品質管理(ひんしつかんり)は、英語で quality control、略してQCと呼ばれます。よく似た言葉に品質保証(quality assurance、QA)があり、「品質管理と品質保証の違いがわからない」という疑問はとても多く見られます。このページでは、JIS(日本産業規格)の定義をもとに品質管理と品質保証の違いを図で説明し、品質管理でよく使うQC七つ道具・管理図・PDCAサイクルをやさしく紹介します。
品質管理とは:ひとことで言うと
品質管理と品質保証
品質管理は「品質の要求を満たす」ことに焦点を合わせた活動です。決めたとおりの品質の製品を、ばらつきなくつくるための活動、と言いかえられます。
品質保証は「品質の要求が満たされるという確信を与える」ことに焦点を合わせた活動です。お客さまが安心して買えるよう、要求どおりにできていることを示す活動です。
どちらも、品質に関するマネジメント(品質マネジメント)の一部です。

出典:JIS Q 9000:2015をもとに AI(Claude)で作成
JIS の定義
品質マネジメントシステムの用語を定めた JIS Q 9000:2015(ISO 9000:2015 を翻訳した規格)は、次のように定義しています。品質管理は「品質要求事項を満たすことに焦点を合わせた品質マネジメントの一部」、品質保証は「品質要求事項が満たされるという確信を与えることに焦点を合わせた品質マネジメントの一部」です。同じ規格は、品質マネジメントの一部として、品質目標を決めて必要なプロセスと資源を決める「品質計画」と、品質要求事項を満たす能力を高める「品質改善」も定めています。
そもそも「品質」とは何でしょうか。JIS Q 9000 は、品質を「対象に本来備わっている特性の集まりが、要求事項を満たす程度」と定義しています。品質は「高級かどうか」ではなく、求められていることをどれだけ満たしているかで決まる、ということです。
出典:JIS Q 9000:2015 品質マネジメントシステム-基本及び用語(kikakurui.com の掲載ページ)
品質管理と品質保証の違い
| 品質管理(QC) | 品質保証(QA) | |
|---|---|---|
| 焦点(JIS Q 9000) | 品質要求事項を満たすこと | 品質要求事項が満たされるという確信を与えること |
| ことばの言いかえ(編集部) | つくる側で、要求どおりの品質にそろえる | お客さまに、要求どおりだと示せるようにする |
| 主な場面の例 | 量産の工程管理、検査、不良の再発防止 | 開発での要求の展開、デザインレビュー、記録・証拠を残す仕組み |
Wikipedia「品質保証」は、品質保証を保証に必要な証拠を提供する活動と説明し、品質が決められた水準に達しているかを事前に確かめる手続きを組み立てる役割だとしています。品質管理が「ねらいの品質にそろえる」活動なら、品質保証は「そろっていることを、仕組みと記録で示す」活動です(この一文は編集部のまとめ)。

出典:MONOist、J-Net21をもとに AI(Claude)で作成
製品ができるまでの流れで見ると
MONOist の解説は、製品のライフサイクルに沿った品質保証の流れを次のように説明しています。開発では、市場の要求を製品の設計に展開する品質機能展開(QFD)が中心になります。工程設計では、どの工程でどの部品の品質要求を満たすかを決めて「QA表」をつくり、最後にQC工程表に落とし込みます。量産では QC工程表にもとづいて品質管理を行い、不具合を記録して QC七つ道具で再発を防ぎます。市場のクレームや工程内の不良など、設計に原因のある不良の情報はためておき、次の開発の要求品質に戻します。
設計の段階ではデザインレビュー(DR)も大事です。中小機構の J-Net21 は、デザインレビューを設計開発の活動を見直すことと説明し、図面ができたとき(出図前)と生産に入る前に、営業・技術・製造・生産技術・品質管理・資材調達など関係するすべての部署の責任者が出て行う、としています。目的は品質と納期の確保で、この段階で品質を確実につくり込むための仕組みです(同)。
設計の段階で故障を先に洗い出す方法は、課題ページ「設計の段階で故障を洗い出したい(FMEA・FTA)」で解説しています。
出典:品質保証|Wikipedia、製品ライフサイクルから見た製品品質保証の課題と解決策:製品品質保証の本質とIoTの融合(2)|MONOist、製品開発手順のデザインレビューについて教えてください。|J-Net21(中小機構)
品質管理の移り変わり:統計から、会社全体へ

出典:Wikipedia「Control chart」(英語版)、Wikipedia「品質管理」、日本科学技術連盟をもとに AI(Claude)で作成
品質管理(Quality Control)ということばは、アメリカのベル研究所の技術者シューハートが1931年の著書『Economic Control of Manufactured Product』で初めて使ったとされています(Wikipedia「品質管理」)。英語版 Wikipedia「Control chart」によると、シューハートは1924年の社内メモで管理図を提案しました。
昔の JIS(JIS Z 8101)は、品質管理を「買い手の要求に合った品質の製品を、経済的に作り出すための、全ての手段の体系」と定義し、統計的な方法を使うことから統計的品質管理(statistical quality control)とも呼ぶとしていました(Wikipedia「品質管理」)。
戦後の日本では、日本科学技術連盟(日科技連)が品質管理を広めました。日科技連はデミング賞を、1951年に創設された TQM(総合的品質管理)に関する賞と紹介し、デミング博士を、戦後の日本に統計的品質管理を普及し、日本製品の品質を世界最高水準に押し上げた人物としています。その後、品質の活動は製造部門にとどまらず、サービス部門や管理部門など全社に広がり、総合的品質管理(TQC)と呼ばれ、のちに TQM になりました(Wikipedia「品質管理」)。
出典:Control chart|Wikipedia(英語版)、品質管理|Wikipedia、デミング賞|日本科学技術連盟
QC七つ道具:データを見える形にする

出典:Wikipedia「QC七つ道具」をもとに AI(Claude)で作成
品質管理では、勘ではなくデータで判断することが大切です。そのための代表的な道具がQC七つ道具です。Wikipedia「QC七つ道具」が挙げる7つと、その役割は次のとおりです。
| 道具 | 何がわかるか |
|---|---|
| パレート図 | 項目ごとのデータを多い順に並べ、重要な問題点を見つける |
| 特性要因図 | 結果(特性)と原因(要因)の関係を整理して、問題の原因をつかむ |
| チェックシート | データの記録・集計・整理をしやすくし、出かたを把握する |
| ヒストグラム | データのばらつきと、どの値が多いか(度数)を見る |
| 散布図 | 2つのデータの関係を見る |
| 管理図 | 自然なばらつきと、異常な原因によるばらつきを分けて、工程が安定しているかを見る |
| グラフ | 2つ以上のデータの関係を表し、全体の把握や比較をわかりやすくする |
同じページは、言葉のデータを整理するための新QC七つ道具(親和図法・連関図法・系統図法・マトリックス図法・マトリックスデータ解析法・アローダイヤグラム法・PDPC法)も挙げています。「魚の骨」という呼び方は、特性要因図の形からきた通称です(この一文は編集部の補足)。
管理図の見方:線の内側でばらついていれば安定

出典:Wikipedia「管理図」、Wikipedia「Control chart」(英語版)をもとに AI(Claude)で作成
管理図は、測った値を時間の順に点で打ち、中心線(平均)と、上下の管理限界の線を引いたグラフです。Wikipedia「管理図」によると、管理限界はふつう平均±3σ(σは標準偏差)にとり、「3シグマ法」とも呼ばれます。データが正規分布にしたがうとき、±3σの外に出る確率は約0.0027(1000個に約3個)です(同)。
点が管理限界の外に出たら、いつもと違う原因(異常原因)が起きたサインです。原因を調べて取り除きます。限界の内側でも、点の並び方にくせ(たとえば中心線の片側に点がいくつも続く)があれば、工程に異常がないかを調べる合図になります。英語版 Wikipedia「Control chart」は、こうした判定のルールにはいくつもの決まりがあり、例として「中心線の同じ側に7点続く」を挙げ、何点で判定するかはルールによって6〜9点などと違うとしています。また、工程に異常がなくても、3σの管理図では平均で約370点に1回は限界の外に出る(誤った警報)とされています(同)。
代表的な管理図には、群ごとの平均(X̄)と範囲(R)を打つ X̄-R 管理図があります(Wikipedia「管理図」)。工程のばらつきが規格(公差)に対して十分小さいかは、工程能力指数(Cp・Cpk)で確かめます。
出典:管理図|Wikipedia、Control chart|Wikipedia(英語版)
PDCA サイクル:改善をくり返す

出典:Wikipedia「PDCAサイクル」をもとに AI(Claude)で作成
品質管理の活動は、1回で終わりではありません。計画(Plan)→ 実行(Do)→ 評価(Check)→ 改善(Act)をくり返して、少しずつよくしていきます。これが PDCA サイクルです(Wikipedia「PDCAサイクル」)。
Wikipedia「PDCAサイクル」によると、PDCA はもとは工場の統計的品質管理で使われ、QCサークルの活動の道具として広まり、今では ISO 9001 などのマネジメントシステムにも使われています。戦後の日本で、デミングの日科技連での講演を聞いた日科技連の幹部が PDCA を提唱したとされますが、デミング自身は、PDCA はシューハート・サイクルやデミング・ホイールとは関係ないと証言していることも紹介されています。デミングは晩年、Check を Study(学ぶ)に置き換えた PDSA を提案しました(同)。
品質管理を学ぶ・会社の仕組みにする
QC検定(品質管理検定)
品質管理の知識を確かめる試験に、QC検定(品質管理検定)があります。1級から4級までの級があり、日本規格協会のサイトで案内されています。日程や受検料は変わることがあるので、受けるときは公式サイトで確かめてください。
ISO 9001
会社全体の品質マネジメントの仕組みについての国際規格がISO 9001です。英語版 Wikipedia「ISO 9000」によると、ISO 9000 は品質マネジメントシステムの基本と用語を、ISO 9001 は組織が満たすべき要求事項を定めています。ISO 自身は認証をせず、認証機関が審査して認証します(同)。このページで紹介した品質管理・品質保証の定義は、ISO 9000 を翻訳した JIS Q 9000 のものです。
出典:QC検定(品質管理検定)|日本規格協会、ISO 9000|Wikipedia(英語版)、JIS Q 9000:2015 品質マネジメントシステム-基本及び用語(kikakurui.com の掲載ページ)
品質管理の話が出てくるページ
出典
- JIS Q 9000:2015 品質マネジメントシステム-基本及び用語(kikakurui.com の掲載ページ)
- 品質保証|Wikipedia
- 製品ライフサイクルから見た製品品質保証の課題と解決策:製品品質保証の本質とIoTの融合(2)|MONOist
- 製品開発手順のデザインレビューについて教えてください。|J-Net21(中小機構)
- Control chart|Wikipedia(英語版)
- 品質管理|Wikipedia
- デミング賞|日本科学技術連盟
- QC七つ道具|Wikipedia
- 管理図|Wikipedia
- PDCAサイクル|Wikipedia
- QC検定(品質管理検定)|日本規格協会
- ISO 9000|Wikipedia(英語版)
※図は、出典の説明をもとに編集部がまとめた模式図です。
※アイキャッチ画像は、AI(ChatGPT)で生成したイメージです。実在の製品・工場ではありません。
情報の確認日:2026年10月31日
