工作機械やロボットの可動部で、ケーブルが何度も切れる。コネクターの根元でばかり切れる。振動する機械で、ときどき信号が途切れるのに、点検すると異常がない。こうした症状の多くは、曲げやねじれ、振動の繰り返しで、導体の細い素線が金属疲労を起こして少しずつ切れていくことが原因です。
断線を防ぐ方法は、ケーブルを強いものに替えることだけではありません。曲げ半径と配線を見直す、根元を固定して力を逃がす、実際の動きに近い試験で寿命を確かめる、という方法もあります。まずは次のマトリクスで、自分の課題に近いものと、使える技術を確かめてください。
課題と解決技術のマトリクス
| 課題(症状) | 高屈曲ケーブル(細い素線・高強度の導体) | 耐捻回のロボットケーブル | ケーブルキャリアと配線の工夫 | 端末の固定とストレインリリーフ | 屈曲試験・瞬断の検査 |
|---|---|---|---|---|---|
| A直動軸やケーブルキャリアの中で、繰り返し曲がるケーブルが切れる | ◎ | ◎ | ○ | ||
| Bロボットの関節や旋回部で、ねじれるケーブルが切れる | ○ | ◎ | ○ | ||
| Cコネクターや端子の根元で切れる | △ | ◎ | ○ | ||
| D振動で、一瞬だけ切れる(瞬断する)・やがて切れる | ○ | ◎ | ◎ | ||
| Eどこで、いつ切れるのかわからない・寿命を見積もりたい | ○ | ◎ |
◎ 第一候補○ 有効△ 条件によって有効
※記号は一般的な傾向に基づく目安です。実際に使える方法は、ケーブルの動き方(曲げ・ねじれ・振動)、曲げ半径、動く速さと回数、使う環境(油・温度・切粉)、コストによって異なります。高屈曲ケーブルの「△」は、根元の断線は固定のしかたで決まることが多く、ケーブルを替えるだけでは直らない場合があることを示します。「屈曲試験・瞬断の検査」は、それ自体は断線を防ぎませんが、対策が効いているかを確かめ、切れる場所と時期を知るために使います。
記号の理由と出典(14件)
マトリクスの記号ごとに、理由と出典をまとめました。出典が「編集部の解説」のものは、この記事の本文の説明をもとにした編集部の評価です。症状の記号を押すと、その症状の説明へ移ります。
| 症状 | 技術 | 記号 | 理由 | 出典 |
|---|---|---|---|---|
| A | 高屈曲ケーブル(細い素線・高強度の導体) | ◎ | 細い素線ほど疲労に強く、曲げの繰り返しで切れる素線疲労を直接抑えるため | モガミ電線 |
| A | ケーブルキャリアと配線の工夫 | ◎ | キャリア内のすき間や曲げ半径を整えると、ケーブルが干渉せず曲げのひずみも減るため | 大電 |
| A | 屈曲試験・瞬断の検査 | ○ | 対策が効くかを実際の動きに近い条件で確かめられる。断線そのものは防がない | 編集部の解説 |
| B | 高屈曲ケーブル(細い素線・高強度の導体) | ○ | 曲げとねじれの両方に強い導体なら一定の効果があるが、ねじれ専用ではないため | タツタ電線 |
| B | 耐捻回のロボットケーブル | ◎ | ねじれで乱れやすい線心の撚りが乱れにくい設計のため、旋回部の第一候補 | 編集部の解説 |
| B | 屈曲試験・瞬断の検査 | ○ | ねじれ角度と固定間の長さが実際に近い捻回試験なら寿命を確かめられるため | 編集部の解説 |
| C | 高屈曲ケーブル(細い素線・高強度の導体) | △ | 根元の断線は固定のしかたと圧着で決まることが多く、ケーブルを替えるだけでは直らない場合があるため(条件つき) | 編集部の解説 |
| C | 端末の固定とストレインリリーフ | ◎ | 根元にかかる力を保持部で受け、接続部への負荷を減らせるため | イルメジャパン |
| C | 屈曲試験・瞬断の検査 | ○ | コネクターの根元の屈曲耐久を試験機で確かめられるため | ユアサシステム機器 |
| D | 高屈曲ケーブル(細い素線・高強度の導体) | ○ | 揺すられる部分には細い素線の柔らかいケーブルが有効だが、固定ほどの決め手ではないため | 編集部の解説 |
| D | 端末の固定とストレインリリーフ | ◎ | 端子の挿入不足や固定不良が振動時の瞬断・端子抜けにつながるため、固定と端末の見直しが第一候補 | ナックコーポレーション |
| D | 屈曲試験・瞬断の検査 | ◎ | マイクロ秒の瞬断はテスターで見つからず、振動を加えて監視する検査器が必要なため | ナックコーポレーション |
| E | 耐捻回のロボットケーブル | ○ | メーカーの試験データによる屈曲寿命の算出サービスで寿命を見積もれるため | 大電 |
| E | 屈曲試験・瞬断の検査 | ◎ | 実際に近い条件で試験すれば寿命と切れる場所を確かめられるため | 編集部の解説 |
課題の診断と解決策
直動軸やケーブルキャリアの中で、繰り返し曲がるケーブルが切れる
工作機械や搬送装置の直動軸で、ケーブルキャリアに入れたケーブルが、数か月から数年で切れる。同じ場所で何度も切れる。

- 起きている現象
- ケーブルが曲がるたびに、導体の素線の外側が伸び、内側が縮みます。これが何百万回と繰り返されると、素線が金属疲労で1本ずつ切れていきます。曲げ半径が小さいほど、素線が太いほど、寿命は短くなります。キャリアの中でケーブル同士や内壁がこすれて、外被が傷むこともあります。
- 解決に使える技術
- 高屈曲ケーブル(細い素線・高強度の導体)細い素線を多く撚り合わせた導体や、強い銅合金の導体を使う
- ケーブルキャリアと配線の工夫曲げ半径を守り、ケーブルの間にすき間をとり、長さを適切にする
- 屈曲試験・瞬断の検査実際の曲げ半径とストロークに近い条件で、寿命を確かめる
ケーブルキャリアの曲げ半径は、ケーブルの許容曲げ半径より大きくします。ケーブルが短すぎるとキャリアの中で突っぱり、長すぎると外被が削れたり、ほかのケーブルと干渉したりします。ケーブルを替えるときは、ケーブルとキャリアをセットで見直します。
ロボットの関節や旋回部で、ねじれるケーブルが切れる
多関節ロボットの手首や旋回部を通したケーブルが切れる。外から見ると、ケーブルがらせん状によじれている。

- 起きている現象
- ねじれを繰り返すと、ケーブルの中の絶縁線心の撚りが乱れ、線心が座屈して早く切れることがあります。配線するときにケーブルがねじれていると、同じことが起きやすくなります。
- 解決に使える技術
- 耐捻回のロボットケーブルねじれに耐えるように設計したケーブルを使う。捻回の試験結果で選ぶ
- 高屈曲ケーブル(細い素線・高強度の導体)曲げとねじれの両方に強い導体を使う
- 屈曲試験・瞬断の検査実際のねじれ角度と、固定と固定の間の長さで捻回試験をする
捻回の寿命は、ねじれの角度だけでなく、ねじれる部分の長さ(固定と固定の間の距離)で大きく変わります。メーカーの試験結果を見るときは、角度と長さの両方が自分の使い方に近いかを確かめます。配線のときに、ケーブルをねじらないように取り出して通すことも大切です。
コネクターや端子の根元で切れる
ケーブルの途中ではなく、コネクターや圧着端子のすぐ近くで切れる。引っ張られたり、根元で折れ曲がったりしている。

- 起きている現象
- コネクターや端子の出口は、硬い部分と柔らかいケーブルの境目で、曲げや引っ張りの力が集中します。圧着の不良や、端子がハウジングに半分しか入っていない状態(半挿入)があると、振動で瞬断や端子抜けを起こすこともあります。
- 解決に使える技術
- 端末の固定とストレインリリーフケーブルを保持して、根元の接続部に力がかからないようにする
- 高屈曲ケーブル(細い素線・高強度の導体)根元で曲げが避けられないときは、曲げに強いケーブルにする
- 屈曲試験・瞬断の検査コネクターの接続部分の屈曲試験や、導通・瞬断の検査で確かめる
根元の断線は、ケーブルの種類よりも、固定のしかたと圧着の品質で決まることが多くあります。ケーブルを強いものに替える前に、どこで固定しているか、根元で折れ曲がっていないか、圧着の断面は正しいかを確かめます。コネクターの接点の不具合は、コネクターの接触不良を防ぎたいの課題ページも参考になります。
振動で、一瞬だけ切れる(瞬断する)・やがて切れる
車両や建機、振動する設備で、ときどき信号が途切れる。点検のときには導通があり、原因が見つからない。

- 起きている現象
- 振動で、固定と固定の間のケーブルや、端子の近くが小さく揺すられ続けると、素線が疲労で切れていきます。切れかけた導体や、接触の不安定な端子では、振動の瞬間だけ電気が途切れる「瞬断」が起きます。瞬断はマイクロ秒の単位で起きることもあり、ふつうのテスターでは見つかりません。
- 解決に使える技術
- 端末の固定とストレインリリーフケーブルを適切な間隔で固定し、端子の根元が揺すられないようにする
- 屈曲試験・瞬断の検査振動試験の間、瞬間断線試験器で瞬断を監視して記録する
- 高屈曲ケーブル(細い素線・高強度の導体)揺すられる部分には、細い素線の柔らかいケーブルを使う
素線が少しずつ切れていく途中では、抵抗の上昇はわずかで、抵抗の測定だけでは見つけにくいとされています。振動で起きる不具合は、振動を加えながら瞬断を監視して確かめます。再現しにくい不具合の調べ方は、再現しない不具合の原因を突き止めたいの課題ページも参考になります。
どこで、いつ切れるのかわからない・寿命を見積もりたい
断線してから交換しているが、どこが切れたのかを探すのに時間がかかる。新しい装置で、ケーブルがどれくらいもつのかを知りたい。

- 起きている現象
- ケーブルの寿命は、曲げ半径、素線の太さ、張力、曲げる角度、動く速さなど多くの条件で変わり、カタログの値をそのまま当てはめることはできません。断線した場所は、導通の検査や、パルスの反射を使う TDR という方法で探します。
- 解決に使える技術
- 屈曲試験・瞬断の検査実際の動きに近い条件で屈曲・捻回試験をして、寿命を確かめる
- 耐捻回のロボットケーブルケーブルメーカーに、試験データをもとにした屈曲寿命の算出を頼む
試験の条件(曲げ半径、角度、速さ、張力)が実際と違うと、試験の回数は目安になりません。自分の装置の条件を整理して、試験を頼むか、試験機で確かめます。寿命を見積もる加速試験の考え方は、加速試験で寿命を見積もりたいの課題ページも参考になります。
なぜ、ケーブルは断線するのか
曲げの繰り返しで、素線が金属疲労を起こす
ケーブルの断線には、大きく2つの型があります。1つは、強く引っ張られて導体が伸びて切れる「引張断線」、もう1つは、曲げを繰り返されて導体の素線が疲労で折れる「疲労断線」です。可動部のケーブルで問題になるのは、ほとんどが疲労断線です。
導体の素線を曲げると、曲げの外側が伸び、内側が縮みます。外側の表面のひずみは、おおよそ「素線の直径 ÷(曲げ半径 × 2)」です。この変形が繰り返されると、素線が硬く脆くなり(加工硬化)、小さなき裂が育って折れます。モガミ電線の解説によると、電線の疲労強度は、曲げ半径の2乗に比例し、素線の直径の2乗に反比例します。可動部のケーブルに細い素線が使われるのは、このためです。

出典:モガミ電線「電線の折曲げ強さ」、ナックコーポレーションの検証をもとに AI(Claude)で作成(計算例は説明用の値)
同じ解説では、電線の寿命は張力に反比例し、曲げる角度が大きいほど短くなるとしています。ケーブルを引っ張った状態で動かしたり、大きな角度で折り曲げたりすると、寿命は短くなります。
切れやすいのは、動く部分と動かない部分の境目
断線は、ケーブルがいちばん大きく、またはいちばん集中して変形する場所で起きます。代表的なのは、コネクターや端子の根元、ケーブルキャリアの固定端の出口、キャリアの U 字の曲がり、ロボットの関節です。ケーブルキャリアの中では、ケーブル同士や内壁とのこすれで外被が傷むこともあります。

出典:大電「ロボットケーブルの断線を防ぐ配線時のポイント」などをもとに AI(Claude)で作成
大電は、ロボットケーブルの早期断線を防ぐ配線のポイントとして、ケーブルをねじらないこと、ケーブルの間にすき間をとること、可動部分を固定しすぎないことを挙げています。動く部分を固定すると、固定した所にストレスが集中して、早く切れる原因になります。
断線の原因を切り分ける

切れた導体の断面を見ると、断線の型をかなりはっきり見分けられます。引っ張られて切れた導体には、断面が細く絞られた「絞り」が見られます。曲げの疲労で切れた導体には絞りがなく、断面はぎざぎざした平らな面になり、近くに小さなき裂が多く見られます。
疲労断線なら、どこで、どのように曲げやねじれを受けていたかを調べます。切れた場所が根元なら固定と端末、U 字の曲がりなら曲げ半径、関節ならねじれ、振動する機械なら固定の間隔が、まず見るべき点です。なお、素線が少しずつ切れていく途中では、抵抗の上昇はわずかで、電気的な検査では見つけにくいことに注意が必要です。ナックコーポレーションの検証では、AWG24 のケーブルで芯線が1本になった状態でも、抵抗値の上昇はわずかでした。
出典:電線の折曲げ強さ|モガミ電線、ロボットケーブルの断線を防ぐ配線時のポイント|大電、ハーネスケーブルにおける芯線切れ不良と抵抗値の検証|ナックコーポレーション、ワイヤーハーネス・ケーブルの不良例一覧|ナックコーポレーション
解決技術の詳細
断線を防ぐ方法は、大きく3つに分けられます。ケーブルそのものを強くする方法(高屈曲ケーブル、耐捻回のロボットケーブル)、ケーブルにかかる力を減らす方法(ケーブルキャリアと配線の工夫、端末の固定)、そして試験と検査で確かめる方法です。ケーブルの動き方から、使う技術を選びます。

出典:この記事の内容をもとに AI(Claude)で作成
高屈曲ケーブル(細い素線・高強度の導体)

繰り返し曲げられる場所には、曲げに強く設計した高屈曲ケーブルを使います。基本は、細い素線を多く撚り合わせた導体です。素線が細いほど、同じ曲げでも素線のひずみが小さくなり、疲労に強くなります。ただし、素線を細くしすぎると、キンク(よじれ)が起きやすくなるとされています。
導体の材料を強くする方法もあります。タツタ電線の高力ケーブルは、引張強さが純銅線の約2.2倍の高力銅合金の極細線を導体に使い、曲げとねじれに強くしています。導体のほかに、撚りのピッチ、絶縁体とシース(外被)の材料、シールドの編み方も、屈曲の寿命に関わります。
耐捻回のロボットケーブル

産業用ロボットの関節や旋回部では、ケーブルが曲げだけでなくねじれを受けます。ロボットケーブルは、ねじれを繰り返しても線心の撚りが乱れにくいように設計されています。メーカーは、左右屈曲、捻回、U 字曲げなどの耐久試験で性能を確かめています。
選ぶときは、推奨曲げ半径と、捻回の試験条件(角度と長さ)を確かめます。大電は、推奨曲げ半径を「絶縁線心径の何倍以上、かつ仕上り外径の何倍以上」という2つの条件で決めています。カタログの屈曲回数は、その試験条件でのものなので、自分の使い方と条件が近いかを見ます。
ケーブルキャリアと配線の工夫
直動軸などで動くケーブルは、ケーブルキャリア(ケーブルベヤ、ケーブルベアとも呼ばれます)に収めて、通り道と曲げ半径を決めます。キャリアの曲げ半径は、ケーブルの許容曲げ半径より大きくします。許容曲げ半径の目安はケーブルの種類で違い、橋本興産の一覧では、ケーブルベア・キャリア・リール巻取りで使う場合は、ケーブル外径の10倍としています(メーカーによって数値に差があります)。

キャリアの中の配線も、寿命を左右します。大電は、ケーブルガイドの中でケーブル同士が干渉しないよう、上下方向にケーブル外径の20%(最小2mm)、左右方向に外径の10%(最小1mm)のすき間をとるよう勧めています。仕切り板で分ける方法もあります。ケーブルの長さは、短すぎても長すぎても寿命が短くなるので、動く範囲を無理なくカバーする長さにします。
端末の固定とストレインリリーフ

コネクターや端子の根元を守るのが、ストレインリリーフです。ケーブルに加わる引っ張りなどの力を和らげるための固定部品で、ケーブルを確実に保持して、端子の接続部への負荷を減らします。動く部分と動かない部分の境目では、ケーブルを確実に固定しつつ、固定した所で急に折れ曲がらないようにします。
端末の加工の品質も大切です。圧接の工具の手入れが足りずにケーブルがずれて圧接された、端子のハウジングへの挿入が不十分(半挿入)で振動時に瞬断や端子抜けが起きた、という不良例が報告されています。根元で切れるときは、ケーブルを替える前に、固定と端末加工を見直すのが近道です。
屈曲試験・瞬断の検査
対策が効いているかは、実際の動きに近い条件の試験で確かめます。ケーブルの屈曲試験には、左右屈曲、U 字屈曲、捻回、ケーブルキャリア、移動屈曲、耐震などの種類があります。JIS C 3005 にもゴム・プラスチック絶縁電線の曲げ試験の方法があり、メーカーは独自の条件で耐久試験を行っています。

出典:泉州電業「耐屈曲試験」の試験方法をもとに AI(Claude)で作成
振動で起きる瞬断は、振動を加えながら、瞬間断線試験器で監視して見つけます。断線した場所を探すには、導通の検査のほか、パルスを送り込んで反射が返ってくるまでの時間から、断線などの不連続な点までの距離を求める TDR(時間領域反射法)が使われます。試験の条件をそろえないと、試験の回数は比べられないので、曲げ半径、角度、速さ、張力、ねじれる長さを記録しておきます。

出典:キャブタイヤケーブルの許容曲げ半径と許容張力について|橋本興産、ロボットケーブルの断線を防ぐ配線時のポイント|大電、ロボットケーブルの推奨曲げ半径|大電、高力ケーブル(UL規格対応)|タツタ電線、ケーブルはどのように作られ、何から構成されているのか?|igus、ロボットケーブルの断線対策4つと断線の主なメカニズム・原因を解説|ニューテックス、ストレインリリーフ|イルメジャパン、ワイヤーハーネス・ケーブルの不良例一覧|ナックコーポレーション、耐屈曲試験|泉州電業、JIS C 3005:2014 ゴム・プラスチック絶縁電線試験方法|kikakurui.com、時間領域反射法(TDR)|NovaSolver
ケーブルの断線を防ぐ技術を持つ企業
各企業が解決できる課題と技術の内容を、企業が公開している情報をもとに紹介します。ケーブルを替えたいのか、ケーブルの通り道を整えたいのか、試験や検査で確かめたいのかによって、相談先が変わります。
| 企業 | 解決できる課題 | 種類 | 何ができるか | 合う症状 |
|---|---|---|---|---|
| 大電 | 電線メーカー | 屈曲・捻回に強いロボットケーブルをつくり、ケーブルの屈曲寿命の見積もりにも対応します。 | A 直動軸やケーブルキャリアの中で、繰り返し曲がるケーブルが切れる B ロボットの関節や旋回部で、ねじれるケーブルが切れる E どこで、いつ切れるのかわからない・寿命を見積もりたい | |
| タツタ電線 | 電線メーカー | 高力銅合金の極細線を導体にした、曲げとねじれに強い高力ケーブルをつくります。コネクターの取り付けまで済んだケーブルも扱います。 | A 直動軸やケーブルキャリアの中で、繰り返し曲がるケーブルが切れる B ロボットの関節や旋回部で、ねじれるケーブルが切れる C コネクターや端子の根元で切れる D 振動で、一瞬だけ切れる(瞬断する)・やがて切れる | |
| 椿本チエイン | ケーブルベヤのメーカー | 可動部のケーブル・ホースを収めて守るケーブルベヤをつくります。収納空間を多段に仕切れる形もあります。 | A 直動軸やケーブルキャリアの中で、繰り返し曲がるケーブルが切れる | |
| ユアサシステム機器 | 試験機メーカー | 曲げ・捻り・折りなどを繰り返すケーブル・ハーネスの屈曲試験機をつくります。コネクターの根元や FPC・FFC の試験にも使えます。 | A 直動軸やケーブルキャリアの中で、繰り返し曲がるケーブルが切れる B ロボットの関節や旋回部で、ねじれるケーブルが切れる C コネクターや端子の根元で切れる E どこで、いつ切れるのかわからない・寿命を見積もりたい | |
| ナックコーポレーション | 検査器メーカー | 振動で起きる一瞬の断線を見つける瞬間断線試験器や、ハーネスの検査器をつくります。 | C コネクターや端子の根元で切れる D 振動で、一瞬だけ切れる(瞬断する)・やがて切れる E どこで、いつ切れるのかわからない・寿命を見積もりたい |
大電株式会社|屈曲・捻回に強いロボットケーブルと寿命の算出
大電とは
大電は、福岡県久留米市に本社を置く、1951年創業の電線・ケーブルと電力用機器などのメーカーです(従業員480名)。FAロボット電線事業として、産業用ロボットや工作機械の可動部に使うロボットケーブルを手がけています。

出典:ロボットケーブルの耐久試験と屈曲寿命算出、推奨曲げ半径|大電の公開情報をもとに AI(Claude)で作成
大電の得意技術
| 技術 | 内容 |
|---|---|
| ロボットケーブル | 推奨曲げ半径を、絶縁線心径と仕上り外径の両方から決めている。RMFEV・RMCV シリーズは「絶縁線心径の33倍以上、かつ仕上り外径の6倍以上」。推奨曲げ半径で実施した耐久試験では2,000万回以上の結果を確認しているとしている |
| RM205シリーズ | 小さい曲げ半径でも耐久性を持つシリーズ。推奨曲げ半径は「絶縁線心径の20倍以上、かつ仕上り外径の5倍以上」。同社の比較試験では、左右屈曲(R=15mm)で1億回以上、捻回(L=100mm、±180°)で1億6,000万回以上 |
| 耐久試験と寿命の算出 | 左右屈曲試験機26台、捻回試験機29台、U字曲げ試験機22台を持ち、同社のロボットケーブルの耐久試験を受ける。蓄積した試験データをもとにした寿命シミュレーションソフトで、屈曲寿命を算出するサービスもある |
同社は、配線のしかたによる早期断線を防ぐポイントとして、ケーブルをねじらずに取り出して配線すること、ケーブルガイドの中でケーブルの間にすき間をとること、固定は必要最低限にすることを公開しています。
大電が解決できる課題
- ロボットの関節や旋回部で、ケーブルがねじれて切れる
- 小さな曲げ半径で使わざるをえず、今のケーブルでは寿命が足りない
- 実機に組み込む前に、ケーブルの屈曲寿命を見積もりたい
出典:ロボットケーブルの耐久試験と屈曲寿命算出|大電、ロボットケーブルの推奨曲げ半径|大電、ロボットケーブルの断線を防止する配線のポイント|大電、会社概要|大電
タツタ電線株式会社|高力銅合金を導体にした高力ケーブル
タツタ電線とは
タツタ電線は、大阪府東大阪市に本社を置く、1945年設立の電線・ケーブル、電子材料のメーカーです(従業員739名、2026年3月31日現在)。JX金属のグループ会社です。

出典:高力ケーブル(UL規格対応)|タツタ電線の公開情報をもとに AI(Claude)で作成
タツタ電線の得意技術
| 技術 | 内容 |
|---|---|
| 高力ケーブル(UL規格対応) | 独自の「高力銅合金」を導体に使った FA・ロボット用ケーブル。導体は耐屈曲性・耐捻回性にすぐれた高力銅合金の極細線で、引張強さは純銅線の約2.2倍 |
| 絶縁体・シールド・シース | 絶縁体は耐熱性ビニル、架橋ポリエチレンのほか、曲げに強い ETFE(ふっ素樹脂)を用意。シールドは高耐屈曲性・可とう性など用途に合わせて選べる。シースは耐熱・耐油・低摩擦性ビニルが標準で、耐溶接火花性・難燃性、耐シンナー性、低アウトガス性の特殊シースもある |
| ケーブル端末加工 | グループ会社で、ケーブルの設計・製造から、成形加工やコネクターの取り付けなどの端末加工までを一貫生産している |
高力ケーブルは、グループ会社のタツタ立井電線が扱っています。UL 規格の認証を取得し、RoHS 指令に適合、ハロゲンフリーにも対応できるとしています。
タツタ電線が解決できる課題
- 可動部のケーブルの導体が、繰り返しの曲げやねじれで切れる
- 溶接の火花や油、シンナーがかかる環境で、ケーブルの外被も守りたい
- コネクターの取り付けまで済んだケーブルを調達したい
出典:高力ケーブル(UL規格対応)|タツタ電線、ケーブル端末加工|タツタ電線、会社概要|タツタ電線
株式会社椿本チエイン|ケーブルを守るケーブルベヤ
椿本チエインとは
椿本チエインは、大阪市北区に本社を置く、1917年創業(1941年設立)の動力伝動装置などのメーカーです(従業員数 連結12,228名、2026年3月31日現在)。チェーンや減速機のほか、動く機械のケーブル・ホースを収めて守る「ケーブルベヤ」を手がけています。

出典:ケーブルベヤ TKP形|椿本チエイン、自動選定ツールの公開情報をもとに AI(Claude)で作成
椿本チエインの得意技術
| 技術 | 内容 |
|---|---|
| ケーブルベヤ TKP形 | プラスチック製で軽量・エコノミーなケーブルベヤ。小形から大形まで全16種類のサイズがある。ピンを穴にはめ込む連結構造で、切り継ぎが容易 |
| 多段仕切り・MW仕様 | TKP35H22〜TKP125H74(一部サイズを除く)は収納空間を多段に仕切れる。MW仕様は摺動性の高い材料で、ケーブル・ホースの外被膜の摩耗を防ぎ、こすれて出る摩耗粉を減らす |
| ケーブルベヤ自動選定ツール | ケーブルベヤのリンク数の計算や配線のレイアウトなどの選定作業を、パソコンで行えるツールを公開している |
椿本チエインが解決できる課題
- 直動軸などの可動部で、ケーブルやホースが暴れたり、こすれたりして傷む
- ケーブル同士の干渉を防ぐため、収納空間を仕切りたい
- ケーブルベヤの大きさや配線のレイアウトを、早く正確に決めたい
出典:ケーブルベヤ TKP形・TKP形MW仕様|椿本チエイン、ケーブルベヤ自動選定ツール|椿本チエイン、会社概要|椿本チエイン
ユアサシステム機器株式会社|ケーブル・ハーネスの屈曲試験機
ユアサシステム機器とは
ユアサシステム機器は、岡山市北区に工場と研究所を置く、1995年設立の耐久試験機のメーカーです(資本金6,000万円)。「曲げる」「捻る」「折る」「巻く」「押す引く」といった動きを繰り返す耐久試験機を手がけています。

ユアサシステム機器の得意技術
| 技術 | 内容 |
|---|---|
| 屈曲試験[Φ220面板仕様] | ケーブルやハーネス、素線、細線などの屈曲耐久試験ができる卓上型の試験機。最大±180°まで屈曲でき、曲げRは R7〜R50 に変えられる |
| 試験の速さ | 直径10mm程度のケーブルで、±90°なら120r/min、±180°なら60r/min(サンプルと屈曲角度によって変わる) |
| 試験できるもの | JIS 規格に準拠した錘張力によるケーブルの屈曲試験のほか、幅50mmまでの FFC・FPC などの帯状のサンプルにも対応。曲げRを使わず、家電製品などのコネクター接続部分の屈曲試験もできる |
ユアサシステム機器が解決できる課題
- 新しいケーブルや配線の方法を、組み込む前に自社で屈曲試験したい
- コネクターの根元や FPC・FFC の屈曲耐久を確かめたい
- JIS 規格に準拠した屈曲試験を行いたい
出典:屈曲試験[Φ220面板仕様]|ユアサシステム機器、会社概要|ユアサシステム機器
株式会社ナックコーポレーション|瞬間断線試験器・ハーネス検査器
ナックコーポレーションとは
ナックコーポレーションは、神奈川県海老名市に本社を置く、1985年設立のハーネス検査器のメーカーです(資本金1,000万円)。ハーネスチェッカー、ハーネステスタ、瞬間断線試験器などの設計・開発・製造・販売を行っています。

ナックコーポレーションの得意技術
| 技術 | 内容 |
|---|---|
| 瞬間断線試験器 NMS10 | 0.1μs という短い瞬間断線を検知できる。瞬断検知幅は0.1μs〜99.9μsで設定でき、最大10チャンネル。1秒〜999時間59分59秒の長時間の監視と記録ができる |
| 用途 | 振動にさらされる機器(自動車・航空機・鉄道・建機・船舶など)向けのコネクターやハーネスの試験や解析に使われている。無償の PC ソフト MD analyzer で、瞬断の現象をグラフで確かめられる |
| ハーネス検査器 | 導通、抵抗、瞬間断線、耐圧、絶縁抵抗の試験を行う検査器をそろえる。量産ラインで OK/NG を判定する機種もある |
同社は、AWG24 のケーブルで、芯線(素線)が1本になった状態でも抵抗値の上昇はわずかで、抵抗の測定で断線しかけたケーブルを NG と判定するのは難しいという検証結果を公開しています。
ナックコーポレーションが解決できる課題
- 振動で起きる、一瞬だけの断線(瞬断)を見つけたい
- ハーネスやコネクターの振動試験で、断線の起きた時刻と回数を記録したい
- 量産ラインで、断線や誤配線を検査したい
出典:瞬間断線試験器 NMS10|ナックコーポレーション、瞬間断線試験器/アナライザ|ナックコーポレーション、ハーネスケーブルにおける芯線切れ不良と抵抗値の検証|ナックコーポレーション、会社概要|ナックコーポレーション
選ぶ前に確かめる条件
メーカーに相談する前に、次の条件を整理しておくと、話が早くなります。
- 切れた場所(コネクターの根元、固定端、キャリアの中、関節など)と、切れるまでの期間や動作の回数
- ケーブルの動き方:曲げ(左右・U字)、ねじれ、振動のどれか。曲げ半径、ねじれの角度と長さ、ストローク、速さ、加速度
- 今のケーブルの仕様:導体のサイズと素線の構成、心数、シールドの有無、外径、定格電圧・温度、規格(UL など)
- 切れた導体の断面:絞りがあるか(引っ張り)、ぎざぎざの平らな面か(疲労)
- 配線と固定:ケーブルキャリアの種類と曲げ半径、ケーブル同士のすき間、固定の場所と間隔、ストレインリリーフの有無
- 使う環境:油、切粉、溶接の火花、温度、屋外かどうか
- 目標の寿命(動作回数や年数)と、確かめる方法(屈曲試験、瞬断の監視、実機での試験)
- 数量と時期:試作の数、量産の時期、既存のケーブルからの置き換えか
関連する課題
この課題に関係する分野・技術・製品のページ
※アイキャッチ画像は、AI(ChatGPT)で生成したイメージです。実在の製品ではありません。
情報の確認日:2026年9月29日





