は書かれていません)。

出典:クーラント装置(マグネットセパレータ・サイクロンセパレーター・ペーパーフィルタ・ろ過コンベア)のご案内|サノテック(イプロス)、精密濾過フィルターコンベヤ BAL|ブンリ、クーラント液スラッジ回収装置 FINE MAG(導入事例)|サノテック(イプロス)

圧縮空気とクリーンルーム

圧縮空気は、使う場所に要る ISO 8573-1 の等級から、ドライヤーとフィルターの段を決めます。クリーンルームは、HEPA・ULPA の等級に加えて圧力損失(ファンの電気代)も比べます。日本無機は、通風の抵抗(圧力損失)をできるだけ低くしたフィルタの開発に力を入れ、製薬・半導体工場の省エネに使われていると説明しています。

出典:日本無機の強み|日本無機

半導体・医薬の薬液

アドバンテック東洋は、半導体の微細化に伴いレジストの濾過に使うカートリッジフィルターもナノ単位まで細かくなっていること、CMP スラリーに粗大粒子が残るとシリコンウェハーを傷つけるので、粗大粒子を確実に除くフィルターが求められること、めっき液に微細なほこりが入るとめっき不良になることを挙げています。ロキテクノは、量産の前にフィルターのろ過精度・流量特性・溶出の有無を評価し、量産時の本数・長さを見積もる少量ろ過装置を用意しています。

出典:電子工業・半導体|アドバンテック東洋、少量ろ過装置|ロキテクノ

排水・洗浄液の油を分ける

大生工業の油水分離器は、水を通して油をはじく「親水撥油ろ紙」を使い、エレメント1本あたり 3 L/min で処理するとしています。同社の試験では、潤滑油 500,000 mg/L が 48.9 mg/L に(除去率 99.9%)、工場排水 18.6 mg/L が 1.0 mg/L に(94.6%)なったと示しています。洗浄液の再利用や排水の油分の管理に使います。

出典:油水分離器 ハイドロターン|大生工業

トラブルと対策、リコールの事例

よくあるトラブルと、まず疑うところ

ろ過でよく起きることと、まず確かめたいところをまとめました。ニチダイフィルタのコラムは、トラブルの多くはフィルター単体ではなく「粒子の性質・流体の条件・運転の条件」との組み合わせで起きるとしています。

上はフィルター1段だけで粒子がフィルターの前にたまり詰まる様子、下は前段の装置で粗い粒子を取り、最後の精密なフィルターには細かい粒子だけが届く様子を描いた模式図
図10 前段で粗取り、最後で精密:差圧がすぐ上がるときの考え方
出典:ニチダイフィルタのコラム・三菱化工機・サノテックの資料をもとに AI(Claude)で作成
起きることまず疑うところ対策の例詳しく
粒子が抜けるろ過精度(公称・絶対)、シール不良、ろ材の破損精度の表示を確かめ直す、シール部・ろ材を点検する公称と絶対:同じ「10 µm」でも違う
差圧がすぐ上がる粒子の濃さ、凝集・付着、ろ過面積の不足ろ過面積を広げる、前段で粗取りする、逆洗の条件を見直す固液分離の装置:フィルターだけで取らない
流量が下がる目詰まり、粘度・温度の変化洗浄・再生、運転の温度を管理する差圧と目詰まり、交換の目安
寿命が短い許容差圧の超過、洗浄方法、材質の不一致差圧の管理値を決める、洗浄方法・材質を見直す差圧と目詰まり、交換の目安
フィルターが氷・異物で詰まる水分、製造時の異物水分の管理、フィルター部の形、異物の管理日産:燃料ポンプのフィルタ部に氷が詰まる(2014年のリコール)
β の値がカタログと合わない流量・差圧の条件の違い同じ流量・差圧の条件でそろえて比べるβ(ベータ)比:ISO 16889 のマルチパス試験

ニチダイフィルタのコラムと Danfoss の資料、リコールの届出をもとに編集部が整理したものです。

出典:濾過とは?ろ過の仕組み・種類・選定のポイント(コラム)|ニチダイフィルタ株式会社、作動油清浄度ガイドライン(日本語版)|Danfoss

フィルターの詰まりや破損がリコールにつながった例と、ろ過の方式を変えて作業を減らした例です。

日産:燃料ポンプのフィルタ部に氷が詰まる(2014年のリコール)

国土交通省のリコール届出一覧表(届出番号 3476、2014年11月27日)によると、全輪駆動車の高圧燃料ポンプで、フィルタ部の形状が不適切なため、燃料タンク内に水分が多い場合、極低温で燃料配管の中の水分が凍ってフィルタ部に氷が詰まることがある。燃料の噴射量が減ってエンジンの回転が不安定になり、最悪の場合、走行中にエンストするおそれがあるとしています。不具合は 14件、事故はなく、対策は高圧燃料ポンプを対策品に交換することでした。

出典:リコール届出一覧表(届出番号 3476、日産自動車、2014年11月27日)|国土交通省

ホンダ:溶接でできた酸化物がサクションフィルターを詰まらせる(2020年のリコール)

本田技研工業のリコール情報(届出番号 4867、2020年12月17日)によると、燃料タンクの製造時の異物の管理方法が不適切なため、溶接でタンクの内部にできた酸化物が燃料ポンプのサクションフィルターに吸着するものがあり、フィルターが詰まってエンジン不調になり、最悪の場合、走行中にエンストするおそれがあるとしています。対策は、ガソリンをすべて抜き、サクションフィルター・フューエルフィルター・チャンバーを新品に交換することで、対象の範囲は計 2,055台です(一部に改修の対象でない車両を含む、としています)。

出典:リコール届出番号 4867(2020年12月17日)|本田技研工業

ハーレーダビッドソン:燃料フィルターケースの亀裂(2008年のリコール)

国土交通省のリコール届出一覧表(外-1512、2008年8月28日)によると、燃料タンク内にある燃料フィルターケースの強度が不足しているものがあり、ケースに亀裂が生じて燃料圧力が下がることがあり、エンジンが止まって再始動できなくなるおそれがあるとしています。対策はケースを対策品に交換することでした。ろ材でなく、ケースの強度が問題になった例です。

出典:リコール届出一覧表(外-1512、ハーレーダビッドソン ジャパン、2008年8月28日)|国土交通省

高砂ケミカル:遠心ろ過機から加圧式ブローバックフィルタへ(三菱化工機の事例)

三菱化工機の導入事例によると、高砂ケミカルは、結晶が細かくふわふわした製品で遠心力による圧密や目詰まりが起きて脱水に時間がかかり、1回のろ過に約1時間、1日に5〜6回の運転をしていました。加圧式ブローバックフィルタ(運転圧力 0.05〜0.1 MPa)に替えて、作業時間は1日から半日に、作業人数は2人から1人に減り、固液分離だけの操作時間は従来の 1/2〜1/4(条件によっては 1/8)になったとしています。

出典:導入事例:株式会社高砂ケミカル様(加圧式ブローバックフィルタ)|三菱化工機

1〜3件目は国のリコール届出・メーカーのリコール情報、4件目は装置メーカーの事例です。数値はそれぞれの条件での値です(編集部の整理)。

企業紹介(ろ過・フィルターの技術)

油圧・潤滑のフィルター、油水分離、液体用のカートリッジ、エアフィルター、クーラントのろ過装置、ろ過機・遠心分離機、ろ紙・メンブレンまで、得意分野の違う会社を紹介します。掲載は各社の公開情報にもとづきます。各社のサイトの画像は使わず、公開されている情報をもとに図にしました。

相談する前に整理すること

フィルターやろ過装置を選ぶとき、メーカーに相談するときは、次の点を整理しておくと話が早く進みます(編集部が整理した項目です)。

  • 取りたいもの(異物か、回収したい固形分か)
  • 粒子の大きさ・量・性質(分かる範囲で)
  • 流体の種類・粘度・温度・圧力・流量
  • 求める清浄度(ISO 4406・ISO 8573-1 などの等級)
  • いまの方式と困りごと(差圧・交換の頻度)
  • 交換か再生か、廃棄物の扱い
  • 置き場所・配管の口径・電源
  • 予算(本体・消耗品・電気代)

困りごとごとの相談先

困りごと相談先の種類このページで紹介した会社
油圧機器・建機の作動油を清浄に保ちたい油圧・潤滑のフィルターのメーカーヤマシンフィルタ・大生工業
洗浄液・排水の油を分けたい油水分離器のメーカー大生工業
研削・切削のクーラントのスラッジを取りたいクーラントのろ過装置のメーカーブンリ
半導体・医薬の薬液、スラリーをろ過したい液体用カートリッジ・メンブレンのメーカーロキテクノ・アドバンテック東洋
クリーンルーム・空調のフィルターを選びたいエアフィルターのメーカー日本無機
化学・医薬の工程で固液分離をしたいろ過機・遠心分離機のメーカー三菱化工機

各社の公式サイトの情報をもとに編集部が整理したものです。会社の紹介は、この下にあります。

企業油圧・
潤滑油
クーラ
ント
液体・
薬液
エア固液分離
装置
ヤマシンフィルタ建機の油圧・プロセス・エア(神奈川県)●●●
大生工業オイルフィルタ・油水分離器(東京都)●●
ロキテクノ液体用カートリッジ(東京都)●●
日本無機HEPA・ULPA のエアフィルタ(東京都)●
ブンリクーラントのろ過装置(東京都)●●
三菱化工機ろ過機・遠心分離機(神奈川県)●●
アドバンテック東洋ろ紙・メンブレン・カートリッジ(東京都)●

●は、各社の公式サイトで扱いを確認できたものです(空欄は、扱っていないという意味ではありません)。社名を押すと、その会社の紹介へ移ります。

ヤマシンフィルタ株式会社|建設機械の油圧フィルタから、プロセス用・エアフィルタまで

ヤマシンフィルタとは

神奈川県横浜市中区に本社を置くフィルターの会社です(1956年4月5日設立、従業員 単体 184名・連結 757名、2026年3月末現在)。

ヤマシンフィルタの建機用の油圧フィルタ、プロセス用フィルタ、エアフィルタの3枚のカードの図
図11 ヤマシンフィルタのフィルター
出典:ヤマシンフィルタの製品ページをもとに AI(Claude)で作成

ヤマシンフィルタの得意技術

技術内容
建機用の油圧フィルタ「建機用油圧フィルタでシェアNo.1」と同社のサイトに記載(調査の主体・時期の記載はない)。作動油に入る砂塵や回路の中の摩耗粉から油圧回路を守る(同社の説明)
プロセス用フィルタ電子部品の精密洗浄、液晶基板のエッチング液、食品・飲料の清澄ろ過などで、ナノレベルまでの不純物を除くフィルタ(同社の説明)
エアフィルタビル・工場・特殊用途。切削工場のオイルミストにはミストコレクター・排気処理ユニット(同社の説明)

ヤマシンフィルタが解決できる課題

  • 建設機械・油圧機器の作動油に入る異物で故障が起きる
  • 電子部品の洗浄液や薬液を、より細かくろ過したい
  • 切削工場のオイルミストを減らしたい

公開されている実績・用途

  • 同社は「一般に、建設機械の故障の7割は、こうした異物(砂塵・摩耗ダスト)が原因といわれます」と説明(製品ページ)

出典:会社情報|ヤマシンフィルタ株式会社、建機用フィルタ(油圧用)|ヤマシンフィルタ、プロセス用フィルタ|ヤマシンフィルタ、切削工場のエアフィルタ|ヤマシンフィルタ

大生工業株式会社|産業機械のオイルフィルタと、親水撥油ろ紙の油水分離器

大生工業とは

東京都豊島区に本社を置く、フィルタの会社です(1957年5月20日設立、従業員数 219名)。オイルフィルタ・油水分離器・熱交換器などを扱っています。

大生工業のオイルフィルタ、油水分離器、同社の試験の例(潤滑油500,000mg/Lが48.9mg/Lに)の3枚のカードの図
図12 大生工業のオイルフィルタ・油水分離器
出典:大生工業の製品ページをもとに AI(Claude)で作成

大生工業の得意技術

技術内容
オイルフィルタサクションストレーナ・サイクロンフィルタ・カートリッジ・切換式・ブリーザ・オフラインなど、産業機械向けのオイルフィルタ(同社の製品ページ)
油水分離器水を通して油をはじく親水撥油ろ紙のエレメントで、1本あたり 3 L/min の処理、一循環で 98%以上の油分除去(同社の説明)

大生工業が解決できる課題

  • 油の汚れで油圧機器が摩耗・作動不良を起こす(同社は「油圧機器トラブルの7割近くが油の汚れに起因」と説明)
  • 洗浄液や排水の油分を除いて、再利用や排水の管理をしたい

公開されている実績・用途

  • 同社の油分除去試験:潤滑油 500,000 mg/L → 48.9 mg/L(99.9%)、工場排水 18.6 mg/L → 1.0 mg/L(94.6%)

出典:会社案内|大生工業株式会社、オイルフィルタ|大生工業、油水分離器 ハイドロターン|大生工業

株式会社ロキテクノ|半導体・医薬・食品の液体を、カートリッジフィルターでろ過

ロキテクノとは

東京都品川区に本社を置く、液体用フィルターの会社です(1978年12月12日設立、従業員 609名(連結)、2024年9月末現在)。

ロキテクノのカートリッジフィルター、スラリーのろ過、少量ろ過装置の3枚のカードの図
図13 ロキテクノの液体用フィルター
出典:ロキテクノの製品・技術情報のページをもとに AI(Claude)で作成

ロキテクノの得意技術

技術内容
フィルターカートリッジポリプロピレンのデプスプリーツフィルター、液体ろ過滅菌フィルターなど。ハウジング・完全性試験装置も扱う(同社の製品・技術情報)
スラリーのろ過CMP スラリーろ過フィルター、高濃度スラリー・ペースト向けの分級ろ過フィルターなど(同社の技術情報の題)
少量ろ過装置量産の前にフィルターのろ過精度・流量特性・溶出の有無を評価し、量産時の本数・長さを見積もる(同社の説明)

ロキテクノが解決できる課題

  • 半導体の薬液・スラリーの粗大粒子を取りたい
  • 量産の前に、フィルターの精度と本数を見積もりたい
  • 医薬品の製造工程で粒子を除き、ろ過滅菌したい

出典:会社概要|株式会社ロキテクノ、製品・技術情報|ロキテクノ、少量ろ過装置|ロキテクノ

日本無機株式会社|HEPA・ULPA と耐熱 HEPA のエアフィルタ

日本無機とは

東京都台東区に本社を置く、エアフィルタの会社です(1939年6月17日 日東硝子綿工業として設立、従業員 393名、2026年3月末)。ダイキングループの一員です。

日本無機のHEPAフィルタ、耐熱HEPA、空調の粉体対策の事例の3枚のカードの図
図14 日本無機のエアフィルタ
出典:日本無機の強み・お悩み解決のページをもとに AI(Claude)で作成

日本無機の得意技術

技術内容
HEPA フィルタ半導体・製薬・食品・医療・介護で使う主力製品。通風の抵抗(圧力損失)を低くした省エネのフィルタに力を入れる(同社の説明)
ULPA・耐熱 HEPA当時、0.1 µm 超高性能フィルタ「ULPA」を世界で初めて開発(同社の沿革の説明。いまの ULPA の定義は 0.15 µm で 99.9995%以上)。滅菌トンネル用の 350 ℃以上の耐熱 HEPA を製造できるのは世界で2社で、そのうちの1社(同社の説明)

日本無機が解決できる課題

  • クリーンルーム・製薬の清浄度を保ちながら電気代を下げたい
  • 滅菌トンネルなど高温の場所で HEPA を使いたい
  • 粉体で空調機の内部が汚れる

公開されている実績・用途

  • 食品工場でパウダーガードフィルタを9か月使い、エアコン内部への粉体の付着は「ごくわずか」だった(同社の事例)

出典:会社概要|日本無機株式会社、日本無機の強み|日本無機、お悩み解決事例:空調機内部の粉体の付着|日本無機、よくあるご質問(HEPA フィルタ・ULPA フィルタとは)|日本無機株式会社

株式会社ブンリ|クーラントからスラッジと切粉を分ける、消耗品のいらないろ過装置

東京都品川区に本社を置く会社です(1960年5月設立、従業員 52名、2024年4月現在)。製造はグループのブンリ工業(宮崎県都城市、119名)が行っています。研削・切削液からスラッジや切粉を分ける装置を作っています。

ブンリのBAL(濾過精度20µm 90%以上)、消耗品がないこと、特殊鋼の加工メーカーの事例の3枚のカードの図
図15 ブンリのクーラント用ろ過装置
出典:ブンリの製品ページ・導入事例をもとに AI(Claude)で作成

ブンリの得意技術

技術内容
BAL(精密濾過フィルターコンベヤ)濾過精度 20 µm 90%以上(同社の実験にもとづく値)、処理流量 200 L/min(BAL-2 の例)。切粉は液切りしてから排出(同社の説明)
消耗品のないろ過カートリッジやペーパーフィルターなどの消耗品がなく、産業廃棄物が出ない(同社の説明)

ブンリが解決できる課題

  • クーラントのフィルターの交換と産業廃棄物を減らしたい
  • 切粉と一緒にクーラントが持ち出される
  • 研削スラッジがタンクにたまり、清掃に手間がかかる

公開されている実績・用途

  • 特殊鋼の加工メーカー:バッグフィルター(200 µm)の定期交換が不要になり、タンクの定期的な清掃の回数も減った(同社の事例)

出典:会社概要|株式会社ブンリ、精密濾過フィルターコンベヤ BAL|ブンリ、導入事例:特殊鋼加工メーカー様|ブンリ

三菱化工機株式会社|フィルタープレス・セラミック膜・遠心分離で、化学や医薬の固液分離

三菱化工機とは

神奈川県川崎市川崎区に本社を置く、化工機の会社です(1949年9月1日設立、創立 1935年5月1日、従業員 連結 1,044名、2026年3月末)。

三菱化工機のシュナイダーフィルター、ダイナフィルタ、高砂ケミカルの事例の3枚のカードの図
図16 三菱化工機のろ過機・分離機
出典:三菱化工機の製品ページ・導入事例をもとに AI(Claude)で作成

三菱化工機の得意技術

技術内容
三菱シュナイダーフィルター水平ろ板を重ねた加圧ろ過機。ろ過精度 0.2〜30 µm(ろ紙・ろ材による)、ろ材の交換を自動化。カット紙式でろ紙の使用量を 1/3 に(同社の説明)
三菱ダイナフィルタセラミック膜のディスクを回してケーキ層の形成を抑え、高い処理能力を保つ回転式の膜ろ過機。膜の細孔径は 5〜500 nm(同社の製品ページ)

三菱化工機が解決できる課題

  • 溶剤を含むろ過で、ろ材の交換を自動にして作業環境をよくしたい
  • 目詰まりしやすい液を、膜で連続してろ過したい
  • 遠心ろ過機の脱水に時間がかかる

公開されている実績・用途

  • 高砂ケミカル:加圧式ブローバックフィルタで作業時間 1日→半日、作業人数 2人→1人、固液分離の操作時間は従来の 1/2〜1/4(条件により 1/8)(同社の事例)

出典:会社概要|三菱化工機株式会社、三菱シュナイダーフィルター(加圧ろ過機)|三菱化工機、三菱ダイナフィルタ(回転式セラミック膜ろ過機)|三菱化工機、導入事例:株式会社高砂ケミカル様(加圧式ブローバックフィルタ)|三菱化工機

アドバンテック東洋株式会社|分析用のろ紙から、半導体の薬液のカートリッジまで

アドバンテック東洋とは

東京都千代田区に所在する会社です(1961年6月設立)。濾紙の製造は、グループの東洋濾紙(1933年設立、創業 1917年)が行っています。

アドバンテック東洋のろ紙・メンブレン、電子・半導体向けのカートリッジ、CMP・めっき液のろ過の3枚のカードの図
図17 アドバンテック東洋のろ紙・フィルター
出典:アドバンテック東洋の製品ページをもとに AI(Claude)で作成

アドバンテック東洋の得意技術

技術内容
ろ紙・メンブレン分析用濾紙、メンブレンフィルター、カートリッジフィルターとハウジング(同社の製品情報)
電子・半導体向けレジストの濾過に、ナノ単位の孔径をもつオールポリエチレンのカートリッジ(TCE)。CMP スラリーには耐薬品性の TCF・TCP タイプ、デプスタイプ TCPD など(同社の説明)

アドバンテック東洋が解決できる課題

  • レジストの濾過で、より細かい孔径のフィルターが要る
  • CMP スラリーの粗大粒子でウェハーに傷が付く
  • めっき液に入ったごみで、めっき不良が出る

出典:アドバンテックグループ|アドバンテック東洋株式会社、製品情報|アドバンテック東洋、電子工業・半導体|アドバンテック東洋

よくある質問

しくみと選び方

表面ろ過と深層ろ過の違いは?
表面ろ過はろ材の表面で粒子を止め、回収や逆洗がしやすい方式です。深層ろ過はろ材の厚みの中で捕まえ、ためられる量が多く長持ちしやすい一方、洗って再生するのは難しい方式です(表面ろ過と深層ろ過)。
フィルターの交換時期はどう決めますか?
差圧で決めます。初期差圧と、交換・洗浄の目安の差圧を先に決めて管理します。差圧はほぼ直線で上がったあと急に上がり、その区間が交換の時期です(差圧と目詰まり、交換の目安)。
フィルターとろ過装置はどう使い分けますか?
粒子の量が多いときは、フィルタープレス・サイクロン・マグネットなどの装置で前段の粗取りをし、最後をフィルターで仕上げると、フィルターが長持ちします(固液分離の装置:フィルターだけで取らない)。
MF・UF・RO の違いは?
MF は 0.01〜1 µm の粒子を、UF は分子量 1,000〜300,000 の分子を、RO は無機塩類などを分けます。UF・RO は孔の大きさでなく分画分子量などで性能を表します(膜ろ過:MF・UF・NF・RO)。

ろ過精度・規格と用途

公称ろ過精度と絶対ろ過精度の違いは?
絶対はその粒径以上をほぼすべて(例 99.9%以上)、公称は一定の割合(例 70〜90%程度)捕まえる粒径です。基準はメーカーで違うので、条件をそろえて比べます(公称と絶対:同じ「10 µm」でも違う)。
β 比とは?
上流の x µm を超える粒子の数を下流の数で割った値で、ISO 16889 のマルチパス試験で求めます。β=75 は効率 98.67%です(β(ベータ)比:ISO 16889 のマルチパス試験)。
清浄度コード 18/16/13 の意味は?
ISO 4406 で、4 µm(c)・6 µm(c)・14 µm(c) を超える粒子の、油 1 mL あたりの数の段階です。1段で粒子数は倍・半分になります(作動油の清浄度コード:ISO 4406)。
HEPA と ULPA の違いは?
HEPA は 0.3 µm の粒子に 99.97%以上、ULPA は 0.15 µm の粒子に 99.9995%以上の捕集率をもつエアフィルタです(日本無機の説明。エアフィルター:HEPA・ULPA と換気用の等級)。
油圧の故障の多くは油の汚れが原因ですか?
ヤマシンフィルタは建設機械の故障の「7割は異物が原因といわれる」と紹介し、大生工業は「油圧機器トラブルの7割近くが油の汚れに起因」と説明しています。ただし、清浄度から寿命を式で予測することはできないとする資料もあります(油圧の作動油・潤滑油)。
圧縮空気の等級 [1:4:1] のような表し方は?
ISO 8573-1 で、粒子・水分・油の等級を順に並べたものです。数字が小さいほどきれいです(圧縮空気の品質等級:ISO 8573-1)。

回答は、このページの出典をもとに編集部がまとめたものです。

課題このページでの解決課題ページ
異物が混入する工程の途中でろ過・磁選で取り除く(種類と選び方)磁選とろ過
圧縮空気の水分・油を取り除きたい等級(ISO 8573-1)とフィルターの段(圧縮空気の品質等級:ISO 8573-1)フィルターの段の組み方
クリーンルームの清浄度を保ちたいHEPA・ULPA と圧力損失(エアフィルター:HEPA・ULPA と換気用の等級)フィルター・気流
洗浄・製造に使う純水の水質を保ちたい膜(MF・UF・RO)と最後のフィルター(膜ろ過:MF・UF・NF・RO)最後で取る
部品の洗浄不良(油・残渣)を減らしたい洗浄液のろ過と油の分離(排水・洗浄液の油を分ける)洗浄液の管理
軸受の寿命を延ばしたい潤滑油の清浄度(作動油の清浄度コード:ISO 4406)密封と清浄度
摺動部がすり減る潤滑油の清浄度とフィルター(油圧の作動油・潤滑油)潤滑の見直し

右の列は、関係する課題ページの対策の節へのリンクです。

出典・確認日

※製品名・会社名は各社の商標または登録商標です。本ページでは数値と事実だけを要約し、各社の文章・図は転載していません。

※アイキャッチ画像は、AI(ChatGPT)で生成したイメージです。実在の製品ではありません。図はAI(Claude)で作成した概念図です。

情報の確認日:2026年10月22日 本ページの内容は一般的な情報です。規格は改訂されることがあり、製品の仕様は時期で変わります。フィルターの選定には、規格の原文と各社の最新の資料で確かめてください。各社の技術・実績は、その会社の公開情報にもとづきます。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

目次