長さの単位とは(m・mm・μm・nm の換算、インチとの違い、メートルの定義)

作業台の上の目盛り付きの金属の定規と、小さなピンをはさんだマイクロメーター、ピンの表面の細かい加工の筋を拡大した円のイメージ

長さの単位とは、長さを数で表すときの「ものさしの1目盛り」です。ものづくりでは、装置の大きさは m、部品の寸法は mm、加工の精度や表面の粗さは μm(マイクロメートル)、薄い膜は nm(ナノメートル)と、同じ「メートル」に接頭語を付けて使い分けます。このページでは、メートルの決め方、mm・μm・nm の換算、インチなどメートル以外の単位、図面や配管での使われ方を順に説明します。

目次

長さの単位とは:ひとことで言うと

長さの単位

世界共通の長さの単位はメートル(m)です。国際単位系(SI)の7つの基本単位の1つで、日本の計量法でもメートルを使います。mm や μm は、メートルに「1/1,000」「1/1,000,000」を表す接頭語を付けた単位です。

1メートル、1ミリメートル、0.01ミリメートル、1マイクロメートル、1ナノメートルを上から順に並べ、ものづくりでどんな所に使うかを示した図
図1 ものづくりで使う長さの単位(使う場面は編集部がまとめた目安)
出典:ウィキペディア日本語版「メートル」、ウィキペディア日本語版「SI接頭語」をもとに AI(Claude)で作成

同じ部品でも、何を見るかで使う単位が変わります。外形は mm で、穴と軸のすき間(はめあい)は 0.01 mm や μm の桁で、表面の凹凸(表面粗さ)は μm で表します。桁が 1,000 倍ずつ違うので、単位を取り違えると大きな間違いになります。

出典:メートル|ウィキペディア日本語版、SI接頭語|ウィキペディア日本語版

メートルはどう決められているか

光源から出た光が1/299,792,458秒の間に進む距離が1メートルであることを示す図
図2 いまのメートルの定義
出典:ウィキペディア日本語版「メートル」、BIPMをもとに AI(Claude)で作成

いまの1メートルは、光が真空中で 1/299,792,458 秒の間に進む距離です。1983年の第17回国際度量衡総会でこの形に決まりました。2019年の SI の改定からは、光の速さを c = 299,792,458 m/s とちょうどの値で決め、そこからメートルを決める書き方になっていますが、メートルの決め方は2019年5月から今の書き方になりました(ウィキペディア日本語版「メートル」)。1983年の定義と、長さそのものは変わりません(編集部の補足)。

光の速さを「決めた値」にしたので、時間(秒)を正確に測れれば、長さも正確に決められます。秒はセシウム原子の出す電磁波の周波数で決められています。

出典:メートル|ウィキペディア日本語版、Resolution 1 of the 17th CGPM (1983): Definition of the metre|BIPM

メートルの決め方の移り変わり

1790年代の地球の大きさ、1889年の国際メートル原器、1960年のクリプトン86の光の波長、1983年の光の速さという、メートルの定義の移り変わりを示す年表
図3 メートルの定義の移り変わり
出典:ウィキペディア日本語版「メートル」をもとに AI(Claude)で作成
年決め方
1791年パリを通る子午線の、北極から赤道までの距離の1,000万分の1とする案が認められた(1799年に白金の原器)
1889年第1回国際度量衡総会で、白金とイリジウムの合金でできた「国際メートル原器」の2本の線の間を1メートルとした
1960年第11回総会で、クリプトン86 が出す光の波長の 1,650,763.73 倍を1メートルとした
1983年第17回総会で、光が真空中で 1/299,792,458 秒に進む距離を1メートルとした

はじめは地球の大きさ、次は金属のものさし(原器)でした。原器は1本しかなく、使ううちに変わるおそれもあります。そこで どこでも同じように作り出せる、光の波長、さらに光の速さへと決め方が変わってきました(ウィキペディア日本語版「メートル」)。

出典:メートル|ウィキペディア日本語版

mm・μm・nm:接頭語と換算

キロメートル、メートル、ミリメートル、マイクロメートル、ナノメートルを横に並べ、右へ1つ進むごとに1000分の1になることを示した図
図4 長さの接頭語は 1,000 倍ごと
出典:ウィキペディア日本語版「SI接頭語」をもとに AI(Claude)で作成
単位読み方メートルで表すとミリメートルで表すと
kmキロメートル1,000 m(10³ m)1,000,000 mm
mメートル1 m1,000 mm
cmセンチメートル0.01 m(10⁻² m)10 mm
mmミリメートル0.001 m(10⁻³ m)1 mm
μmマイクロメートル0.000 001 m(10⁻⁶ m)0.001 mm
nmナノメートル10⁻⁹ m0.000 001 mm
pmピコメートル10⁻¹² m0.000 000 001 mm

k(キロ)は10³、m(ミリ)は10⁻³、μ(マイクロ)は10⁻⁶、n(ナノ)は10⁻⁹、p(ピコ)は10⁻¹² を表します(ウィキペディア日本語版「SI接頭語」)。1 mm = 1,000 μm、1 μm = 1,000 nm と覚えておくと、ほとんどの換算ができます。接頭語は2022年の第27回国際度量衡総会で、ロナ(10²⁷)・クエタ(10³⁰)・ロント(10⁻²⁷)・クエクト(10⁻³⁰)の4つが足されました。

出典:SI接頭語|ウィキペディア日本語版

「ミクロン」は今は使わない

現場では μm を「ミクロン」と呼ぶことがあります。ミクロンはかつてマイクロメートルの代わりに使われていた名前ですが、今は SI でも計量法でも認められていない単位です(ウィキペディア日本語版「メートル」)。書類や図面には μm(マイクロメートル)と書きます。

換算の例

もとの値換算答え
0.02 mm× 1,00020 μm
3.2 μm÷ 1,0000.0032 mm
500 nm÷ 1,0000.5 μm
1.5 m× 1,0001,500 mm

(換算は編集部の計算)小さい単位に直すときは 1,000 を掛け、大きい単位に直すときは 1,000 で割ります。

メートル以外の長さの単位

インチ・フィート(ヤード・ポンド法)

ミリメートルの目盛りの定規の下に1インチから4インチの位置を示し、1インチ25.4mm、1フィート304.8mm、1ヤード914.4mm、1マイル1609.344mの換算表を添えた図
図5 インチとミリメートル(フィート・マイルは編集部の計算)
出典:ウィキペディア日本語版「インチ」をもとに AI(Claude)で作成

アメリカなどで使うヤード・ポンド法の長さの単位です。1 インチ = 25.4 mm ちょうどと決まっています。これは、アメリカ・イギリスなど6か国が1ヤードを 0.9144 m とした協定によるもので、1959年7月1日から使われています(ウィキペディア日本語版「インチ」)。1 フィート = 12 インチ = 304.8 mm、1 ヤード = 3 フィート = 914.4 mm です。1 マイル(1,760 ヤード)は 1,609.344 m になります(編集部の計算)。

ものづくりでは、インチねじ、配管の呼び径の B 呼称(下の節)、ディスプレイの画面サイズなどにインチが残っています。インチのねじについては基礎知識:ねじ山で説明しています。

mil(ミル)・thou(サウ)

1/1,000 インチのことで、1 mil = 0.0254 mm = 25.4 μm です。英語圏では、フィルム・箔・塗膜などの薄いものの厚さや、加工の公差の表示に使われます(Wikipedia 英語版「Thousandth of an inch」)。海外の資料で「2 mil のフィルム」とあれば、約 51 μm(編集部の計算)です。

尺(尺貫法)

日本で昔から使われてきた単位で、1 尺 = 10/33 m(約 303 mm)です(計量法施行法による。ウィキペディア日本語版「尺貫法」)。計量法により、取引や証明に尺貫法を使えるのは原則 1958年12月31日まで(土地・建物は 1966年3月31日まで)とされました(ウィキペディア日本語版「尺貫法」)。

出典:インチ|ウィキペディア日本語版、Thousandth of an inch|Wikipedia(英語版)、尺貫法|ウィキペディア日本語版

ものづくりでの長さの単位

図面の寸法は mm で書き、単位を付けない

幅50、高さ18、穴の直径φ16と寸法だけが書かれた部品の図と、それぞれがミリメートルの値であることを示した図
図6 図面の寸法の読み方(寸法は説明のための例)
出典:MONOistをもとに AI(Claude)で作成

機械製図(JIS B 0001)では、長さの寸法はミリメートルで書き、単位記号 mm は付けません(MONOist の解説)。図面に「50」とあれば 50 mm です。ほかの単位を使うときだけ、単位を書き添えます。公差の決め方は課題:図面の公差を適切に決めたいと基礎知識:公差・はめあいで扱っています。

出典:2D図面の“一義性”を考える【その6】寸法数値/配置と寸法補助記号|MONOist

配管の呼び径:A(mm)と B(インチ)

A 呼称B 呼称外径(JIS の寸法)
25A1B34 mm
50A2B60.5 mm

配管の太さは「呼び径」で表し、mm 系の A 呼称と、インチ系の B 呼称があります。25A と 1B は同じ太さの管です。呼び径の数字は実際の外径とは大きく違い、規格で決められているのは外径です。25A の管の外径は 34 mm です(ウィキペディア日本語版「呼び径」)。継手やバルブを選ぶときは、呼び径の数字と実際の外径を取り違えないようにします。配管の規格は技術:配管(継手・フランジ・材質と規格)にまとめています。

出典:呼び径|ウィキペディア日本語版

小さい長さを測る道具

0.01 mm の桁はマイクロメーター、0.05 mm や 0.02 mm の桁はノギスで読みます(読み方は技術:ノギス・マイクロメーター・ダイヤルゲージの使い方と読み方)。μm の桁になると、温度による伸び(基礎知識:線膨張係数)や測定器の誤差(基礎知識:誤差)も効いてきます。

よくある質問

長さの単位を小さい順に教えてください

よく使うものでは、nm(ナノメートル)< μm(マイクロメートル)< mm(ミリメートル)< cm(センチメートル)< m(メートル)< km(キロメートル)です。m と cm の間は 100 倍、cm と mm の間は 10 倍で、ほかは 1,000 倍ずつ違います。

1 mm は何 μm ですか

1 mm = 1,000 μm です。逆に 1 μm = 0.001 mm です。

1 インチは何 mm ですか

1 インチ = 25.4 mm ちょうどです。インチの値に 25.4 を掛けると mm になります。

長さの基本単位は何ですか

国際単位系(SI)の長さの基本単位はメートル(m)です。いまは、光が真空中で 1/299,792,458 秒に進む距離として決められています。

出典

  1. メートル|ウィキペディア日本語版
  2. SI接頭語|ウィキペディア日本語版
  3. Resolution 1 of the 17th CGPM (1983): Definition of the metre|BIPM
  4. インチ|ウィキペディア日本語版
  5. Thousandth of an inch|Wikipedia(英語版)
  6. 尺貫法|ウィキペディア日本語版
  7. 2D図面の“一義性”を考える【その6】寸法数値/配置と寸法補助記号|MONOist
  8. 呼び径|ウィキペディア日本語版

※図は、出典の説明をもとに編集部がまとめた模式図です。換算の数値は編集部の計算です。

※アイキャッチ画像は、AI(ChatGPT)で生成したイメージです。実在の製品・装置ではありません。

情報の確認日:2026年11月6日

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