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絶縁抵抗測定(絶縁抵抗計の使い方・基準値・測定電圧の選び方):やり方とやってはいけないこと

絶縁抵抗測定は、電線や機器の絶縁が保たれているかを、直流の電圧をかけて流れるわずかな漏れ電流から確かめる測定です。

絶縁抵抗測定(絶縁抵抗計の使い方・基準値・測定電圧の選び方):やり方とやってはいけないこと
4件解決できる課題
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絶縁抵抗測定(絶縁抵抗計の使い方・基準値・測定電圧の選び方):やり方とやってはいけないこと

作業台の上で、デジタルの絶縁抵抗計の赤いリードをモーターの端子に、黒いクリップをモーターの金属の枠(アース)につなぎ、端子から枠へ漏れる電流をオレンジの矢印で示したイラスト(AI で生成したイメージ)

安全・規制・環境対応信頼性・長寿命品質の安定電気・磁気導電と絶縁試験・評価回路・電源設計産業機械・ロボット建築・インフラエネルギー・電池

絶縁抵抗測定は、電線や機器の絶縁が保たれているかを、直流の電圧をかけて流れるわずかな漏れ電流から確かめる測定です。使う計器は絶縁抵抗計(通称メガー)です。低圧の電路では、省令で決まった基準値(0.1 MΩ・0.2 MΩ・0.4 MΩ)以上あるかを見ます。測るときは、停電して電子機器を外し、電路の電圧に合った測定電圧(100 V 系なら 125 V、200 V 系なら 250 V など)を選ぶことが大切です。

この記事では、絶縁抵抗と絶縁抵抗計のしくみ、法令の基準値、測定電圧の選び方、測り方の手順とやってはいけないこと、値の読み方と劣化の見方までを、図と表で順に説明し、絶縁抵抗計・絶縁抵抗試験器を作る4社を紹介します。

知りたいことから読む

目次

絶縁抵抗とは:絶縁抵抗計のしくみ

絶縁抵抗とは

電気を通す導体(電線の銅など)は、被覆やワニス・樹脂などの絶縁物で包まれ、外箱や大地から切り離されています。この絶縁物の電気の通しにくさを表すのが絶縁抵抗で、単位はふつう MΩ(メガオーム、100万 Ω)です(編集部の整理)。パナソニックの解説では、絶縁抵抗の値は高いほど絶縁の効果が高いとされ、絶縁が悪いと漏電による火災や感電の原因になるおそれがあるとしています。

出典:絶縁抵抗計|電気設備の知識と技術(パナソニック)

絶縁抵抗計(メガー)のしくみ

絶縁抵抗計は、電力回路の絶縁抵抗を測る保守点検用の計測器で、通称は「メガー」です。測る所に直流の電圧をかけ、流れる漏れ電流の値から絶縁抵抗を求めます(パナソニック)。IEEE Std 43-2000 による定義は、R = E ÷ IT(R:絶縁抵抗〔MΩ〕、E:かけた直流電圧〔V〕、IT:流れた全電流〔μA〕)です(EASA、2013)。かける電圧は直流 25〜2,000 V の範囲です(パナソニック)。

絶縁抵抗計のL端子を電線の導体に、E端子を外側の金属と大地につなぎ、直流の電圧をかけて絶縁物を通る漏れ電流を測るしくみの図
図1 絶縁抵抗計のしくみ
出典:パナソニックの絶縁抵抗計の解説と三和電気計器の FAQをもとに AI(Claude)で作成

出典:絶縁抵抗計|電気設備の知識と技術(パナソニック)、Mike Howell「Revisiting insulation resistance temperature correction」EASA(2013年7月。IEEE Std 43-2000 による絶縁抵抗の定義)

端子のつなぎ方と電流の向き

絶縁抵抗計には、測りたい導体につなぐ L(ライン)端子と、大地(接地)や外箱につなぐ E(アース)端子があります。三和電気計器の FAQ では、測定のときE 端子に「+」、L 端子に「-」の電圧がかかり、電流は E 端子から L 端子へ流れるとしています。

出典:絶縁抵抗を測定の際、電流の流れはどのようになりますか(FAQ)|三和電気計器

アナログ式とデジタル式

古くは手回しの発電機を内蔵したものもありましたが、今は電池式が一般的です(ウィキペディア「絶縁抵抗計」)。アナログ式は絶縁が悪いと針が「0」側に振れ、針の動きが見えるので異常が分かりやすく安価ですが、デジタル式より誤差が出やすいとされます。デジタル式は数値で表示し読み間違いが少なく、Bluetooth でスマートフォンなどへデータを送れる機種もあります。電圧のレンジは1つのものから5つ以上のものまであります(パナソニック)。

出典:絶縁抵抗計|ウィキペディア、絶縁抵抗計|電気設備の知識と技術(パナソニック)

絶縁抵抗の基準値

省令の基準値:0.1 MΩ・0.2 MΩ・0.4 MΩ

低圧の電路は、電気設備に関する技術基準を定める省令の第58条で、開閉器または過電流遮断器で区切ることのできる電路ごとに、電線どうしの間と、電路と大地の間の絶縁抵抗が、次の値以上であることが求められています。

電路の使用電圧の区分絶縁抵抗の値
300 V 以下で、対地電圧が 150 V 以下の場合0.1 MΩ 以上
300 V 以下で、その他の場合0.2 MΩ 以上
300 V を超えるもの0.4 MΩ 以上

対地電圧は、接地式の電路では電線と大地の間の電圧、非接地式の電路では電線の間の電圧です(同条)。

300V以下で対地電圧150V以下は0.1MΩ、300V以下のその他は0.2MΩ、300V超は0.4MΩという基準値を横棒で並べた図
図2 低圧の電路の絶縁抵抗の基準値
出典:電気設備に関する技術基準を定める省令 第58条(e-Gov 法令検索)をもとに AI(Claude)で作成

図の「単相 100 V」「三相 200 V」「三相 400 V」の例は、区分を思い浮かべやすいように編集部が付けたものです。実際の区分は、使用電圧と対地電圧で判断します。

出典:電気設備に関する技術基準を定める省令 第58条(低圧の電路の絶縁性能)|e-Gov 法令検索

停電できないとき:漏えい電流 1 mA

停電できず絶縁抵抗を測れないときは、漏れ電流計(クランプ形)で漏えい電流を測ります(パナソニック)。電気設備の技術基準の解釈 第14条は、漏えい電流が 1 mA 以下なら、省令第58条の絶縁抵抗の基準と同等以上の絶縁性能があるとみなせるとしています。解説は、1 mA は人が感じはじめる程度の大きさで、この程度の漏えい電流では人体への感電の危険はなく、1か所に集中しても火災はほとんど考えられない、という経験にもとづくと説明しています。漏れ電流計の値には電線と大地の間の静電容量による電流も含まれるので、絶縁抵抗の値に換算することはできません(同解説)。

出典:絶縁抵抗計|電気設備の知識と技術(パナソニック)、電気設備の技術基準の解釈 第14条の解説(経済産業省の解説を構造化した非公式のページ)|NeuroQuest

絶縁抵抗試験と耐電圧試験の違い

パナソニックの解説では、絶縁抵抗試験は使用電圧の数倍の電圧をかけて抵抗値を測り、絶縁不良を見つける試験、耐電圧(絶縁耐力)試験は決められた電圧を決められた時間かけて、壊れないことを確かめる試験です。高圧の電路や機器では、絶縁抵抗の値だけで絶縁性能を確かめるのは不十分とされています。技術基準の解釈の解説も、電路の絶縁の判定には絶縁抵抗試験と絶縁耐力試験があり、電圧と時間で判定する絶縁耐力試験が理想的だが、絶縁抵抗試験は低圧の配線では簡便で、漏電火災を防ぐ目安として一般に使われているとしています。耐電圧と絶縁距離の決め方は課題「絶縁破壊を防ぎたい(絶縁距離・耐電圧の決め方)」、絶縁破壊のしくみは 技術の基礎知識「絶縁破壊(絶縁耐力)とは」で説明しています。

出典:耐電圧|電気設備の知識と技術(パナソニック)、電気設備の技術基準の解釈 第14条の解説(経済産業省の解説を構造化した非公式のページ)|NeuroQuest

測定電圧の選び方

JIS C 1302 の定格

絶縁抵抗計の規格 JIS C 1302-2014 では、定格測定電圧は 25・50・100・125・250・500・1000 V、有効最大表示値は 1〜4000 MΩ の中から決められています(横河計測の資料に掲載の表)。また、指針形(アナログ)では、計器の誤差が保証される範囲を、有効最大表示値の約 1/1000 から 1/2 に近い値までの「第1有効測定範囲」と、その外側の「第2有効測定範囲」に分けています。精度よく読みたいときは、第1有効測定範囲に入るレンジで測ります(編集部の整理)。

出典:絶縁抵抗計 Bulletin MY(JIS C 1302-2014 の定格と使用例、低圧電路の測定方法を掲載)|横河計測

電路と機器に合わせた測定電圧の選び方

どの電圧で測るかは、測る電路と機器の電圧に合わせて選びます。JIS C 1302-2014 の解説に載っている使用例(横河計測の資料)は次のとおりです。

定格測定電圧使用例(JIS C 1302-2014 の解説から)
25 V・50 V電話回線用の機器、電話回線の電路の絶縁測定
100 V・125 V100 V 系の低電圧の配電路と機器の維持・管理、制御機器の絶縁測定
250 V200 V 系の低電圧の配電路と機器の維持・管理
500 V600 V 以下の低電圧の配電路と機器の維持・管理、600 V 以下の低電圧の配電路の竣工時の検査
1000 V600 V を超える回路と機器の絶縁測定、常時使用電圧の高い高電圧の設備(高圧ケーブル・高電圧機器など)の絶縁測定

出典:絶縁抵抗計 Bulletin MY(JIS C 1302-2014 の定格と使用例、低圧電路の測定方法を掲載)|横河計測

電子機器を含む回路は外すか、低い電圧で

機器に合わない高い電圧で測ると、機器を壊すおそれがあります(パナソニック)。半導体素子を含む回路や過電圧に弱い機器は、取扱説明書に従って保護の処置をします(ウィキペディア「絶縁抵抗計」の手順)。具体的には、制御基板・インバーター・センサーなどを測る前に回路から外す、外せないときは機器が指定する電圧か低い定格測定電圧で測る、といった方法があります(編集部の補足)。

分電盤のブレーカーを切り、照明やモーターの回路に絶縁抵抗計をつなぎ、制御基板やインバーターは測る前に切り離す様子の図
図3 電子機器を含む回路の測り方
出典:パナソニック・ウィキペディアの絶縁抵抗計の解説と横河計測の資料をもとに AI(Claude)で作成

出典:絶縁抵抗計|電気設備の知識と技術(パナソニック)、絶縁抵抗計|ウィキペディア

絶縁抵抗測定のやり方

どこを測るか:対地と線間

低圧の電路では、開閉器を開いて停電させ、電線どうしの間(線間)と、電路と大地の間(対地)を測ります(横河計測の資料)。対地は、電線をまとめて L 端子に、接地を E 端子につなぎます。線間は、2本の電線を L と E につなぎます(編集部の整理)。

三相の電線R・S・Tをまとめて絶縁抵抗計のLにつなぎ大地をEにつなぐ対地の測定と、2本の電線の間を測る線間の測定を左右に並べた図
図4 対地と線間の測り方
出典:横河計測の資料(低圧電路の測定方法)をもとに AI(Claude)で作成

出典:絶縁抵抗計 Bulletin MY(JIS C 1302-2014 の定格と使用例、低圧電路の測定方法を掲載)|横河計測

測定の手順

ウィキペディア「絶縁抵抗計」に載っている手順を、ものづくりの現場向けに整理しました(同記事は出典が不足していると注記されているので、実際の作業は計器の取扱説明書と職場の手順に従ってください)。

  1. 検電器と絶縁抵抗計の電源・ゼロ点調整・動作に異常がないか点検する
  2. 電源を開放する(電線路では中性線も開く)
  3. 検電器またはテスターで、電圧がないことを確かめる
  4. 半導体素子を含む回路や過電圧に弱い機器は、取扱説明書に従って保護の処置をとる
  5. 接地線を接地極につなぐ(絶縁抵抗計の E 端子のリードを接地側につなぐ。編集部の補足)
  6. 絶縁測定をする(L 端子のリードを測る所に当てる。編集部の補足)
  7. 測った回路にたまった電荷を放電させる
  8. 保護の処置をもとに戻し、中性線を戻してから電源を入れる
  9. 検電器で電圧が戻ったことを確かめる

出典:絶縁抵抗計|ウィキペディア

やってはいけないこと

事故や機器の故障につながりやすい誤りを、このページの出典をもとに編集部がまとめました。

やってはいけないこと理由と、代わりにすること
電圧がかかったまま(活線)で測る絶縁抵抗計は停電して測る計器。停電できないときは漏れ電流計で漏えい電流を測る(パナソニック・技術基準の解釈の解説)
電子機器をつないだまま高い電圧で測る機器に合わない電圧で機器が壊れることがある(パナソニック)。外すか、保護の処置をする
電路の電圧より高すぎるレンジを選ぶ100 V 系は 100・125 V、200 V 系は 250 V が JIS の解説の使用例。むやみに高い電圧にしない
測った直後にリードや導体に触る電線や機器に電荷が残る。測ったら放電させてから外す(ウィキペディア「絶縁抵抗計」の手順)
検電せずに作業を始める開閉器を開いても、ほかの回路からの回り込みで電圧が残ることがある。検電器で無電圧を確かめる(同上の手順。理由は編集部の補足)

出典:絶縁抵抗計|電気設備の知識と技術(パナソニック)、電気設備の技術基準の解釈 第14条の解説(経済産業省の解説を構造化した非公式のページ)|NeuroQuest、絶縁抵抗計 Bulletin MY(JIS C 1302-2014 の定格と使用例、低圧電路の測定方法を掲載)|横河計測、絶縁抵抗計|ウィキペディア

基準値を下回ったとき

横河計測の資料では、測った値が基準値以下のときは、分岐スイッチをすべて開いて、幹線と分岐回路ごとに分けて測るとしています。区切って測っていくと、どの回路(どの機器)で絶縁が下がっているかを絞り込めます。原因には、絶縁物の劣化・損傷のほか、湿気や結露、汚れ・ほこりによる表面の漏れなどがあります(編集部の整理)。制御盤の結露は課題「制御盤・筐体の中の結露を防ぎたい」、基板の防湿は技術「ポッティング・コンフォーマルコーティング」、電線の接続部の絶縁は技術「絶縁テープ・熱収縮チューブ」で説明しています。

出典:絶縁抵抗計 Bulletin MY(JIS C 1302-2014 の定格と使用例、低圧電路の測定方法を掲載)|横河計測

値の読み方と絶縁の劣化診断

時間とともに上がる読み:成極指数(PI)

絶縁物に直流の電圧をかけると、はじめは絶縁物が電気をためる電流(吸収電流)も流れるので、読みは時間とともに上がっていきます。乾いたよい絶縁ほど大きく上がり、湿りや汚れで漏れ電流が多いと、あまり上がりません。この上がり方を数字にしたのが成極指数(PI)で、一般に、電圧をかけて10分後の値を1分後の値で割った比です(編集部の整理)。モーターの巻線のように絶縁物が大きいものの劣化の診断に使われ、PI や、より短い時間の比である DAR(誘電吸収比)を測れる絶縁抵抗計もあります(横河計測 MY600、マルチ計測器 MIT415/2)。判定の目安は規格や機器で違うので、機器の保守基準に従います。

電圧をかけてからの時間と絶縁抵抗の関係で、乾いた良い絶縁は時間とともに上がり続け、湿った・汚れた絶縁はほぼ平らになる2本の線を比べた片対数のグラフ
図5 時間とともに上がる読みと成極指数
出典:絶縁抵抗の時間変化の一般的な考え方(2本の線の数値は説明用の例)をもとに AI(Claude)で作成

出典:MY600 ディジタル絶縁抵抗計|横河計測、MIT415/2 低圧絶縁抵抗計|マルチ計測器

温度と湿度で値が変わる

絶縁抵抗は、測ったときの温度と湿度で大きく変わります(一般に、温度が上がると下がります。編集部の整理)。大場ほか(電気学会論文誌D、1995)は、製鉄所の圧延機に使う大形の直流電動機について、絶縁抵抗が湿度からどう影響を受けるかを理論と実験で調べ、20年以上の保守データから絶縁の劣化の評価が湿度に左右されることを示し、湿度を考えた評価の方法を提案しています。値を比べるときは、測った日の温度・湿度を記録し、同じような条件の値どうしで比べると、劣化の進み方を見誤りにくくなります(編集部の整理)。

出典:大場善次郎・権藤幹雄・森田登「絶縁抵抗の湿度依存性に基づく大形直流機の絶縁劣化評価方法」電気学会論文誌D 115巻9号 pp.1158–1164(1995)

記録して変化を見る

基準値を満たしているかだけでなく、同じ機器を同じ測定電圧・同じつなぎ方で測り続け、値が下がっていく傾向をつかむことが、故障の前に手を打つ手がかりになります(編集部の整理)。コンパレータ(基準値での合否表示)や測定値の記録機能を持つ絶縁抵抗計を使うと、記録の手間が減ります(横河計測 MY600、三和電気計器 MG102 など)。製品の出荷検査で、絶縁抵抗の上下限を判定する場合は、生産ライン向けの絶縁抵抗試験器が使われます(菊水電子工業 TOS7300 など)。

出典:MY600 ディジタル絶縁抵抗計|横河計測、MG102 デジタル絶縁抵抗計|三和電気計器、TOS7300 絶縁抵抗試験器|菊水電子工業

企業紹介(絶縁抵抗測定の技術)

絶縁抵抗計の選び方や、生産ラインでの絶縁抵抗試験の組み方は、計測器のメーカーに相談できます。相談するときは、測る対象(電路・モーター・ケーブル・製品)、電路の電圧と必要な測定電圧、基準値と記録のしかた、現場で持ち歩くか生産ラインに組み込むか、耐電圧試験も一緒に行うかを整理しておくと話が早く進みます。

困りごと相談先の例
現場の電路・機器の点検に使う計器がほしい携帯形の絶縁抵抗計のメーカー
モーターやケーブルの劣化を診断したいPI・DAR を測れる絶縁抵抗計のメーカー
製品の出荷検査で絶縁抵抗を自動で判定したい生産ライン向けの絶縁抵抗試験器・耐電圧試験器のメーカー
電子回路・低電圧の部分の絶縁を測りたい低い測定電圧のレンジを持つ絶縁抵抗計のメーカー

ここでは、絶縁抵抗計・絶縁抵抗試験器を作る4社を紹介します。得意な使い方が重ならないように選びました。

会社携帯形
(現場)
低い電圧
(10〜50 V)
PI・
DAR
生産ライン
試験器
耐電圧
一体
三和電気計器現場用のデジタル・アナログ(東京都千代田区)●●
菊水電子工業生産ライン向けの試験器(横浜市都筑区)●●●
横河計測劣化診断の機能を持つデジタル(東京都八王子市)●●●
マルチ計測器低い電圧・太陽光発電向け(東京都千代田区)●●●

●は、各社の公式サイトで扱いを確認できたものです(空欄は、扱っていないという意味ではありません)。「低い電圧」は 50 V 以下のレンジや設定を持つ機種があるもの。社名を押すと、その会社の紹介へ移ります。

三和電気計器株式会社|ポケットサイズのデジタルから、アナログまでの絶縁抵抗計

三和電気計器とは

東京都千代田区外神田に本社を置く会社です(同社の会社概要)。電気計測器のメーカーで、絶縁抵抗計・接地抵抗計のページには、デジタル式とアナログ式の11機種が並んでいます。

三和電気計器のMG102について、1000Vから50Vまでの6つの定格測定電圧と、それぞれの測定範囲の上限を対数目盛の横棒で並べた図
図6 三和電気計器 MG102 の測定範囲
出典:三和電気計器の MG102 の製品ページをもとに AI(Claude)で作成

三和電気計器の得意技術

技術内容
MG102(デジタル)1000 V・500 V/4000 MΩ、250 V/500 MΩ、125 V・100 V/250 MΩ、50 V/100 MΩ の6レンジ。ポケットサイズで、コンパレータ・自動放電・活線検出を持つ
MG1000・MG5003レンジのデジタル。IP54(防塵防滴設計)、活線の自動検出、AC/DC 600 V の電圧測定
HG561H・アナログ機種HG561H は 500 V から 15 V までの7レンジ。アナログは PDM1529S(1000 V/2000 MΩ ほか)など

三和電気計器が解決できる課題

  • 現場の電路・機器の点検に、持ち歩きやすい絶縁抵抗計がほしい
  • 100 V 系・200 V 系など、電路ごとにレンジを切り替えて測りたい
  • 針の動きで変化を見たい(アナログ)

出典:会社概要|三和電気計器、絶縁抵抗計・接地抵抗計|三和電気計器、MG102 デジタル絶縁抵抗計|三和電気計器、HG561H 絶縁抵抗計|三和電気計器

菊水電子工業株式会社|生産ラインで判定する絶縁抵抗試験器と、耐電圧との一体機

菊水電子工業とは

横浜市都筑区に本社(本社・菊水創発センター)を置く会社です(同社の会社概要)。安全関連の試験機器として、耐電圧試験器・絶縁抵抗試験器・アース導通試験器などを作っています(同社の製品一覧)。

菊水電子工業のTOS7300・TOS7200・TOS9300の試験電圧と絶縁抵抗の測定範囲を表にした図
図7 菊水電子工業の絶縁抵抗試験器
出典:菊水電子工業の製品一覧・製品ページをもとに AI(Claude)で作成

菊水電子工業の得意技術

技術内容
TOS7300 絶縁抵抗試験器出力 25〜1000 V(1 V 単位で設定)、測定範囲 0.001 MΩ〜10.00 GΩ。JIS C 1302 の出力特性に準拠し、上下限判定・短絡検出・コンタクトチェック、USB・RS232C を標準で持つ、と同社は説明
TOS7200・TOS7210STOS7200 は DC −25〜−1000 V・0.01〜5000 MΩ。TOS7210S は PID 用絶縁試験器で DC 50〜2000 V
TOS9300 など(耐電圧と一体)TOS9300 は AC 5 kV の耐電圧試験と、0.001 MΩ〜100.0 GΩ の絶縁抵抗試験を1台で行う

菊水電子工業が解決できる課題

  • 製品の出荷検査で、絶縁抵抗の合否を自動で判定したい
  • 耐電圧試験と絶縁抵抗試験を1台で続けて行いたい
  • 試験の結果を PC に取り込みたい

出典:会社概要|菊水電子工業、安全関連試験機器|菊水電子工業、TOS7300 絶縁抵抗試験器|菊水電子工業、TOS9300 耐電圧・絶縁抵抗試験器|菊水電子工業

横河計測株式会社|PI・DAR で絶縁の劣化を診断できるディジタル絶縁抵抗計

横河計測とは

東京都八王子市明神町に本社を置き、電子計測器の開発・製造・販売・サービスをしている会社です(同社の会社情報)。絶縁抵抗計の資料では、JIS C 1302 の定格と使用例、低圧電路の測り方も解説しています。

横河計測のMY600について、1000Vから50Vまでの6つの定格測定電圧と有効最大表示値を対数目盛の横棒で並べた図
図8 横河計測 MY600 の有効最大表示値
出典:横河計測の MY600 の製品ページをもとに AI(Claude)で作成

横河計測の得意技術

技術内容
MY600 ディジタル絶縁抵抗計定格測定電圧 50・100・125・250・500・1000 V。有効最大表示値は 100〜4000 MΩ(電圧のレンジで異なる)
劣化診断と判定PI・DAR の測定による絶縁劣化の診断、任意の基準値での PASS/FAIL の色表示、約 0.5 秒の高速測定(測る対象の容量成分で長くなる場合がある)、と同社は説明
記録1000 件の内部メモリ。別売りの USB 通信アダプタも使える

横河計測が解決できる課題

  • モーターやケーブルの絶縁の劣化を、PI・DAR で見たい
  • 点検の測定値を記録して、変化を追いたい
  • 基準値での合否をすぐに見分けたい

出典:会社情報|横河計測、絶縁抵抗計|横河計測、MY600 ディジタル絶縁抵抗計|横河計測、絶縁抵抗計 Bulletin MY(JIS C 1302-2014 の定格と使用例、低圧電路の測定方法を掲載)|横河計測

マルチ計測器株式会社|10 V からの低い電圧のレンジと、太陽光発電向けのメガー

マルチ計測器とは

東京都千代田区神田佐久間町に本社を置く会社です(同社の会社概要)。同社の会社概要では、電流センサ・クランプメーター・Ior 測定器・絶縁監視装置・絶縁抵抗計・漏電モニターなどを製品として挙げています。

マルチ計測器のMIT415/2について、500Vから10Vまでの6つのレンジと測定の上限を対数目盛の横棒で並べた図
図9 マルチ計測器 MIT415/2 のレンジ
出典:マルチ計測器の MIT415/2 の製品ページをもとに AI(Claude)で作成

マルチ計測器の得意技術

技術内容
MIT415/2 低圧絶縁抵抗計10・25・50・100・250・500 V の6レンジで、上限は 2 GΩ〜100 GΩ。試験電圧は「+2% −0%」で安定している、と同社は説明。PI・DAR とコンパレータ、CAT Ⅳ 600 V・IP54
MIS-PV1(PV メガー)太陽電池パネルが発電中でも測れる、と同社は説明。500 V(PVL)と 1000 V(PVH)

マルチ計測器が解決できる課題

  • 低い電圧で絶縁を確かめたい
  • 太陽光発電の設備の絶縁を、発電中に測りたい
  • 絶縁の劣化を PI・DAR で見たい

出典:会社概要|マルチ計測器、MIT415/2 低圧絶縁抵抗計|マルチ計測器、MIS-PV1 PVメガー|マルチ計測器

よくある質問

絶縁抵抗とは、わかりやすく言うと?
電気を通したくない所(被覆・絶縁物)の、電気の通しにくさです。値が大きいほど絶縁がよく、漏電や感電が起きにくい状態です(絶縁抵抗とは)。
絶縁抵抗の基準値は?
低圧の電路では、300 V 以下で対地電圧 150 V 以下は 0.1 MΩ、300 V 以下のその他は 0.2 MΩ、300 V 超は 0.4 MΩ 以上です(省令の基準値)。
100 V の回路は何 V で測りますか?
JIS C 1302 の解説の使用例では、100 V 系の低圧の配電路と機器は 100 V・125 V、200 V 系は 250 V です。電子機器が付いていれば外します(測定電圧の選び方)。
絶縁抵抗計の L と E はどこにつなぎますか?
L は測りたい導体(電線)に、E は接地(大地)や外箱につなぎます(端子のつなぎ方)。
絶縁抵抗測定でやってはいけないことは?
電圧がかかったまま測る、電子機器をつないだまま高い電圧で測る、測った直後に導体に触る、などです(やってはいけないこと)。
停電できないときは?
漏れ電流計で漏えい電流を測ります。1 mA 以下なら、絶縁抵抗の基準と同等以上とみなせます(漏えい電流 1 mA)。
絶縁抵抗試験と耐電圧試験の違いは?
絶縁抵抗試験は抵抗値を測る試験、耐電圧試験は決められた電圧を決められた時間かけて壊れないことを確かめる試験です(絶縁抵抗試験と耐電圧試験の違い)。
値が基準より低いときは?
分岐スイッチを開いて、幹線と分岐回路ごとに分けて測り、どこで下がっているかを絞り込みます(基準値を下回ったとき)。
成極指数(PI)とは?
電圧をかけてからの読みの上がり方を表す比で、一般に10分後の値を1分後の値で割ったものです。乾いたよい絶縁ほど大きくなります(成極指数)。

回答は、このページの出典をもとに編集部がまとめたものです。

出典・確認日

※製品名・会社名は各社の商標または登録商標です。本ページでは数値と事実だけを要約し、各社の文章・図は転載していません。

※アイキャッチ画像は、AI(ChatGPT)で生成したイメージです。実在の製品ではありません。図はAI(Claude)で作成した概念図です。

情報の確認日:2026年10月31日 本ページの内容は一般的な情報です。絶縁抵抗の測定は、電気の作業の資格と職場の安全の決まり、計器と機器の取扱説明書に従って行ってください。各社の製品・サービスは、その会社の公開情報をもとに紹介しています。

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