操作パネルの画面に照明が映り込んで読みにくい。レンズの枚数を増やしたら像が暗くなり、明るい光源のまわりにゴーストが出る。センサーが、ないはずの光を拾って誤検出する。こうした悩みは、光が物の表面で反射することと、反射した光が行ってほしくない所へ届くことから起きている場合があります。
反射を抑える方法は、表面に薄い膜を付けて反射を打ち消す反射防止膜、光の波長より細かい突起で反射を減らすモスアイ構造、表面の凹凸で反射を散らすアンチグレア(AG)、機器の中の不要な光を吸収する黒色材料、そして光の経路を計算して対策する光学設計の、大きく5つです。まずは次のマトリクスで、自分の課題に近いものと、使える技術を確かめてください。
課題と解決技術のマトリクス
| 課題(症状) | 反射防止膜(多層膜) | モスアイ構造 | アンチグレア(AG) | 低反射の黒色材料 | 光学設計・迷光解析 |
|---|---|---|---|---|---|
| A画面やカバーガラスに、照明や外の光が映り込む | ◎ | ○ | ○ | ||
| Bレンズや窓を通る光が減る・ゴーストが出る | ◎ | ○ | △ | ○ | |
| C機器の中の迷光で、誤検出や像のコントラスト低下が起きる | ○ | ◎ | ○ | ||
| D斜めから見ても、広い波長でも反射を抑えたい | ○ | ◎ | △ | ||
| E光を必要な方向・波長だけに使いたい | ○ | △ | ◎ |
◎ 第一候補○ 有効△ 条件によって有効
※記号は一般的な傾向に基づく目安です。実際に使える方法は、波長、入射角、基材(ガラス・樹脂)、使う環境(屋外、熱、こすれ、汚れ)、大きさ、数量、予算によって異なります。「低反射の黒色材料」の「△」(症状B)は、鏡筒などの内面の反射によるフレアには効くものの、レンズの面どうしの反射によるゴーストには効かないことを、「アンチグレア」の「△」(症状D)は、映り込みの輪郭をぼかすもので、反射する光の量そのものを減らす方法ではないことを、同じく「△」(症状E)は、光を拡散させてならす用途(照明のカバーなど)に限られることを示します。
記号の理由と出典(16件)
マトリクスの記号ごとに、理由と出典をまとめました。出典が「編集部の解説」のものは、この記事の本文の説明をもとにした編集部の評価です。症状の記号を押すと、その症状の説明へ移ります。
| 症状 | 技術 | 記号 | 理由 | 出典 |
|---|---|---|---|---|
| A | 反射防止膜(多層膜) | ◎ | 膜の干渉で反射する光の量を減らせ、映り込みの根本対策になるため。公開値では広い波長で平均0.1%程度まで下がる | 日本真空光学 |
| A | モスアイ構造 | ○ | 微細な突起で反射を抑えるため、斜めから見る画面の映り込みにも有効 | ジオマテック |
| A | アンチグレア(AG) | ○ | 表面の凹凸で映り込みをぼかせるため有効。反射そのものは減らさない | NSC |
| B | 反射防止膜(多層膜) | ◎ | レンズ各面の反射を減らせば、透過する光が増えてゴーストの原因も減るため第一候補 | 日本真空光学 |
| B | モスアイ構造 | ○ | 反射が起きにくい構造なので反射は減らせるが、レンズのゴーストへの効果は本文では直接触れていない | ジオマテック |
| B | 低反射の黒色材料 | △ | 鏡筒内面のフレアには効くが、レンズ面どうしの反射によるゴーストには効かない。条件つき | 編集部の解説 |
| B | 光学設計・迷光解析 | ○ | 2回反射した光が像に届かないよう、レンズの形や配置を直してゴーストを減らせるため | 光学レンズ設計.com |
| C | 反射防止膜(多層膜) | ○ | センサーの窓の反射を減らして誤動作を防げるが、迷光の主対策ではないため補助 | 安達新産業 |
| C | 低反射の黒色材料 | ◎ | 鏡筒の中で当たった光を吸収し、迷光そのものを減らせるため第一候補 | 光陽オリエントジャパン |
| C | 光学設計・迷光解析 | ○ | 迷光の原因がレンズの面か鏡筒かを設計の段階で切り分け、対策できるため | LABOPT |
| D | 反射防止膜(多層膜) | ○ | 多層膜で広い波長に対応できるが、入射角が大きいと偏光による差が出るため、角度を考えた設計が条件 | ニデック |
| D | モスアイ構造 | ◎ | 干渉に頼らず屈折率をなだらかに変えるため、斜めからでも反射を低く保てて第一候補 | ジオマテック |
| D | アンチグレア(AG) | △ | 映り込みの輪郭をぼかすだけで、反射する光の量は減らさないため、条件つき | 編集部の解説 |
| E | 反射防止膜(多層膜) | ○ | 多層膜で特定の波長だけを通す・はね返せるため、波長を選ぶ用途で有効 | 編集部の解説 |
| E | アンチグレア(AG) | △ | 光を拡散させてならす用途(照明のカバーなど)に限り有効 | NSC |
| E | 光学設計・迷光解析 | ◎ | 光の経路を計算し、照射範囲や照度のむらをレンズで制御できるため第一候補 | LABOPT |
課題の診断と解決策
画面やカバーガラスに、照明や外の光が映り込む
操作パネルの画面に、天井の照明や窓の外の景色が映って読みにくい。屋外で使う表示器が、日なたでは見えない。

- 起きている現象
- ガラスや透明な樹脂の表面では、入ってくる光の一部が鏡のように反射します。ガラス(屈折率約1.5)では、1面あたり約4%です。画面の光よりも周りの光のほうが明るいと、この数%の反射でも映り込みが目立ちます。
- 解決に使える技術
- 反射防止膜(多層膜)干渉で、反射する光の量そのものを減らす
- モスアイ構造微細な突起で、広い波長・角度で反射を減らす
- アンチグレア(AG)表面の凹凸で反射を散らし、映り込みの輪郭をぼかす
AR は映り込みを暗くし、AG は映り込みをぼかします。AG は画面の光も散らすので、ヘイズを上げすぎると像がぼやけます。屋外で使うなら、熱・紫外線・こすれへの強さも比べます。
レンズや窓を通る光が減る・ゴーストが出る
レンズの枚数を増やしたら、像が暗くなった。明るい光源を写すと、光源の形をした像(ゴースト)や全体のかぶり(フレア)が出る。

- 起きている現象
- 反射防止をしないガラスでは、面を1つ通るたびに約4%ずつ光が減ります。減った光の一部は、ほかの面で反射し直して、本来と違う経路で像に届きます。これがゴーストやフレアの主な原因です。
- 解決に使える技術
- 反射防止膜(多層膜)レンズの各面の反射を減らし、透過する光を増やす
- 光学設計・迷光解析2回反射した光が像に集まらないよう、レンズの形と配置を直す
- 低反射の黒色材料鏡筒の内面の反射によるフレアを減らす
膜の性能は、設計した波長と入射角の近くで最もよくなります。使う光源の波長と、光が入る角度を先に決めてから、膜の仕様を相談します。
機器の中の迷光で、誤検出や像のコントラスト低下が起きる
センサーが、ないはずの光を拾って誤検出する。カメラの像が白っぽく、コントラストが出ない。分光の測定値が安定しない。

- 起きている現象
- 迷光は、光学機器の鏡筒の中などで起きる、不要な光の散乱や反射です。視野の外から入った光が、鏡筒の内面や部品の縁で反射して、センサーに届きます。測定の装置では、測定値の誤差の原因にもなります。
- 解決に使える技術
- 低反射の黒色材料内面に貼る・塗るなどして、当たった光を吸収させる
- 光学設計・迷光解析光線追跡で迷光の経路を見つけ、バッフル(遮光の絞り)などで断つ
- 反射防止膜(多層膜)センサーの窓やレンズの面での反射を減らす
黒く見える材料でも、近赤外では光を多く反射するものがあります。赤外のセンサーやレーザーを使うなら、その波長での反射率で選びます。
斜めから見ても、広い波長でも反射を抑えたい
車載の画面やショーケースを、斜めから見ると映り込みが残る。反射防止をしたのに、見る角度によって反射の色が変わる。

- 起きている現象
- 反射防止膜は光の干渉を使うので、効き方が波長と入射角で変わります。入射角が大きくなると、偏光(P・S)による差も大きくなります。可視光の全体で、斜めからも反射を抑えたいときは、干渉に頼らない方法も候補になります。
- 解決に使える技術
- モスアイ構造屈折率をなだらかに変え、波長と角度の影響を受けにくくする
- 反射防止膜(多層膜)層の数を増やし、入射角も考えて設計する
モスアイ構造は、表面の微細な突起が性能を生むので、指紋などの汚れやこすれに注意が要ります。拭き取りの方法や、摺動試験の値を確かめます。
光を必要な方向・波長だけに使いたい
照明の光を、必要な範囲にむらなく当てたい。カメラに、赤外線や特定の色の光を入れたくない。

- 起きている現象
- 光を決まった方向に向けるにはレンズや反射鏡、ならすには拡散、特定の波長だけを通すには多層膜のフィルターを使います。どれを組み合わせるかは、光源から受光部までの光の経路を計算して決めます。
- 解決に使える技術
- 光学設計・迷光解析光源から受光部までの光の経路を計算し、レンズや導光の形を決める
- 反射防止膜(多層膜)多層膜で、特定の波長だけを通す・はね返す
- アンチグレア(AG)表面の凹凸で光を拡散させ、照明のむらをならす
光学設計は、光源の特性(配光、波長)と、部品の材料の特性(屈折率、散乱)のデータがそろっているほど、試作の前に正しく見積もれます。
なぜ、光は反射するのか
屈折率が変わる境目で、光の一部がはね返る

光は、屈折率の違う物質の境目を通るとき、一部が反射します(フレネル反射)。反射の大きさは、屈折率の差と入射角で決まります。東海光学の解説では、空気からガラスに垂直に入るとき、ガラス(屈折率1.5)の1面の反射率は約4%です。ガラス板なら入る側と出る側の2面で約8%が反射し、通り抜けるのは約92%になります。

フレネルの式による計算例。吸収は無視。ガラスの約4%は東海光学「光学薄膜とは」の記載とも一致。AI(Claude)で作成
面の数が増えるほど、失われる光は増えます。レンズを何枚も組み合わせた光学系では、反射した光がほかのレンズの面で反射し直し、本来と違う経路で像に届きます。光源の形の像が別の位置に出るのがゴースト、全体がかぶってモヤがかかるのがフレアです。
反射した光が、機器の中をさまよう(迷光)
反射はレンズの面だけでなく、鏡筒の内面、部品の縁、ねじの頭など、あらゆる面で起きます。光学機器の中で起きる、不要な光の散乱や反射を迷光といいます。カメラではフレアやゴーストになり、写真全体が白っぽくなります。分光光度計のような測定の装置では、測定値の誤差の原因になります。

出典:EBINAX「迷光とは何ですか?」、光学レンズ設計.comの説明をもとに AI(Claude)で作成
反射の対策は、「反射させない」(反射防止膜・モスアイ)、「反射した光を散らす」(AG)、「反射した光を吸収する」(黒色材料)、「反射した光が届かない経路にする」(光学設計)の4つの考え方に分けられます。どの考え方が合うかは、困りごとによって変わります。
出典:フレネル反射|ファイバーラボ、光学薄膜とは|東海光学、ゴースト・フレアの発生メカニズムと対策|光学レンズ設計.com、迷光とは何ですか?|EBINAX
解決技術の詳細
反射の対策は、表面で反射を減らすもの(反射防止膜、モスアイ構造)、反射の見え方を変えるもの(AG)、機器の中で光を吸収するもの(黒色材料)、光の経路そのものを設計するもの(光学設計)に分かれます。まず、困りごとから候補を絞ります。

出典:この記事の内容をもとに AI(Claude)で作成
反射防止膜(多層膜)
反射防止膜(AR コート)は、ガラスなどの表面に、光の波長よりずっと薄い膜を付けて、膜の表面での反射と、膜と基材の境での反射を干渉させて打ち消すものです。単層の膜では、膜の光学的な厚さ(屈折率×厚さ)を波長の1/4 にすると反射が最も小さくなり、膜の屈折率が「空気の屈折率×基材の屈折率」の平方根に等しいとき、理論上は、その設計した波長で反射をゼロにできます(実際には、ちょうどその屈折率をもつ材料は少ないため、多層膜などで近づけます)。

出典:東海光学「光学薄膜とは」の説明をもとに AI(Claude)で作成
東海光学の解説では、屈折率1.38 のフッ化マグネシウムを約0.1μm 付けると、反射率が4%から1.41%に下がるとしています。ただし、単層では反射を減らせる波長が限られます。そこで、屈折率の違う材料を何層も重ねた多層膜にして、広い波長で反射を抑えます。日本電気硝子は、高性能な AR の視感反射率を0.3%未満とし、同社の「見えないガラス」では0.1%未満としています。日本真空光学も、可視光域で平均0.1%以下の値を公開しています。

特性マトリクス法による計算。膜の分散・吸収は無視した理想的な値で、実際の製品の特性ではありません。AI(Claude)で作成
膜の性能は、入射角でも変わります。ニデックの解説では、一般には入射角0°で検討するが、入射角が大きくなると P 偏光と S 偏光の差が顕著になるとしています。成膜の方法には、多層の膜を作りやすく速い真空蒸着と、密度の高い膜ができて再現性の高いスパッタリングがあります。使う光の波長の範囲と、光が入る角度を先に決めることが、膜を選ぶ出発点です。
モスアイ構造
モスアイ(蛾の目)構造は、蛾の目の表面にある微細な突起をまねたものです。可視光の波長より細かい間隔で突起を並べると、光から見て、空気から基材まで屈折率がなだらかに変わる層になります。屈折率に急な段差がないので、反射が起きにくく、干渉を使う反射防止膜と比べて波長や入射角の影響を受けにくいのが特長です。

出典:ジオマテック「モスアイ構造」の説明をもとに AI(Claude)で作成(形と寸法は模式)
三菱ケミカルのモスアイ型反射防止フィルム「モスマイト」は、黒色アクリル板に貼って測った代表値で、視感反射率0.1〜0.2%としています。一方で、ジオマテックの解説によると、従来のモスアイ構造は強度が弱く、指紋がつきやすいという課題がありました。今はナノインプリントの技術でフィルムに転写して量産する方法が使われています。選ぶときは、汚れの拭き取り方と、こすれへの強さを確かめます。
アンチグレア(AG)
アンチグレア(防眩)は、表面に微細な凹凸をつけて、反射した光を散らす(乱反射させる)方法です。大日本印刷の解説では、AR は光の干渉で反射光を減らし、AG は光の乱反射で外光の映り込みを抑えるとし、AR の膜の厚さは100nm 程度、AG の層は数μm としています。

出典:大日本印刷「ARコーティングとは」の説明をもとに AI(Claude)で作成
AG は、映り込んだ照明の輪郭をぼかして目立たなくします。ただし、反射した光は散らばるだけで、なくなるわけではありません。凹凸を強くしてヘイズ(くもりの度合い)を上げるほど映り込みはぼけますが、画面の像も散らされて、にじんだり白っぽく見えたりします。映り込みの輪郭を消したいなら AG、反射そのものを減らしたいなら AR、両方がほしいなら組み合わせを検討します。
低反射の黒色材料

機器の中の迷光には、光が当たる面を、光を吸収する黒い材料にします。黒色の塗装、植毛紙や起毛布、黒い樹脂のフィルム、黒色のめっきなどがあります。表面を細かく荒らすと、反射した光も散らばって、特定の方向に強く返りにくくなります。
注意したいのは波長です。目で見て黒い材料でも、近赤外では光を多く反射するものがあります。赤外線のセンサーや、近赤外のレーザーを使う機器では、その波長での反射率を確かめて材料を選びます。貼るか、塗るかは、部品の形と、使う温度・真空などの環境で決めます。
光学設計・迷光解析

迷光やゴーストがどこから来るかは、光学設計のソフトで光線を追跡して調べられます。光学レンズ設計.com の解説では、ゴーストのシミュレーションで、2回反射した光が像面の外に逃げるか、像面でぼけるように、レンズの形や配置を調整するとしています。鏡筒での反射によるフレアには、遮光の絞り(バッフル)や遮光線を入れます。
光学設計は、反射を抑えるだけでなく、光を必要な所へ届ける設計にも使います。照明なら照射範囲と照度のむら、導光なら光の取り出し方、カメラなら不要な波長を落とすフィルターの位置などを、試作の前に見積もれます。試作を作ってから迷光に気づくと、鏡筒や部品の作り直しが必要になることがあります。設計の段階で経路を確かめておくと、手戻りを減らせます。
出典:光学薄膜とは|東海光学、反射防止膜(ARコーティング)|ウシオ電機、ARコートの基礎知識|ニデック、見えないガラス|日本電気硝子、反射防止膜|日本真空光学、モスアイ構造|ジオマテック、モスマイト|三菱ケミカル、ARコーティングとは|大日本印刷、ゴースト・フレアの発生メカニズムと対策|光学レンズ設計.com、反射防止材の選定ガイド|暗素研
反射防止・光の制御の技術を持つ企業
各企業が解決できる課題と技術の内容を、企業が公開している情報をもとに紹介します。反射そのものを膜で減らしたいのか、斜めからの映り込みをフィルムで抑えたいのか、ガラスの映り込みをぼかしたいのか、機器の中の迷光を吸収したいのか、設計の段階で迷光の経路を断ちたいのかによって、相談先が変わります。
| 企業 | 解決できる課題 | 種類 | 何ができるか | 合う症状 |
|---|---|---|---|---|
| 日本真空光学 | 光学薄膜 | 多層の反射防止膜。カバーガラスやセンサーの窓の反射を広い波長で下げ、組みレンズのゴーストを減らす。 | A 画面やカバーガラスに、照明や外の光が映り込む B レンズや窓を通る光が減る・ゴーストが出る C 機器の中の迷光で、誤検出や像のコントラスト低下が起きる D 斜めから見ても、広い波長でも反射を抑えたい E 光を必要な方向・波長だけに使いたい | |
| 安達新産業 | 受託成膜 | 多層膜の受託成膜。樹脂の部品やカバー、赤外線センサーの窓に反射防止膜を付ける。 | A 画面やカバーガラスに、照明や外の光が映り込む B レンズや窓を通る光が減る・ゴーストが出る | |
| ジオマテック | 薄膜・フィルム | モスアイ構造のフィルム。斜めから見る画面やショーケースの映り込みを抑える。 | A 画面やカバーガラスに、照明や外の光が映り込む D 斜めから見ても、広い波長でも反射を抑えたい | |
| NSC | ガラス加工 | ガラスの表面に直接 AG(防眩)加工。屋外や明るい所の画面の映り込みをぼかし、照明のカバーで光を拡散させる。 | A 画面やカバーガラスに、照明や外の光が映り込む E 光を必要な方向・波長だけに使いたい | |
| 光陽オリエントジャパン | 黒色材料 | 低反射の黒色材料(暗素研)。カメラやセンサーの鏡筒の中の迷光を減らす。 | C 機器の中の迷光で、誤検出や像のコントラスト低下が起きる | |
| LABOPT | 光学設計 | 光学機器の設計・試作。ゴーストやフレア、迷光の原因を設計の段階で調べ、照射範囲や照度のむらをレンズで制御する。 | B レンズや窓を通る光が減る・ゴーストが出る C 機器の中の迷光で、誤検出や像のコントラスト低下が起きる E 光を必要な方向・波長だけに使いたい |
日本真空光学株式会社|多層の反射防止膜
日本真空光学とは
日本真空光学は、東京都千代田区に本社を置く、1960年設立の会社です(資本金2億1,000万円、従業員104名。工場は静岡県御殿場市)。薄膜加工による光学部品の製造・販売を行い、AGC グループの一員です。

日本真空光学の得意技術
| 技術 | 内容 |
|---|---|
| 干渉で反射を減らす | 誘電体の薄膜を単層または多層にして、光の干渉で表面の反射を減らす。効かせる波長の帯域は、膜厚・層の数・材料の組み合わせで選べるとしている |
| 公開している特性の例 | 可視光域(420〜680nm)で平均反射率0.1%以下の AR コート、近赤外(1550nm)で反射率0.01%以下の AR コート、入射角45度で P・S 偏光を考えたワイド AR・ナロー AR |
| 紫外から赤外まで | 紫外線から赤外線の領域まで対応し、ガラスや赤外線結晶材料(CaF₂、Si、ZnSe)に成膜できる。レンズの曲面やファイバーの端面にも付けられるとしている |
用途として、カバーガラス、組みレンズのゴースト防止、センサーウインドウ、光ファイバー、レーザー加工機、車載カメラ、LiDAR、半導体露光装置などを挙げています。
日本真空光学が解決できる課題
- カバーガラスやセンサーの窓の反射を、広い波長で0.1%程度まで下げたい
- 組みレンズのゴーストを減らしたい
- レーザーや赤外の波長に合わせた反射防止膜がほしい
安達新産業株式会社|多層膜の受託成膜
安達新産業とは
安達新産業は、大阪市西区に本社を置く会社です(1918年創業、1964年設立、資本金1,000万円。工場は大阪府東大阪市)。多層膜の成膜技術を得意とし、光学薄膜の設計から成膜・検査までを自社で行っています。

安達新産業の得意技術
| 技術 | 内容 |
|---|---|
| 多層膜の成膜 | 40年以上の光学薄膜の設計・成膜の実績があり、紫外・可視・近赤外・中赤外に対応するとしている |
| 基板を選ばない | ガラスだけでなく、樹脂の基板や半導体の基板にも反射防止膜を成膜できるとしている |
| 小ロット・試作 | 個別の設計から成膜・検査まで自社で一貫して対応し、小ロット・試作にも対応するとしている |
解説ページでは、用途として LiDAR・赤外線センサー・自動運転車のカメラ、液晶画面の映り込み防止、眼鏡・カメラ、太陽電池、医療用スコープ、プロジェクターを挙げています。
安達新産業が解決できる課題
- 樹脂の部品やカバーに、反射防止膜を付けたい
- 赤外線センサーの窓の反射を減らして、誤動作を防ぎたい
- 少ない数の試作から、膜の設計を相談したい
出典:反射防止膜を徹底解説します!|安達新産業、匠の光学薄膜|安達新産業、会社概要|安達新産業
ジオマテック株式会社|モスアイ構造フィルム
ジオマテックとは
ジオマテックは、横浜市西区に本社を置く、1953年設立の会社です(資本金40億4,385万円、従業員296名、東京証券取引所スタンダード市場に上場)。薄膜の技術をもとに、反射防止膜やモスアイ構造のフィルムを手がけています。

出典:g.moth|ジオマテックの記載をもとに AI(Claude)で作成(形は模式)
ジオマテックの得意技術
| 技術 | 内容 |
|---|---|
| g.moth(モスアイ構造フィルム) | 東京理科大学と共同開発した転写版の技術で、ロール to ロールで量産するモスアイ構造のフィルム。平均反射率(400〜700nm)は TAC ベースで0.3%以下(PET ベースは1.0%以下) |
| 斜めからと、汚れ・こすれ | TAC ベースのフィルムをガラスの両面に貼ると視感反射率は約0.5%(ガラスのみは約4%)。斜め約50°でも反射率1%以下(550nm)。水の接触角は130°以上、ガーゼ4.9N で2万回の摺動試験の値を公開している |
| AR コート | 平面・曲面のガラスに AR コートを付けられ、センサーやレーザーの波長に合わせた設計もできるとしている |
g.moth の用途として、デジタルサイネージ、ショーケース、絵画の額、船舶の窓などを挙げています。
ジオマテックが解決できる課題
- 斜めから見る画面やショーケースの映り込みを抑えたい
- モスアイの弱点だった、こすれや汚れへの強さがほしい
- 幅600mm までのフィルムで、画面やショーケースの反射を抑えたい
出典:g.moth|ジオマテック、AR コーティング|ジオマテック、会社概要|ジオマテック
株式会社NSC|ガラスのケミカルAG加工
NSCとは
NSC は、大阪府豊中市に本社を置く会社です(1964年創業、1971年設立、資本金4,550万円、従業員250人)。ガラスの薬液による加工を行い、ガラスの表面に直接 AG(防眩)加工をしています。

NSCの得意技術
| 技術 | 内容 |
|---|---|
| ケミカル AG 加工 | ガラスの表面に薬液で直接加工し、微細な凹凸をつくって防眩性を持たせる。ヘイズ(くもりの度合い)は1〜90%の範囲で制御でき、対応サイズは730mm×920mm まで |
| ガラスそのものを加工 | 樹脂や膜で付ける方法と比べ、耐熱600℃以上、鉛筆硬度9H 以上で、耐 UV・耐薬品性にすぐれるとしている |
| 組み合わせ | オプションとして化学強化(後強化)、湾曲、印刷に対応する |
用途として、車載・産業用のディスプレイのカバーガラス、LED 照明の拡散カバー、窓ガラス、太陽電池を挙げています。
NSCが解決できる課題
- 屋外や明るい所で、画面への照明や太陽の映り込みをぼかしたい
- フィルムやコーティングでは、熱・紫外線・傷への強さが足りない
- 照明のカバーで光を拡散させたい
光陽オリエントジャパン株式会社|迷光対策の黒色材料
光陽オリエントジャパンとは
光陽オリエントジャパンは、埼玉県上尾市に本社を置く、2002年設立の会社です(資本金3,000万円、従業員34名)。光学機器用の機構資材を扱い、低反射の黒色材料をブランド「暗素研」で展開しています。

暗素研「反射防止材の選定ガイド」の比較表から抜き出して作図。AI(Claude)で作成
光陽オリエントジャパンの得意技術
| 技術 | 内容 |
|---|---|
| 波長ごとの反射率を公開 | スポンジシート、起毛布(植毛布)、塗料などの黒色材料について、550nm・950nm・1500nm での全半球反射率(入射角8°、JIS Z 8722 準拠、外部の試験機関で測定した代表値)を比較表で公開している |
| ファインシャット | 光学機器の内部の迷光対策の材料。550nm での反射率は0.5〜1.2%、厚みは0.2〜0.71mm。JAXA 相模原キャンパスの地上望遠鏡にも採用されたとしている |
| 形と波長で選ぶ | 貼る・切り出す・塗る・敷くの4つの形があり、レーザーカットで試作から量産まで加工する。使う波長と環境の条件を伝えると、素材の組み合わせを提案するとしている |
比較表では、可視光で0.3%の起毛布でも、1500nm では43.7%になる例があります。近赤外のセンサーでは、使う波長での値を確かめて選びます。
光陽オリエントジャパンが解決できる課題
- カメラやセンサーの鏡筒の中の迷光を減らしたい
- 近赤外の波長でも黒い(反射の少ない)材料がほしい
- 貼れない複雑な形の部品に、黒い塗料で対策したい
出典:反射防止材の選定ガイド|暗素研、ファインシャット|暗素研、会社概要|光陽オリエントジャパン
株式会社LABOPT|ゴースト・フレアの光学設計
LABOPTとは
LABOPT は、愛知県長久手市に本社を置く、2024年設立の会社です(資本金300万円)。光学機器の開発・設計・試作と、光学技術のコンサルティングを行っています。

LABOPTの得意技術
| 技術 | 内容 |
|---|---|
| ゴースト設計 | ゴーストは迷光の一種で、レンズの表面で何回か反射した光がカメラに届く現象と説明し、レンズの形を直しながらゴーストの照度を下げる設計を行う |
| フレアの対策 | 鏡筒の表面で反射した光によるフレアは、鏡筒の中にバッフルや遮光線を入れて減らすとしている |
| 使うソフトと納品 | レンズ設計に OpTaliX、ゴースト設計に OpTaliX または FRED、鏡筒設計に Autodesk Fusion を使い、設計データや dxf・STEP で納品する |
照明機器の開発(レンズ設計、LED の選定、放熱設計、試作)や、耐環境性を考えた光学設計も行っています。初回の相談は無料で、具体的な検討は有償としています。
LABOPTが解決できる課題
- カメラ・センサーのゴーストやフレアを、設計の段階で減らしたい
- 迷光の原因が、レンズの面か鏡筒かを切り分けたい
- 光の照射範囲や照度のむらを、レンズで制御したい
選ぶ前に確かめる条件
メーカーに相談する前に、次の条件を整理しておくと、話が早くなります。
- 困っている現象(映り込み、透過する光の不足、ゴースト・フレア、迷光による誤検出)と、どこまで減らしたいか(反射率の目標)
- 使う光の波長の範囲(可視光だけか、近赤外・紫外を含むか、レーザーの単一の波長か)
- 光が入る角度・見る角度の範囲(正面だけか、斜めからもか)
- 基材(ガラス、樹脂、結晶)と、形・大きさ(平面か曲面か、フィルムを貼れるか)
- 使う環境(屋外、温度、紫外線、薬品、こすれ、指紋などの汚れ、拭き取りの方法)
- 片面か両面か。貼り合わせる面や、ほかの膜(防汚、撥水、ハードコート)との組み合わせ
- 迷光の対策なら、光源とセンサーの位置、鏡筒や部品の図面、今の内面の仕上げ
- 数量(試作か量産か)、納期、予算
関連する課題
この課題に関係する分野・技術・製品のページ
※アイキャッチ画像は、AI(ChatGPT)で生成したイメージです。実在の製品ではありません。
情報の確認日:2026年9月29日





