長く作り続けている製品で、使っている部品が「生産終了(製造中止、EOL、ディスコン)」になることがあります。通知が来てから最終注文の締め切りまでは長くありません。代わりの部品が見つからないと、生産や保守が止まります。
この記事では、生産終了が起きるしくみと期間を確かめ、置き換え先の候補(後継品・同等品、最終購入、基板の設計し直し、同じものの作り直し、部品の寿命の管理)を比べ、目的ごとの選び方と、置き換えるときの注意を紹介します。主に電子部品(IC・半導体)を扱い、機械部品の作り直しにも触れます。
部品が生産終了になると何が起きるか
部品の寿命は、製品の寿命より短い

半導体の平均寿命は、代替品を含めても3〜5年未満といわれ、製品群によっては約2年のものもあります。一方で、産業・設備機器や社会インフラ装置のように長く使う製品では、使っている半導体や電子部品の約70%が、製品の寿命より先に製造中止になるといわれます(EE Times Japan の連載「半導体製品のライフサイクルに関する考察」。筆者は製造中止品の継続供給を行う Rochester Electronics)。同じ連載は、経済団体連合会の1998年の調査をもとに、重電機器では製品のライフサイクルが約23年、使っている半導体は約3年としています。

出典:EE Times Japan の連載(1)・(4)をもとに AI(Claude)で作成
製造中止の理由には、需要の減少のほか、製造の外部委託が進んで古い技術の製造ラインが減ること、半導体メーカーの合併・買収で重複する製品が整理されることが挙げられています(同連載)。
通知から最終注文までは、長くない
製造中止の手順は、JEDEC の規格(J-STD-048 など)に示されています。メーカーは製造中止の通知(PDN)を出し、一定の期間だけ最終注文(ラストタイムバイ)を受け付けて、最後の生産と出荷をします。JESD48B に沿うとする米 MaxLinear の方針では、通知の公表日から最終注文まで6か月、最終出荷まで12か月です。期間はメーカーと製品で異なり、最終納品までは最短で1年、一般的に2年程度とする解説もあります(EE Times Japan の連載)。

出典:MaxLinear の方針・EE Times Japan の連載(7)をもとに AI(Claude)で作成
通知は、過去2年の直接の購入者だけに送るのが一般的といわれ、不定期に生産する会社などは受け取れない可能性があります。1つの通知に500以上の品番が含まれることもあり、製造を外部に委託していると、どの通知が自社製品に関係するのかを知ることはさらに難しくなります(同連載)。
足りなくなると、偽造品がまぎれ込みやすい
正規のルートで買えなくなり、インターネットで見つけた取引のない業者から買うと、偽造品をつかむおそれがあります。偽造品は需要が供給を上回ったときに出回りやすく、製造中止になり保守用(MRO)になった半導体は、偽造される可能性が高い半導体の1つとされます。偽造半導体は6つの種類に分けられ、リサイクル品と再マーキング品で80%以上を占めるともいわれます(EE Times Japan の連載、2022年)。

出典:EE Times Japan の連載(5)をもとに AI(Claude)で作成
出典:半導体製品のライフサイクルと製造中止(EOL)対策(考察1、2020年)|EE Times Japan、半導体製品ライフサイクルの特長と有効な製造中止対策(考察4、2021年)|EE Times Japan、偽造半導体とは(考察5、2022年)|EE Times Japan、半導体製品の製造中止はいつでも起こり得る(考察7、2024年)|EE Times Japan、Product Discontinuance Policy|MaxLinear
置き換え先の候補
置き換え先は、どこを変えるかで分かれます。部品の型番だけを変える、何も変えずに在庫を確保する、基板と回路を設計し直す、同じものを作り直す、の4つと、次の生産終了に備えて部品の寿命を管理する仕組みです。

編集部が整理した分類。AI(Claude)で作成
後継品・同等品に替える

メーカーが勧める後継品や、ほかのメーカーの同等品に替えます。形(パッケージ)とピン配置が同じなら、基板を変えずに済むことがあります(編集部の解説)。違う場合は、基板の配線(アートワーク)の変更を含めた設計の見直しが要ります(イーエル・オカモト)。
同じ機能でも、新しい製造プロセスで作った代替品は、スイッチングが速くノイズの影響を受けやすい、入出力の静電容量が違って基板の負荷が変わる、EMC の性能や放射線への強さが違う、などの問題が起こる可能性があるとされます。メーカーが勧める後継品ではこうした問題は見られないが、そうでない代替品では機器の誤動作につながる可能性がある、と同じ連載は書いています(EE Times Japan)。

出典:EE Times Japan の連載(1)・イーエル・オカモトをもとに AI(Claude)で作成
在庫を確保する(最終購入)

製造中止の通知が来たときの、最も早く経済的な対応は、製品の想定寿命をカバーする数を最終購入して保管することだ、とする解説があります(EE Times Japan の連載)。ただし、何年も先の必要数を当てるのは難しく、少なすぎれば需要の急な増加や次の機種の開発の遅れで足りなくなり、多すぎれば使わない在庫と保管の費用を抱えます。必要数の数倍以上を最終購入してきた会社も少なくないとされます。

出典:EE Times Japan の連載(4)・(7)をもとに AI(Claude)で作成
足りなくなったあとに流通品を買う場合は、メーカーが認めた販売代理店か、供給元から製造を引き継いだ会社かを確かめます。引き継いだ会社なら、開発に必要な情報と検査の方法を供給元から引き継いでいるか、同じ信頼性評価をしているかを確かめる、としています(EE Times Japan の連載)。
基板・回路を設計し直す

生産中止の部品の代わりに別の部品を選び、同じ機能を保つように回路と基板を設計し直します(改版)。アドガワエレクトロニクスは、L430×W300mm の基板で生産中止の部品に伴う改版設計を行い、最新の部品は従来品より小さいことが多いため、小型・軽量化、低消費電力化、発熱の抑制も期待できるとしています。
設計し直すと、製品の評価や認定をやり直すことになります(編集部の解説)。マイコンを替える場合は、プログラムの移植も要ります(アイクォーク)。開発に時間がかかる製品では、部品を選ぶ段階で、その部品を使った製品がどれだけ早く設計し直しや再認定が必要になるかを確かめることが重要だとされます(EE Times Japan の連載)。
同じものを作り直す
IC では、元の動きをまねたエミュレーション品、ASIC・ゲートアレイ・スタンダードセルでの作り直し、FPGA での置き換えなどがあります。FPGA は設計後も機能を変えられ、ASIC などに比べて開発費が低い一方で、FPGA そのものの製品寿命も短くなっているとされます(EE Times Japan の連載)。

自社で開発したカスタム LSI なら、新しい製造プロセスで作り直す方法があります。東芝情報システムは、パッケージとピン配置をできる限り元と同じにして、100個程度から作り直すとしています。機械部品では、現物を 3D スキャンで測り、3D CAD データと図面を作って作り直す方法があります(藤田工業)。

出典:EE Times Japan の連載(1)・東芝情報システム・藤田工業をもとに AI(Claude)で作成
部品の寿命を管理する
製品の部品表(BOM)と製造中止の通知を照らし合わせ、生産終了に早く気づく仕組みです。部品のライフサイクルを追う市販のツールは、通知をきっかけに警告を出せます。ただし残りの寿命は独自のアルゴリズムでの推定で、メーカーから製造中止の情報を先にもらっているわけではない点に注意が要るとされます(EE Times Japan の連載)。
陳腐化(部品などが手に入らなくなること)の管理は、国際規格 IEC 62402:2019 にまとめられています。方針と体制を作り、管理の計画を立て、設計の段階で陳腐化を減らし、対策を選んで実行し、成果を測って改善する、という内容です。部品を選ぶ段階では、ルネサス エレクトロニクスの長期製品供給プログラム(PLP)のように、メーカーが長く供給を予定する製品とその期間を公開しているものから選ぶ方法もあります(期間は公表時点の予定)。

出典:EE Times Japan の連載(7)・IEC・ルネサスをもとに AI(Claude)で作成
出典:その部品大丈夫?電子部品のEOL(生産中止)に備える代替品提案の重要性|イーエル・オカモト、半導体製品のライフサイクルと製造中止(EOL)対策(考察1)|EE Times Japan、半導体製品ライフサイクルの特長と有効な製造中止対策(考察4)|EE Times Japan、偽造半導体とは(考察5)|EE Times Japan、半導体製品の製造中止はいつでも起こり得る(考察7)|EE Times Japan、生産中止(ディスコン)部品の代替選定と基板改版による製品寿命の延長|アドガワエレクトロニクス、基板リバースエンジニアリング 製造中止部品対策|アイクォーク、ディスコンLSI再生サービス|東芝情報システム、事業内容(リバースエンジニアリング)|藤田工業、IEC 62402:2019 Obsolescence management|IEC、長期製品供給プログラム|ルネサス エレクトロニクス
目的と置き換え先の比較表
行が置き換えの目的、列が置き換え先の候補です。◎は第一候補、○は有効、△は条件によって有効を表します。目的の行をクリックすると、理由と出典を書いたカードに移ります。
| 課題(症状) | 後継品・ 同等品に替える | 在庫を確保する (最終購入) | 基板・回路を 設計し直す | 同じものを 作り直す | 部品の寿命を 管理する |
|---|---|---|---|---|---|
| Aすぐに足りなくなる。生産を止めたくない | ○ | ◎ | △ | △ | |
| B基板やソフトを、できるだけ変えたくない | ○ | ◎ | ◎ | ||
| Cこれから何年も作り続けたい | ○ | △ | ◎ | ○ | ◎ |
| D図面や設計データが残っていない | ○ | ◎ | |||
| E偽造品や品質の不安を避けたい | ○ | △ | ○ | ○ | ○ |
◎ 第一候補○ 有効△ 条件によって有効
◎・○・△の理由と出典は、下の「目的ごとの選び方」の各カードに書いています。空欄は、その目的には効かない候補です。記号は、各社・解説記事の公開情報をもとにした編集部の評価で、同じ目的の中での比較です。
目的ごとの選び方
目的(A〜E)ごとに、比べた結果、候補、置き換えるときの注意をまとめました。
すぐに足りなくなる。生産を止めたくない
製造中止の通知が来た、または在庫が尽きそう。まず今の生産を続けたい。

- 比べた結果
- JEDEC の規格(JESD48B)に沿うとする半導体メーカーの例では、製造中止の通知(PDN)から最終注文の締め切りまで6か月、最終出荷まで12か月です(MaxLinear)。通知が来たら、まず最終購入で当面の数を確保するのが早い方法です。製造中止の通知が来たときに最も迅速かつ経済的な対応は、製品の想定寿命をカバーする数量を最終購入して保管することだ、とする解説もあります(EE Times Japan の連載)。後継品・同等品は、形とピン配置が合えば早く切り替えられます。基板の設計し直しや作り直しは、それより時間がかかります(編集部の解説)。
- 候補
- 在庫を確保する(◎)最終注文の期間内に、必要な数を買う
- 後継品・同等品に替える(○)形とピン配置が合う品があれば早い
- 設計し直す・作り直す(△)時間がかかるので、最終購入と並べて進める
最終注文の期間を過ぎてから流通品を探すと、偽造品がまぎれ込むおそれがあります(カードE)。通知はメーカーごとに書式が違い、1つの通知に500以上の品番が含まれることもあるため、自社の部品表と照らし合わせる時間も見込みます。
基板やソフトを、できるだけ変えたくない
基板やソフトを変えると、製品全体の評価をやり直すことになり、費用がかさむ。

- 比べた結果
- 基板もソフトも変えずに済むのは、同じ部品を最終購入するか、同じものを作り直す方法です。東芝情報システムは、製造終了になったカスタム LSI を新しい製造プロセスで作り直す際、パッケージとピン配置をできる限り元と同じにし、基板や部品の変更はほとんどの場合要らないとしています。後継品・同等品は、形とピン配置が合えば基板を変えずに済みますが、電気の特性の違いを確かめる必要があります(EE Times Japan の連載)。
- 候補
- 在庫を確保する(◎)同じ部品なので、変えるものがない
- 同じものを作り直す(◎)カスタム LSI なら、ピン配置を同じにして作り直せる
- 後継品・同等品に替える(○)形とピン配置が合う品があるとき
FPGA で置き換える方法は、ソフトや基板の変更が要り、システム全体の再評価になることがあります(東芝情報システム)。作り直しは、自社が権利を持つカスタム LSI が対象で、汎用品は作り直せません。
これから何年も作り続けたい
長く売る製品や、長い保守を約束している製品。次の生産終了も心配。

- 比べた結果
- 長く使う製品では、使っている部品の約70%が製品の寿命より先に製造中止になるといわれます(EE Times Japan の連載)。最終購入だけで長い期間をまかなうには、何年も先の必要数を当てなければならず、多すぎれば在庫が寝て、少なすぎれば足りなくなります。そこで、今の部品で基板を設計し直す方法があります(供給の見通しが延びるかは、部品の選び方しだいです。編集部の解説)。アドガワエレクトロニクスは、改版で小型・軽量化、低消費電力化、発熱の抑制も期待できるとしています。同時に、部品の寿命を管理する仕組みで、次の生産終了に早く気づけるようにします。
- 候補
- 基板・回路を設計し直す(◎)供給の見通しを確かめて、部品を選び直す
- 部品の寿命を管理する(◎)次の生産終了に早く気づく
- 後継品に替える・作り直す(○)作り直した LSI を、今も年20万個以上供給している例がある
- 在庫を確保する(△)何年も先の数を当てるのは難しい
設計し直すと、評価や認定をやり直すことになります。開発に時間がかかる製品では、認定を取る段階で中核の半導体が製造中止になり、設計からやり直せなくなった例もあります(EE Times Japan の連載。海外の医療機器の例)。部品を選ぶ段階から、供給の見通しを確かめます。
図面や設計データが残っていない
古い製品で、回路図・プログラム・図面がない。設計した人もいない。

- 比べた結果
- 現物から調べて作り直す方法があります。東芝情報システムは、LSI の回路データやテストデータが残っていなくても、現物の LSI を数個もらえば回路データを復元できるとしています。アイクォークは、設計データがない基板から部品表と機能のブロック図を作り、古いマイコンのプログラムの仕様を動作検証などで調べて新しいマイコンへ移すとしています。機械部品なら、藤田工業のように3D スキャンで形を測って図面を作る方法があります。
- 候補
- 同じものを作り直す(◎)現物から回路・形を復元する
- 基板・回路を設計し直す(○)解析した機能を、今の部品で作る
現物から作り直すときは、権利を確かめます。LSI の作り直しは自社が権利を持つものが対象です。藤田工業は、正規に購入した自社の設備を動かし続けるために復元して自社内で使うことは原則として合法としつつ、目的や方法によっては法律に触れる可能性があると解説しています。
偽造品や品質の不安を避けたい
流通品を買うしかないと言われた。本物かどうか分からない。

- 比べた結果
- 偽造品は、需要が供給を上回ったときに出回りやすく、製造中止になり保守用になった半導体は、偽造される可能性が高いとされます。偽造半導体のうち、使用済みの部品を新品として売るリサイクル品と、表示を書き換えた再マーキング品で80%以上を占めるともいわれます(EE Times Japan の連載)。防ぐ基本は、メーカーが認めた販売代理店から買うことです。後継品・同等品、設計し直し、作り直しは、新しく作られた部品を使えます(編集部の解説)。
- 候補
- 後継品・設計し直し・作り直し(○)新しく作られた部品を使える(編集部の評価)
- 部品の寿命を管理する(○)早く気づけば、正規のルートで最終購入できる
- 在庫を確保する(△)正規のルートなら安心。流通品は真正性の確認が要る
代替品にも注意が要ります。新しい製造プロセスの代替品は、スイッチングが速くノイズの影響を受けやすい、静電容量が違う、EMC の性能が違うなどで、機器の誤動作につながる可能性があるとされます(EE Times Japan の連載)。
置き換えるときの注意
置き換えは、どの製品に影響するかを調べるところから始めます。次の図は、各社・解説記事の説明をもとに編集部が整理した進め方です。

出典:各社・解説記事の説明をもとに AI(Claude)で作成
影響する製品と部品を洗い出す
通知の品番を部品表と照らし合わせ、どの製品のどの基板に使っているかを調べます。製造を外部に委託している場合は、委託先が部品表を管理していることがあるため、委託先が製造中止を管理する仕組みを持っているかも確かめます(EE Times Japan の連載)。
時間を稼ぎながら、候補を比べる
最終購入で当面の数を確保しながら、代替品・設計し直し・作り直しを比べます。最終購入の数は、置き換えにかかる期間で変わります(編集部の解説)。作り直しでは、新しい部品の単価が下がって開発費を回収できることもあります。東芝情報システムの過去の事例では、単価差40円で年480万円の効果があり、開発費800万円を20か月で償却する計算です(今の見積もりは問い合わせが必要としています)。
評価と認定をやり直す

代替品・設計し直し・作り直しのどれでも、実機での評価が要ります。代替品は、ノイズ、静電容量、EMC、温度などの違いが誤動作につながることがあります(EE Times Japan の連載)。医療機器など認定が要る製品では、認定のやり直しにかかる時間も見込みます(編集部の解説)。
権利と記録を確かめる
現物から作り直すときは、作り直してよい権利があるかを確かめます。東芝情報システムの LSI の作り直しは、顧客が権利を持つ ASIC・カスタム LSI が対象で、他社が権利を持つ汎用の LSI は作り直せません。置き換えが終わったら、部品表と設計データ(回路図、プログラム、LSI の設計ファイルなど)を決まった場所に残します。設計ファイルを保存・アーカイブできるかは、開発の段階から考えておくべき点として挙げられています(EE Times Japan の連載)。
出典:半導体製品の製造中止はいつでも起こり得る(考察7)|EE Times Japan、半導体製品のライフサイクルと製造中止(EOL)対策(考察1)|EE Times Japan、ディスコンLSI再生サービス|東芝情報システム、生産終了部品の供給停止は法律で解決不能?|藤田工業
生産終了部品の置き換えに役立つ技術を持つ企業
各企業が解決できる課題と技術の内容を、企業が公開している情報をもとに紹介します。代替品を探して基板を変えたいのか、基板を変えずに同じ部品を作り直したいのか、図面のない部品を現物から作りたいのかによって、合う相談先が変わります。
| 企業 | 解決できる課題 | 種類 | 何ができるか | 合う症状 |
|---|---|---|---|---|
| イーエル・オカモト | 電子機器の受託製造(EMS) | 受託製造の中で部品の EOL 情報をつかみ、代替品を機能・コスト・供給の安定性で選んで提案。ピン配置が違うときは基板の変更から量産まで請け負う。 | A すぐに足りなくなる。生産を止めたくない B 基板やソフトを、できるだけ変えたくない E 偽造品や品質の不安を避けたい | |
| アドガワエレクトロニクス | 基板の実装・組立 | 生産中止の部品の代替部品を選び、基板を設計し直す(改版)。部品の調達から実装・組立までを一貫して請け負う。 | C これから何年も作り続けたい E 偽造品や品質の不安を避けたい | |
| 東芝情報システム | LSI の設計・開発 | 製造終了になったカスタム LSI を、パッケージとピン配置をできる限り元と同じにして、新しい製造プロセスで作り直す。 | B 基板やソフトを、できるだけ変えたくない C これから何年も作り続けたい D 図面や設計データが残っていない | |
| アイクォーク | 電子機器の受託設計・試作 | 回路図のない基板を解析して今の部品で作り直し、製造中止のマイコンのプログラムを新しいマイコンへ移す。 | C これから何年も作り続けたい D 図面や設計データが残っていない | |
| 藤田工業 | プラント配管・部品の作り直し | 図面のない機械部品や生産していない部品を、3D スキャンで現物から測って作り直す。図面と 3D データも作る。 | D 図面や設計データが残っていない |
株式会社イーエル・オカモト|受託製造の中で EOL 情報をつかみ、代替品の提案から設計変更までする
イーエル・オカモトとは
イーエル・オカモトは、京都府亀岡市に本社がある、電子機器の受託製造(EMS)と OEM・ODM の会社です(1985年に回路設計・基板設計で創業、1988年設立)。受託製造の中で電子部品の調達を代行しており、部品の EOL(生産中止)への対応を技術コラムで紹介しています。
イーエル・オカモトの得意技術
| 技術 | 内容 |
|---|---|
| EOL 情報を早くつかむ | 多数の商社・部品メーカーと連携する調達のつながりで EOL 情報を入手し、入りしだい顧客に報告するとしている |
| 代替品の提案 | 機能・コスト・供給の安定性を考えて、複数の商社・メーカーと相談して代替品を探す。新しい仕入れ先を開拓することもあるとしている |
| 設計変更まで | 代替品のパッケージやピン配置が違う場合は、基板のアートワークの変更を含めて、設計から試作・量産まで一貫して対応するとしている |
同社は、ネクスペリア製の部品の出荷停止(EOL ではない)に対して、TI 製をはじめとする代替部品の紹介と、流通部品による緊急調達で対応すると書いています(2025年11月追記)。また、EOL の直前に慌てて代替品を探したところ流通部品も品切れで、生産計画全体が遅れた経験も紹介しています。
イーエル・オカモトが解決できる課題
- 受託製造を頼んでいる基板の部品の EOL に、早く気づきたい
- 生産中止になった部品の代替品を、機能・コスト・供給の安定性で選びたい
- 代替品のピン配置が違うので、基板の変更から量産まで任せたい

出典:同社の技術コラムをもとに AI(Claude)で作成
出典:会社概要|イーエル・オカモト、その部品大丈夫?電子部品のEOL(生産中止)に備える代替品提案の重要性|イーエル・オカモト
アドガワエレクトロニクス株式会社|生産中止の部品を置き換えて、基板を設計し直す(改版)
アドガワエレクトロニクスとは
アドガワエレクトロニクスは、滋賀県高島市にある、プリント基板の実装(表面実装・挿入実装)と電気機械器具の組立の会社です(1968年創立)。部品の調達から実装・組立までを一貫して請け負っています。
アドガワエレクトロニクスの得意技術
| 技術 | 内容 |
|---|---|
| 基板の改版 | 生産中止の部品に対して、代替部品の選定・仕入れから回路設計の最適化まで、基板の改版をまとめて提供するとしている |
| 改版の例 | L430×W300mm の基板で、生産中止の部品に伴う改版設計を行った。別の部品を選んだうえで、従来の回路と同じ機能を保つ設計が要るとしている |
| 対応する大きさ | 最大対応サイズ L500×W400mm、主な製造実績 L500×W390mm |
同社は、最新の代替部品は従来品より小さいことが多く、改版で小型・軽量化、低消費電力化、発熱の抑制が期待できるとしています。
アドガワエレクトロニクスが解決できる課題
- 生産中止の部品があり、代替部品を選んで基板を設計し直したい
- 改版のついでに、基板を小さく、消費電力を少なくしたい
- 大きめの基板(L500mm 程度まで)の改版と実装を、まとめて頼みたい

出典:同社のブログをもとに AI(Claude)で作成
出典:会社概要|アドガワエレクトロニクス、生産中止(ディスコン)部品の代替選定と基板改版による製品寿命の延長|アドガワエレクトロニクス
東芝情報システム株式会社|製造終了のカスタム LSI を、新しい製造プロセスで作り直す
東芝情報システムとは
東芝情報システムは、神奈川県川崎市に本社がある、組み込みソフトと LSI の設計・開発の会社です(1962年設立)。製造終了(EOL)になった LSI を、新しい製造プロセスで作り直す「ディスコンLSI再生サービス」を提供しています。
東芝情報システムの得意技術
| 技術 | 内容 |
|---|---|
| 新しいプロセスで作り直す | 顧客が過去に開発し EOL になった LSI を、国内外のファウンドリ(TSMC など)の新しいプロセスで作り直す。100個程度から、1回だけの生産にも対応するとしている |
| 基板をそのまま使う | パッケージの大きさ・高さ・ピン配置を、できる限り元に近いものにする。ピンアサインは変わらず、基板や部品の変更もほとんどの場合要らないとしている |
| データがなくても | 回路データやテストデータが残っていなくても、旧 LSI の現物(数個)から解析して回路データを復元できるとしている |
| 対応する種類 | 5V 単一・3.3V 単一の ASIC、デジタルのほかアナログ・ミックスドシグナル |
対象は、顧客が権利を持つ ASIC・カスタム LSI です。他社が権利を持つ汎用の LSI は作り直せず、用途は民生と産業機器です(車載は対象外)。
東芝情報システムが解決できる課題
- 自社で開発したカスタム LSI が製造終了になり、基板を変えずに作り続けたい
- 最終購入した LSI が、思ったより売れて足りなくなりそう
- LSI の設計データが残っていないが、現物から作り直したい
公開されている実績
- 国内メーカーが 0.7μm で作っていたゲートアレイを TSMC の 0.5μm で作り直し、保守部品として 2,700個を一括で製造
- 0.8μm のゲートアレイを 0.5μm で作り直し、開発開始から約4か月で供給を始め、今も年20万個以上を供給
- 0.8μm から 0.5μm のゲートアレイへの移行で、単価差40円で年480万円の効果。開発費800万円を20か月で償却する計算(同社の過去の事例。今の見積もりは問い合わせが必要としている)

出典:同社のサービス紹介をもとに AI(Claude)で作成
出典:会社概要|東芝情報システム、ディスコンLSI再生サービス|東芝情報システム
アイクォーク株式会社|回路図のない基板を解析し、古いマイコンのプログラムを移す
アイクォークとは
アイクォークは、福岡県糟屋郡志免町に本社がある、電子機器の受託設計・試作と OEM・ODM の会社です(2000年設立)。回路・ソフト・機構の設計と、自社工場での生産を行っています。製造中止の部品への対策として、基板のリバースエンジニアリングと設計し直しを提供しています。
アイクォークの得意技術
| 技術 | 内容 |
|---|---|
| 基板の解析と回路図化 | 既存の基板の動作と主な部品構成を調べ、設計データがない場合でも、部品表(BOM)と機能のブロック図を作るとしている |
| マイコンの移植 | 製造中止になった古いマイコン(例:ルネサスの H8)のプログラムの仕様を動作検証などで調べ、機能の互換を保って新しいマイコンへ移すとしている |
| 代替部品と再設計 | 生産終了の半導体・電子部品の代替部品を選んで検証し、基板の機能の互換を保つよう設計し直す |
| 機能の追加 | 解析の結果をもとに、通信(IoT・無線)やセンサーへの対応、処理速度の向上などを足せるとしている |
アイクォークが解決できる課題
- 回路図がない古い制御基板を、今の部品で作り直したい
- 製造中止のマイコンのプログラムを、新しいマイコンへ移したい
- 作り直すついでに、通信などの機能を足したい

出典:同社のサービス紹介をもとに AI(Claude)で作成
出典:会社情報|アイクォーク、基板リバースエンジニアリング 製造中止部品対策|アイクォーク
有限会社藤田工業|図面のない機械部品を、3D スキャンで現物から作り直す
藤田工業とは
藤田工業は、千葉県市原市に本社がある、プラント配管の設計・施工管理の会社です(1996年創業)。図面がない部品や、生産していない部品を現物から作り直すリバースエンジニアリングも手がけ、全国で対応するとしています。
藤田工業の得意技術
| 技術 | 内容 |
|---|---|
| 対象 | 図面がない部品、古くて生産していない部品、メーカーが廃業している部品、製造者が不明な部品の複製・復元と図面作成 |
| 流れ | 相談(材質・精度・個数を確認)→ 3D スキャナで形状を測る(接触式と非接触式を使い分け)→ 3D CAD データ → 2D 図面・加工データ → 試作 → 製作・納品 |
| 形の見直し | 加工しにくい所を加工しやすくするなど、要望に応じて形を変えて仕様を決めるとしている |
| データを残す | データは残るため、追加の注文にも対応できるとしている |
同社は技術コラムで、生産終了の部品を、正規に購入した自社の設備を動かし続けるために復元し、自社内で使うことは原則として合法と解説しています。そのうえで、目的や方法によっては法律に触れる可能性があるとしています。
藤田工業が解決できる課題
- 生産終了で手に入らない機械部品を、現物から作り直したい
- 図面がない部品の、図面と 3D データを作りたい
- 作り直すときに、加工しやすい形に変えたい

出典:同社の事業内容をもとに AI(Claude)で作成
出典:会社情報|藤田工業、事業内容(リバースエンジニアリング)|藤田工業、生産終了部品の供給停止は法律で解決不能?|藤田工業
選ぶ前に確かめる条件
置き換えを相談する前に、次のことを整理しておくと、候補の比較や見積もりが進めやすくなります。
- 生産終了の部品の型番・メーカーと、通知の日付・最終注文の締め切り
- その部品を使っている製品・基板と、これから作る数・保守の期間
- 基板・ソフトを変えてよいか、評価・認定のやり直しにかけられる期間と費用
- 回路図・プログラム・図面などの設計データが残っているか
- 作り直す部品の権利(自社で開発したものか)
- 流通品を買う場合の購入先(メーカーが認めた販売代理店か)
関連する課題
この課題に関係する分野・技術・製品のページ
※アイキャッチ画像は、AI(ChatGPT)で生成したイメージです。実在の製品ではありません。
情報の確認日:2026年10月1日





